GUITARHYTHM II
『GUITARHYTHM II』(ギタリズム・ツー)は、日本のミュージシャンである布袋寅泰の2枚目のアルバムである。
『GUITARHYTHM II』 | |||||
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布袋寅泰 の スタジオ・アルバム | |||||
リリース | |||||
録音 |
メトロポリス・スタジオ(ロンドン) セディック・スタジオ(東京) ヒット・ファクトリー・スタジオ(ロンドン) | ||||
ジャンル |
ロック デジタル・ロック プログレッシブ・ロック アートロック | ||||
時間 | |||||
レーベル | 東芝EMI/イーストワールド | ||||
プロデュース |
布袋寅泰 藤井丈司 | ||||
チャート最高順位 | |||||
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布袋寅泰 アルバム 年表 | |||||
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布袋寅泰関連のアルバム 年表 | |||||
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『GUITARHYTHM II』収録のシングル | |||||
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音楽・音声外部リンク | |||||
GUITARHYTHM II - YouTube |
背景
編集COMPLEXの無期限活動休止後のソロ復帰アルバム。
BOØWYやCOMPLEXの音楽性とは大きく異なり、重厚なサウンドで構築されている。『GUITARHYTHM』が海外進出を志した作品だったのに対し、本作は日本のロック・ファンの為のアルバムとして制作されており、歌詞もカヴァー曲を除き日本語である。この方向性は前年の時点ですでに決めており、COMPLEXの活動休止を発表した直後のインタビューで述べている[1]。
本作の楽曲制作及びレコーディングをするに当たり、単身渡英。COMPLEXのラストライブ翌日には渡英する飛行機に乗っていたという[2]。ロンドン市内にフラットを借りて生活を始め、全楽曲のデモを1ヶ月で完成させた。リリース後には、ソロキャリアでは初となる全国ツアーも行われた。
コンセプトは『時空を超えた魂の旅』で、「BEAT EMOTIONによって解き放たれた魂が時空を自由に飛びまわり、綺麗なもの、哀しいものなどを見たりしながら傷つきながら彷徨い、最後に火星からきたスターマンに拾い上げられ天に昇っていく」といったシナリオとなっている。"天使と悪魔"もキーワードとなっており、歌詞に幾度も登場する[3]。また本作のレコーディング中に湾岸戦争が勃発しており[注釈 1]、このことが一部の楽曲に影響を及ぼしている[2]。
本作の「SLOW MOTION」より森雪之丞が初めて布袋に詞を提供しており、これを機に森は以後布袋作品の作詞を数多く手掛けることになる[注釈 2]。
後年テレビ番組上でデヴィッド・ボウイと対談した際には、『I』『II』『III』を聴き比べたボウイに「IとIIの違いは大きい。スタイル的にかなり大きく変わった。Iはずっと原始的だったけど、IIは使っているコードも違うし、曲の作りがものすごく変わった」と評されている。これに対し布袋は「一番大きな理由はバンドを組んだこと(ライブのサポートメンバーを固定した)。Iは僕がギターとコンピュータだけで作ったものだけど、このアルバムでは色んなミュージシャンに参加してもらったから」と語っている[5]。
またインタビューでは「このアルバムを完成させたことで、今後自分だけでやっていくことに対して自信がついた。ギター弾きだからいつも誰かとセッションできるスタンスでいたかったけど、もう人とやっていくつもりはないかな」とソロ活動への自信と意欲を語っている。
オリコンアルバムチャート上にて1位を獲得したが、アルバム及びツアーでのファンの反応が100パーセント満足のいくものではなかったと布袋は語っている[6][7]。一方、初のソロツアーを経験したことで確固たる自信もついたと述べており[8]、これらの経験を踏まえ、以降さらにライブを意識した音楽性へと変化を遂げていくことになる。
録音
編集『GUITARHYTHM II』の構想については1990年秋の段階で既にジーザス・ジョーンズのような音楽性で、との方針が布袋によって示されていた[9]。アルバム制作は1991年1月下旬から2月末までの間の、曲作りとプリプロダクションによって始まった[10]。曲作りは1日1曲のハイペースで進み、アルバムは2枚組で制作されることになった[11]。布袋はレッド・ツェッペリンの『フィジカル・グラフィティ』とプリンスの『サイン・オブ・ザ・タイムス』、スティーヴィー・ワンダーの『シークレット・ライフ・オブ・プラント』といった2枚組の名盤を足して3で割ったようなアルバムを考えていたとしている[12]。共同プロデューサーの藤井丈司は、布袋からアルバムが2枚組になることを聞かされた時に、布袋が自身の持つ音楽感・アート感のようなものを全て出そうとしていると思った、と語っている[10]。
