日産・シルフィ

日産自動車のセダン型乗用車

シルフィ(SYLPHY)は、日産自動車が海外市場にて生産・販売するセダン乗用車である。初代と2代目は日本国内においてはブルーバードシルフィ(BLUEBIRD SYLPHY)の名で生産・販売した。

日産・シルフィ
4代目
概要
別名 日産・ブルーバードシルフィ(初代、2代目)
日産・サニー(初代)
ルノーサムスン・SM3(初代)
ルノー・スカラ(初代)
日産・アルメーラ(2代目)
日産・ブルーバード(2代目)など
製造国 日本の旗 日本
中華人民共和国の旗 中国
中華民国の旗 台湾
販売期間 2000年
(日本:2000年 - 2021年
ボディ
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 前輪駆動
四輪駆動
系譜
先代 日産・ブルーバード
日産・プレセア
日産・パルサー
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概要 編集

初代G10型は、東南アジアなどではB14型サニーのモデルチェンジ版としてサニーまたはセントラの名で販売され、韓国ではルノーサムスン・SM3/SM3 CEならびにそのOEM版であるルノー・スカラとしてライセンス生産されていた[注 1]

2代目G11型は、日本ではブルーバードシルフィ、中国ではシルフィ(のちにシルフィクラシック)、台湾ではブルーバードロシアではアルメーラとして各地で販売・生産されていた(されている)。また、東風汽車のブランド「風神」では内外装を大幅に改良した上で「A60」の名で現在も販売されている。

3代目B17型は、主として北米向けのセントラならびにブルーバードシルフィ/シルフィ、ティーダラティオが統合する形で販売され、市場によって複数の車名を名乗る。

2000年8月に「ブルーバード・シルフィ」として初代G10型が発売。既存のB15型(9代目)サニーを基に開発され、それまでの「パルサー」、「プレセア」との統一後継車種としての位置づけで登場した。なおP12型プリメーラが3ナンバーサイズに拡大され従来のブルーバードのポジションに昇格したことから、車格がプリメーラと入れ替わる形でP11型以前のプリメーラのポジションをシルフィが受け継ぐ形となった。ブルーバードの名があるが、2001年8月まではブルーバード(10代目)と並売されていた。G10型シルフィはブルーバードの名が入る車としては11代目となる。このモデルは当時のガソリン車としては驚異的な排出ガス低減性能を誇った。

2005年12月にはフルモデルチェンジでG11型となり、5ナンバーサイズをキープしながらも大型化を図った。先代モデルの不評点であった室内空間の狭さを克服し、Lサイズセダンにも劣らない室内空間を実現した。ライバルはトヨタ・プレミオコロナの後継車)であり、ボディサイズもホイールベースも同様となり、1960年代~1970年代にしのぎを削ったライバル関係が復活している。

2012年12月のフルモデルチェンジでは従来以上に世界戦略車としての使命が与えられたため、ついに全幅が1,700㎜を超え、3ナンバーサイズへと進化。同時に、同一ボディのまま北米市場やアジア/オセアニア市場等、世界各国で販売されることとなった。型式もそれまでのG1#型からサニーやセントラの流れを汲むB1#型に編入され、B17型を名乗ることになった。日本市場においてはブルーバードの名が外れ、単にシルフィを名乗ることになったのもこの型からである。

日産車のチューニングを得意とするホシノインパルでは、「シルフィは地味だけどキッチリと真面目に作られたクルマ。なかなかの実力だし、インパルのコンプリートで渋く乗ってもらいたい」という星野一義の提案[1] で、G11型をベースにかつてのブルーバードのスポーツグレード「SSS(スリーエス)」をモチーフにした「IMPUL BLUEBIRD SSS」を開発・発売している(部品のみならず、過去には完成車両としての販売も行っていた)。同車両は仕様によっては外装のみならず、エンジンや足回りにまで手が加えられる本格的なものとなっている。この流れは次代・B17型にも継承され、「IMPUL SYLPHY」としてエアロパーツも用意された[2]

初代(通算11代目)G10型(2000年 - 2005年) 編集

日産・ブルーバードシルフィ(初代)
FG10/QG10/QNG10/TG10型
 
前期型18Vi(2000年8月-2003年2月)
 
後期型18Vi(2003年2月-2005年12月)
概要
別名 タイ : 日産・サニーネオ
マレーシア・台湾 : 日産・セントラ(5代目)
ヨーロッパ : 日産・アルメーラ(2代目)
オセアニア : 日産・パルサー(6代目)
韓国 : ルノーサムスン・SM3(初代)
販売期間 2000年 - 2005年
デザイン 中島敬[3]
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
四輪駆動
プラットフォーム MSプラットフォーム
パワートレイン
エンジン QG15DE 1.5L 直4 105ps→109ps
QG18DE 1.8L 直4 FF120ps、4WD115ps→117ps
QR20DD 2.0L 直4 150ps
変速機 ハイパー CVTM6→ハイパー CVT
4速AT (E-ATx)
5速MT
サス前 FF車
前: 独立懸架ストラット式
後: マルチリンクビーム式
4WD車
前: 独立懸架ストラット式
後: 独立懸架パラレルリンクストラット式
サス後 FF車
前: 独立懸架ストラット式
後: マルチリンクビーム式
4WD車
前: 独立懸架ストラット式
後: 独立懸架パラレルリンクストラット式
車両寸法
ホイールベース 2,535 mm
全長 4,495 mm
全幅 1,695 mm
全高 1,445 mm(FF)
1,475 mm(4WD)
車両重量 1,110 - 1,270 kg
系譜
先代 日産・ブルーバード
日産・プレセア
日産・パルサー
日産・セドリックセダン
5ナンバー車のみ)
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顧客層のターゲットを子育てを終了したポスト・ファミリー層[4][5]、具体的には40-55歳のミドルエイジに設定した(2000年当時)ため、内外装は同社のB15型サニー同様、非常に保守的なデザインを採っている[3][6]。このため、中級車には珍しく黒塗りの公用車・社用車仕様も存在する。搭載するエンジンは全て直列4気筒DOHCガソリンエンジンであり、直噴のQR20DD型、北米向け「セントラCA」と同じQG18DE型、そしてQG15DE型の3機種。4WD車にはQG18DE型が搭載される。

