アメリカ先住民

アメリカの民族

アメリカ先住民[1](アメリカせんじゅうみん、Indigenous peoples of Americas)は、ヴァイキングクリストファー・コロンブスによるアメリカ本土への到達以前からアメリカ州(南北アメリカ大陸とその周辺)に住んでいる先住民族の総称。エスキモー・アレウト人を除き、インディアンアメリカインディアンインディオなどとも呼ばれてきた。

「南北アメリカ州の先住民」の総覧肖像画(1904年)

概要編集

「アメリカ先住民」には、「インディアンインディオ」と「エスキモー・アレウト人エスキモーアレウト)」がいる。

アメリカ合衆国チリが領有する、アメリカ州に属さない太平洋の島々には「アウストロネシア人ポリネシア人チャモロ人トンガ人ミクロネシア人など)」がいる[2]が、少なくともアメリカ合衆国国勢調査では、彼らはアメリカ先住民 (Native Americans) に含まれない。ハワイ先住民はかなりの人口がアメリカ合衆国本土に居住するが、彼らも同様である。

なかでもエスキモーやアレウト族、太平洋諸島民を除くアメリカ州本土の民族を、インディアンまたはインディオと呼ぶ。日本語では、「インディアン」は北米本土の先住民、「インディオ」は中南米の先住民をさすことが多い。

ただし、現在では、「インディアン」、「インディオ」という呼称は用いられなくなってきており、アメリカ合衆国では「ネイティブ・アメリカン[3]カナダでは「ファーストネーション」、中南米では「インディヘナ[4]などの呼称が一般的である。また、エスキモーも、近年はカナダで「イヌイット」、グリーンランドで「カラーリット」と呼ばれている。(後述)

現代では白人種や黒人種、アジア人種等との混血が進んでいる。

インディアンやエスキモー、アレウトの場合、アメリカ連邦政府が「インディアン部族」、「エスキモー部族」、「アレウト」として認める部族のみが、アメリカ内務省の指定保留(reserve)した保留地(Reservation)を領有している。内務省が条約関係を打ち切り「絶滅部族」として認定しない部族は、保留地を持てず、各州に散って暮らしている。カナダ連邦におけるインディアン、イヌイットも同様である。

分類編集

エスキモー、アレウト編集

エスキモー・アレウト語族を話す諸民族。インディアンとは起源(アメリカへの移住時期)が異なると考えられる。新モンゴロイドに属す。

インディアン、インディオ編集

インディアン: Indian)は、アメリカ先住民のうち、エスキモー・アレウト人を除く諸民族の総称。スペイン語ポルトガル語ではインディオ西: indio)。インディアンとインディオともにインド人に由来するが、日本語では、メキシコ以北の諸民族をインディアン、ラテンアメリカの諸民族をインディオと呼び分けることが多い。

インディアン(北米)編集

英語のインディアンは直訳するとインド人の意味である。歴史的な文脈や広義では、旧イギリス領インド全域や東南アジアの住民を含むこともある。

「インディアン」が二義的な意味を持つ由来には、クリストファー・コロンブスカリブ諸島に到達した時に、インド周辺の島々であると誤認し、先住民をインディオス(インド人の意)と呼んだことから、以降アメリカ先住民(の大半)をインディアンと呼ぶようになった。

ちなみに、本来のインド人をイースト・インディアン[原 1] と、アメリカ先住民をアメリカン・インディアン[原 2] と区分して呼称する場合がある。

おもに平原部族が正装の際に顔や上半身を赤く塗装したことから、また、ネグロイドコーカソイドの中間の、褐色の肌色を持つことからレッド・マン[原 3] という呼称もあり、彼ら自身も使用しているが、コロンブスがタイノ族を同じ理由でこう呼んだことによる。公民権運動ブラック・パワー運動の影響でインディアン達もレッド・パワー運動を展開した1960年代以降、侮蔑的な呼称として問題化されることがあり[注 1]、イギリスでもレッド・インディアン[原 4] と呼ぶことがあるが、この語は差別的とみなされることが多い[5]

また「インジャン」という呼び方[注 2] は現代アメリカにおいては「ニガー」などと同様の差別的な蔑称であり、ほか、「アンクル・トマホーク[原 5][注 3]」、「トント英語版[注 4]」などは、現在では同じく「白人におもねるインディアン」の代名詞となっている。

イギリスの作家アガサ・クリスティによる小説「Ten Little Niggers」はイギリス国内ではこのまま出版されたが、アメリカ版ではNiggerが不適切として「And Then There Were None」に修正され、作中に登場するNigger IslandもIndian Islandに変えられたが、こちらも差別的として変更された。