3月初頭から後半にはリズム録りとオーバー・ダビングが行われた[10]。レコーディングは発電所を改築したというロンドンのメトロポリス・スタジオにてレコーディングされた。このスタジオは後の作品でも度々レコーディングに使用されている。余談だが、本作のレコーディングスタジオの候補としてデイヴ・スチュワートが所有するチャーチ・スタジオも挙がっていた[2]。レコーディングは布袋、藤井、エンジニアのマイケル・ツィマリングの3人で24トラックのアナログ機材を用いて制作[10]。4月初頭からレコーディングとトラックダウン、オーケストラ・レコーディングが6月中旬まで続けられ、アルバムは完成した[10]。布袋は『GUITARHYTHM II』の制作においては特に藤井の功績が大きかったとしており、本アルバムの35パーセントは藤井が作ったとも語っている[13]。
湾岸戦争の影響により一時帰国した関係で、一部の作業は都内のスタジオで行われた。
主な機材はソルダーノのプリアンプ「X-88R」、VHTの「2150パワーアンプ」、マーシャルのスピーカー・キャビネットといったラインナップである[14]。
ロンドンに同行した森雪之丞は日々出来上がる音源を聞き、布袋とのディスカッションで構想された世界観[注釈 3]を歌詞にした[16]。
リリース
編集1991年8月30日に5000枚限定で4枚組LPレコード盤がコンパクトディスク、カセットテープより1ヶ月先行リリースされている。
通常版リリース前の1991年9月5日には、当時布袋がパーソナリティを担当していた『ミュージックスクエア』で「GUITARHYTHM NIGHT」と題して特別プログラムが放送され、『GUITARHYTHM』から3曲、UKリリースの12インチシングル『DANCING WITH THE MOONLIGHT』から全4曲、『GUITARHYTHM II』からの12曲とデモテープ版の「RADIO! RADIO! RADIO!」の計20曲が紹介された[17]。
その後、1991年9月27日に東芝EMIのイーストワールドレーベルよりコンパクトディスク2枚組、カセットテープ2本組の2形態でリリースされた。初回版はベルベットボックス仕様、ピクチャーCDとなっている。また、購入時にくじ引きによってロゴマーク入りのメモ用紙やファイルケースなどが配布されていた。
先行発売されたLPレコード版には、1988年にイギリスでリリースした「DANCING WITH THE MOONLIGHT」のシングル・バージョンや、同年に行われた「GUITARHYTHM LIVE」の楽曲が収録されている。
アートワーク
編集『GUITARHYTHM』に引き続き、アートディレクションを永石勝が務めた。56ページのヴィジュアル・ブックレットには各楽曲をイメージしたフォトグラフやイラストが掲載されている。
永石に本作を渡しアートワークのイメージを伝えた際、「何曲あるの?これ(笑)」というやり取りがあったとのこと。
ライブ
編集本作の発売前、1991年8月6日に富士急ハイランドのムーンサルト・スクランブル前において、『GUITARHYTHM REPRISE』と題された野外ライブを開催。あいにくの雨に見舞われたが、『GUITARHYTHM』収録曲やBOØWY時代の曲、ゲストボーカルに妻(当時)の山下久美子を迎えての曲のほか、本作からも数曲が先行して演奏された。
本作を受けてのツアーは、『GUITARHYTHM ACTIVE FLY INTO YOUR DREAM』と題し、1991年9月30日の群馬県民会館を皮切りに、23都市全33公演が行われている。12月2日には海外公演としてロンドンにあるTOWN&COUNTRY CLUBでの公演も行っている[注釈 4]。この公演の打ち上げにて、布袋が当時高く評価していたジーザス・ジョーンズのマイク・エドワーズとの知遇を得ており、次作『GUITARHYTHM III』にて共演するなど、以後長年に渡って交流が続いていくことになる。ツアーファイナルには日本武道館公演4DAYSを実現。後にこのツアーの模様がライブ・アルバム『GUITARHYTHM active tour '91-'92』(1992年)と、ライブ・ビデオ『GUITARHYTHM active tour '91-'92』(1992年)としてリリースされている。
布袋の実妹である狩野環がボーカルを務めるガラパゴスがオープニングアクトとしてツアーに帯同した。なお、前述の『GUITARHYTHM REPRISE』において、狩野はコーラスで参加している。
『GUITARHYTHM REPRISE』でサポートを務めた成田忍、浅田孟、椎野恭一、小森茂生、藤井丈司は以後バンドメンバーとして固定され、1994年の『GUITARHYTHM SERIOUS! CLIMAX ARENA TOUR』まで同行していくことになる[注釈 5][注釈 6]。 なお、成田は布袋がBOØWY時代後期に使用したオリジナルギター「MV-95HT」のアーム搭載モデルをツアーで使用しており、ライブ・ビデオでも確認できる。
前述の通り、ソロキャリア初の全国ツアーを経験したことが今後の作品に大きく反映されることとなる。