車名こそ「ブルーバード」の名が付くが、当初は消滅が決定していたパルサーに代わるラインナップ拡充策として、サニーがベースのブルーステージ専売新規車種という形で開発されていた。その一方で、U14型で主要メカニズムを共用したプリメーラの大型化(Dセグメントへの移行)と同時にブルーバードの開発は凍結。しかし、販売サイドや顧客からはブルーバード廃止の反対意見が多く、やむなく新規車種にその名を充てることとなった[7]

そうした経緯から、エンジンの排気量も先代のブルーバードと同じ1,800ccクラスをメインストリームとしたものの、車体はサニーなどに用いられるMSプラットフォームを採用し[8]、N16型アルメーラをベースに前後のデザインを上級車種であるセフィーロに似せたもので、車体寸法は1つ下のクラスのものとして設計されている。Dセグメントだった従来のブルーバードから見るとCセグメント車格がダウンしたこと[注 2] になる。ホイールベースもサニーと同じであるシルフィは、車格やそのホイールベースの短さ(2.535 mm)に起因する室内空間の狭さが要因となり大ヒットとはならなかったが、排ガス性能の高さや上質さを誇示したことによりこの当時の日産セダンの中では比較的堅調な売れ行きを示した。シートおよびドアトリムの生地のイメージは屏風をイメージして設計された。

発売当初はセカンドネームの「シルフィ」を強調するエンブレムが後部に取り付けられていたが、2001年8月のマイナーチェンジで「ブルーバード」と「シルフィ」の文字が同じ大きさとなり、2003年2月のマイナーチェンジで「ブルーバード」の文字が大きくなった。

1.8L・2WD車の排出ガス性能は当時のガソリン車としては突出して高く、炭化水素NOxの排出量は平成12年規制75%低減レベル(★★★)のさらに半分であった。さらに、シルフィと同型の1.8Lエンジンを搭載する北米仕様セントラCAカリフォルニア州で最も厳しい排ガス基準であるOBDII基準で電気自動車と同等の認定を受けており[9]、シルフィについてもそれと同程度の排出ガス性能を実現した[10]。また、1.8Lエンジン搭載車については、当時のハイブリッドカーよりも高い排出ガス性能を誇り[11]、都市の空気よりもクリーンな排出ガスレベルを実現した[10][11]