人類学言語学では、アメリンド[原 6] と呼ぶこともある。ただしこの語は厳密には、アメリカ・インディアンのうち、起源が異なるという説があるナ・デネナヴァホなど)やイヌイットを除いたグループに対する呼称である。

他に以下の呼称があるが、これらの中には定義が不明確なものも多い。

  • ファースト・ネーションズ[原 7]
  • ファースト・ピープルズ[原 8]
  • インディジェナス・ピープルズ・オブ・アメリカ[原 9]
  • アボリジナル・ピープルズ[原 10]
  • アボリジナル・アメリカンズ[原 11]
  • アメリンディアンズ[原 12]
  • ネイティブ・カナディアンズ[原 13]

なお、アメリカ合衆国のインディアンについてはネイティブ・アメリカンの記事に詳しい。

インディオ(中南米)編集

 
笛を吹くインディオ系民族の男性

スペイン語indioポルトガル語índioブラジルではインジオ、あるいはインヂオと発音する)は、アメリカ州の先住民族のうちエスキモーアレウト族などを除いた民族を総称することが多いが、日本語では北米中南米の先住民族を区別して後者のみをインディオと呼ぶことが多い。インディアン(またはその言い換え)も同様の意味であるが、日本語では前者の総称として扱われることが多い。

インディオはスペイン語でインド人を指す言葉であり、クリストファー・コロンブスアメリカ大陸に到着したときに、その地をインド(当時は東アジア全体を指した)と誤解したことに由来する。スペイン人の誤解がそのまま英語のインディアンに引継がれた。インド人と区別するためにスペイン語ではアメリンディオ(amerindio)と呼ぶこともあるが、逆にインド人をインドゥ (hindú)と呼ぶことで区別することが多い。

先住民と白人との混血をメスティーソ(mestizo)、ラディーノ(ladino)などという。ボリビアペルーなどでは、先住民として位置づけられる者を含めてチョロとも呼ばれる。また、先住民(インディオ)と黒人との混血をサンボと呼ぶ。なお、サンボという呼称と差別についての話題がちびくろサンボにあるので、そちらも参照されたい。

 
インディオ出身のメキシコ大統領ベニート・フアレス

人種的に純粋なインディオであっても、都市部の住民を中心にインディオ的な文化を喪失し、白人やメスティーソに文化的に同化した人はインディオと呼べないのではないかという議論がある。そのような人はインディオと称されることを忌避し、メスティーソなどと自己規定することが多い。しかし日常会話では、厳密にはメスティーソであるがインディオの人種的特徴を強く持つ人もまとめてインディオと呼ばれるのが一般的である。一方で、逆に人種的には混血であっても、先住民としてのアイデンティティを持ち、農村部を中心に先住民系の言語を日常的に用い、伝統的な文化を守る人々も決して少なくない(チョロ又はチョリータを参照)。  

近年の呼称編集

イヌイット、カラーリット編集

エスキモー」という言葉は、アラスカエスキモーと居住域が隣接していた亜極北のアルゴンキン系インディアンの言葉で「かんじきの網を編む」という意味である。これが、東カナダに住むクリー族の言葉で「生肉を食べる者」を意味する語と誤って解釈されたことから、「エスキモー」という呼称はある時期においてしばしば侮蔑的に使用された。これには、生肉を食べる行為[注 5]を野蛮であるとみなす人々の偏見が背景にある。

カナダでは1970年代ごろから「エスキモー」を差別用語と位置付け[注 6]、彼ら自身の言葉で「人々」を意味する「イヌイット[注 7]が代わりに使用されている。現在では「イヌイット」という呼称は、本来「人々」を意味する言葉ではなかったとされている。先住民運動の高まりの中で、これまで他者から「エスキモー」と呼ばれてきた集団が自らを指す呼称が必要となり、「イヌイット」という言葉を採用したためである[6]

なお、グリーンランドでは「カラーリット」と呼ばれる。

ファーストネーション編集

カナダでは、イヌイットメティ(先住民とヨーロッパ人両方の血を引く人々とその子孫)を除く先住民の総称としてファースト・ネーションズという呼称が一般的である。ハイダ族クリー等個々の部族を指すときは部族名の後に「ファースト・ネーション」をつける(例:ハイダ・ファースト・ネーション)ことも多い。また、現在ではネイティブ・カナディアン[原 14] という呼称が使われることは少ない。

