小郡市

日本の福岡県の市

小郡市(おごおりし)は、福岡県の中央部に位置するである。福岡市への通勤率は19.1%・久留米市への通勤率は11.9%(平成22年国勢調査)。広域圏では久留米広域圏に属する。

おごおりし ウィキデータを編集
小郡市
小郡市旗 小郡市章
小郡市旗
1959年10月15日制定
小郡市章
1959年10月15日制定
日本の旗 日本
地方 九州地方
都道府県 福岡県
市町村コード 40216-8
法人番号 8000020402168 ウィキデータを編集
面積 45.51km2
総人口 59,428[編集]
推計人口、2024年3月1日)
人口密度 1,306人/km2
隣接自治体 久留米市筑紫野市朝倉郡筑前町三井郡大刀洗町
佐賀県鳥栖市三養基郡基山町
市の木 クスノキ
(1982年制定)
市の花 フジ
(1982年制定)
市の鳥 シラサギ
(1982年制定)
小郡市役所
市長 加地良光
所在地 838-0198
福岡県小郡市小郡255番地1
北緯33度23分47秒 東経130度33分20秒 / 北緯33.3964度 東経130.5556度 / 33.3964; 130.5556座標: 北緯33度23分47秒 東経130度33分20秒 / 北緯33.3964度 東経130.5556度 / 33.3964; 130.5556
地図
市庁舎位置

小郡市役所
小郡市役所
外部リンク 公式ウェブサイト

小郡市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト

地理 編集

 
小郡市中心部周辺の空中写真。
2010年5月17日撮影の3枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

福岡県の南部に位置し南北に細長い形状で、市域は大きく三つに区分される。筑後川水系の支流である宝満川が市域を南北に縦断する平坦な宝満川流域。標高20m前後の東北台地、標高20mから90m程度の西北丘陵地に区分される。

市内には南北に福岡県道53号久留米筑紫野線福岡県道88号久留米小郡線・東西に国道500号が位置し、隣接する鳥栖市三養基郡基山町を通過する国道3号に平行して九州自動車道が市域をかすめ、鳥栖インターチェンジが近接してある。東西に大分自動車道が位置し、筑後小郡インターチェンジがある。市内には西鉄天神大牟田線、並びに甘木鉄道の各駅がある。

  • 山: 花立山(標高130.6メートル)
  • 河川: 宝満川
  • 湖沼: 西北丘陵地に複数の溜池が存在する

隣接している自治体 編集

福岡県
佐賀県

地名 編集

  • 大板井
  • 大崎
  • 小郡
  • 小板井
  • 寺福童
  • 福童
  • 井上(立石村)
  • 乙隈(立石村)
  • 上岩田(立石村)
  • 干潟(立石村)
  • 吹上(立石村)
  • 松崎(立石村)
  • 山隈(立石村)
  • 稲吉(御原村)
  • 下岩田(御原村)
  • 二タ(御原村)
  • 二森(御原村)
  • 古飯(御原村)
  • 大保(三国村)
  • 津古(三国村)
  • 三沢(三国村)
  • 横隈(三国村)
  • 力武(三国村)
  • 赤川(味坂村)
  • 上西鰺坂(味坂村)
  • 下西鰺坂(味坂村)
  • 平方(味坂村)
  • 光行(味坂村)
  • 八坂(味坂村)
  • 祇園一丁目 - 二丁目(小郡より発足)
  • 希みが丘一丁目 - 六丁目(三沢より発足)
  • 三国が丘一丁目 - 七丁目(三沢・津古・横隈より発足)
  • 美鈴が丘一丁目 - 五丁目(三沢より発足)
  • 美鈴の杜一丁目 - 三丁目(2002年、三沢より発足)
  • あすみ一丁目 - 二丁目(2015年、三沢より発足)

