第70回都市対抗野球大会(だい70かいとしたいこうやきゅうたいかい)は、1999年7月23日から8月2日まで東京ドームで開かれた都市対抗野球大会である。

概要

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  • NTTの再編により、この年から各地11箇所に点在していたNTTチームはNTT東日本NTT西日本にまとめられる予定であったが、70回の記念大会を開催するにあたり、日本野球連盟が当大会まで各地方のチームを残してほしいと要望し、NTT側もこれを受け入れたため、NTT東京から衣替えしたNTT東日本とNTT関西から衣替えしたNTT西日本以外の9チームは本社支援を受ける最後の大会となった。このうちNTT北海道NTT北陸NTT九州が予選を突破して本大会に出場した。一方でNTT東日本は危なげなく東京第1代表となったが、NTT西日本は予選で敗退した。大会終了後、各地方のチームはクラブチーム化もしくは廃部となった。
  • この他、川崎市本社チームに統合される府中市東芝府中と、経営事情から休部が発表された伊丹市小西酒造が最後の夏に本大会出場を決めた。
  • 初出場チームがない実力派同士の戦いとなった大会は長崎市三菱重工長崎川崎市東芝の決勝となり、8年前の大会と同じ決勝の顔合わせとなったが、東芝がリベンジに燃える三菱重工長崎を12点差完封と返り討ちにし、8年ぶり5回目の優勝を飾った。
  • この年日産自動車の社長に就任したカルロス・ゴーンが2回戦の日産自動車-東芝府中戦を視察に訪れ、スタンドの応援団と観客の盛り上がりに感銘を受け、試合終了後には応援団の陣取るスタンドに上がって日本語で挨拶、観客の喝采を浴びた。ゴーンはその直後に記者会見を開き、当時存廃問題が取りざたされていた野球部の存続を明言した。

出場チーム

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出場枠 都市 チーム 出場回数
北海道第1 苫小牧市 王子製紙苫小牧 2年ぶり10回目
北海道第2 札幌市 NTT北海道 4年連続15回目
東北第1 仙台市 JR東日本東北 2年連続16回目
東北第2 仙台市 JT 4年連続8回目
東北第3 仁賀保町 TDK 2年ぶり6回目
北信越 金沢市 NTT北陸 4年連続14回目
北関東 日立市 日立製作所 5年連続25回目
南関東第1 和光市 本田技研 3年ぶり28回目
南関東第2 浦和市 日本通運 2年ぶり27回目
南関東第3 千葉市 川崎製鉄千葉 3年連続12回目
東京第1 東京都 NTT東日本 3年連続28回目
東京第2 東京都 JR東日本 9年ぶり6回目
東京第3 府中市 東芝府中 3年連続12回目
神奈川第1 横須賀市 日産自動車 3年連続21回目
神奈川第2 川崎市 東芝 6年連続25回目
神奈川第3 横浜市 日石三菱 3年ぶり39回目
出場枠 都市 チーム 出場回数
静岡第1 浜松市 河合楽器 2年連続25回目
静岡第2 浜松市 ヤマハ 3年ぶり24回目
東海第1 名古屋市 三菱重工名古屋 2年ぶり16回目
東海第2 岐阜市 昭和コンクリート 4年連続4回目
東海第3 春日井市 王子製紙春日井 2年ぶり3回目
京滋奈 京都市 日本新薬 2年連続18回目
阪和第1 大阪市 日本生命 10年連続42回目
阪和第2 門真市 松下電器 2年ぶり36回目
阪和第3 大阪市 大阪ガス 2年連続11回目
兵庫第1 伊丹市 小西酒造 3年連続10回目
兵庫第2 神戸市 三菱重工神戸 2年ぶり19回目
中国第1 倉敷市 三菱自動車水島 2年連続5回目
中国第2 広島市 三菱重工広島 3年ぶり7回目
四国 高松市 JR四国 4年ぶり3回目
九州第1 熊本市 NTT九州 5年ぶり18回目
九州第2 長崎市 三菱重工長崎 2年ぶり8回目

大会

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1回戦

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
松下電器 3 0 0 0 0 0 0 1 1 5
川崎製鉄千葉 0 0 0 0 1 0 0 1 0 2

勝:愛敬 敗:須合 本:宮崎、山崎(以上松下)、木田(千葉)、山田、山口(以上松下)
※松下電器・宮崎昌樹二塁手は開幕試合の先頭打者ホームラン(史上初)を記録

  • 第2試合(7月23日)-7回コールド
1 2 3 4 5 6 7
NTT東日本 0 5 3 3 4 2 3 20
三菱重工神戸 0 3 0 0 1 0 1 5

勝:梅原 敗:木林 本:池葉(NTT東)、秋山、松山(以上神戸)、小屋(NTT東)、大川(神戸)、沖原(NTT東)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
TDK 0 3 0 1 0 0 2 1 0 7
三菱自動車水島 1 1 2 0 0 0 2 2 X 8