年表 編集

  • 2000年8月30日 - 発売[12]
    • 排気ガスのクリーンさも売りで、1.8L・2WD車はガソリン車としては日本初の「超-低排出ガス(★★★)」認定を取得した(1.5L車と1.8L・4WD車も「良-低排出ガス(★)」認定を取得)。
    • グレード構成は1.5L車は「15i」・「15i Gパッケージ」、1.8L車は「18Vi」・「18Vi Gパッケージ」及び4WD車「18Vi-4」、2.0L車は「20XJ Gパッケージ」の6グレードを設定。「20XJ Gパッケージ」には15インチアルミホイールが、「18Vi」系には15インチフルホイールカバーが、「15i」系には14インチフルホイールカバーが装着され、15インチアルミホイールについては他グレードにもオプション設定された。また、サイドガードモール、バンパーモール、リヤライセンスプレートフィニッシャーには「15i」系を除きメッキ仕様となった。また「20XJ Gパッケージ」には6速マニュアルモード付きCVT「HYPER CVT-M6」が装備されていた。
    • オーテックジャパン扱いの福祉車両「ライフケアビークル」には「18Vi」をベースに、助手席回転シートを装備した「アンシャンテ」が設定された。
  • 2001年
    • 3月15日 - オーテックジャパン扱いの福祉車両「ライフケアビークル」に手動運転装置「オーテックドライブギア」を装備した「ドライビングヘルパー」を発売。
    • 4月12日 - 法人向けグレード「ベーシックパッケージ」を発売(1.5L車と1.8L・2WD車に設定)[13]。なお、このモデルは2003年2月以降の後期型にも設定される。
    • 10月29日 - 特別仕様車「18Vi Gパッケージ リミテッド」、「18Vi-4 リミテッド」を発売[14]。「18Vi Gパッケージ」・「18Vi-4」をベースに、共通でUVカット断熱グリーンガラス(リアドア・リア)を装備するとともに、前者にはフロントバンパー組込フォグランプ、オーバーヘッドコンソール、マルチリモートエントリーシステムを、後者にはフロントUVカットグリーンガラス、ファインビジョンメーター、リモートコントロールエントリーシステムをそれぞれ装備した。
      なお、本グレードからリアの車名エンブレムが変更となっている。
    • 10月31日 - オーテックジャパン扱いの「教習車」を設定[15]。搭載するエンジンはQG15DE型で、5MTと4ATが組み合わせられる。マニュアルミッションはローギア化され、パワーステアリングオイルクーラーを設定する等、教習車専用装備がなされている。
      なお、2003年2月以降の後期型にも教習車の設定がある。
    • 12月21日 - 特別仕様車「18Viリミテッド」を発売[16]。「18Vi」をベースに、UVカット断熱グリーンガラス(リアドア・リア)、リモートコントロールエントリーシステム、マップランプを装備。ボディカラーには専用色の「シャンパンシルバーメタリック」を設定した。
  • 2002年
    • 4月 - 仕様変更。ボディカラーの「ミスティグリーンメタリック」に替わり、特別仕様車の「リミテッド」の専用色だった「シャンパンシルバーメタリック」を追加した。
    • 9月 - 韓国・ルノーサムスン自動車が「SM3」の販売を開始。
  • 2003年
    • 2月12日 - 大幅なマイナーチェンジが行われる[17]
      フロントグリル・バンパー、テールランプなどのデザインが大幅に変更され、1.5L・2WD車も「超-低排出ガス(★★★)」認定を取得しCI2020年7月まで使用されたものに変更された。また、新設計となったリアコンビネーションランプについては、同年の2月3日に先行発売された上級車種のティアナに似せたデザインとなった。また、ホイールおよびホイールカバーも新設計され、15インチアルミホイールにはティアナに設定されている16インチアルミホイールのデザインを模したものが、14インチホイールカバーにはY11型ウイングロード後期型やB15型サニー後期型に採用されるものと同じデザインのものが採用された。4WD車用QG18DEエンジンが、連続可変バルブタイミング(CVTC)化される。グレード体系は前期型と同一ながら、「15i Gパッケージ」・「18Vi Gパッケージ」・「20XJ Gパッケージ」はグレード名称を「15i-G」・「18Vi-G」・「20XJ-G」に改めた。
      なお、15ベーシックパッケージと15iのMT車を除く全車のパーキングブレーキは足踏み式となり、「20XJ-G」のCVTはマニュアルモードなしの「HYPER CVT」になった。
    • 4月 - 上海モーターショーにG10型ブルーバードシルフィ前期型をベースとする中国向け「サニー(陽光)」を出展。直列4気筒 2.0Lエンジンに4速ATおよび5速MTを組み合わせる。
    • 5月8日 - 70周年記念特別仕様車「18Vi 70th」、「18Vi-4 70th」を発売[18]
      「18Vi」・「18Vi-4」をベースに、DVDナビゲーションシステム+バックビューモニター、上級シート生地&トリム(ファインジャカード織物)、フロントバンパー組込みフォグランプ、ETCユニットを装備。
    • 7月 - 中国にて「陽光」(日本語訳でサニー)の生産を開始。日産と東風汽車との合弁会社東風汽車有限公司で生産される。
    • 10月22日 - 70周年記念特別仕様車第2弾となる「70th-II ナビパッケージ」を発売[19]。「18Vi」・「18Vi-G」・「18Vi-4」をベースに、室内環境パッケージ(プラズマクラスターイオン付エアコン、IR/UVカットグリーンガラス(フロント)、消臭天井)、DVDナビゲーションシステム+バックビューモニター、フロントバンパー組込フォグランプを装備し、キーを1個追加。
      併せて、「18Vi-4」にはDVDナビゲーションシステム+バックビューモニターを省き、キーを通常数とした「70th-II」も設定される。
    • 12月25日 - 日本で初めて「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆) 」の認定を受ける[20]
      併せて、70周年記念特別仕様車「18Vi 70th-II」・「18Vi-4 70th-II」を発表(2004年1月20日販売開始)。特別装備内容は先に発売された「18Vi-4 70th-II」と同等である。
  • 2004年
    • 4月7日 - 仕様変更[21]
      カタロググレードの「18Vi」・「18Vi-G」も「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆) 」認定を取得するとともに、「15i」・「15i-G」は「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆) 」認定を取得した。
    • 12月 - 仕様変更。
      ボディカラーに「ウォーターブルーメタリック」を追加。
    • 12月16日 - 特別仕様車「ナビエディション」を発売(2005年3月までの期間限定販売)[22]
      「18Vi」・「18Vi-G」・「18Vi-4」をベースに、DVD方式のナビゲーションシステム、バックビューモニター、マルチリモートコントロールシステム(リモコンキー2本)を装備。
  • 2005年
    • 4月27日 - 特別仕様車「プレミアムインテリア」を発売[23]
      「18Vi-G」・「18Vi-4」をベースに、シートとドアトリムにカフェラテ スウェード調織物、ラジエーターグリルにシャンパンクローム、フロントサイドターンランプにシャンパンを採用。
    • 11月[24] - 生産終了。在庫対応分のみの販売となる。
    • 12月 - 2代目と入れ替わる形で販売終了。販売終了前月までの新車登録台数の累計は17万7333台[25]

サニーネオ/セントラ 編集

 
サニーネオ

タイではブルーバードシルフィをサニーネオSUNNY NEO)の名称で販売していた。日本仕様との違いとして、フロントマスク・ヘッドライトのデザインが大幅に変更されている。なおリアデザインは後期型シルフィと共通となっている。