歴史 編集

沿革 編集

明治維新まで 編集

明治維新から町村制施行まで 編集

町村制施行から昭和の大合併まで 編集

 
1934年(昭和9年)に建てられた旧小郡村役場庁舎。1962年(昭和37年)まで使用された後、運送会社の本店として現存する[1]
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行に伴い、小郡町、寺福童村、大崎村、福童村の一部(字小福童を除く)、大板井村の一部(字車屋前、上薬、ツル、今当を除く)、小板井村の一部(字井手ノ前を除く)、上西鰺坂村の一部(字川向)が合併し御原郡小郡村が発足。同時に以下の4村が成立。
    • 御原郡
      • 御原村 ← 下岩田村、二森村、二タ村(ふた)、古飯村、稲吉村、小板井村の残部(字井手ノ前)
      • 立石村 ← 松崎町、上岩田村、井上村、吹上村、干潟村、乙隈村、大板井村の残部(字車屋前、上薬、ツル、今当)、山隈村の一部(今隈名、花立名)
      • 三国村 ← 津古村、横隈村、三沢村、力武村、大保村
    • 御井郡
      • 味坂村 ← 下西鰺坂村、光行村、平方村、八坂村、赤川村、上西鰺坂村の残部(字川向を除く)、福童村の残部(字小福童)
  • 1896年(明治29年)2月26日 - 御原郡と御井郡が山本郡と合併し三井郡となる。
  • 1921年(大正10年)- 中央軌道松崎 - 小郡間開通。
  • 1924年(大正13年)- 九州鉄道(現・西日本鉄道)福岡 - 久留米間開通。
  • 1952年(昭和27年)- 保安隊小郡駐屯地開設。
  • 1953年(昭和28年)10月1日 - 小郡村が町制施行し小郡町となる。

三井郡小郡町時代 編集

小郡市時代 編集

市名の由来 編集

「筑紫小郡」の名は、持統天皇3年6月(689年)、新羅の使者金道那を「餐応した」客館として日本書紀にみられる。当市は往古の筑紫平野の北に位置し、大宰府に近く博多へ通じる交通の要衝を占め、また当市中心部(向築地)に当時の官衙跡が発掘され「小郡官衙遺跡」として国の指定を受けている。その軍事的・地理的特殊性から往時の大宰府客館所在地、また地方官庁所在地として小郡の地名が残る。

歴代市長 編集

氏名 就任年月日 退任年月日
佐々木敏雄 1972年4月1日 1975年 市制に伴い市長となる
2 佐々木保 1975年5月8日 1977年
3 佐藤正成 1977年5月15日 1981年5月14日
4-6 山田幸雄 1981年5月15日 1993年5月14日
7-9 田篭勝彦 1993年5月15日 2005年5月14日
10-12 平安正知 2005年5月15日 2017年5月14日
13-14 加地良光 2017年5月15日 現職

行政 編集

市長 編集

  • 加地良光(2期目)
  • 任期:2025年5月14日

市議会 編集

  • 定数:18人
  • 任期:2026年5月13日

消防 編集

警察 編集

国防・災害救助 編集

経済・産業 編集

 
イオン小郡店

市内に本社を置く主な企業 編集

市内に事業所を置く主な企業 編集

  • I-PEX小郡工場、I-PEXキャンパス
  • GLP福岡小郡
  • 東レ・メディカル九州支店

主な商業施設 編集

人口 編集

一貫して増加傾向にあったが、近年は増加率が鈍化している。平成27年度国勢調査の速報値では、人口減少に転じた。

 
小郡市と全国の年齢別人口分布(2005年) 小郡市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 小郡市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

小郡市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


教育 編集

太字は1町4村合併前から存在する学校

高等学校 編集

専門学校 編集

  • 平岡調理専門学校

中学校 編集

市立

小学校 編集

私立
市立
  • 味坂小学校
  • 小郡小学校 - 1883年開校。
  • 御原小学校
  • 立石小学校
  • 三国小学校 - 1891年開校。
  • 大原小学校 - 1972年小郡小学校、三国小学校より分離開校。
  • 東野小学校 - 1991年大原小学校より分離。
  • のぞみが丘小学校 - 1999年三国小学校より分離。

かつて存在した学校 編集

生涯学習 編集

七夕出前講座: 生涯学習・教育の一環として市の事業をテーマとして市職員が出向いて講義し啓蒙を図っている。2004年3月現在、市のホームページから37講座の開催が確認できる。

