KIX-S
1990年代の日本の音楽グループ
KIX-S(キックス)は、1990年代に活躍した、渡辺音楽出版とビーイングの共同プロデュースによる日本の音楽グループ。音楽性はシンセサイザーを大胆に導入したハードロックである。1980年代末からヒットを飛ばしていたB'zの女性版として企画され、MANISH等と共に1990年代前半のビーイングブームを牽引した。1991年8月21日にアルバム『KIX-S』でデビュー。1999年7月21日に『The KIX-S 90's II 〜The BEST〜』の発売を最後に活動停止。
KIX-S | |
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ジャンル |
J-POP ロック ハードロック シンセポップ プログレッシブ・ロック ブリットポップ グランジ |
活動期間 | 1991年 - 1999年 |
レーベル |
アポロン (1991年 - 1996年) RCAアリオラジャパン (1997年) テイチク / BAiDiS (1999年) |
事務所 | 渡辺プロダクション |
共同作業者 |
ファンキー末吉 (ドラム、編曲) 吉田建 (ベース、編曲) 西脇辰弥 (キーボード、編曲) |
メンバー |
浜口司(ボーカル) 安宅美春(ギター・コーラス) |
メンバー編集
名前 | パート | 生年月日 | 出身地 | 血液型 |
---|---|---|---|---|
浜口司 (はまぐち つかさ) |
ボーカル 作詞 |
1971年4月14日(52歳) | 大阪府泉大津市 | O型 |
安宅美春 (あたか みはる) |
ギター 作曲 |
1968年2月28日(55歳) | 石川県金沢市 | AB型 |
来歴編集
- 渡辺プロダクション(ナベプロ)とビーイングの共同プロデュースによって原盤制作やプロモートをしていたが、1995年以降は渡辺音楽出版が全てを仕切るようになった。
- グループ名の由来について、ボーカルの浜口は「KIXは“KICK”で、時代をキックするという意味。C(K)をXにしたのは永遠とか無限大といった意味を持たせるため。Sは二人でやっているので複数形の-S」と、テレビ朝日『ミュージックステーション』に初出演した際に語っているが、実際は事務所社長の渡辺ミキと音楽プロデューサーの長戸大幸が、打ち合わせに利用していた渡辺プロダクションが当時西武渋谷店内で経営していた喫茶店サイドキックス[1]から拝借され命名されている。[2]
- ファースト・シングル「また逢える…」がテレビドラマ『君のためにできること』の挿入歌となり、60万枚の売り上げとなり大ヒットする。
- ボーカルの浜口が全作詞を、ギタリストの安宅が一部楽曲を除き作曲を担当している。
- ユニットとしてデビューする前に安宅美春はB'zプロデュースによる「孤独のRunaway」で、1990年にソロデビューしている。[3]
- 浜口司もデビュー前に、近藤房之助・坪倉唯子・大黒摩季[4]・T-BOLANデビューする前の森友嵐士[5]らが参加したR&Bやソウルのカバーアルバム『ROYAL STRAIGHT SOUL』(1991年)で、「Stop! In The Name Of Love」をカバー。
- ライブでは、ふかわりょう・ローリー寺西・杏子・ファンキー末吉・バーベQ和佐田などゲストを呼ぶこともあった。
- 1997年にレコード会社をRCAアリオラジャパンへ移籍するにあたり、ユニット名をThe KIX-Sに改名。
- 1998年から1999年にかけてベスト・アルバム『The KIX-S 90's 〜The BEST〜』と『The KIX-S 90's II 〜The BEST〜』のリリース後、ユニット活動停止し事実上の解散。
- 2004年に浜口の呼びかけによりバンドK-SEEDを結成。このバンドにはグレート義太夫が参加している。
現在編集
現在は解散状態にあり、個人での活動となっている。
- 浜口は2001年、Cutting edgeから「TSUKASA☆」の名前で、CDデビューし2枚のシングルを発表する。また、ミュージカルに出演し1998年・1999年ブロードウェイミュージカル『RENT』[7]を始め、東宝ミュージカル『ブラッド・ブラザース』にミセス・ジョンストン役として2年連続出演するなど活動の幅を拡げた。
- 安宅は休業後、2005年頃から東京都杉並区と世田谷区にATAKA音楽教室をオープン。老若男女問わず多数の生徒に対してオーダーメイド方式でレッスンを行っている。公式ブログではライブ活動や卒業生のデビューライブの感想も報告されている。ATAKA音楽教室をオープン後は講師活動に専念している。
その他編集
- TBS『COUNT DOWN TV』のゲストライブ冒頭での「COUNT DOWN TVをご覧のみなさん、こんばんは ○○です」というアーティストの定番挨拶は、1993年12月25日(第37回)でKIX-Sが初めて発してから定番化した。
- 1993年1月〜9月までTBSラジオ『パックインミュージック2部』のパーソナリティを務めた。1部は奥居香(1992年4月〜12月、『スーパーギャング』から続投)、ちはる、バカルディ(現:さまぁ〜ず)(1993年1月〜9月)。