中国仕様のサニー陽光のデザインはブルーバードシルフィ前期型と同一であったが、のちにマイナーチェンジによりサニーネオと同一のデザインとなった。

マレーシア台湾ではセントラの名称で販売されていた。

パルサー 編集

 
パルサー

オーストラリアではパルサーPULSAR)の名称で販売していた。日本仕様との違いとして、フロントグリルやバンパー、リヤコンビネーションレンズのレイアウトが変更されているが、リアデザインは前・後期ともシルフィとほぼ共通となっている。

ルノーサムスンSM3 編集

 
SM3 前期モデル
 
SM3 後期モデル
 
日産 アルメーラクラシック

上述の通り、韓国・ルノーサムスン自動車(現・ルノーコリア自動車)が初代をベースに開発・生産したモデル。前期モデルは細部を除いてベース車とほぼ同じだが、後期モデルは別モデルと見まがうほどアウターパネルが大幅に変更されている。のちに、日産・アルメーラクラシックとしてロシアなどにも輸出された。

2代目(通算12代目)G11型(2005年 - 2012年) 編集

日産・ブルーバードシルフィ(2代目)
G11/NG11/KG11型
 
前期型(2005年12月-2009年5月)フロント
 
前期型リア
 
後期型(2009年5月-2012年12月)フロント
概要
別名 台湾 : 日産・ブルーバード
中国・シンガポール : 日産・シルフィ
中国 : 日産・シルフィクラシック
ロシア : 日産・アルメーラクラシック
韓国 : ルノーサムスン・SM3(初代)
メキシコ・コロンビア・エジプト : ルノー・スカラ(初代)
中国 : 風神・A60
販売期間 2005年 - 2012年(日本の場合)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
四輪駆動 (e-4WD)
プラットフォーム Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン HR15DE 1.5L 直4 109ps
MR20DE 2.0L 直4 133ps
HR16DE 1.6L 直4(中国仕様)
変速機 エクストロニックCVT
4速AT (E-ATx)
5速MT(中国仕様)
サスペンション
サス前 独立懸架ストラット式
サス後 トーションビーム
車両寸法
ホイールベース 2,700 mm
全長 4,610 mm
4,665 mm(中国仕様後期型)
全幅 1,695 mm
1,700 mm(中国仕様後期型)
全高 1,500 mm
1,510 mm
車両重量 1,160 - 1,280 kg
その他
開発責任者 松本 秀二
デザイナー 中島 敬
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ティアナティーダに続く日産モダンリビングコンセプト第3弾であり、モダンリビングコンセプトを謳う商品としては最後のモデルとして、ティアナの発売後、ティーダの開発終了前に開発が開始された[26]グランドピアノモチーフとしたダッシュボードや、日産が「Sモーション」と呼ぶS字曲線を全体に取り入れたエクステリア、「シェルシェイプデザイン」とよばれる、二枚貝が口を開いた形をイメージしたというシート形状などが採用される。また、給油口は他のアライアンスプラットフォーム採用車同様に右側となった。月間販売目標台数は3,000台と発表されている。

プラットフォームにはBプラットフォームが採用されるが(それに伴ってPCDも先代の114.3/4Hから100/4Hに変更)、フルCセグメント級の車格に相当するにもかかわらず、マーチなどと共通のプラットフォームを用いたのは、日産がプラットフォームの使い分けの基準を主に重量や荷重としているためである[27]。なお、フロアパネルの一部や、サスペンションの構成パーツであるスプリング、ダンパー、ブッシュなど以外は基本的に他のBプラットフォーム採用車との共通部品となっている[28]。しかし、サスペンション周りやトランク開口部の強化により、Bプラットフォーム採用車の中ではボディ剛性が最も高く[29]、捩り剛性については同社の高級車、フーガ並みとした[5]。また、ショックアブソーバーにはティーダにも採用されたリップルコントロールやリバウンドスプリングのほか、新たにプリロード付きダンパーバルブが採用され[5]、走行安定性を向上させた[29]

全長を大幅に延長し、先代モデルと比べホイールベースを165 mm延長したことで、先代の不評点であった室内の狭さを克服しただけではなく、圧倒的な室内空間を確保することに成功した。想定ユーザーは主に40代の女性とされ(2005年当時)[30]、家庭での車選びで「発言力」の強い40代の女性に受けるよう、高級感のあるデザインの内外装と、シーマ以上の脚部スペースをもった後部座席など室内の広さを重視した造りとなっている一方で、センターコンソールはハンドバッグがそのまま入る超大型とし、付属のリッドが180度回転して後席用テーブルとしても使用できる「スーパーマルチコンソール」やオートドライビングポジション機構付の運転席パワーシート、プラズマクラスター内蔵のインテリジェントオートエアコン、アクティブAFSキセノンヘッドランプ、カーテンシールドエアバッグなど女性と安全にきめ細かく配慮したアイテムを盛り込んだ。

また、従来のベースグレードであった1.8Lエンジン搭載グレードが廃止され、2LのMR20DEと1.5LのHR15DEの2種類のエンジンを積み、トランスミッションは2LがジヤトコエクストロニックCVTe-4WDを含む1.5Lにはフルレンジ電子制御4速オートマチック (E-ATx) が採用された。

同じくコンパクトセダンクラスに属していたシビックは衝突安全性と室内幅を両立するために3ナンバーサイズのミドルセダンクラスへと移行したが、ブルーバードシルフィもミドルクラスへ移行しつつも、3ナンバーサイズに対して「日本の狭隘な道路では運転しにくい」というイメージを抱く顧客層が少なくない観点から、5ナンバーサイズをキープした[31]