エピソード
編集本作のリリース後に布袋はBOØWY解散以来初めて氷室京介と直接会話を交わしている。氷室の『OVER SOUL MATRIX TOUR 1991』大阪公演の楽屋を布袋が訪ねて行くと氷室は「聴いたよ」と答え、感想として「なげーよ」とコメントしたという。「いいけど長い」「長いのつくりたかったんだからいいんじゃない?」と氷室は答え、率直な感想をもらえたとして布袋は嬉しかったとコメントしている[18]。
収録曲
編集CD・CT版
編集# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「GUITARHYTHM REPRISE」 | ハービー・山口・Lenny Zakatek | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
2. | 「BEAT EMOTION (Album Verson)」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
3. | 「PRISONER」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「SLOW MOTION」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
5. | 「SPHINX」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
6. | 「MERMAID'S DREAM」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | ||
7. | 「PARADISE」 | 布袋寅泰・森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
8. | 「DEVIL'S SUGAR」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
9. | 「DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
10. | 「ANGEL WALTZ」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰・門倉聡 | |
11. | 「YOU」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
12. | 「GUITAR LOVES YOU」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | ||
合計時間: |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「ROCK'N'ROSE」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
2. | 「MAN+WOMAN IN LOVE」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
3. | 「LIBIDO」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「FLY INTO YOUR DREAM」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
5. | 「WONDERLAND」 | 布袋寅泰 | NIELS WALEM | ||
6. | 「METROPOLIS」 | 布袋寅泰・藤井丈司 | 布袋寅泰・藤井丈司 | ||
7. | 「MERRY-GO-ROUND」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
8. | 「TELEPHONE CALL」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
9. | 「RADIO! RADIO! RADIO! (RE-MIX)」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
10. | 「NOT FOR SALE」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
11. | 「CITY LIGHTS」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
12. | 「STARMAN」 | David Bowie | David Bowie | 布袋寅泰 | |
合計時間: |
LP版
編集# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「GUITARHYTHM REPRISE」 | ハービー・山口、Lenny Zakatek | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
