ピアース・ブロスナン

ピアース・ブレンダン・ブロスナンPierce Brendan Brosnan OBE, 1953年5月16日 - )は、アイルランド出身の俳優、映画プロデューサーである。身長187cm。

ピアース・ブロスナン
Pierce Brosnan
Pierce Brosnan
本名 Pierce Brendan Brosnan
生年月日 (1953-05-16) 1953年5月16日(67歳)
出生地 アイルランドの旗 アイルランドナヴァン
国籍 アイルランドの旗 アイルランド
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長 187cm
職業 俳優
ジャンル 俳優、映画プロデューサー
活動内容 1995年:『007 ゴールデンアイ
配偶者 カサンドラ・ハリス(1980 - 91、死別)
キーリー・シェイ・スミス(2001 - )
主な作品
映画
ミセス・ダウト
007』シリーズ
ダンテズ・ピーク
トーマス・クラウン・アフェアー
マンマ・ミーア!』シリーズ
ゴーストライター
スパイ・レジェンド
テレビドラマ
探偵レミントン・スティール
備考
5代目ジェームズ・ボンド
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略歴編集

アイルランド共和国ミーズ県ナヴァンで生まれ、10代でイギリスに渡った。1982年から1987年までアメリカNBCで放映されたテレビドラマ『探偵レミントン・スティール』で主役を演じ、知名度が上がった[1]

1995年に007シリーズ第17作『007 ゴールデンアイ』にジェームズ・ボンド役で主演し、国際的に有名になった。1997年の『007 トゥモロー・ネバー・ダイ[2]では、サターン賞主演男優賞を受賞した。同年、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームにおいて星(星形のプレート)を獲得した[3]

2003年7月、英国への優れた貢献を認められ、エリザベス2世から名誉大英勲章第4位を与えられる[4]。ブロスナンはアイルランド国民なので、英国民にだけ与えられる「full honour」を受ける資格はない[5]

2008年の映画『マンマ・ミーア!』では、ゴールデンラズベリー賞に選ばれた。

5代目ジェームズ・ボンド編集

3代目ボンドのロジャー・ムーアがボンド役を引退したあとの1986年に、主演ドラマ『探偵レミントン・スティール』を終えたばかりだったブロスナンはボンド役のオファーを受ける。このドラマは視聴率低下で打ち切られるが、イオン・プロMGMがブロスナンに関心を持っていることが分かると、放映局のNBCはブロスナンとの契約オプションを行使する荒業に出る。『探偵レミントン』にテコ入れをしての再開が決まり、ボンド役を辞退しなければならなかった[6]。彼は当時33歳だった。ブロスナンをボンド役としてプロデューサーのアルバート・R・ブロッコリに推薦したのは、当時の妻のカサンドラ・ハリスだった[7]。ブロッコリはブロスナンがボンド映画前後に、ドラマ長編エピソードを数本撮影できる契約を取り付けようとするが、NBCと制作会社のMTM Enterprisesは拒否し、自身の条件を提示した。ここでブロッコリはブロスナン起用を諦め、ボンド役はティモシー・ダルトンに決まった。ダルトン主演で2つの作品が作られたが、2作目の『007 消されたライセンス』は、批評家からの高い評価にもかかわらず、興行的には期待外れの結果に終わった。1991年に007シリーズの著作権を巡って法的な争いとなり、次作の製作は6年間中断し、その間にダルトンは6年契約が終了した。1994年4月12日、ダルトンはボンド役の降板を発表し、イオン・プロとMGMもそれを受諾した。そしてブロスナンが1994年6月7日にボンド役を手に入れる[8]

1989年公開の『消されたライセンス』が興行的に失敗し、007シリーズの興行成績は一時衰えていた。しかし、ブロスナンが主演した『ゴールデンアイ』以降は興行的にも成功した。

ブロスナンは、ジェームズ・ボンドを演じ続けることでイメージが固定してしまう危険に気付いており、ボンド役を引き受けたときに『007』シリーズに出る合間に他の映画にも出演する許可をイオン・プロに求めた。このため、映画『マリオネット・ゲーム』など『007』シリーズ以外のいろいろな映画に参加している(プロデュース作品も含む)。これらの作品で特に成功した映画としては、『007』シリーズと同じくMGMが製作した『トーマス・クラウン・アフェアー』をあげることができる。