日本と台湾においては2012年、2013年にそれぞれ生産・販売が終了しているが、2019年7月まで中国市場においては「シルフィ クラシック(軒逸 経典)」の名で販売された[注 3]。一方、ロシア市場においては「アルメーラ」[注 4](型式はB11)の名で2019年12月現在も販売が続けられている。また、東風日産汽車のパートナーである東風汽車においては、シルフィ クラシックとは別に内外装の一部を独自にアレンジした自社ブランド車「風神・A60」として販売されている。

インテリア 編集

先代から延長したホイールベースと、プラットフォームのフロントのレイアウトを非常にタイトとするという特性を生かし、室内空間を大幅に拡大した[27]。その後席ニールームは同一ホイールベースのトヨタ・プレミオ/アリオンよりも70 mm以上広く、先代シルフィよりも141 mm長い[32]。さらに、レッグスペースは同社の最上級車であるプレジデントやシーマ、さらに当時販売されていたトヨタの高級車セルシオをも凌ぐ[29] ため、日産のセダンとしてはフーガに次ぐ後席スペースを持つ。ただし前席についてはプラットフォームの性質上フットスペースなどが若干狭くなっている[27]

また、室内高については、目線を下げて車内でのコミュニケーションが行えるよう、1クラス下のティーダラティオやティーダよりも低めに設定された[26]

グレード構成 編集

グレードには、ベースグレードの「20S」、中間グレードの「20M」、オートドライビングポジションシート等が標準装備される最上級グレードの「20G」、エコノミーグレードで、より低燃費のHR15DEを搭載する「15S」があり、4輪駆動モデルのみの1.5L「15M FOUR」も存在する。オーテックジャパン扱い特別仕様車の「AXIS(アクシス)」)はFF・2Lの「20S」をベースとするが、本革シート、専用デザインのクロームグリル、フロントバンパープロテクタ、専用意匠の16インチアルミホイール[注 5]、専用意匠のセンタークラスター等が専用装備として備わる。また、助手席バニティミラーや運転席シートバックポケット、アイボリーメーターなど「20M」以上に付く装備も一部特別に装着しており、ベースグレードにはない運転席パワーシート装着車も設定する[注 6]。さらに前期型には、法人向けグレード「Brougham(ブロアム)」も用意された。これはかつてセドリック / グロリアの上級グレードで用いられていた名称である。専用の「Brougham」エンブレムやカッパークリア塗装フロントグリル・トランクフィニッシャー、シャンパンゴールド塗装15インチフルホイールカバー、純正装着サイズのテンパータイヤが採用された。尚、「AXIS」「Brougham」ともに日本市場専用設定である。