2. | 「BEAT EMOTION (Album Verson)」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
3. | 「PRISONER」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「SLOW MOTION」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
5. | 「SPHINX」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
6. | 「MERMAID'S DREAM」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | ||
7. | 「PARADISE」 | 布袋寅泰・森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
8. | 「DEVIL'S SUGAR」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
2. | 「ANGEL WALTZ」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰・門倉聡 | |
3. | 「YOU」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「GUITAR LOVES YOU」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
5. | 「ROCK'N'ROSE」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
6. | 「MAN+WOMAN IN LOVE」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
7. | 「LIBIDO」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
8. | 「FLY INTO YOUR DREAM」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
1. | 「WONDERLAND」 | 布袋寅泰 | NIELS WALEM | ||
2. | 「METROPOLIS」 | 布袋寅泰・藤井丈司 | 布袋寅泰・藤井丈司 | ||
3. | 「MERRY-GO-ROUND」 | 森雪之丞 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「TELEPHONE CALL」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|---|
5. | 「RADIO! RADIO! RADIO!(RE-MIX) 」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
6. | 「NOT FOR SALE」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
7. | 「CITY LIGHTS」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
8. | 「STARMAN」 | David Bowie | David Bowie | 布袋寅泰 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 |
---|---|---|---|---|
1. | 「DANCING WITH THE MOONLIGHT (12 inch version)」 | ハービー山口・Lenny Zakatek | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 編曲 |
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2. | 「LEGEND OF FUTURE」 | Geoffrey Westley | Geoffrey Westley | |
3. | 「POWER (live)」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「C'MON EVERYBODY (live)」 | Eddie Cochran・Jerry Capehart | Eddie Cochran・Jerry Capehart | 布袋寅泰 |
曲解説
編集DISC I
編集- GUITARHYTHM REPRISE
- 前作『GUITARHYTHM』に収録されているタイトル・トラックのゴスペルバージョン。
- 布袋曰く「魂の時空のスタートが神々によって祝福されるというオープニングにしようと思った。魂ってどこにいるかっていう話ではないんだけれど、それが浄化して上昇していく。上まで行ったところで「BEAT EMOTION」につながって、加速して現実に戻るというストーリーを考えていた。だからこの曲には過去とか現在という次元はない」[19]。