ダイ・アナザー・デイ』出演後もボンド役を続けることを切望していたが[9][10][11][12]、交渉で行き詰まり、2004年7月に自ら降板を申し出、MGMは慰留したが最後には同意し、[13][14]ダニエル・クレイグが6代目ボンドに起用された。初代のコネリーに次ぐ人気を博したが、出演したシリーズ作品は4作と、歴代で3番目に少ない[15]

映画以外にも『マペット放送局』に本人役でゲスト出演し、マペットキャラを相手に乱闘めいた寸劇を繰り広げるなどしてコミカルな一面を披露したことがあった。

人物編集

お気に入りの本は「怒りの葡萄[16]

私生活編集

1980年に最初の妻カサンドラ・ハリス(『007 ユア・アイズ・オンリー』のボンドガール)と結婚、1991年に死別[17]2001年キーリー・シェイ・スミスと再婚[18][19][20]2004年9月23日にアメリカの市民権を取得。3人のアメリカ国籍の息子を持ち、20年以上アメリカに在住。

子供は、義理の子供(カサンドラの連れ子)シャルロットとクリストファー、カサンドラとの間に生まれた実子ショーン、キーリーとの間に生まれた実子ディランとパリスがいる[21]。シャルロットは俳優[22]、クリストファーは助監督や俳優として活動[23][24]

16歳の頃、自分をゲイだと思っていたことを告白している[25]

2001年から、ユニセフのアイルランド国内大使を努めている[26][27][28]。また、非営利環境保護団体シーシェパードを支持している[29]

フィルモグラフィ編集

映画編集

公開年 邦題
原題
役名 備考
1980 クリスタル殺人事件
The Mirror Crack'd
ジェイミー
長く熱い週末
The Long Good Friday
IRAの殺し屋役
1986 ノーマッズ
Nomads
ジョシュア・ボミエ
1987 第四の核
The Fourth Protocol
アレクセイ・ペトロフスキー
1988 孤独のヒーロー/タフィン
Taffin
タフィン
デシーバーズ/暗黒の大地
The Deceivers
ウィリアム・サヴェージ
1989 トラップ・ゲーム
The Heist
ニール・スキナー テレビ映画
1990 ジョンソンの生き方
Mister Johnson
ハリー・ラドベック
1991 殺人調書101
Murder 101
チャーリー・ラティモア テレビ映画
アンダー・サスピション/疑惑の行方
Victim of Love
ポール・トムリンソン テレビ映画
1992 バーチャル・ウォーズ
The Lawnmower Man
ローレンス・アンジェロ
ファイナル・ゲーム
Entangled
ギャラバン
ライブ・ワイヤー
Live Wire
ダニー・オニール
1993 ミセス・ダウト
Mrs. Doubtfire
スチュワート・ダンマイア
テロリスト・ゲーム
Death Train
マイケル・グラハム テレビ映画
ブロークン・チェーン
The Broken Chain
ウィリアム・ジョンソン テレビ映画
1994 めぐり逢い
Love Affair
ケン・アレン
偽りのプロフィール
Don't Talk to Strangers
パトリック・ブロディ テレビ映画
1995 007 ゴールデンアイ
007 GoldenEye
ジェームズ・ボンド
テロリスト・ゲーム2/危険な標的
Night Watch
マイケル・グラハム テレビ映画
1996 マンハッタン・ラプソディ
The Mirror Has Two Faces
アレックス
マーズ・アタック!
Mars Attacks!
ドナルド・ケスラー
1997 ダンテズ・ピーク
Dante's Peak
ハリー・ダルトン
ロビンソン・クルーソー
Robinson Crusoe
ロビンソン・クルーソー 日本未公開
007 トゥモロー・ネバー・ダイ
Tomorrow Never Dies
ジェームズ・ボンド
1998 キャメロット
Quest for Camelot
アーサー王
ネフュー
The Nephew
ジョー・ブレイディ 兼製作
1999 トーマス・クラウン・アフェアー
The Thomas Crown Affair
トーマス・クラウン 兼製作
007 ワールド・イズ・ノット・イナフ
The World Is Not Enough
ジェームズ・ボンド
2000 ドルフィン・ブルー 〜地球の楽園〜
Dolphins
ナレーション
2001 テイラー・オブ・パナマ
The Tailor of Panama
アンドリュー“アンディ”・オズナード
ザ・シンプソンズ
The Simpsons
声の出演
2002 エヴリン
Evelyn
デズモンド・ドイル 兼製作
日本未公開
007 ダイ・アナザー・デイ
Die Another Day
ジェームズ・ボンド
2004 ダイヤモンド・イン・パラダイス
After the Sunset
マックス・バデット
2005 ザ・スナイパー
The Matador
ジュリアン・ノーブル 兼製作
ゴールデングローブ賞 主演男優賞ノミネート
日本未公開
2006 セラフィム・フォールズ
Seraphim Falls
ギデオン 日本未公開
2007 あぁ、結婚生活
Married Life
リチャード・ラングレイ
マリオネット・ゲーム
Butterfly On A Wheel
トム・ライアン 兼製作
日本未公開
2008 トーマスをすくえ!! ミステリーマウンテン
The Great Discovery
英米版ナレーション
マンマ・ミーア!
Mamma Mia!
サム ゴールデンラズベリー賞 最低助演男優賞受賞
2009 オーシャンズ
Océans
英語版ナレーター 声の出演
グレイティスト
The Greatest
アーロン・ブリュワー 兼製作総指揮
日本未公開
2010 パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
Percy Jackson & the Olympians: The Lightning Thief
ブルナー先生 / ケイローン
ゴーストライター
The Ghost Writer
アダム・ラング サテライト賞 助演男優賞ノミネート
ロンドン映画批評家協会賞 英国助演男優賞ノミネート
リメンバー・ミー
Remember Me
チャールズ・ホーキンス
2011 ケイト・レディが完璧な理由
I Don't Know How She Does It
ジャック・アベルハンマー
サルベーション
Salvation Boulevard
ダン・デイ
2012 愛さえあれば
Den Skaldede Frisør
フィリップ
2013 ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
The World's End
ガイ・シェパード
2014 おとなのワケあり恋愛講座
Love Punch
リチャード 兼製作総指揮
幸せになるための5秒間
A Long Way Down
マーティン
スパイ・レジェンド
The November Man
ピーター・デヴェロー 兼製作総指揮
2015 サバイバー
Survivor
時計屋
クーデター
No Escape
ハモンド
2016 ザ・コントロール
Urge
謎の男 日本劇場未公開
DVD発売
サイバー・リベンジャー
I.T.
マイク・リーガン
2017 さよなら、僕のマンハッタン
The Only Living Boy in New York
イーサン・ウェブ
ザ・フォーリナー/復讐者
The Foreigner
リアム・ヘネシー
2018 ミッシング・レポート
Spinning Man
ロバート・マロイ刑事 日本劇場未公開
マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー
Mamma Mia! Here We Go Again
サム
ファイナル・スコア
Final Score
ディミトリ・ベロフ
2020 ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜
Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga
エリック・エリックスソン Netflixオリジナル映画
TBA The King's Daughter King Louis XIV