年表 編集

  • 2005年
    • 10月 - 第39回東京モーターショーに「ブルーバードシルフィ プレビュー」として参考出品。
    • 12月21日 - フルモデルチェンジ。初代ブルーバードから数えて12代目に当たる。廃止間近の3代目プリメーラの統合も視野に入れて発売されることになり、車体寸法が大きくなった。ただし3代目プリメーラと違い、5ナンバーとなる車幅は堅持されている。また、最上級グレードの「20G」には16インチアルミホイールが標準装備されるが、他のグレードにはフルホイールカバーが設定され、アルミホイールは「20G」を除く2Lエンジン搭載車のみにオプション設定される。生産は九州工場から追浜工場に移管された。初代モデルとは異なり教習車は設定されていない。
  • 2006年
    • 4月27日 - 特別仕様車「モダンコレクション」を発売。「20M」・「15M FOUR」をベースに、ワイマラナーインテリア、本革巻木目調コンビ3本スポークステアリング、木目リヤカップホルダーを装備した。
    • 8月24日 - 中国で「シルフィ」(中国名「軒逸」)の名称で発売。当初は「サニー」(中国名「陽光」、G10型ブルーバードシルフィ)との併売となった。この他、シンガポールでも「シルフィ」として発売されている。
    • 12月27日 - 台湾で「ブルーバード」として販売開始(ただし、トランク上のエンブレムは日本と同じで「BLUEBIRD SYLPHY」となっている)。台湾仕様車はMR20DE型エンジンのみを搭載し、本皮革シートやサンルーフなどのオプションを設定している。
  • 2007年
    • 1月31日 - 特別仕様車「ナチュラルリミテッド」を発売。「20M」・「15M FOUR」をベースに、出光テクノファインが開発した「アミノファイン」を採用した「HADASARA」加工クロス(シート、ヘッドレスト、コンソールリッド、ドアクロス、ドアアームレスト)、ナチュラルベージュの専用内装色、インテリジェントエアコンシステム+高性能フィルター[注 7]、木目調リヤカップホルダーを装備した。
    • 5月16日 - 一部改良。「20G」に濃色ガラス(UVカット、リアドア・リアサイド・リアウィンドウ)、「20M」にバンパー組込みフロントフォグランプをそれぞれ追加。特別仕様車「ナチュラルリミテッド」で採用した「HADASARA」加工クロスを同仕様のベースグレードにあたる「20M」・「15M FOUR」及び「20G」に採用し、インテリジェントエアコンシステムは「15S」を除く全グレードに拡大適応した。ボディカラーは「ミスティラベンダーチタンメタリック」を廃し、代わりに「アメジストグレーパールメタリック」を追加。また、従来は専用カタログだったブロアムはこの改良を機に通常版カタログにひとまとめとされた。
    • 10月29日 - 特別仕様車「20S クールモダン」を発売。「20S」をベースに、フロントグリルとヘッドランプインナーパネルに濃色グレー塗装を、インストルメントパネル・センターコンソール・ドアトリムフィニッシャーにアルミヘアライン調を、センタークラスター・シフトノブ・ステアリングフィニッシャーにシルバー加飾をそれぞれ施し、よりスポーティな印象とした。なお、「クールモダン」は2009年5月以降の後期型同様、フロントのウインカーレンズがアンバー色に変更されていたが、後期型には設定されなかった。
  • 2008年10月1日 - 一部仕様向上。「アクシス」を含めた全車にインテリジェントキー+エンジンイモビライザーが標準装備となり、オプション設定のカーウイングスナビゲーションシステムはETCユニットがセットされた。
  • 2009年
    • 4月8日 - 中国向け仕様がマイナーチェンジ。フロントグリルのデザイン、テールライトの形状が変更され、フロントバンパーも後期型フーガ風のものに交換された。また、フロントのウインカーレンズ色がアンバー色に変更された。新たに1.6Lエンジン搭載車に5速マニュアルトランスミッションを採用したグレードが追加された[33]
    • 5月27日 - 日本国内仕様をマイナーチェンジ。
      • フロントのターンレンズ色を中国仕様車同様のアンバー色とし、センタークラスターのデザインをめっき枠付きのものに変更。ボディカラーはローズレッドパール、セシルブルーチタンメタリック、アメジストグレーパールメタリック、ダイヤモンドシルバーメタリック、シルキーベージュチタンメタリックの5色を廃止し、ダークブルーパール、タイタニウムグレーチタンメタリック、スチールブルーメタリック、フランボワーズレッド2コートパール、ブリリアントシルバーメタリックの新色5色を採用する大幅な入れ替えを実施(ホワイトパールとサファイアブラックパールは継続)すると同時に、従来はボディカラーに関係なく「ブラック」と「サンドベージュ」から選択できたインテリア色は組み合わせが制限されるようになった。装備ではメーターのデザインが一新され、燃費表示機能がついた液晶オド・ツイントリップメーターを装備する。
        オプションメニューには地デジ内蔵・HDD方式のカーウイングスナビゲーションシステムとディスプレイ付CD一体AM/FMラジオ+バックビューモニター(20Gは標準装備)を追加。
      • 同時に、これまで標準装備としていたインテリジェントエアコンシステムは20Gを除く全グレードメーカーオプションに変更されると同時に、液晶表示式に変更。MR20DEエンジン搭載車のエンジンヘッドカバーも省略された。また、法人向けの「ブロアム」が廃止される一方で、「アクシス」はベース車と同様の改良を受け、継続設定された[注 8]
  • 2011年11月21日 - 広州国際モーターショーにて東風乗用車公司が自主ブランド「風神」のフラッグシップモデルとなるセダン「A60」を発表[34]。G11型シルフィをベースに開発され、前後デザインなどが変更されている。
  • 2012年
    • 3月28日 - 東風乗用車公司が「風神・A60」の発売を開始した[35]。パワートレーンはMR20DE型2.0LエンジンとCVTの組み合わせのみとなる。
    • 6月 - 仕様変更。法改正に伴い従来はSRSカーテンエアバッグなどとのセットオプションであった後席中央3点式シートベルトが標準化された半面、オーディオは全グレードでオプション(=オーディオレスが標準)に変更され、キセノンヘッドランプ+AFSや地デジ内蔵・HDD方式のカーウイングスナビゲーションシステムをはじめとしたメーカーオプションが全てなくなった。同時に「20G」と「アクシス」を廃止。これにより、運転席パワーシート装着車も消滅。
    • 8月29日 - モスクワ国際モーターショーにてG11型シルフィをベースとするロシア向けアルメーラを発表[36]
    • 12月 -「シルフィ」の単独ネームとなった3代目と入れ替わって生産・販売終了。「ブルーバード」の名義は本車を最後に消滅し、53年の歴史に幕を閉じた。販売終了前月までの新車登録台数の累計は9万3095台[37]

3代目(通算13代目)B17型 (2012年 - 2021年) 編集

日産・シルフィ(3代目)
NB17/TB17型
 
G フロント
 
G リヤ
 
G コクピット
概要
別名 米国 : 日産・セントラ(7代目)
オセアニア : 日産・パルサー(7代目)
台湾 : 日産・スーパーセントラ/セントラエアロ(2012年販売型)→ 日産・セントラ(2015年改良型)
中国 : ヴェヌーシア・D60
販売期間 2012年12月5日 - 2021年10月26日
2020年9月30日生産終了)
※日本仕様車
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム Bプラットフォーム
パワートレイン
エンジン MRA8DE
1,798cc 直列4気筒DOHC
最高出力 96 kW(131 PS)/ 6.000 rpm
最大トルク 174 N・m(17.7 kgf・m)/ 3,600 rpm
変速機 エクストロニックCVT
サスペンション
サス前 独立懸架ストラット式
サス後 トーションビーム式
車両寸法
ホイールベース 2,700 mm
全長 4,615 mm
4,675 mm(Sツーリング)
全幅 1,760 mm
全高 1,495 mm
車両重量 1,230 - 1,240 kg
その他
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク式
後:リーディングトレーリング式
2015年6月までの累計販売台数 2万5232台[38]
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2012年4月に北京モーターショーにて発表された。北米市場へはセントラオーストラリア市場へはパルサーセダン、台湾市場にはスーパーセントラ/セントラエアロの名でそれぞれ導入される。外寸は全長4,615 mm、全幅1,760 mm、全高1,495 mmと、特に全幅は拡大されたが[39]、引き続きBプラットフォームを採用しているため、ホイールベース長2,700 mmとボディ右側に設置されるフューエルリッドは先代から不変である。エンジンは新開発のMRA8DE型 1.8Lが搭載される[40]。なお、日本へは同年12月5日より販売開始[41]

