杉本裕太郎

日本のプロ野球選手

杉本 裕太郎(すぎもと ゆうたろう、1991年4月5日 - )は、オリックス・バファローズに所属する徳島県阿南市出身のプロ野球選手外野手)。右投右打。

杉本 裕太郎
オリックス・バファローズ #99
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 徳島県阿南市
生年月日 (1991-04-05) 1991年4月5日(28歳)
身長
体重
190 cm
94 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2015年 ドラフト10位
初出場 2016年6月24日
年俸 830万円(2019年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴編集

プロ入り前編集

小学校から野球を始めると、阿南市立阿南中学校では軟式野球部に所属。中学3年の時には、徳島県大会での優勝や、四国大会でのベスト4進出に貢献した。

徳島商業高等学校への進学後は、1年生の夏に投手として、徳島大会に登板。チームが全国大会への出場を決めると、控え投手としてベンチ登録のメンバーに入ったが、甲子園球場での登板機会はなかった。2年生の夏にクローザーを任されると、2年生の秋からエースに定着。しかし、全国大会への出場は1年生の夏だけにとどまった。

高校卒業後に青山学院大学へ進学。投手としての素質を見込まれていたが、自身の志願によって、入学早々に外野手へ転向した。東都大学リーグでは、1年生の秋季リーグ戦から指名打者に起用。4番打者に定着した2年生の秋季リーグ戦では、10月6日の日本大学戦でリーグ史上19年振り6人目のサイクルヒットを達成した[2]末に、ベストナインを受賞した。3年生以降のリーグ戦では、2年後輩の3番打者・吉田正尚との2者連続本塁打を3回記録。4年生の秋季リーグ戦では、駒澤大学今永昇太から、単独で2打席連続本塁打を放った[3]。東都大学1部リーグ通算83試合に出場、309打数81安打、打率.309、9本塁打、32打点。

大学卒業後の2014年に、JR西日本へ入社。入社1年目から公式戦に出場すると、広島東洋カープの二軍も参加したJABA広島大会で、当時広島に在籍していた池ノ内亮介から特大の本塁打を放った。

2015年のNPBドラフト会議で、オリックス・バファローズから10巡目で指名された。杉本が指名されたのは、支配下登録選手として指名された88選手中の87番目であった[4]。指名後に契約金2,000万円、年俸600万円(金額は推定)という条件で入団した[5]背番号99。吉田とは大学以来のチームメイトとなり、JR西日本でのチームメイト・高野圭佑も、千葉ロッテマリーンズから7巡目で指名された。

オリックス時代編集

2016年、同期入団の大城滉二鈴木昂平と共に、春季キャンプを一軍で迎える[6]。途中まで一軍に帯同した。公式戦では、6月14日の対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)に、「1番・中堅手」としてスタメンで一軍デビューしたが、無安打に終わり、この試合に出場しただけで出場選手登録を抹消された。また、かねてから痛めていた右肘の状態が打撃に支障を来すまでに悪化したため、抹消後の8月10日には右肘骨棘(こっきょく)を内視鏡で除去する手術を受けた[7]

2017年、2年連続で春季キャンプのスタートを一軍で迎えた[8]ものの、公式戦は二軍でスタート。7月13日に草薙球場で催されたフレッシュオールスターゲームでは、同リーグ選抜の「6番・右翼手」としてスタメンでフル出場を果たした[9]ウエスタン・リーグ公式戦には、9月上旬までに80試合へ出場すると、打率.250ながらチームトップの8本塁打と35打点を記録した。9月9日にシーズン初の出場選手登録を果たすと、当日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦(Koboパーク宮城)に「1番・中堅手」としてスタメンで出場。1回表に先頭打者として辛島航からバックスクリーンに放ったソロ本塁打が、一軍公式戦でのプロ初安打にもなった。NPBの一軍公式戦初安打を初回先頭打者本塁打で記録した日本人選手は、杉本で史上3人目である[10]。翌10日の同カードでも1点ビハインドの9回表2死二塁から代打に起用されたが、3球三振でゲームセットを迎えた末に、わずか2日で登録を抹消された[11]。シーズン通算では、一軍公式戦9試合の出場で打率.118(17打数2安打)にとどまったものの、安打はいずれも長打(二塁打と前述した初回先頭打者本塁打)であった。

