高山啓義

日本のサッカー審判員

高山 啓義(たかやま ひろよし、1974年3月18日 - )は、栃木県出身のサッカー審判員。元国際審判員。

高山 啓義
個人情報
誕生日 (1974-03-18) 1974年3月18日(50歳)
出身地 日本の旗 日本
神奈川県
他職業 教諭高等学校
国内
リーグ 役割
2000 - 2002 Jリーグ 副審
2002 - Jリーグ 主審
国際
リーグ 役割
2004 - 2014 FIFA登録 主審

経歴 編集

宇都宮北高校国士舘大学卒業。1999年11月に1級審判員として登録され、2000年から副審として日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の審判員を担当。2002年からはJ2リーグの、2003年からはJ1リーグの主審を担当している。2019年4月20日に行われた2019明治安田生命J1リーグ第8節・清水エスパルスセレッソ大阪戦でJ1通算主審担当200試合を達成した(史上11人目)[1]。しかし、長らく審判員を務めていながら、国際審判員には登録されたものの、プロフェッショナルレフェリーとは縁がなくキャリアを過ごしている。プロフェッショナルレフェリー契約を結んでいないレフェリーがJ1の試合を200試合以上を担当したのは現在のところ高山が唯一である。

2004年から2014年までは、国際審判員として登録され、2006年カタールドーハで行われたアジア大会の男子決勝カタールイラクの主審を務めた。

普段は栃木県内で高等学校の教諭を務めており、2018年時点では栃木県立宇都宮清陵高等学校でサッカー部の監督を務めている[2]。同じくサッカー審判員である吉田寿光と共に、栃木県立石橋高等学校にて同時期に教員を務めていたことがある。

経歴 編集

エピソード 編集

  • 若い頃の高山のジャッジスタンスとしては、試合をコントロールするためではなく、判定に対する抗議などで自らが感情的になってカードを頻繁に出す傾向があり、2004年5月9日清水エスパルスセレッソ大阪戦では当時Jリーグ最多記録となる一試合13枚のイエローカードを提示した。(レッドカード2枚)
  • 2015年6月6日、アビスパ福岡徳島ヴォルティス戦において、プレー中に倒れ込んだ福岡の酒井宣福(父親が日本人、母親がドイツ人のハーフ)に「Are you OK?」と英語で問いかけ、これに酒井が「大丈夫です」と日本語で返すと「なんだ、お前、日本語を話せるんだ」と笑いながら応じたと報じられた。酒井の所属する福岡は、これを「差別的発言とも取れる」として問題視し、Jリーグに意見書を提出。高山はマッチコミッショナーの聴取に対し発言を否定した[8]
  • 2021年2月27日、湘南ベルマーレサガン鳥栖戦において、前半39分に湘南の岡本拓也がこぼれ球を押し込んでゴールネットを揺らすが、高山は直前に山田直輝のハンドがあったとしてノーゴールの判定。これに対して高山が鳥栖GK朴一圭に「よく見てたでしょ?」と声掛け、グータッチをする場面が見られた。このシーンをJリーグ公式YouTubeチャンネルが取り上げ[9]、選手と笑顔でコミュニケーションを取り、ゴール前混戦の難しい判定をしたことから動画内のコメントにも賞賛が集まった[10]。このように、若い頃はミスジャッジが目立っていたものの、ここ数年は安定したジャッジを構築しており、提示するカードの数も少なくなっている。