テレビドラマ編集

放送年 邦題
原題
役名 備考
1980 悪魔の異形
Hammer House of Horror
Last Victim 第9話 "Carpathian Eagle"
特捜班CI-5
The Professionals
Surveillance operator シーズン4 第8話 "Blood Sports"
1982-1987 探偵レミントン・スティール
Remington Steele
レミントン・スティール 94エピソード
1988 M&A/タイパンと呼ばれた男
Noble House
イアン・ダンロス ミニシリーズ
1989 新80日間世界一周
Around the World in 80 Days
フィリアス・フォッグ ミニシリーズ
2001 ザ・シンプソンズ
The Simpsons
Ultra House 300 as Pierce Brosnan シーズン13 第1話 "Treehouse of Horror XII"
声の出演
2011 スティーヴン・キング 骨の袋
Bag of Bones
マイク・ヌーナン ミニシリーズ

ゲーム編集

発売年 邦題
原題
役名 備考
1997 ゴールデンアイ 007
GoldenEye 007
ジェームズ・ボンド Physical likeness and archive footage
1999 Tomorrow Never Dies
2000 The World Is Not Enough(NINTENDO64)
The World Is Not Enough(PlayStation)
007 Racing
2002 007 ナイトファイア
James Bond 007: Nightfire
Physical likeness only
2004 007 エブリシング オア ナッシング
James Bond 007: Everything or Nothing
Also physical likeness