- 2枚組の大作となった『GUITARHYTHM II』だが、曲構成についてはオープニングの「GUITARHYTHM REPRISE」から4曲目の「SLOW MOTION」までと、「STARMAN」で作品を締めくくることは最初から決まっていた[20]。
- BEAT EMOTION (Album Verson)
- 楽曲作りの初日に制作された[19]。
- 3rdシングルとしてアルバムに先駆け発売。デジタル・リマスタリング盤からはシングル・バージョンで収録されている。ただしオリジナル盤では「GUITARHYTHM REPRISE」の終わりに入っていた"Welcom to GUITARHYTHM II"の音声がデジタルリマスタリング盤では「BEAT EMOTION」の曲頭に来るようにチャプター設定が変更になっている。
- 詳細は「BEAT EMOTION」の項を参照。
- PRISONER
- SLOW MOTION
- SPHINX
- MERMAID'S DREAM
- 布袋が演奏に直接関与していない、藤井による打ち込みのインストゥルメンタル[13]。バックに流れている音はイルカの鳴き声。
- 布袋曰く「次の"PARADISE"への助走的役割のSE」。
- PARADISE
- DEVIL'S SUGAR
- 上述通り、前曲「PARADISE」と対になっており、歌詞には「精霊の嘆く声 かき消して」と同じフレーズが登場している。
- DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT
- ANGEL WALTZ
- YOU
- 後に4thシングルとしてリカットされた。
- 「森さんのロマンティシズムと俺のロマンティシズムをバンっと並べてみたくて、意識的に「ANGEL WALTZ」の次に入れた」とのこと[27]。
- GUITAR LOVES YOU
DISC II
編集- ROCK'N'ROSE
- 山下久美子の『JOY FOR U』用に製作された楽曲だが[12]、山下に頼み込んで『Ⅱ』に採用された[10]。
- イントロは『GUITARHYTHM』に収録されている「LEGEND OF FUTURE」のサンプリングで、ブックレットにも「INTRODUCTION FROM "LEGEND OF FUTURE" MUSIC : GEOFFREY WESTLEY」とクレジットされている。
- VHS『GUITARHYTHM』のオープニングに出てくるギターを携えたバラを見て、「ROCK'N' ROSE」という曲を作ろうとイメージしたという[29]。
- 歌詞のイメージは「砂漠のようなところに、うらぶれたショットバーがあって、そこには50年代っぽいネオンがあって、そこにフラッと立ち寄ったところで男と女が出会う。その子もロックンロールが好きで、俺もロックンロールが好き。それでその女の子は俺よりロックンロールが好き。それがバラのトゲっぽいよね」とのこと。
- MAN+WOMAN IN LOVE
- 布袋曰く「単純にセックス賛歌というやつ。セックスはいいものだ、きれいなものだというイメージ。結局、遺伝子だったりするわけで、そういった生まれたときからのすごく自然なことだと思う。俺が珍しくそういう情景を遠まわしに言葉にした」[29]。
- コーラス部分を除くと歌詞が短く、ブックレットには一行で記載されている。
- LIBIDO
- FLY INTO YOUR DREAM
- WONDERLAND
- METROPOLIS
- MERRY-GO-ROUND
- 前曲から間を置かずに始まる。「(前曲まで)旅をしてた魂が、現実の遊園地に戻ってくる。人生はメリーゴーラウンド」というストーリー[33]。
- イントロに入っている「幸せの黄色いリボン」は、休日に藤井丈司がDATを持ってコヴェント・ガーデンに行き、そこの人形館で録ってきたもの。「スタジオだけの密室的なものにならないようにと思って」とのこと[33]。後に発売されたベストアルバム『GUITARHYTHM FOREVER Vol.1』にはこのSE部分がカットされたアレンジで収録されている。
- TELEPHONE CALL
- RADIO! RADIO! RADIO! (RE-MIX)
- 3rdシングル「BEAT EMOTION」のカップリング曲のリミックス・バージョン。
- NOT FOR SALE
- 「くだらない愛だ恋だっていう歌は聴きたくないっていう気分が入ってる。ラヴ・ソングってたくさん作ってると、なんか価値が減っちゃう気がするし。だって、恋多き大人の男と女がすべてじゃ、あまりに悲しい。それは大切だけど、それだけじゃない」という想いが込められている[35]。
- CITY LIGHTS
- STARMAN
- デヴィッド・ボウイの楽曲のカバー。この楽曲を最後にすることは最初から決めていたとのこと[36]。またボウイがこの時期ティン・マシーンを結成し「もう過去の作品は歌わない」と宣言したことに対する布袋なりのアンサーでもある。