2018年、3年続けて春季キャンプのスタートを一軍で迎えながら、終盤の紅白戦でサインミスを犯したことを境に二軍へ合流。ウエスタン・リーグ公式戦でも、開幕からは7月上旬まで0本塁打で、打率が2割を切るほどの不振に陥っていた。7月11日に初めて一軍登録されると、同日の対楽天戦(楽天生命パーク)に「7番・右翼手」としてスタメンで起用。4回表1死満塁で迎えた第2打席で、辛島から一軍でのシーズン初満塁本塁打を記録した[12]。さらに、次に出場した7月17日の対北海道日本ハムファイターズ戦(京セラドーム大阪)でも、3回裏1死満塁で玉井大翔から本塁打。この本塁打によって、NPB一軍公式戦史上8人目(オリックスの選手では初めて[13])の2試合連続満塁本塁打を記録した[14]。一軍公式戦への出場は7試合ながら、わずか3安打で8打点を記録したことから、シーズン終了後の契約交渉では推定年俸830万円(前年から130万円増)という条件で契約を更改。この年も一軍公式戦で放った安打がいずれも長打(二塁打と前述した2試合連続満塁本塁打)であったことを背景に、更改後には、「一軍に定着して一軍公式戦で単打を放つこと」を翌2019年の目標に挙げた[13]

2019年、春季キャンプからオープン戦まで一軍に帯同。開幕一軍入りこそ逃したものの、ウエスタン・リーグ公式戦9試合で打率.313、4本塁打を記録するほど好調だったことから、4月10日から一軍へ復帰した[15]。4月13日の対埼玉西武ライオンズ戦(メットライフドーム)にスタメンで一軍公式戦初の4番打者に起用されると、3回表の第2打席でシーズン初安打をバックスクリーン直撃の1号2点本塁打、7回表の第4打席で2本目の安打を2号ソロ本塁打でマーク[16]。4月19日の対日本ハム戦(ほっともっとフィールド神戸)7回裏には、シーズン3本目の安打を一軍公式戦初の代打本塁打で記録した[17]。翌20日の楽天戦(楽天生命パーク)で「6番・左翼手」としてスタメンに復帰すると、美馬学と対戦した5回表の第2打席で、シーズン4本目の安打を一軍公式戦初の単打を放っている[18]。一軍公式戦では通算で4本の本塁打を放ったほか、4試合で4番打者を任されたが、出場自体は18試合、打率は.157にとどまった[19]。その一方で、ウエスタン・リーグの公式戦では、通算78試合の出場でチームトップ(リーグ2位)の14本塁打、チームトップ(リーグ6位)の43打点、打率.277を記録した。

選手としての特徴編集

身長190センチメートル・体重88キログラムと大柄な身体ながら、50メートル走で最速6秒0を計測した俊足と、遠投で115メートルを記録した強肩の持ち主[4]。一方で好不調の波が激しいため、打撃の確実性を高めることが大学時代からの課題になっている[20]

入団1年目の春季一軍キャンプではシートノックを視察したデイビッド・サムソン(MLBマイアミ・マーリンズの球団社長)から、「99番の子(杉本)は肩が強くて、体格も良いので気に入った」との賛辞を受け、当時オリックスの一軍監督であった福良淳一からも「肩はイチロー田口壮に匹敵するレベル」と絶賛された[21]

目標の選手には糸井嘉男を挙げている[20]

人物編集

漫画北斗の拳』に登場するラオウのファンで、ラオウの最期の言葉である「我が人生に一片の悔いなし!」を座右の銘に挙げている[22]。そのため、オリックス入団後の報道では、杉本のことを「オリックスのラオウ」と称することがある[23]

オリックス入団直後のほっともっとフィールド神戸での新人合同自主トレーニング中にイチローから声を掛けられ、新人野手で最初に合同でのフリーバッティングへ名乗りを上げた。イチローは、その姿勢とフリーバッティングの打球に注目[24]。自主トレーニングの最終日には、球団関係者を通じてイチローの練習パートナーに指名されると、イチローから打撃に関するアドバイスを受けた[25]。イチローが新人選手から杉本だけを指名したのは、自身と同じ外野手で、身体面の不安がなかったことによるという[26]。当の杉本は、練習後に、イチローの前で阿波踊りを披露。「自分は日本で一番幸せでしょう」と表現するほど感激していた[27]。以降はオフシーズンを迎えるたびにイチローの自主トレーニングへ参加していたが、「(自分はまだ一軍で活躍していないので)イチローに迷惑が掛かる」という理由から、2017年に一軍初安打を初回先頭打者本塁打で記録するまでその事実を伏せていた[28]。奇しくも、イチローがシアトル・マリナーズで現役引退を発表した翌日(2019年3月22日)には、阪神タイガースとのオープン戦(京セラドーム大阪)で「野球人生では初めて」というサヨナラ本塁打を代打で放っている[29]

徳島商業高校での1学年先輩に、米津玄師がいる。米津とは直接の面識がないものの、在学中に校内の文化祭で歌っている姿を見たことがあるという。オリックス4年目(2019年)の契約更改直後に臨んだ記者会見では、シンガーソングライターとしての米津の知名度の高さを引き合いに出しながら、(活動のジャンルが違っていても)米津より知名度を上げることを翌2020年の目標に挙げた[19]

