オリバー・ローランド

イギリスのレーシングドライバー (1992 - )

オリバー・エリック・ローランドOliver Eric Rowland, 1992年8月10日 - )は、イギリス出身のレーシングドライバー

オリバー・ローランド
オリバー・ローランド (2023年)
基本情報
国籍 イギリスの旗 イギリス
生年月日 (1992-08-10) 1992年8月10日(31歳)
出身地 イギリスの旗 イギリス
イングランドの旗 イングランド
同・サウス・ヨークシャー州シェフィールド
過去参加シリーズ
2010-11

2011
2013
2012-13

2014-15
2015-16
FR2.0 UK ウィンター/ファイナル・シリーズ
フォーミュラ・ルノー UK
フォーミュラ・ルノー2.0 NEC
ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0
フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ
GP2シリーズ
選手権タイトル
2011
2015
FR2.0 UK ファイナル・シリーズ
フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ
受賞
2011

2011
マクラーレン・オートスポーツ・アワード
BRDC スーパースター

経歴 編集

カート 編集

ローランドはイギリスイングランド)・シェフィールドで誕生する。7歳の頃にカートを始め、イギリス各地を回り様々なクラスのカート選手権に参戦した。2002年に「スーパー1・ナショナル・カマー・カデット・チャンピオンシップ」を準優勝し、2003年から2004年にかけ同選手権連覇を果たした。2005年の「スーパー1・ナショナル・JICA・チャンピオンシップ」ではウィル・スティーブンスとの首位争いの末、僅か2ポイント差で敗れ総合2位となった。翌年の同選手権はジャック・ハーベイJack Harvey)とタイトル争いを繰り広げる。しかし今度は僅か1ポイント差で敗れ2年連続となる総合2位で終えた。2006年は他にも「モナコ・カート・カップ - ICA・ジュニア」へ出場し、2位でチェッカーを受ける。「ヨーロピアン・チャンピオンシップ - ICA・ジュニア」では20位となった。

2007年は、2シーズン続けて準優勝となった「スーパー1・ナショナル・JICA・チャンピオンシップ」で2位の選手に30ポイントの差をつけて初のタイトルを獲得。三度目の正直となった。この年は、「ブリティッシュ・オープン・チャンピオンシップ・ICA・ジュニア」(3位)「第11回 CIK-FIA モナコ・カート・カップ・フォア・ジュニア KF3」(25位)「CIK-FIA ヨーロピアン・チャンピオンシップ - KF3」(37位)などに参戦した。2008年、ローランドはKF2クラスへランクアップする。トニー・カート・レーシング・チームから「CIK-FIA ワールド・カップ KF2」へ参戦が決まり、初年度でこの年のチャンピオンシップを制した。

フォーミュラ・ルノー 編集

2010年、カートでの活動を切り上げ「フォーミュラ・ルノー シリーズ」へ活動の場を移すことになった。CRSレーシング英語版から「フォーミュラ・ルノー UK ウィンター・シリーズ」へ参戦する。最終戦ペンブリー・サーキット英語版レース2で初優勝を果たし総合7位で終えた。

ローランドは2011年より、「フォーミュラ・ルノー UK」の本戦へ出場しフォーテック・モータースポーツ英語版から出走した。第2戦ドニントン・パークから第3戦スラクストン・サーキットにかけて4レース連続で3位表彰台に上る。シーズン終盤には4度の優勝を果たし、アレックス・リンに次ぐ総合2位という好成績で終えた。本戦を終えて引き続き「フォーミュラ・ルノー UK ウィンター・シリーズ」の2年目を迎える。開幕戦では全体のファステストラップを記録して優勝を果たすとその後も好調さをキープし、全6レース中優勝4回・2位2回と圧倒的なパフォーマンスでタイトルを獲得する。2011年度のマクラーレン・オートスポーツ・BRDC・アワード英語版にローランドはノミネート・選出された[1]。その特典として100,000£の賞金と、12月4日に行われるマクラーレンF1テスト走行に参加する機会を与えられた[1]2012年から、「ヨーロッパ・フォーミュラ・ルノー2.0」へカテゴリーを変えた。表彰台圏内3回(優勝1回)を含む総合3位で終える。翌年は「マノー・MP・モータースポーツManor MP Motorsport)」へ移籍し、昨年を上回る表彰台圏内8回(優勝3回)の成績を残し順位も総合2位へ躍進した。