- 「この曲が出たころ、"スターマン"って存在はまだリアルじゃなかったけど、現代のスターマンってもうリアルだと思う。だからこの曲は今のほうがマッチしてる気がするし、絶対に時代を超えて残る曲。それで、今に甦るアプローチとしてコンピュータを入れて、そこに降りてくるスターマンはきっともっとリアルになると思って踏み切った」と布袋は語っている[36]。
- デジタルリマスタリング盤からは曲終わりの無音時間が5秒ほど長くなっている。
ボーナストラック(LP版)
編集- DANCING WITH THE MOONLIGHT (12 inch version)
- 1stシングル。イギリスで発売された12インチシングルバージョン。
- LEGEND OF FUTURE
- 1stアルバム『GUITARHYTHM』収録曲。
- POWER (live)
- 1988年10月26日に代々木第一体育館にて行われたライブ「GUITARHYTHM LIVE」からの音源。
- この楽曲は長い間音源化される事は無かったが、2016年4月6日発売の36枚目のシングル「8 BEATのシルエット」のカップリングにて新録バージョンとして初めて音源化された。
- C'MON EVERYBODY (live)
- 1stアルバム『GUITARHYTHM』収録曲。
- 1988年10月26日に代々木第一体育館にて行われたライブ「GUITARHYTHM LIVE」からの音源。
スタッフ・クレジット
編集参加ミュージシャン
編集
GUITARHYTHM REPRISE
BEAT EMOTION PRISONER
SLOW MOTION
SPHINX
MERMAID'S DREAM
PARADISE
DEVIL'S SUGAR
DRIVIN' TO YOUR HEART TONIGHT
ANGEL WALTZ
YOU
GUITAR LOVES YOU
|
ROCK'N'ROSE
MAN+WOMAN IN LOVE
LIBIDO
FLY INTO YOUR DREAM
WONDERLAND METROPOLIS
MERRY-GO-ROUND
TELEPHONE CALL
RADIO! RADIO! RADIO! (RE-MIX)
NOT FOR SALE
CITY LIGHTS
STARMAN
|
スタッフ
編集- 布袋寅泰 - プロデューサー
- 藤井丈司 - コ・プロデューサー
- マイケル・ツィマリング - レコーディング・エンジニア(「WONDERLAND」以外)、ミキシング・エンジニア(「GUITAR LOVES YOU」以外)
- MIKE ROSS-TREVOR - レコーディング・エンジニア(「WONDERLAND」のみ) 、ミキシング・エンジニア(「WONDERLAND」のみ)
- HEIDI CANNAVO - ミキシング・エンジニア(「GUITAR LOVES YOU」のみ)、アシスタント・エンジニア
- 伊藤康宏 - アシスタント・エンジニア
- DENIS BLACKHAM - マスタリング・エンジニア
- 関口みつのぶ (TOY BOX PUBLISHERS) - A&Rディレクター
- 広瀬哲(東芝EMI) - A&Rディレクター
- 糟谷銑司 (TOY BOX PUBLISHER) - エグゼクティブ・プロデューサー
- 石坂敬一(東芝EMI) - エグゼクティブ・プロデューサー
- 下河辺晴三(東芝EMI) - エグゼクティブ・プロデューサー
- 永石勝 - アート・ディレクション、デザイン 、コンピュータグラフィックス
- 園木和彦 - 写真撮影
- TOSHIAKI UESUGI - デザイン
- HIROKI TATIBANA - デザイン
- DAISUKE UNNO - アシスタント・デザイン
- SHOKO KITAMURA - コンピュータグラフィックス
- HIROYUKI HAYASHI - コンピュータグラフィックス
- ERIKO HIGUCHI - スタイリスト
- 川野晶子 - ヘアー、メイク
- 前田真宏 - イラストレーション
- 草彅琢仁 - イラストレーション
- 菊地正典 - イラストレーション
- 武重洋二 - イラストレーション
リリース履歴
編集No. | 日付 | レーベル | 規格 | 規格品番 | 最高順位 | 備考 |
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1 | 1991年8月30日 | 東芝EMI/イーストワールド | LP | TOJT-6280〜3 | 80位 | 4枚組、LPのみのボーナストラック4曲収録 |
2 | 1991年9月27日 | 東芝EMI/イーストワールド | CD CT |
TOCT-6280〜1 TOTT-6280〜1 |
1位 | 初回限定ベルベットボックス仕様 |
3 | 2000年12月13日 | 東芝EMI/アストロノーツスター | CD | AJCH-30002〜3 | - | デジタルリマスタリング盤 |
4 | 2008年12月24日 | EMIミュージック・ジャパン/ヴァージン | SHM-CD | TOCT-95002〜3 | 52位 | 2000年デジタルリマスタリング盤、紙ジャケット仕様、『GUITARHYTHM BOX』でのリリース |
脚注
編集注釈