その他 編集

医療 編集

  • 嶋田病院
  • 協和病院
  • 丸山病院
  • 本間病院
  • 聖和記念病院
  • 福岡志恩病院

住宅地 編集

  • 宝城団地 面積15ha 計画人口1,550人 1972年~1974年
  • みくに野 面積 26.2ha 計画人口2,400人 1969年~1972年
  • みくに野東 面積23.2ha 計画人口2,450人 1972年~1975年
  • 三井団地 面積5.8ha 計画人口830人 1972年~1973年
  • 八重洲団地 面積 5.9ha 計画人口800人 1973年~1975年
  • 三国が丘 面積49ha 計画人口3,700人 1983年~1990年
  • 美鈴の杜 面積18.1ha 計画人口2,100人 2000年~2007年
  • 三沢駅南団地 面積 3.3ha 計画人口 417人 2015年~
  • 筑後小郡簡保レクセンター跡地団地 面積11.6ha 人口 1,116人 2013年~
  • あすてらす南団地 面積 3.7ha 計画人口 445人 2013年~

交通 編集

かつて福岡を窓口にした玄海灘が公の外交のルートであったのに対し、民間レベルのルートとしては有明海を用いた。小郡市は海に接しない内陸に位置するが、筑後川の支流である宝満川が交易に用いられた。

空港 編集

鉄道路線 編集

 
西鉄小郡駅
立野駅(基山町)、及び西太刀洗駅三井郡大刀洗町)や山隈駅朝倉郡筑前町)が市境付近に所在し、利用可能(西太刀洗駅はホームの大部分が当市に跨っている)。
  • 市の中心駅:西鉄小郡駅、小郡駅(両駅は乗り換え可能ではあるが、約130m離れている。JTB時刻表では、小郡駅のみが中心駅として記載)

なお、九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線は市内を走ってはいないが、市域に沿って平行に同路線が通っており、市境まで最短で200m程度の所まで接近する。また、鳥栖駅田代駅弥生が丘駅(佐賀県鳥栖市)・基山駅けやき台駅佐賀県三養基郡基山町)や原田駅(筑紫野市)が市境付近に所在し、利用可能である。中でもけやき台駅は小郡市境より200m弱しか離れておらず、国道3号を越える跨線橋は当市の負担で建設された。

バス路線など 編集

 
小郡市コミュニティバスに使用されている日野・ポンチョ
  • 西鉄バス - 西鉄バス佐賀が西鉄小郡駅と鳥栖市のJR鳥栖駅の間を弥生が丘駅鳥栖プレミアム・アウトレット経由で結ぶ路線バスを運行している。かつては西鉄小郡駅と小郡市内各地や甘木市(現・朝倉市)を結ぶ路線、小郡市北部の住宅地と筑紫野市のJR原田駅・西鉄筑紫駅を結ぶ路線もあったが、すべて廃止され、西鉄バス二日市の筑紫駅 - 筑紫野ニュータウン間を結ぶ路線の新津古橋バス停のみ小郡市内にある。
    • 17:筑紫駅西口 - JR原田駅 - 新津古橋 - 光が丘四丁目
    • 30:西鉄小郡駅 - 弥生が丘駅 - 鳥栖プレミアム・アウトレット - JR鳥栖駅
  • のるーと小郡 - 2023年10月2日運行開始。登録制のデマンド型乗合タクシー。宝満川右岸地域内で利用可能。
  • 自治会バス - 西鉄バス路線の廃止などによる交通空白地域で地域の自治会が主体となり運行している。いずれも運賃は無料で、誰でも利用できる。
    • ベレッサ号 - 市北部の住宅地の美鈴が丘・希みが丘と原田駅・筑紫野ベレッサ(商業施設)・三国が丘駅を結ぶ(2011年4月1日に運行開始)。美鈴が丘地区は毎週月・水・金曜日、希みが丘地区は毎週火・木・土曜日、いずれも9時台から12時台まで4便を運行する。運賃は無料。
    • みはら号 - 当市南東部の御原校区と商業施設・病院などを結ぶ(2015年6月2日に運行開始)。火曜日、木曜日、土曜日に運行。「ベレッサ号」で以前使用していた車両を利用している。
  • 高速バス - 市内の大板井バスストップに高速バス「ひた号」が発着する。