- 1994年9月4日の関西国際空港開港直前に朝日放送ラジオで放送された特番に、KIX-Sと関西国際空港の空港コード(KIX)が似ているからという理由でゲストとして招かれた。
ディスコグラフィ編集
シングル編集
発売日 | タイトル | 楽曲制作 | 最高位 | |
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1st | 1992年7月21日 | また逢える… | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:葉山たけし |
4位 |
2nd | 1993年5月17日 | 愛し過ぎてこわい | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:葉山たけし |
16位 |
3rd | 1993年11月22日 | もう一度TENDERNESS | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:葉山たけし |
23位 |
4th | 1994年2月14日 | LOVIN' YOU | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:葉山たけし |
19位 |
5th | 1994年9月28日 | 抱いて…抱きしめて | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:葉山たけし |
15位 |
6th | 1994年10月26日 | MY LIFE | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:葉山たけし |
25位 |
7th | 1995年4月17日 | NAKED WOMAN | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:高橋圭一 & KIX-S |
19位 |
8th | 1995年8月21日 | 自由に歩いて愛して | 作詞:安井かずみ 作曲:井上堯之 編曲:高橋圭一 & KIX-S |
25位 |
9th | 1995年11月13日 | LOVE IN MY LIFE | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:高橋圭一 & KIX-S |
30位 |
10th | 1996年5月21日 | Dynamite | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:高橋圭一 & KIX-S with MST |
40位 |
11th | 1996年9月21日 | MOVING ON | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:KIX-S |
23位 |
12th | 1997年4月23日 | FLOWER & FLOWER 〜はなとはな〜 | 作詞:浜口司 作曲:井上慎二郎 編曲:土橋安騎夫 |
37位 |
13th | 1997年9月3日 | DO YA! | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:ファンキー末吉 |
65位 |
14th | 1997年11月21日 | EDEN | 作詞:浜口司 作曲:安宅美春 編曲:西脇辰弥 |
圏外 |
アルバム編集
オリジナル・アルバム編集
CDは全て廃盤であるが、『sunrise』(1997年)以外はダウンロード・ストリーミングで配信されている。
発売日 | タイトル | 最高位 | |
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1st | 1991年8月21日 | KIX-S | 77位 |
2nd | 1992年1月21日 | LES=BEAT | 37位 |
3rd | 1992年6月21日 | ONE NIGHT HEAVEN | 24位 |
4th | 1992年12月14日 | VIRGINITY | 14位 |
5th | 1994年3月22日 | MOTHER | 3位 |
6th | 1995年5月15日 | BODY | 4位 |
7th | 1996年2月21日 | GORGEOUS | 6位 |
8th | 1997年12月3日 | sunrise | 41位 |
ベスト・アルバム編集
発売日 | タイトル | 最高位 | |
---|---|---|---|
1st | 1998年9月23日 | The KIX-S 90's 〜The BEST〜 | 34位 |
2nd | 1999年2月24日 | The KIX-S 90's II 〜The BEST〜 | 圏外 |
ビデオ編集
発売日 | タイトル | |
---|---|---|
1st | 1994年11月21日 | KIX-S/CLIP-S |
2nd | 1996年12月16日 | KIX-S/CLIP-S II |
タイアップ編集
楽曲 | タイアップ |
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ONE NIGHT HEAVEN | TBS『東京知恵熱ムスメ』エンディングテーマ |