2012年7月19日に世界に先駆け中国市場での販売が開始されたが、従来のG11型(「軒逸・経典」)も1.6L車のみが継続販売される[42]。2012年8月30日にはタイ王国にて販売が開始された[43][44]。エンジンは1.6Lと1.8L、トランスミッションは1.6L車の最廉価グレードに5速MTが搭載されるほかは全てCVTとなる。なお、タイ向けシルフィは後席中央ヘッドレストが省かれている。

日本仕様車については、2012年10月5日の新型ラティオ発表の席で同年末に日本でも発売することが発表された[45]。そして2012年12月5日に日本市場での販売開始。日本仕様車では1.8L・2WD・CVT車のみの設定となっており[39]、ベースグレードの「S」、中間グレードの「X」、上級グレードの「G」の3グレードが設定され、併せて、オーテックジャパンからは、福祉車両「ライフケアビークル」のラインナップに「X 助手席回転シート」が追加されている。また、日本市場での想定ユーザーは格下のラティオ同様、70歳以上の男性とされ月販台数は600台を目標(発表当時)としている。生産は追浜工場で行われる[41]

2015年1月22日には、特別仕様車「Gルグラン」を発売[46][注 9]。「G」をベースに、専用のブラック本革シートと合皮ドアトリム、16インチ切削光輝アルミホイールを装備したもの。同時に、ベース車のボディカラー変更が行われ、サファイアブラックパールが廃止になり、新たにスーパーブラックが追加された。

2015年8月24日には、特別仕様車「Sツーリング」を発売[47][注 10]。「X」をベースに、専用のフロントエアロバンパー(メッキフォグランプフィニッシャー付)、リヤエアロバンパー、サイドシルプロテクター、リヤスポイラー、グロスブラックのフロントグリルを装備し、専用エンブレムと16インチ切削光輝アルミホイールに加えてキセノンヘッドランプを標準装備。内容的には、エンブレムとアルミホイール以外の全てが台湾向け「セントラエアロ」と同一内容となる。なお、本車は持込み登録で、オーテックジャパン扱いである。

2020年2月には、一部の仕様変更が実施され、内部突起に係る協定規則(第21号)に対応となったが、これと同時に助手席回転シートが廃止された。

2020年9月30日を以って日本仕様車の生産終了[48]。以後、流通在庫のみの販売となり、在庫が無くなり次第、販売終了となる[注 11]

2021年10月26日、販売終了。公式ホームページの掲載も削除された。これにより、日産は1938年誕生のダットサン17型セダンを経て1959年誕生のブルーバードを源流とする基幹クラスのセダンから完全撤退し、同社のラインナップから前輪駆動のセダンが消滅した。

4代目(通算14代目)B18型(2019年 - ) 編集

日産・シルフィ(4代目)
B18型
 
シルフィ e-POWER(フロント)
 
シルフィ e-POWER(リア)
概要
別名 米国 : 日産・セントラ(8代目)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
エンジン位置 フロント
駆動方式 前輪駆動
プラットフォーム CMF-C/Dプラットフォーム
パワートレイン
エンジン HR16DE
直列4気筒DOHC
変速機 エクストロニックCVT/5MT
サスペンション
サス前 独立懸架ストラット式
サス後 トーションビーム式/マルチリンク式
車両寸法
ホイールベース 2,712 mm
全長 4,641 mm
全幅 1,815 mm
全高 1,450 mm
テンプレートを表示

2019年4月の上海モーターショーにてワールドプレミア[49]。同年7月16日、中国市場にて発表・発売開始。

フロントマスクには近年の日産デザインアイコン「Vモーション」を進化させた「Vモーション 2.0」を採用した上で、ワイド&ローフォルム へと転換。プラットフォームはエンジニアリングアーキテクチャ「CMF」によって形成された「CMF C/D」を新たに採用。

エンジンは先代からのキャリーオーバーとなるHR16DE、トランスミッションも同様に先代からのキャリーオーバーとなるエクストロニックCVTないしは5速MTを採用するが、いずれにも改良が施され、燃費が向上している。また、XL以上のリヤサスペンションには新たにマルチリンクが採用された。

安全装備はさらに進化し、前方衝突予測警報(インテリジェントFCW)、側・後方車両検知警報(BSW)、車線逸脱警報(LDW)、後退時車両検知警報(CTA)、ふらつき警報(インテリジェント DA)などを総合制御する最新の日産インテリジェントモビリティを全グレードに搭載する。また、当代の登場に伴い「シルフィクラシック」はG11型からB17型に変更され、当代と併売されることになった。

北米および台湾市場においては、先代に引き続いて「セントラ」の名で投入されるが、北米仕様のエンジンはMR20DEに換装される。

2021年9月29日には、中国市場で初のe-POWER搭載モデルとなる「シルフィ e-POWER」が発表された[50]

2023年3月上旬、中国市場でマイナーチェンジし発売された[51]

