フランス語圏

公用語や準公用語にフランス語が設定され、フランス語がその地域で重要な言語のひとつになっている国・地域の総称

フランス語圏(フランスごけん)とは、公用語準公用語フランス語が設定され、フランス語がその地域で重要な言語のひとつになっている地域の総称。

フランス語圏の分布 フランス語を母語とする話者が多数を占める国や地方自治体(藍色)、公用語となっている国(青)、第二言語として用いられている国や地方自治体(空色)

フランスの旧植民地が広がっていたアフリカ北西部に多い。

全世界で1億2300万人が母語として使用し、2億人以上が公用語・第二言語第一外国語)として使用している[1]

概要 編集

フランスの地理学者であるオネジム・ルクリュ英語版は、自著・『France, Algérie et colonies』(1880年)にて、フランス語の話者を「フランコフォン (francophone)」と、その言語共同体を「フランコフォニー (francophonie)」と、それぞれ呼んだ[2]。ここから転じて現在では、フランス語圏についても「フランコフォニー」と呼ばれることがある[3]

フランス語は、かつてヨーロッパにおける外交語として広く流通していた実績もある。英語に次ぐ第二外国語として欧米を中心に広く学ばれており、国際連合国際オリンピック委員会の公用語にも採用されている。世界約50カ国以上で話されている。

フランス語が国語・共通語・公用語の地位にある国・地域 編集

フランス語帝国主義の影響でかなり広範囲に伝播したため、方言も多種多様である。ケベック方言はまだしも、ハイチ・クレオールインド洋諸国で話されているフランス語系ピジンなどはそのフランス語の多様性をよく示しているといえる。

情報源:Ethnologue report for language code FRN

ヨーロッパ 編集

 
ベルギー、ブリュッセルにある多言語の標識

アフリカ 編集

 
エジプト、アレクサンドリアにある多言語の標識。
エジプトでは公用語のアラビア語以外にフランス語も浸透している。

アメリカ 編集

アジア・オセアニア 編集

脚注 編集

  1. ^ 筑波大学外国語センター
  2. ^ 西山教行 (2003年). “フランコフォニーの成立と展望” (PDF). 2020年2月10日閲覧。
  3. ^ フランコフォニー(フランス語圏)” (PDF). 在日フランス大使館 (2001年). 2010年11月28日閲覧。

参考文献 編集

  • Dennis. E. Ager, Sociolinguistics and Contemporary French, Cambridge University Press, 1991, ISBN 0521397308
  • Rodney. Ball, The French-Speaking World, Routledge, 1997, ISBN 0415129877

関連項目 編集