また逢える… | フジテレビ系ドラマ『君のためにできること』挿入歌 |
愛し過ぎてこわい | テレビ朝日系ドラマ『ララバイ刑事'93』主題歌 |
もう一度TENDERNESS | テレビ朝日系アニメ『機動戦士Vガンダム』エンディングテーマ |
LOVIN' YOU | テレビ朝日系『お茶とUN』オープニングテーマ |
抱いて…抱きしめて | テレビ朝日系『Jリーグ A GOGO!!』テーマソング |
MY LIFE | 秩父宮賜杯 第26回全日本大学駅伝対校選手権大会テーマソング |
NAKED WOMAN | フジテレビ系『上岡龍太郎にはダマされないぞ!』エンディングテーマ |
Moon Struck | 日本テレビ系『新装開店!SHOW by ショーバイ!!』エンディングテーマ |
自由に歩いて愛して | TBS系『歌いこみ音楽隊!』エンディングテーマ |
LOVE IN MY LIFE | テレビ朝日系月曜ドラマ・イン『花嫁は16才!』挿入歌 |
Everybody! Shake It Buddy! | フジテレビ系『とれたてガバット』エンディングテーマ |
Dynamite | フジテレビ系『プロ野球ニュース』テーマソング |
MOVING ON | TBS系『COUNT DOWN TV』オープニングテーマ |
FLOWER & FLOWER 〜はなとはな〜 | フジテレビ系『木曜の怪談 '97』オープニングテーマ |
DO YA! | ASAHI「フーパーズ・フーチ」CMソング |
EDEN | オーストラリア政府観光局 CFイメージソング |
関連項目編集
- 浜口司
- 安宅美春
- 渡辺プロダクション
- 渡辺音楽出版 - KIX-Sの原盤権ならびに音楽出版権を管理。尚、音楽出版権はビーイング共同プロデュース時の楽曲は両社で共同管理。
- 渡辺ミキ - ワタナベエンターテインメントの代表取締役。
- PYG - 1995年に発表した「自由に歩いて愛して」はPYGのオリジナル曲。
- 吉田栄作 - 渡辺ミキが一番初めにプロデュースした俳優。吉田が主演ドラマの主題歌に起用された。
- 鈴里真帆 - 渡辺ミキがKIX-Sと同時期に手掛けていた歌手。関連会社のマニアマニアに所属していた。
- TRICERATOPS - 渡辺ミキがKIX-S休止後にプロデュースしたロックバンド。関連会社のマニアマニアから現在はTRINITY ARTISTに所属。
- マニアマニア - Dreamixと同時期に渡辺ミキが代表していた芸能事務所。現在はワタナベエンターテイメントカレッジを運営する会社に業務変更され、所属タレントは関連会社のワタナベエンターテインメントもしくはTRINITY ARTISTに移籍している。
- ビーイング
- ビー企画室(旧:パスミュージック) - ビーイングの音楽出版会社。ビーイングがプロデュースしていた楽曲の出版権を、渡辺音楽出版と共同で管理。
- Ading - ビーイングのA&Rを担当する会社。
- 長戸大幸 - 音楽プロデューサー
- B'z - 安宅美春のソロデビュー曲「孤独のRunaway」のサウンドプロデュースを手掛けた。
- 明石昌夫 - 3rdアルバムまでアレンジを手掛けた。MANISHのサウンドプロデュースを手掛ける事になった為、長戸大幸の指示で関わらなくなる。
- 葉山たけし - 明石昌夫と並んでアレンジを手掛けていたが、4thアルバム『VIRGINTY』以降は全面的にアレンジを手掛ける。
- 大黒摩季 - 初期の楽曲のコーラスを務めた。
- MANISH - ボーカルとキーボードによるロックユニット。活動当時は、混同される事が多かった。マネジメントはスターダストプロモーション。
- アポロン - デビューから1996年まで所属していたレコード会社。
- BMG JAPAN(現:アリオラジャパン)
- テレビ朝日ミュージック - ビー企画室と渡辺音楽出版と共同で、タイアップ楽曲の音楽出版権を管理。
- ベッド・イン - KIX-Sと同じボーカルとギターによるロックユニット。影響を受けていると公言している。
編曲・サウンドアレンジ編集
参加ミュージシャン編集
脚注編集
- ^ のちに「EARL(アール)」に改称。現在は閉店。
- ^ 『考えるヒット』(1994年)より
- ^ 後にB'zがセルフカバーしているが、本作ではデビュー前の大黒摩季がボーカルで参加していたり、T-BOLANでデビューする前の森友嵐士がBOØWYの「IMAGE DOWN」を早尻翔介名義でカバーしている。1stと2ndアルバムにB'zの当時の所属事務所のスタッフがクレジットされているのは、ソロアルバムでのデビュー経緯がある為。因みに斉藤さん(BUM)とは、現在大阪のライブハウスヒルズパン工場で支配人を務めている、斉田才の本名である。
- ^ 本名の大黒摩紀名義。コーラスに参加している。
- ^ 本名の田辺裕之名義。
- ^ 原盤権の関係で、1作目の『ROYAL STRAIGHT SOUL』のみ廃盤。『ROYAL STRAIGHT SOULⅢ part 2 Red Lovers』は、1993年にBMGルームスより価格を下げて再々発売されており、現在でも販売されている。
- ^ 主役のミミ役に抜擢され2年連続出演