ネイティブアメリカン編集

アメリカ合衆国において近年メディアにおいて最も使用されるのは、ネイティブ・アメリカンズ[原 15] である。

近年アメリカ合衆国で「インディアン」という呼称を「ネイティブ・アメリカン[原 16]」と呼び替える動きが進んでいるが、この単語はアメリカ合衆国内の先住民全般、つまり「インディアン」、「サモア人」、「ミクロネシア人」、「アレウト」、「ハワイ人」、「エスキモー」全てを含む場合がある。

アメリカ合衆国内務省インディアン管理局(BIA)によれば『ネイティブ・アメリカン』という語は、1960年代にBIAが、そのサービス対象グループに対して使用し始めたものである[7]。当初はインディアンとアラスカ先住民(アラスカ・インディアン、エスキモー、アレウト)を指しており、のちに連邦の枠組みに入るハワイ先住民と太平洋諸島民などを含むようになった。しかしインディアン・グループから苦情が出て、インディアン運動家たちは『アメリカ・インディアン』を主張するものもある[7]

「ネイティブ・アメリカン」という呼称は、BIAの意向を受けて「インド人[原 17]」を祖先に持つ「インド系アメリカ人[原 18]」と区別するために、人類学者が作った造語である[注 8]。一方、歴史的呼称としての「インディアン」に誇りをもつインディアン達はこれをあくまで自称とし、またその名称を替えること自体が差別的であるとしている。

この問題にはそもそも「アメリカ」という地名そのものが後付けであり、白人が過去の不正行為から目を背けて「インディアン」という言葉を削除し、「先住民」という中立的または大雑把なくくりの中に埋没させ、問題を隠ぺいしようとしているとする見解もある。(→ネイティブアメリカンの呼称論争英語版

なお、学術の分野では、近年「初期アメリカ人[原 19]」という呼称が使われることがある[8][9]

ラッセル・ミーンズおよびその他の見解

ラコタスー族の活動家、ラッセル・ミーンズ[原 20] は、「アメリカインディアンへの承諾なしに連邦政府がこの『ネイティブ・アメリカン』という用語を使用している」として批判しており、「私は『アメリカ・インディアン』だ。『ネイティブ・アメリカン』ではない![原 21]」とし、さらに「私は『ネイティブ・アメリカン』という用語を憎悪している[原 22]」とし[注 9]、「ネイティブ・アメリカン」とは「合衆国すべての囚人としての先住民について説明するのに使用される、一般的な政府用語」であり[注 10]、また「私は『アメリカ・インディアン』という名称の起源を知っているので、この用語のほうを好みます。『アメリカ・インディアン』は『アメリカ合衆国の民族』以前からいる、唯一の民族グループなのです。」とし、「最終的に、私はだれであるかを、どんな政府にも定義させるつもりはありません。加えて、西半球で生まれる人はだれでも『インディアン』なのです。」と述べている。さらにミーンズはこの「アメリカインディアン→ネイティブアメリカン」への言い換えが白人主体で進められている現状について、「我々がアメリカインディアンの歴史を教えようとしても、白人達が教育現場で我々の子供達に、『アメリカインディアンは20世紀中に絶滅してもう存在していない』と教え込んでいる。」と批判している。

1977年にスイス・ジュネーブの国連議場で、ラッセル・ミーンズら「インディアン国際会議」は、満場一致で「『インディアン』という用語を支持する」と決議し、「我々は『アメリカ・インディアン』の名の下に奴隷にされ、『アメリカ・インディアン』の名の下に植民地化された。そして我々は、『アメリカ・インディアン』の名の下に自由を得るつもりである。また我々は自分達をどうとでも呼べるのである。」というコメントを発表している。

アメリカン・ヘリテージ英語辞典第4版」には、「『ネイティブ・アメリカン』の承認は、『インディアン』の消滅をもたらさなかった。一度『ブラック』が好まれるようになると、あっという間に『ニグロ』が嫌われたのとは異なり、『インディアン』はアメリカ人の大多数で、決して嫌われることはなかった。」との記述が見られる。

またインディアン系オクラホマ州議会上院議員ランディ・バースは「『インディアン』は『インディアン』だ。『ネイティブ・アメリカン』という言葉は30年ほど前からにわかに使われ始めたが、これを喜ばないインディアンだっていっぱいいるし、インディアンの中心州のこのオクラホマにも、『アメリカ・インディアン』の名のつく施設はたくさんある」という[10]