詳細情報編集

年度別打撃成績編集

















































O
P
S
2016 オリックス 1 3 3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 .000 .000 .000 .000
2017 9 17 17 2 2 1 0 1 6 2 0 0 0 0 0 0 0 6 1 .118 .118 .353 .471
2018 7 14 12 2 3 1 0 2 10 8 0 0 0 0 1 0 1 3 0 .250 .357 .833 1.190
2019 18 51 51 5 8 1 0 4 21 7 1 0 0 0 0 0 0 22 2 .157 .157 .412 .569
通算:4年 35 85 83 9 13 3 0 7 37 17 1 0 0 0 1 0 1 33 3 .157 .176 .446 .622
  • 2019年度シーズン終了時

年度別守備成績編集



外野











2016 オリックス 1 1 0 0 0 1.000
2017 3 4 0 0 0 1.000
2018 5 4 0 0 0 1.000
2019 15 19 0 1 0 .950
通算 24 28 0 1 0 .965
  • 2019年度シーズン終了時

記録編集

初記録

背番号編集

  • 99 (2016年 - )

脚注編集

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  1. ^ オリックス - 契約更改 - プロ野球.日刊スポーツ.2018年12月2日閲覧
  2. ^ リーグ6人目の快挙だ!青学大・杉本がサイクル達成スポニチアネックス 2011年10月7日配信
  3. ^ 【オリックス好き】杉本裕太郎、ドラフト最下位ルーキーの逆襲はあるか(1)J SPORTS『野球好き』公式サイト「野球好きコラム」 2016年2月11日配信
  4. ^ a b JR西日本から高野、杉本が指名「うれしい気持ちでいっぱい」スポーツ報知 2015年10月22日配信
  5. ^ オリックス10位指名、JR西日本・杉本と仮契約スポニチアネックス 2015年11月19日配信
  6. ^ 2016年春季キャンプメンバーのお知らせオリックスバファローズ公式サイト 2016年1月27日配信
  7. ^ オリックス杉本が8月に右肘手術 来季は1軍定着だスポニチアネックス 2016年12月15日配信
  8. ^ 2017年春季キャンプメンバーのお知らせオリックスバファローズ公式サイト
  9. ^ 2017年度フレッシュオールスター・ゲーム 試合結果日本野球機構公式サイト
  10. ^ オリックス杉本、先頭弾「やっとプロ野球選手に」日刊スポーツ 2017年9月9日配信
  11. ^ オリックスの「ラオウ」杉本、2試合で二軍落ち日刊スポーツ 2017年9月10日配信
  12. ^ オリックス杉本が初満弾“ラオウ”に神が運与えた!日刊スポーツ 2018年7月12日配信
  13. ^ a b オリックス杉本130万増 来季目標シングルヒット日刊スポーツ 2018年11月27日配信
  14. ^ オリックス杉本2戦連続満弾「すごいパワーだ」監督日刊スポーツ 2018年7月17日配信
  15. ^ オリックス杉本が一軍昇格、二軍打率3割超&4発日刊スポーツ 2019年4月10日配信
  16. ^ ラオウ級破壊力!オリックス新4番杉本2発「完璧」日刊スポーツ 2019年4月13日配信
  17. ^ オリックス杉本が初代打弾「ポテンシャルに任せた」日刊スポーツ 2019年4月18日配信
  18. ^ 「ラオウ」オリックス杉本53打席目でプロ初単打日刊スポーツ 2019年4月20日配信
  19. ^ a b 米津玄師より有名に!オリックス杉本高校先輩超えだ日刊スポーツ 2019年12月3日配信
  20. ^ a b 【オリックス好き】杉本裕太郎、ドラフト最下位ルーキーの逆襲はあるか”. J SPORTS (2016年2月11日). 2016年2月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月22日閲覧。
  21. ^ 【オリックス】「イチロー2世」ドラフト10位・杉本をマーリンズ社長絶賛スポーツ報知 2016年2月4日配信.オリジナルの2016年2月7日時点によるアーカイブ。
  22. ^ オリックス10位杉本 座右の銘はラオウの名セリフ日刊スポーツ 2016年1月10日配信
  23. ^ オリックス10位“ラオウ”杉本、弱点は日本語!?日刊スポーツ 2016年1月16日配信
  24. ^ イチロー「おじさん1人じゃあ、しんどいんやで~」日刊スポーツ 2016年1月24日配信
  25. ^ オリックス10位杉本「まさか」イチローが単独指名日刊スポーツ 2016年1月31日配信
  26. ^ オリックスドラフト10位杉本 イチローが仰天指名(1)デイリースポーツ 2016年1月31日
  27. ^ オリックスドラフト10位杉本 イチローが仰天指名(3)デイリースポーツ 2016年1月31日
  28. ^ 初安打が先頭弾オリックス杉本、極秘イチローとトレ日刊スポーツ 2017年9月10日
  29. ^ オリックス杉本サヨナラ弾!引退イチローの姿に刺激日刊スポーツ 2019年3月22日

関連項目編集

外部リンク編集