勝:斎賀 敗:野田 本:夷塚(TDK)、根岸(水島)

  • 第4試合(7月24日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
王子製紙春日井 0 0 0 0 1 0 5 0 0 6
本田技研 0 0 0 1 0 2 0 0 0 3

勝:家接 敗:恩田 本:深沢(春日井)

  • 第5試合(7月24日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日立製作所 0 2 1 1 1 0 0 0 0 5
JR東日本東北 1 0 3 0 0 0 0 0 0 4

勝:原田 敗:盛 本:大塚、丹野(以上JR東北)、阿久沢(日立)

  • 第6試合(7月24日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
NTT北陸 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1
日本新薬 0 0 1 0 0 2 0 2 X 5

勝:田村 敗:桜井 本:森本(新薬)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
昭和コンクリート 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
NTT九州 1 1 0 1 0 0 1 1 X 5

勝:徳留 敗:西池 本:渡辺(NTT九)、奥山(昭和)、石井、高峰(以上NTT九)

  • 第8試合(7月25日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
王子製紙苫小牧 0 0 0 2 0 0 1 0 0 3
東芝 1 2 0 0 0 0 1 1 X 5

勝:須田 敗:武田 本:山本2、内田、斎藤(以上東芝)

  • 第9試合(7月25日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日産自動車 1 1 0 2 3 0 0 0 2 9
日本生命 0 2 1 0 0 0 4 1 0 8

勝:谷村 敗:土井 本:村上、小山、藤澤、上島(以上日産)、天野(日生)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
JT 0 1 0 0 0 0 0 2 0 3
東芝府中 1 1 0 1 0 2 0 0 X 5

勝:戸部 敗:金沢 本:平馬(府中)、原野(JT)、安田(府中)、三瓶(JT)

  • 第11試合(7月26日)-延長10回
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
JR四国 0 0 0 1 0 1 0 1 0 2 5
小西酒造 0 0 0 1 0 0 0 1 1 0 3

勝:津野 敗:鈴木 本:大川2(JR四)

  • 第12試合(7月26日)-延長10回
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ヤマハ 0 0 0 0 1 0 1 1 0 1 4
日本通運 1 1 0 0 0 0 0 1 0 0 3

勝:筒井 敗:高橋 本:飛弾野(ヤマハ)、牧田(日通)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
河合楽器 0 0 1 1 0 2 1 0 0 5
三菱重工広島 0 0 1 1 0 2 1 0 1x 6

勝:上野 敗:尾崎 本:国只2(広島)、西野、深谷(以上河合)

  • 第14試合(7月27日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工長崎 2 0 0 1 1 0 1 4 0 9
大阪ガス 3 0 0 0 0 4 0 1 0 8

勝:後藤 敗:山田 本:村上竜(長崎)、澤多(大ガス)、伊藤(長崎)

  • 第15試合(7月27日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
JR東日本 2 1 0 0 0 1 3 0 2 9
三菱重工名古屋 1 0 4 5 2 0 0 0 X 12

勝:加納 敗:筒井 本:青山(名古屋)、高見沢、高根沢(以上JR東)

  • 第16試合(7月28日)-7回コールド
1 2 3 4 5 6 7
NTT北海道 0 0 0 0 0 0 0 0
日石三菱 2 3 0 7 1 0 X 13

勝:巴田 敗:杉之原 本:軽部2(日石)

2回戦

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  • 第1試合(7月28日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
松下電器 6 0 1 1 0 0 0 0 0 8
NTT東日本 0 1 0 1 1 1 0 0 0 4

勝:愛敬 敗:幡野 本:田中善(NTT東)、山崎(松下)、高橋(NTT東)

  • 第2試合(7月28日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱自動車水島 1 0 0 0 0 0 0 2 3 6
王子製紙春日井 0 0 0 2 0 0 1 0 0 3

勝:斎賀 敗:岩下 本:深沢2(春日井)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
日立製作所 2 0 0 3 1 0 0 0 0 6
日本新薬 0 0 0 0 0 2 1 0 0 3

勝:田本 敗:田村 本:砂塚(日立)、中野、森本、上野(以上新薬)

  • 第4試合(7月29日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
東芝 1 0 1 0 0 0 2 1 2 7
NTT九州 0 2 0 1 0 1 0 0 2 6

勝:銭場 敗:玉野 本:工藤、中村、鈴木(以上東芝)

  • 第5試合(7月29日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日産自動車 0 4 1 0 0 0 0 0 1 6
東芝府中 0 1 1 0 0 1 0 0 0 3

勝:アヘテ 敗:清水 本:藤澤(日産)、野夫井(府中)、鷹野(日産)、川崎2(府中)、小山(日産)

1 2 3 4 5 6 7 8 9
ヤマハ 1 1 3 1 0 4 0 0 1 11
JR四国 1 0 0 1 1 0 0 0 0 3

勝:田中 敗:高橋 本:安田、鈴木(以上ヤマハ)、亀井(JR四)