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ The Sexiest Man Alive 2001: Pierce Brosnan; MAN OF STEELE” (英語). ピープル. 2009年7月17日閲覧。
  2. ^ Tomorrow Never Dies”. 2020年5月12日閲覧。
  3. ^ The Sexiest Man Alive 2001: Pierce Brosnan; STAR POWER” (英語). ピープル. 2009年7月17日閲覧。
  4. ^ “James Bond star awarded OBE” (英語). Mail Online. (2003年7月16日). http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-188699/James-Bond-star-awarded-OBE.html 2009年7月17日閲覧。 
  5. ^ P・ブロスナンに名誉大英帝国勲章”. シネマトゥデイ (2003年7月17日). 2009年8月5日閲覧。
  6. ^ The Sexiest Man Alive 2001: Pierce Brosnan; STAYING STEELE” (英語). ピープル. 2009年7月17日閲覧。
  7. ^ STAR CHANNEL総合プログラムガイド 2009年12月号56ページ「横森文のスター大捜査線」
  8. ^ “Timothy Dalton” (英語). BBC. (2003年1月). http://www.bbc.co.uk/derby/features/famous_derby/timothy_dalton.shtml 2009年8月5日閲覧。 
  9. ^ “ピアース・ブロスナン、「007」の思い出と、ボンドを離れる心境を語る”. シネマトゥデイ. (2005年4月26日). http://www.cinematoday.jp/page/N0006391 2009年8月5日閲覧。 
  10. ^ “ピアース・ブロスナン、電話1本でボンド役を降ろされる”. シネマ・トゥデイ. (2005年8月19日). http://www.cinematoday.jp/page/N0006951 2009年8月5日閲覧。 
  11. ^ “Brosnan: 'licensed for the sack'” (英語). Mail Online. (2004年3月26日). http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-227949/Brosnan-licensed-sack.html 2009年8月5日閲覧。 
  12. ^ “Brosnan waits for Bond call” (英語). Mail Online. (2004年4月23日). http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-259104/Brosnan-waits-Bond-call.html 2009年8月5日閲覧。 
  13. ^ “Is Brosnan too old to be 007?” (英語). Mail Online. (2004年2月5日). http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-207653/Is-Brosnan-old-007.html 2009年8月5日閲覧。 
  14. ^ Reynolds, Mark (2004年7月29日). “Brosnan's licence to quit” (英語). Mail Online. http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-312007/Brosnans-licence-quit.html 2009年7月17日閲覧。 
  15. ^ ダニエル・クレイグは2020年公開の『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』の主演が決定している。
  16. ^ 「5代目ジェームズ・ボンドだけど何か質問ある?」俳優ピアース・ブロスナンが海外掲示板に登場 - ライブドアニュース
  17. ^ “Cassandra Harris, Actress, 39” (英語). ニューヨーク・タイムズ. (1991年12月31日). http://www.nytimes.com/1991/12/31/obituaries/cassandra-harris-actress-39.html 2009年7月17日閲覧。 
  18. ^ “P・ブロスナン、アイルランドの大修道院で挙式”. シネマトゥデイ. (2001年8月7日). http://www.cinematoday.jp/page/N0000827 2009年8月5日閲覧。 
  19. ^ Boshoff, Alison (2001年8月4日). “Brosnan's wedding pictures” (英語). Mail Online. http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-65190/Brosnans-wedding-pictures.html 2009年8月5日閲覧。 
  20. ^ The Sexiest Man Alive 2001: Pierce Brosnan; WEDDING BELLS” (英語). ピープル. 2009年7月17日閲覧。
  21. ^ Pierce Brosnan” (英語). Hellomagazine.com. 2009年8月2日閲覧。
  22. ^ Charlotte Brosnan - インターネット・ムービー・データベース(英語)
  23. ^ Christopher Brosnan - インターネット・ムービー・データベース(英語)
  24. ^ “Brosnan's son stars in Love Island” (英語). Mail Online. (2006年7月6日). http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-394213/Brosnans-son-stars-Love-Island.html 2009年8月2日閲覧。 
  25. ^ Dougherty, Hugh (2002年8月29日). “'I thought I was gay,' says 007” (英語). Mail Online. http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-135745/I-thought-I-gay-says-007.html 2009年8月2日閲覧。 
  26. ^ ユニセフ国内委員会大使”. 日本ユニセフ協会. 2009年8月2日閲覧。
  27. ^ Pierce Brosnan Becomes Agent for UNICEF Ireland” (英語). UNICEF. 2009年8月2日閲覧。
  28. ^ UNICEF Ireland Ambassadors” (英語). UNICEF Ireland. 2009年8月2日閲覧。
  29. ^ Sea Shepherd Advisors - Pierce Brosnan Archived 2016年3月3日, at the Wayback Machine.

関連項目編集

外部リンク編集