ほとんどのアメリカ・インディアンは、「インディアン」、「アメリカ・インディアン」、「ネイティブ・アメリカン」という用語に不快感を持たず、いずれも同じ意味合いで使用している。1995年5月にアメリカ国勢調査局の調査では、49%が「インディアン」を支持し、37%が「ネイティブ・アメリカン」を支持、3.6%が「他の名前がいい」とし、5%は「無回答」という結果が出ている。インディアン部族の公式ホームページでは、これらの単語が混在しているものも多い。2004年にワシントンD.C.で開館した博物館の名前は、国立アメリカ・インディアン博物館となった。

一方、チェロキー族の作家であるクリスティーナ・ベリーは「アメリカ・インディアン」も「ネイティブ・アメリカン」も、両方とも、様々なインディアンの民族の違いをぼかすので使用を避け、各部族名を使うべきであると主張している[11]

インディへナ、ナティーボ、プレイスパニコなど編集

 
インディオの使徒』バルトロメ・デ・ラス・カサス

インディオという言葉に侮蔑的な響きがあることから、ラテンアメリカでは、現在は先住民のことをナティーボ (nativo,旧来の住人の意)やプレイスパニコ (prehispánico, スペイン以前の意)、インディヘナ(indígena,土着の人)などということが多くなってきている。また、カンペシーノ (campesino, 都市に住んでいない人)やアンテセデンテス (antecedentes, 先祖)という表現をすることもある(いずれもスペイン語。ポルトガル語では、例えばナティーヴなど)。呼称と差別に関する問題については、ノート:アメリカ・インディアンも参照されたい。

1920年代頃よりホセ・カルロス・マリアテギ等を中心にインディヘニスモ(先住民の復権)が唱えられるにつれ、先住民という意味の「インディヘナ (Indígena)」(ポルトガル語ではインディジェナ)という呼び方も普及していった。

既に述べたように、インディオという言葉には侮蔑的な響きがあり、差別用語であるともされる。ホセ・デ・サン=マルティン将軍がペルーを解放した時は、先住民をインディオと呼ぶことをやめるべきだと述べ、一世紀半後にフアン・ベラスコ・アルバラード将軍の革命政権はこの考えを実践して公的な文書の中でインディオと呼称することをやめ、カンペシーノ(農民)と呼称することを定めた。現在、多くの国では一般的には先住民を表す時にはインディヘナの名称が使われる。しかし、当のインディオの側から自分達の歴史をインディヘナという言葉で消し去られるのは屈辱だという声も聞かれ、言い換えを拒否する動きもある。

人類学的特徴編集

アメリカ先住民は人種的にはモンゴロイドに属すとされる[12]が、新モンゴロイドのエスキモーを除き、ユーラシアのモンゴロイドとは異なる点も多いことから、「アメリンド人種」とされる場合もある。エスキモーを除くアラスカカナダアメリカ合衆国北部の部族は肌の色が赤黒く鼻筋が通り高く盛り上がっておりワシ鼻である人が多い。

遺伝的には東アジアの諸民族に最も近い。Y染色体ハプログループはほとんどをQ系統が占める[13][14][15]ミトコンドリアDNAハプログループABCDXが見られる。

起源と歴史編集

一般に、アメリカ州への先住民族の移住は1.アメリンド、2.ナ・デネ、3.エスキモー・アレウトの3波が存在したと考えられている。

  1. インディアン/インディオの祖先は、約2万5000年前にシベリアに進出したモンゴロイドである。当時は最終氷期の最盛期で、現在のベーリング海は陸地のベーリンジアになっており、ユーラシア大陸からアラスカに歩いて移民できた。ベーリング海峡が海に戻った1万4000年前より前に、彼らはアラスカまで進出したはずだが、考古学的証拠は乏しく正確な時期は特定できない。約1万5000年前、古モンゴロイドはカナダを超えアメリカ合衆国本土へ渡り、クローヴィス文化の担い手のパレオインディアンとなった。彼らがインディアン/インディオの直接の祖先であり、1000年で南米南端まで広がった。近年では最初期のアメリカ先住民(アメリンド)はアメリカ西海岸を氷床を避けて南下していったとする見方が有力である。ただし論争はあるものの、クローヴィス以前の可能性がある遺跡がいくつか見つかっており、パレオインディアン以前の住民がいた可能性もある。インディアン/インディオの遺伝的多様性はクローヴィスより古い起源を示唆しており、彼らがインディアン/インディオの祖先の一部となった可能性もある。
  2. ナデネ語族を話すディネはアメリカ大陸における移住拡散の第2派と考えられる。ハプログループQに加え、ハプログループC2 (Y染色体)を中頻度に保有する[13][16][17]
  3. エスキモー・アレウトは、おそらく比較的最近にシベリアからアラスカに進出し、グリーンランドまで拡散した。寒冷な気候に適応して進化した新モンゴロイドである。
  4. また、紀元前にヨーロッパから北米に移住があったとする見方もあり[18]、遺伝子からも、欧州に多いY染色体-RmtDNA-Xが北米東部でかなりの頻度で観察される[13][16][19][20][21]ことから、有史以前のある時期にヨーロッパからの直接移住が存在した可能性が窺える。
  5. 加えて南米原産のサツマイモがコロンブス以前のポリネシアから発見されていることから、ポリネシア人が南アメリカ大陸から持ち込んだと考えられ、南アメリカ大陸と交流があったと思われるが、ポリネシア人がアメリカ先住民の遺伝子プールに与えた影響などは不明である。