フォーミュラ・ルノー3.5 編集

2014年、ローランドは「フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ」へ参戦する。フォーテック・モータースポーツに在籍し、シーズン2勝を挙げ総合4位で終える。

2015年は、チームに残留し2年目を迎えた。第6戦サルト・サーキットで最終戦を待たずにシリーズタイトル獲得が決定する。

フォーミュラE 編集

2015-16年シーズンの途中、負傷により欠場することが決まったマヒンドラ・レーシング英語版ニック・ハイドフェルドに代わり第3戦プンタ・デル・エステeプリ2015 Punta del Este ePrix)へ1レース限りでデビューする[2]。13位でフィニッシュし、ポイント獲得とはならなかった。

GP2シリーズ/FIA F2 編集

2015年に、ローランドは第5戦シルバーストン・サーキットで「GP2シリーズ」へ参戦することが決まる。デビュー戦はMPモータースポーツ英語版より出走し、レース1・2共に10位・7位に入り初入賞を果たした[3][4]。第10戦バーレーン・インターナショナル・サーキットではステータス・グランプリ英語版から出場し最終戦まで走行した。

2年目の2016年は、MPモータースポーツへ戻りフルシーズン出場した。第2戦モンテカルロ市街地コース・レース1で3位表彰台を獲得する[5]。ランキングは総合9位で終えた[6]

2017年度より「GP2シリーズ」は「FIA フォーミュラ2選手権」へ名称変更となった[7]。ローランドは新たにDAMSへ移籍してシーズンに挑む。

F1 編集

2016年2月、ルノーはドライバー育成アカデミーである「ルノー・スポール・アカデミー英語版」を設立。新たに発足するプロジェクトのメンバーの一人としてローランドが選ばれた[8]。翌年には、ルノーの開発ドライバーとして起用されることが発表される[9]

2018年2月23日、ウィリアムズ・マルティーニ・レーシングの育成ドライバーに起用された[10]

フォーミュラE (第2期) 編集

アレクサンダー・アルボンが急遽F1スクーデリア・トロ・ロッソに抜擢されたことに伴い、2018-19シーズンのニッサン・e.damsの正ドライバーに起用された[11]

2019-20シーズンも引き続きニッサン・e.damsから参戦する。

レース戦績 編集

略歴 編集

シリーズ チーム レース 勝利 PP FL 表彰台 ポイント 順位
2010 フォーミュラ・ルノー UK ウィンター・シリーズ CRSレーシング 6 1 0 0 1 95 7位
2011 フォーミュラ・ルノー UK フォーテック・モータースポーツ 20 4 3 4 13 475 2位
フォーミュラ・ルノー UK ファイナル・シリーズ フォーテック・コンペティション 6 4 0 3 6 190 1位
2012 ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0 フォーテック・モータースポーツ 14 1 0 0 3 109 3位
2013 マノー・MPモータースポーツ 14 3 2 2 8 179 2位
フォーミュラ・ルノー2.0 NEC 8 4 4 4 8 208 4位
パウ・フォーミュラ・ルノー2.0 トロフィー 1 0 0 0 0 N/A 4位
2014 フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ フォーテック・モータースポーツ 17 2 3 1 7 181 4位
2015 17 8 7 4 13 307 1位
GP2シリーズ MPモータースポーツ 4 0 0 0 0 3 21位
ステータス・グランプリ 3 0 0 0 0
2015-16 フォーミュラE マヒンドラ・レーシング 1 0 0 0 0 0 21位
2016 GP2シリーズ MPモータースポーツ 22 0 0 0 4 107 9位
2017 FIA フォーミュラ2選手権 DAMS 22 2 1 2 8 191 3位
2018 ブランパンGT・シリーズ・耐久カップ ストラッカ・レーシング 2 0 0 0 0 6 41位
ル・マン24時間レース CEFC・TRSMレーシング 1 0 0 0 0 N/A DNF
インターコンチネンタル・GT・チャレンジ メルセデスAMG 1 0 0 0 0 6 22位
2018-19 フォーミュラE ニッサン・e.dams 13 0 3 0 2 71 10位
FIA 世界耐久選手権 CEFC・TRSMレーシング 1 0 0 0 0 0 NC
2019-20 フォーミュラE ニッサン・e.dams 11 1 1 1 1 83 5位
2020-21 15 0 1 1 2 77 14位
2021-22 マヒンドラ・レーシング 16 0 1 0 1 32 14位
2022–23 9 0 0 0 0 9 21位
2022–23 ニッサン・フォーミュラEチーム
  • * : 今シーズンの順位。(現時点)

フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ 編集

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 順位 ポイント
2014年 フォーテック・モータースポーツ MNZ
1

6
MNZ
2

10
ALC
1

3
ALC
2

1
MON
1

5
SPA
1

Ret
SPA
2

3
MSC
1

Ret
MSC
2

5
NÜR
1

4
NÜR
2

Ret
HUN
1

3
HUN
2

4
LEC
1

13
LEC
2

3
JER
1

2
JER
2

1
4位 181
2015年 ALC
1

1
ALC
2

3
MON
1

6
SPA
1

5
SPA
2

1
HUN
1

3
HUN
2

1
RBR
1

1
RBR
2

2
SIL
1

2
SIL
2

1
NÜR
1

1
NÜR
2

10
BUG
1

1
BUG
2

8
JER
1

1
JER
2

2
1位 307

GP2シリーズ/FIA フォーミュラ2選手権 編集

エントラント 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 DC ポイント
2015年 MPモータースポーツ BHR
FEA
BHR
SPR
CAT
FEA
CAT
SPR
MON
FEA
MON
SPR
RBR
FEA
RBR
SPR
SIL
FEA

10
SIL
SPR

7
HUN
FEA
HUN
SPR
SPA
FEA

NC
SPA
SPR

Ret
MNZ
FEA
MNZ
SPR
SOC
FEA
SOC
SPR
21位 3
ステータス・グランプリ BHR
FEA

22
BHR
SPR

Ret
YMC
FEA

15
YMC
SPR

C
2016年 MPモータースポーツ CAT
FEA

10
CAT
SPR

6
MON
FEA

3
MON
SPR

7
BAK
FEA

4
BAK
SPR

15
RBR
FEA

6
RBR
SPR

2
SIL
FEA

3
SIL
SPR

3
HUN
FEA

11
HUN
SPR

6
HOC
FEA

5
HOC
SPR

5
SPA
FEA

10
SPA
SPR

6
MNZ
FEA

9
MNZ
SPR

9
SEP
FEA

12
SEP
SPR

8
YMC
FEA

Ret
YMC
SPR

11
9位 107
2017年 DAMS BHR
FEA

5
BHR
SPR

3
CAT
FEA

3
CAT
SPR

2
MON
FEA

1
MON
SPR

9
AZE
FEA

7
AZE
SPR

Ret
RBR
FEA

4
RBR
SPR

3
SIL
FEA

3
SIL
SPR

17
HUN
FEA

1
HUN
SPR

2
SPA
FEA

DSQ
SPA
SPR

8
MNZ
FEA

Ret
MNZ
SPR

11
JER
FEA

2
JER
SPR

3
YMC
FEA

DSQ
YMC
SPR

7
3位 191

フォーミュラE 編集

チーム シャシー パワートレイン 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 順位 ポイント
2015-16年 マヒンドラ・レーシング SRT 01E マヒンドラ・M2Electro BEI PUT PDE
13
BUE MEX LBH PAR BER LON LON 21位 0
2018-19年 ニッサン・e.dams SRT 05e 日産・IM01 ADR
7
MAR
15
STI
Ret
MEX
20
HKG
Ret
SNY
2
RME
6
PAR
12
MON
2
BER
8
BRN
Ret
NYC
14
NYC
6
10位 71
2019-20年 日産・IM02 DIR
4
DIR
5
STI
17
MEX
7
MAR
9
BER
14
BER
7
BER
6
BER
5
BER
1
BER
Ret