個人成績 編集

国内大会個人成績
年度 J1 J2 J3 リーグ杯 天皇杯
主審副審 主審副審 主審副審 主審副審 主審副審
2000 0 0 0 10 - 0 0 0 0
2001 0 5 0 7 - 0 2 0 0
2002 0 6 9 0 - 0 3 0 0
2003 11 0 3 0 - 2 0 1 0
2004 10 0 2 0 - 1 0 1 0
2005 16 0 0 0 - 3 0 1 0
2006 18 0 0 0 - 3 0 1 0
2007 16 0 0 0 - 4 0 1 0
2008 15 0 1 0 - 3 0 1 0
2009 14 0 5 0 - 2 0 3 0
2010 13 0 8 0 - 3 0 4 0
2011 12 0 6 0 - 0 0 3 0
2012 16 0 9 0 - 0 0 2 0
2013 13 0 6 0 - 1 0 4 0
2014 15 0 11 0 0 0 3 0 3 0
2015 12 0 6 0 0 0 1 0 2 0
2016 10 0 11 0 0 0 3 0 0 0
2017 6 0 13 0 0 0 1 0 2 0
2018 1 0 17 0 0 0 0 0 2 0
2019 9 0 8 0 0 0 3 0 3 0
2020 8 0 11 0 0 0 1 0 0 0
2021
通算 215 11 126 17 0 0 34 5 34 0
JFL個人成績
年度 主審 副審
2000 0 5
2001 8 0
通算 8 5
  • その他の国内公式戦
    • 全国高等学校サッカー選手権
    • 関東大学サッカーリーグ

決勝担当 編集

開催年月日 大会 対戦カード 結果 会場 担当
2005年1月10日 第84回全国高等学校サッカー選手権大会 鹿児島実 市立船橋
0-0

(PK4-2)
国立競技場 主審
2006年1月9日 第85回全国高等学校サッカー選手権大会 野洲 鹿児島実
2-1
国立競技場 主審
2010年11月3日 2010 Jリーグヤマザキナビスコカップ ジュビロ磐田 サンフレッチェ広島
5-3
国立競技場 主審
2013年12月7日 中国FAカップ 広州恒大 貴州人和
2-1
天河体育中心体育場 主審
2015年12月2日 明治安田生命2015Jリーグチャンピオンシップ ガンバ大阪 サンフレッチェ広島
2-3
万博記念競技場 第4審
2022年10月5日 第77回国民体育大会 サッカー競技 岐阜県 大分県
0-1
栃木県グリーンスタジアム 第4審

脚注 編集

  1. ^ 2019明治安田生命J1リーグ 第8節 Jリーグ担当審判員 高山 啓義 氏 J1通算主審担当200試合達成』(プレスリリース)日本プロサッカーリーグ、2019年4月20日https://www.jleague.jp/release/post-58365/2019年4月23日閲覧 
  2. ^ “高校新人サッカー、決勝審判にも高校生 清陵高2年・藤田君、栃木県内で初”. 下野新聞. (2018年2月22日). https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/11493 2019年5月19日閲覧。 
  3. ^ J. League Data Site”. data.j-league.or.jp. 2021年9月19日閲覧。
  4. ^ “J2C大阪・香川2発!7節ぶりの首位奪取に笑顔 主審の判定に激怒、指揮官は会見キャンセル”. スポニチアネックス. (2009年6月29日). http://www.sponichi.co.jp/osaka/socc/200906/29/socc221657.html 
  5. ^ J.League Data Site 2009Jリーグ ディビジョン2 第24節第2日 水戸-C大阪
  6. ^ “Jで誤審、該当主審に割り当て外す処分”. nikkansports.com. (2009年8月24日). https://www.nikkansports.com/soccer/news/f-sc-tp0-20090824-535006.html 
  7. ^ “山瀬退場の高山主審が誤審で割り当て停止に”. ゲキサカ (講談社). (2009年8月24日). http://web.gekisaka.jp/news/detail/?58534-41476-fl 2015年6月10日閲覧。 
  8. ^ “日独ハーフのMF酒井に主審が差別的発言 J2福岡が意見書提出へ”. スポニチアネックス. (2015年6月10日). https://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2015/06/10/kiji/K20150610010513970.html 
  9. ^ 高山主審「よく見てたでしょ」からの朴 一圭とのグータッチ! - YouTube(Jリーグ公式)
  10. ^ 主審の“ほっこりシーン”に脚光 絶妙なノーゴール判定で一言「よく見てたでしょ」”. Football Zone Web (2021年3月1日). 2022年1月3日閲覧。