なお、インディアンの神話伝説では「亀の島」(アメリカ大陸のこと)が水の中から隆起した時に、その中心から現れた人類の祖先こそインディアンであると伝えている[22]

大航海時代以降は、ヨーロッパ人との混血、アフリカ黒人との混血が進んだ部族も多い。純血の民族はメキシコグアテマラエルサルバドルペルーボリビアなどに多く存在する。しかしブラジルアルゼンチンウルグアイなどのスペイン人と激烈な戦いを繰り広げた地域では、純血な先住民はスペインによる侵略により、大幅に数を減らしている。

アメリカ合衆国のインディアンの近代以降の歴史については、ネイティブ・アメリカンに詳しい。

アメリカ先住民の一覧編集

アメリカ合衆国とカナダ編集

アメリカ合衆国およびカナダの在来の民族を、アメリカ合衆国の領有する太平洋諸島の民族を除いて、共有される文化的特性を備えた10の地理的な地方に分類するのが一般の民族史学者の見解であったが、現在は太平洋諸島民を含む11の地理的分類が通例となっている。

北極のエスキモー、イヌイット、アレウト編集

亜北極のインディアン編集

カリフォルニアのインディアン編集

東部森林地帯のインディアン編集

 
伝統衣装をまとったアベナキ族男性

グレートベースン(盆地)のインディアン編集

北西高原地帯のインディアン編集

北西太平洋岸のインディアン編集

大平原地帯のインディアン編集

 
伝統衣装をまとったスー族の戦士、ジトカラ・サ(19世紀の撮影)

南東部のインディアン編集

南西部のインディアン編集

中南米編集

中南米の先住民は、言語、環境及び文化的類似性によって分類するのが一般的である。

カリブ・インディアン編集

中米のインディアン・インディオ編集

 
メキシコ・インディアン初の大統領、ベニート・フアレスサポテカ族
 
エクアドルのオタヴァレノ族の少女

アンデスのインディオ編集

 
ケチュア族の女性

サブアンデスのインディオ編集

アマゾン川流域のインディオ編集

アマゾン川流域西部のインディオ編集
アマゾン川流域中央部のインディオ編集
アマゾン川流域東部及び南部のインディオ編集

南米大陸南部(パンパ,パタゴニア,南端部)の先住民編集

言語編集

エスキモー・アレウトの言語は1つの語族エスキモー・アレウト語族を構成する。インディアン/インディオの言語は非常に多様であり、分類が進んでいない。

その他、孤立した言語も多数ある。

脚注編集

[脚注の使い方]

原語表記編集

  1. ^ : East Indian
  2. ^ : American Indian
  3. ^ : Red Man
  4. ^ : Red Indian
  5. ^ : Uncle Tomahawk
  6. ^ : Amerind
  7. ^ : First Nations
  8. ^ : First Peoples
  9. ^ : Indigenous Peoples of America
  10. ^ : Aboriginal Peoples
  11. ^ : Aboriginal Americans
  12. ^ : Amerindians
  13. ^ : Native Canadians
  14. ^ : Native Canadian
  15. ^ : Native Americans
  16. ^ : Native American
  17. ^ : Indian
  18. ^ : Indian American
  19. ^ : early Americans
  20. ^ : Russell Means
  21. ^ : I Am An American Indian, Not a Native American!
  22. ^ : I abhor the term "Native American".