  • 第7試合(7月30日)-8回コールド
1 2 3 4 5 6 7 8
三菱重工長崎 0 1 4 1 0 3 0 2 11
三菱重工広島 0 0 0 0 0 0 0 0 0

勝:松本 敗:礒田 本:伊藤、小川、貝塚(以上長崎)

  • 第8試合(7月30日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工名古屋 0 0 0 1 0 0 3 0 0 4
日石三菱 2 2 2 1 0 1 0 2 X 10

勝:馬場 敗:山北 本:横川(日石)、亀山(名古屋)、軽部(日石)

準々決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
松下電器 0 0 0 0 0 0 1 0 2 3
三菱自動車水島 0 1 0 2 0 4 0 2 X 9

勝:岡 敗:中窪 本:田頭、今井、高橋(以上水島)、山崎(松下)

  • 第2試合(7月31日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日立製作所 0 0 0 0 0 0 0 1 1 2
東芝 0 0 5 2 0 1 0 0 X 8

勝:須田 敗:俵 本:桑元、中野順(以上東芝)、恒吉(日立)

  • 第3試合(7月31日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
日産自動車 0 1 0 0 0 1 0 0 1 3
ヤマハ 0 1 1 0 0 0 0 0 2x 4

勝:室田 敗:アヘテ

  • 第4試合(7月31日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工長崎 0 0 0 1 4 6 0 2 0 13
日石三菱 2 0 3 0 0 0 0 2 0 7

勝:竹下 敗:涌沢 本:軽部、梶山(以上日石)、今村、原田、柴田(以上長崎)

準決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱自動車水島 0 1 0 0 0 0 1 0 0 2
東芝 0 0 0 0 6 0 0 0 X 6

勝:高橋 敗:斎賀 本:田頭2(水島)、斉藤(東芝)

  • 第2試合(8月1日)
1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工長崎 1 0 4 1 3 0 0 0 1 10
ヤマハ 1 0 2 2 1 0 0 0 1 7

勝:松本 敗:岡本 本:神谷、今村(以上長崎)、佐藤(ヤマハ)

決勝

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1 2 3 4 5 6 7 8 9
三菱重工長崎 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
東芝 4 1 1 0 0 6 0 0 X 12

勝:須田 敗:後藤 本:工藤、桑元、中村、鈴木(以上東芝)
(東芝は8年ぶり5回目の優勝)

表彰選手等

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  • 橋戸賞 須田喜照投手(東芝)
  • 久慈賞 伊藤大輔外野手・指名打者(三菱重工長崎)
  • 小野賞 倉敷市・三菱自動車水島チーム
  • 若獅子賞 斎賀慎一郎投手(三菱自動車水島)、辻竜太郎中堅手(ヤマハ)、愛敬尚史投手(松下電器)
  • 首位打者賞 鈴木理男遊撃手(ヤマハ)
  • 大会優秀選手
    • 投手
    須田喜照(東芝)
    高橋尚成(東芝)
    斎賀慎一郎(三菱自動車水島)
    岡政裕(三菱自動車水島)
    岡本真也(ヤマハ)
    愛敬尚史(松下電器)
    原田洋(日立製作所(住友金属鹿島))
    オマール・アヘテ(日産自動車(いすゞ自動車))
    • 捕手
    中野順二(東芝)
    貝塚政秀(三菱重工長崎)
    • 一塁手
    神谷善治(三菱重工長崎(沖縄電力))
    山路哲生(ヤマハ)
    軽部洋祐(日石三菱)
    深沢英俊(王子製紙春日井)
    • 二塁手
    工藤賢二(東芝)
    村上和幸(三菱重工長崎)
    佐藤修司(ヤマハ)
    • 三塁手
    鈴木肇(東芝)
    田頭欣士(三菱自動車水島)
    • 遊撃手
    鈴木理男(ヤマハ)
    田原隆三郎(松下電器)
    木下俊生(日石三菱)
    • 外野手
    斉藤裕次郎(東芝(三菱重工横浜))
    今村直樹(三菱重工長崎(日産自動車九州))
    根岸弘(三菱自動車水島)
    辻竜太郎(ヤマハ)
    山崎隆広(松下電器(NTT西日本))
    恒吉成樹(日立製作所)
    鷹野史寿(日産自動車)
    梶山義彦(日石三菱(三菱自動車川崎))
    • 指名打者
    印出順彦(東芝)
    伊藤大輔(三菱重工長崎)
  • 10年連続出場表彰選手
奥村剛内野手(東芝府中(プリンスホテル))
桑元孝雄内野手(東芝(三菱自動車川崎))
旗手浩二内野手(王子製紙春日井(本田技研鈴鹿))
岡隆博捕手(日本生命)
空木秀之外野手(三菱重工神戸(新日鐵広畑))
芝和彦捕手(JR四国(NTT四国))
  • 応援団コンクール
    • 最優秀賞 東芝
    • 優秀賞 松下電器
    • 敢闘賞 日産自動車
    • 特別賞 該当なし