5位 63
2020-21年 DIR
6
DIR
7
RME
12G
RME
16
VLC
DSQ
VLC
4
14位 77
日産・IM03 MON
6
PUE
DSQ
PUE
3
NYC
7
NYC
19
LON
DSQ
LON
18
BER
13
BER
12
2021-22年 マヒンドラ・レーシング マヒンドラ・M7Electro DIR
Ret
DIR
8
MEX
16
RME
Ret
RME
Ret
MON
Ret
BER
11
BER
7
JAK
Ret
MAR
10
NYC
13
NYC
14
LON
Ret
LON
Ret
SEO
2
SEO
Ret
14位 32
2022-23年 Gen3 マヒンドラ・M9Electro MEX
13
DIR
19
DIR
Ret
HYD
6
CAP
WD
SAP
15
BER
10
BER
14
MON
Ret
JAK
JAK
POR
RME
RME
LON
LON
21位 9
  • 太字ポールポジション斜字ファステストラップ。(key)
  •  : リタイアだが、90%以上の距離を走行したため規定により完走扱い。
  • G : グループステージでのファステストラップ。
  • + : ファンブースト。

FIA 世界耐久選手権 編集

チーム クラス 車両 エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 ランク ポイント
2018-19年 CEFC・TRSMレーシング LMP1 ジネッタ・G60-LT-P1 メカクローム V634P1 3.4 L Turbo V6 SPA
WD
LMS
Ret
SIL FUJ SHA SEB SPA LMS NC 0

ル・マン24時間レース 編集

チーム コ・ドライバー 車両 クラス 周回数 総合順位 クラス順位
2018年   CEFC・TRSMレーシング   アレックス・ブランドル
  オリバー・ターベイ
ジネッタ・G60-LT-P1-メカクローム LMP1 137 DNF DNF

出典 編集

  1. ^ a b 英ASアワード、ディ・レスタがベストルーキー受賞”. AUTO SPORT web (2011年12月5日). 2017年4月26日閲覧。
  2. ^ オリバー・ローランド、負傷のハイドフェルドに代わってフォーミュラE参戦”. F1-Gate.com (2015年12月8日). 2017年4月26日閲覧。
  3. ^ Race 1 results - GP2: Great Britain 2015”. GP UPDATE.NET. 2017年4月26日閲覧。
  4. ^ Race 2 results - GP2: Great Britain 2015”. GP UPDATE.NET. 2017年4月26日閲覧。
  5. ^ Feature race results - GP2: Monaco 2016”. GP UPDATE.NET. 2017年4月26日閲覧。
  6. ^ 2016 GP2 standings”. GP UPDATE.NET. 2017年4月26日閲覧。
  7. ^ GP2、F2への改名を正式発表”. F1-Gate.com (2017年3月10日). 2017年4月26日閲覧。
  8. ^ 「未来の王者を探す」新プログラムをルノーが始動”. AUTO SPORT web (2016年2月5日). 2017年4月26日閲覧。
  9. ^ ルノーF1チーム、F2ドライバーのオリバー・ローランドを開発ドライバーに起用”. AUTO SPORT web (2017年4月21日). 2017年4月26日閲覧。
  10. ^ ウィリアムズF1、オリバー・ローランドを育成ドライバーに起用”. Formula1-Data (2018年2月23日). 2018年2月24日閲覧。
  11. ^ ニッサン・e.ダムス加入のローランド「全てが新しい挑戦で楽しみ」”. jp.motorsport.com (2018年11月30日). 2018年12月1日閲覧。

外部リンク 編集