車名の由来 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ SM3とスカラの場合、車両型式はN17。
  2. ^ 2000年代当時での基準。2020年代現在の基準に置き換えた場合だと事実上、フルBセグメント(BCセグメント)相当となる
  3. ^ B17型の登場を機に「シルフィ」から改名。
  4. ^ ルノーサムスンで生産されたアルメーラクラシックの事実上の後継車種という位置づけ。
  5. ^ のちに登場するウイングロードアクシスとは全く同じデザイン・サイズである。但し、タイヤはウイングロードが195/55R16を履くのに対し、シルフィは195/60R16と異なる。
  6. ^ 引き換えに、カーテンシールドエアバッグ+後席中央3点式シートベルトのメーカーオプションが選べなくなった。
  7. ^ 「20M」は高性能フィルターのみ。
  8. ^ なお、ボディカラーはセシルブルーチタンメタリックの代わりにダークブルーパールが、ダイヤモンドシルバーメタリックの代わりにブリリアントシルバーメタリックが設定された。
  9. ^ ルグランはフランス語で最上の意で、かつてPU11型ブルーバードマキシマ(表記は「LEGRAN」)やU14型ブルーバード(表記は「Le Grand」)などで使用されていたグレード名。B17においては「Le Grand」表記となる。
  10. ^ かつて、A32/A33型セフィーロで使用されたグレード名でもある。
  11. ^ シルフィの公式ホームページに「一部、仕様・グレード・カラーについては、生産上の都合でご用意できない場合がございます。詳しくはお近くの販売店にお問い合わせください。」と言う告知が掲載された。

出典 編集

  1. ^ IMPUL BLUEBIRD SSS IMPUL公式サイト
  2. ^ IMPUL SYLPHY
  3. ^ a b “【新風『ブルーバード・シルフィ』Vol. 6】革新より熟成のデザイン”. Response.. (2000年8月30日). https://response.jp/article/2000/08/30/3947.html 2022年1月1日閲覧。 
  4. ^ “【新風『ブルーバード・シルフィ』Vol. 1】上質なライフスタイルを”. Response.. (2000年8月30日). https://response.jp/article/2000/08/30/3917.html 2022年1月1日閲覧。 
  5. ^ a b c 新型ブルーバードシルフィのすべて メカニズム
  6. ^ “【新風『ブルーバード・シルフィ』Vol. 4】サブネームが語る真実”. Response.. (2000年8月30日). https://response.jp/article/2000/08/30/3932.html 2022年1月1日閲覧。 
  7. ^ 予想外のヒットを飛ばした初代シルフィCarview試乗レポート(2015年9月26日 閲覧)
  8. ^ “日産、MSプラットホームを2002年までに小・中型車に完全導入”. Response.. (2000年9月20日). https://response.jp/article/2000/09/20/4398.html 2022年1月1日閲覧。 
  9. ^ 2000年型日産セントラがカリフォルニアの最も過酷な排気基準、OBD II基準、及びエバポ排出ゼロ規制をクリア』(プレスリリース)日産自動車株式会社、1999年11月10日https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-d151058c73d721dcf6d0cc853f004246-2000obd-ii2022年1月1日閲覧 
  10. ^ a b c 新型セダンの名称を「ブルーバード シルフィ」と決定』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2000年7月27日https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-514deebc0a163f55a8a3787de20056cd-nissan-names-bluebird-sylphy-as-new-sedans-name-j2022年1月1日閲覧 
  11. ^ a b “【新風『ブルーバード・シルフィ』Vol. 2】SULEVのヒミツを明かす”. Response.. (2000年9月20日). https://response.jp/article/2000/08/30/3928.html 2022年1月1日閲覧。 
  12. ^ 新型セダン「ブルーバード シルフィ」を発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2000年8月30日https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-0032ff05aa6577577d36a0990c043ff3-nissan-releases-new-bluebird-sylphy-sedan-j2022年1月1日閲覧 
  13. ^ ブルーバード シルフィに「ベーシックパッケージ」を追加』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2001年3月21日https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-9d932690792b8a0c100f114432587a25-010321-012022年1月1日閲覧 
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  15. ^ ブルーバードシルフィ「教習車」を新発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2001年10月31日https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-d3b29dce49a4b548429aa1869bbc47e1-011031-012022年1月1日閲覧 
  16. ^ ブルーバード シルフィの特別仕様車「18Viリミテッド」を発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2001年12月21日https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-2b76b869a86890ec6bdd3a5e55a72b59-011221-012022年1月1日閲覧 
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  19. ^ 70周年記念特別仕様車 第2弾を発売』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2003年10月22日https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-4e722b3d94b7cc060edc7f5f92cee36e-031022-012022年1月1日閲覧 
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  47. ^ 「シルフィ」の特別仕様車「Sツーリング」を発売”. 日産自動車 (2015年8月24日). 2015年8月24日閲覧。
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  50. ^ 日産自動車、中国で「e-POWERシルフィ」を公開』(プレスリリース)日産自動車株式会社、2021年9月29日https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-c252360e116720126985295f9d235cd4-210929-00-j2021年9月29日閲覧 
  51. ^ 日産が「ラグジュアリーセダン」をお披露目! 大型メッキグリル採用の新型「シルフィ」を発売、中国市場の人気を死守出来るか”. くるまのニュース (2023年3月14日). 2023年3月16日閲覧。

参考文献 編集

  • モーターファン別冊 ニューモデル速報 第369弾 『新型ブルーバードシルフィのすべて』三栄書房、2006年3月 ISBN 4-7796-0000-6

関連項目 編集

外部リンク 編集