注釈編集

  1. ^ NFLチームの「ワシントン・レッドスキンズ」のレッドスキンズ: Redskins)は、「赤い肌の連中」という意味であり、インディアン権利団体はこの名称の変更を要求して抗議を繰り返している。
  2. ^ トム・ソーヤーの冒険』にも出てくる。
  3. ^ 黒人達が「ブラック・パワー運動」のなかで、「白人にこびへつらう黒人」のことを「アンクル・トム」と呼んだのに引っ掛けて、インディアン達も「レッド・パワー運動」のなかで、「白人にこびへつらうインディアン」のことをこう呼んだ。
  4. ^ テレビ西部劇の『ローン・レンジャー』で、主人公の白人ガンマンの相棒を務めるインディアン青年の名前。
  5. ^ 植物の育たない極地において、肉と魚を生で食べることでビタミンとミネラルを摂取できる。
  6. ^ この主張自体は1920年代から既に存在していた。
  7. ^ 彼らの言語に促音は存在しないので「イヌイト」のほうがより正確である。
  8. ^ この「ネイティブ・アメリカン」とする場合の表記は、一般的には先頭に「大文字の「N」が使用される。
  9. ^ 1996年に行った声明、及び1998年に著したエッセイなどにおいて。
  10. ^ 「これは、アメリカのサモア人と、ミクロネシア人と、アレウトと、先住ハワイ人と、誤って呼ばれたエスキモーであり、そのエスキモーとは、実際にはユピクとイヌピアトであって、そしてもちろん、(我々)インディアンのことを指す」と述べている。

出典編集

  1. ^ アメリカ先住民
  2. ^ アメリカ内務省BIA公式規定より
  3. ^ アメリカインディアン
  4. ^ インディオ
  5. ^ 大修館書店刊『ジーニアス英和辞典 改訂版』(1994年)
  6. ^ スチュアート・ヘンリ「民族呼称とイメージ―「イヌイト」の創成とイメージ操作」『民族学研究』第63巻2号、1998年9月
  7. ^ a b インディアン管理局 (BIA) の公式な質疑応答テキストによる
  8. ^ ニュース - 古代 - アラスカで氷河期の子どもを発見 - ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 2011年2月25日
  9. ^ 今関恒夫, 「初期アメリカ人の社会的出自」『同志社アメリカ研究』 10号 p.20-41 1974年, ISSN 04200918, doi:10.14988/pa.2017.0000008725, 同志社大学アメリカ研究所
  10. ^ 平尾圭吾著書による。[要出典]
  11. ^ クリスティーナ・ベリー『名前には何があるの?インディアンとポリティカル・コレクトネス
  12. ^ ただし北米東部に関して、古くからコーカソイドが混血しているとする見方がある(バリー・フェル(著)、喜多迅鷹・元子(訳)『紀元前のアメリカ』(1981)草思社)
  13. ^ a b c Zegura, Stephen L. et al 2004, High-Resolution SNPs and Microsatellite Haplotypes Point to a Single, Recent Entry of Native American Y Chromosomes into the Americas
  14. ^ Bortolini, Maria-Catira et al 2003, Y-Chromosome Evidence for Differing Ancient Demographic Histories in the Americas
  15. ^ Hammer, Michael F. et al 2005, Population structure of Y chromosome SNP haplogroups in the United States and forensic implications for constructing Y chromosome STR databases
  16. ^ a b Malhi, Ripan Singh et al 2008, Distribution of Y Chromosomes Among Native North Americans: A Study of Athapaskan Population History
  17. ^ Matthew C. Dulik et al 2012, Y-chromosome analysis reveals genetic divergence and new founding native lineages in Athapaskan- and Eskimoan-speaking populations PNAS May 29, 2012 vol. 109 no. 22
  18. ^ バリー・フェル(著)、喜多迅鷹・元子(訳)『紀元前のアメリカ』(1981)草思社
  19. ^ Bolnick, Deborah A. et al 2006, Asymmetric Male and Female Genetic Histories among Native Americans from Eastern North America
  20. ^ Learn about Y-DNA Haplogroup Q (Verbal tutorial possible)”. Wendy Tymchuk – Senior Technical Editor. Genebase Systems (2008年). 22 June 2010閲覧。
  21. ^ Salas A, Lovo-Gómez J, Álvarez-Iglesias V, Cerezo M, Lareu MV, Macaulay V, et al. (2009) Mitochondrial Echoes of First Settlement and Genetic Continuity in El Salvador. PLoS ONE 4(9): e6882. doi:10.1371/journal.pone.0006882
  22. ^ 『太ったインディアンの警告』(エリコ・ロウ、NHK出版)

関連項目編集

外部リンク編集