なお、小郡市コミュニティバス「七夕ふれあい号」は2023年10月より1年間運行を休止している。

道路 編集

原田駅東福童線(通称七夕通り): 市内を南北に縦断する原田駅大崎線の2004年3月28日の開通・延伸により、利便性が高まった。

高速道路 編集

停車する高速バス路線 : ひた号とよのくに号サンライト号

一般国道 編集

県道 編集

主要地方道
一般県道

名所・旧跡・観光スポット・温泉・祭事・催事 編集

 
九州歴史資料館
 
小郡官衙遺跡公園
 
如意輪寺の山門

名所・旧跡 編集

観光スポット 編集

  • きらめきの塔
  • 城山公園
  • 松崎桜馬場

温泉施設 編集

  • 満天の湯 - 小郡市総合保健福祉センター「あすてらす」内

祭事・行事 編集

小郡市出身の有名人 編集

★は故人

小郡市にゆかりのある人物 編集

★は故人

課題 編集

北部の三国地区は小郡・筑紫野ニュータウンの開発により、人口の増加が著しい。しかし、南部の味坂、御原地区や東部の立石地区では人口減と過疎化が進み、小中学校の学級数が1学年1クラスになるなど、当市における南北問題の克服が今後の課題となっている。

また、市内に大きな小売店舗や商店街が無いために商業規模が著しく低いことも課題であったが、会員制大型量販店「コストコ小郡倉庫店」が市内の大分自動車道・筑後小郡IC付近に出店することが正式に決定し、工事が着手された[3]

なお、九州自動車道鳥栖ジャンクション - 久留米インターチェンジ間の福童地区に「小郡鳥栖南スマートインターチェンジ」が建設中である。設置にあたってはインターチェンジ周辺の開発・企業誘致を促進し、南部地域の活性化が目的とされる[4]

バス問題 編集

2009年9月1日鳥栖プレミアム・アウトレット線以外の当市内のバス路線が全線廃止になったことを受け、小郡市コミュニティバスの増便を計画しているが、赤字などの経営問題を理由に計画は難しくなっている。

その他 編集

  • 市外局番久留米市と同じ「0942」。かつて津古の一部地域は隣の筑紫野市と同じ「092」(福岡MA)に属している時代もあった[注釈 1]
  • 2000年1月実施の市民意識調査によると、小郡市で自慢できるものとして上位3位に次のものがあがっている。
    1. 人に優しい福祉・保健・医療の充実したまち
    2. 快適な住宅・生活環境のまち
    3. 企業誘致や地場産業など商工業を中心として発展するまち
  • 市内にある七夕神社は730年頃の肥前風土記に記されていることから日本で最も早期から七夕行事が始まったと言われ[要出典]、「七夕の里」のキャッチフレーズでアピールしている。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 現在は消滅

出典 編集

  1. ^ ご案内”. ideunso.com. 井出運送有限会社. 2024年4月18日閲覧。
  2. ^ E3九州自動車道『小郡鳥栖南スマートインターチェンジ』が令和6年6月9日に開通します!』(プレスリリース)福岡県・佐賀県・小郡市・鳥栖市・西日本高速道路株式会社九州支社、2024年4月25日https://www.w-nexco.co.jp/emc/emcpdfs/20240425135923-01.pdf2024年4月25日閲覧 
  3. ^ コストコが福岡県に“新店舗”…売り場面積1万平方メートルの3店目は南部の「小郡市」で着工”. RKBオンライン (2023年12月12日). 2023年12月12日閲覧。
  4. ^ 味坂スマートインターチェンジ(仮称)連結許可書の伝達式を行います~九州自動車道で今年度新規事業化~” (PDF). 国土交通省九州地方整備局 (2018年8月29日). 2018年10月26日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集