編集- ^ 国際連合がイギリス軍を含めた多国籍軍をイラクへと派遣した。
- ^ X JAPANのhideは、BOWWOWや『GUITARHYTHM II』の森雪之丞の歌詞のファンであったことからソロデビュー曲の作詞を森に任せている[4]。
- ^ 尾崎豊や桑田佳祐が通う東京・広尾のバーでテーマが探求された[15]。
- ^ 外務省主催のジャパン・フェスティバルに日本を代表するアーティストとして招かれたもの。
- ^ 藤井は『GUITARHYTHM REPRISE』と『GUITARHYTHM ACTIVE FLY INTO YOUR DREAM』のみの参加だが、1995年以降もプログラマーとしてレコーディングに参加し、このバンドメンバーの中ではもっとも長く布袋作品に携わっている。
- ^ 『GUITARHYTHM REPRISE』は、この5名と狩野環の他にジグ・ジグ・スパトニックのニールX、JEFF PATTERSON、DAWN KNIGHTも参加。この3名も本作以降の布袋作品にも参加している。
出典
編集- ^ a b 『ROCKIN'ON JAPAN』VOL.41 (1990年10月号)
- ^ a b c d e 『よい夢を、おやすみ』布袋寅泰、ハービー山口、森永博志(八曜社、1993年) ISBN 4827001391
- ^ a b 「PATi PATi」1991年10月号
- ^ “Words of 雪之丞: 森雪之丞自身によるSelf Liner Notes 3. EYES LOVE YOU(1993 released) 〜妄想(ゆめ)を裁く法律などない”. ビクターエンタテインメント
- ^ 『洋楽キッズ』出演時のコメントより
- ^ VHS / DVD 「GUITARHYTHM active tour '91-'92」内のインタビューより
- ^ 「PATi PATi」 1992年3月号
- ^ 「PATi PATi」 1992年10月号
- ^ 「布袋寅泰責任編集 POP AVANT-GARDE CUBE」『ぴあ music complex』第27号、ぴあ、1990年、25頁。
- ^ a b c d e f g h 『WHAT's IN?』 Vol.41、1991年、75頁。
- ^ Hideaki Takada「TOMOYASU HOTEI AROUND THE GUITARHYTHM II」『Player』第309号、プレイヤー・コーポレーション、1991年、50頁。
- ^ a b c 小野島 1991, p. 10.
- ^ a b 小野島 1991, p. 9.
- ^ 『布袋寅泰 ビッグストーリー』 J-ROCK研究会 (飛天出版)ISBN 4894401584
- ^ “布袋寅泰 GUITARHYTHMという人生 COMPLEXの結成~解散を経てソロワーク加速 CD2枚組の問題作『GUITARHYTHM Ⅱ』 前編”. ぴあ. (2019年7月16日)
- ^ 馬飼野元宏 (2024年1月14日). “作詞家 森雪之丞とロックアーティスト!布袋寅泰、氷室京介というBOØWYメンバーとの仕事”. Re:minder
- ^ 「Radio Pleasure Box Theme 13 : GUITARHYTHM」『ぴあ music complex』第51号、ぴあ、1991年、175頁。
- ^ 「PATi PATi」 1991年11月号インタビューより
- ^ a b 布袋 1991, p. 253.
- ^ 『WHAT's IN?』 Vol.41、1991年、74-75頁。
- ^ 布袋 1991, p. 254.
- ^ a b c d 布袋 1991, p. 255.
- ^ a b 『WHAT's IN?』 Vol.41、1991年、74頁。
- ^ 布袋 1991, p. 256.
- ^ a b 布袋 1991, p. 257.
- ^ 『GIGS』1991年11月号
- ^ a b c d 布袋 1991, p. 258.
- ^ 布袋寅泰『秘密』幻冬舎、2006年。ISBN 4344011082。
- ^ a b c 布袋 1991, p. 259.
- ^ Akira Okamoto『PATi-PATi ROCK'n'ROLL』第53号、ソニー・マガジンズ、1991年、17頁。
- ^ 小野島 1991, p. 15.
- ^ 「TOMOYASU HOTEI Moment of Excitement」『ROCK'N ROLL NEWSMAKER』第38号、ビクター音楽産業、1991年。
- ^ a b 布袋 1991, p. 261.
- ^ 布袋 1991, p. 262.
- ^ 布袋 1991, pp. 262–263.
- ^ a b 布袋 1991, p. 263.
参考文献
編集- 小野島大「布袋寅泰大研究」『ぴあ music complex』第49号、ぴあ、1991年。
- 「布袋寅泰」『WHAT's IN?』第41号、ソニー・マガジンズ、1991年。
- 布袋寅泰「布袋寅泰/彷徨う俺の魂」『月刊カドカワ』第9巻第11号、角川書店、1991年。
外部リンク
編集- GUITARHYTHM ll - TOMOYASU HOTEI OFFICIAL WEBSITE