東武宇都宮線
宇都宮線(うつのみやせん)は、栃木県栃木市の新栃木駅と同県宇都宮市の東武宇都宮駅を結ぶ東武鉄道の鉄道路線である。駅ナンバリングの路線記号はTN。
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![]() 国谷駅 停車中の東武20400型電車 | |
基本情報 | |
国 |
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所在地 | 栃木県 |
起点 | 新栃木駅 |
終点 | 東武宇都宮駅 |
駅数 | 11駅 |
路線記号 | TN |
開業 | 1931年8月11日 |
所有者 | 東武鉄道 |
運営者 | 東武鉄道 |
使用車両 | 使用車両の節を参照 |
路線諸元 | |
路線距離 | 24.3 km |
軌間 | 1,067 mm (3 ft 6 in) |
電化方式 | 直流1,500 V 架空電車線方式 |
閉塞方式 | 自動閉塞式 |
保安装置 | 東武形ATS |
最高速度 | 90 km/h (56 mph)[1] |
停車場・施設・接続路線 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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概要編集
栃木県の県庁所在地である宇都宮市中心部と同市南部、壬生町および栃木市を結ぶ路線である。東日本旅客鉄道(JR東日本)の「宇都宮線」が東北本線の愛称であるのに対し、本路線は正式な線路名称である上、先に名付けられている。ラインカラーは日光線のオレンジと赤紫(■■)を用いている。
東武鉄道の路線網の中では支線的存在にありながら、幹線(日光線・伊勢崎線)との往来よりも末端である宇都宮を中心とした利用が多く、宇都宮が関東北部におけるビジネスや商業の拠点であることや、東武宇都宮駅が東武宇都宮百貨店と直結していることなどから、主に通勤利用や商業ニーズによる利用が多いのが特徴である。東武宇都宮駅の乗降人員は1万人超であるのに対し、他途中駅は400 - 2000人程度に留まる[2]。朝通勤時の下り列車(東武宇都宮行き)は東武宇都宮駅の改札口の位置関係上、先頭車両が激しく混雑しやすい。
対東京では所要時間・利用客の面でJRに大きく差を付けられていて、現在では北千住方面への定期列車は1日1往復の特急「しもつけ」のみとなっており、栃木 - 宇都宮間の近距離普通列車を主体としている。また、全線が単線であるものの全駅が交換設備を持ち、また複線化用地が全線にわたって確保されていた形跡が見られる。宇都宮寄りの沿線では駅を中心に住宅地や都市公園、医療施設、商業施設などが整備されており、都市型路線の性格を有する。そのため東武鉄道の支線としては利用者の多い路線となっており、館林地区の各線が2両編成や3両編成で運行されるのに対し、当線は終日4両編成による運行が実施されている。
路線データ編集
運行形態編集
普通列車が中心で、ワンマン運転の4両編成が日光線栃木駅 - 東武宇都宮駅間で1時間あたり昼間2 - 3往復、ラッシュ時は特急を含めて3 - 4往復(13 - 30分間隔)で運行されている。ほとんどの列車が栃木駅で特急スペーシア「けごん」・「きぬ」や日光線急行・区間急行・普通列車と相互接続し、浅草・日光方面を結んでいる。なお、朝夕ラッシュ時と早朝深夜の一部列車は栃木駅まで直通せず、新栃木駅で折り返す。また、朝に1本のみ日光線南栗橋発東武宇都宮行きの列車が設定されており、この列車は新栃木駅 - 東武宇都宮駅間でワンマン運転を行う。
特急は、「しもつけ」が朝の東武宇都宮発浅草行き1本と夕方の浅草発東武宇都宮行き1本で毎日運行されている。ホーム有効長の関係から、350系4両編成で運転される。
各駅のホームにはホーム監視モニターが設置され、普通列車のドア開閉は運転士が行っている。車内では自線の他日光線・鬼怒川線の主要列車が記載された時刻表が掲出されている。
以前は伊勢崎線浅草駅 - 東武宇都宮駅間に直通準急(あるいは料金不要の急行・快速・準快速など、所要時間は約2時間30分 - 3時間)が運行され、長らくおおむね1時間あたり1本の割合で設定されていたが[3]、1994年には下り東武宇都宮行きは夕方・上り浅草行きは朝と夜運転で6往復[4]、2001年時点では下り東武宇都宮行きが夕方に1本・上りは朝に業平橋(現・とうきょうスカイツリー)行きが1本・浅草行きが1本となり[5]、2006年3月18日のダイヤ改正で廃止された。
使用車両編集
現在の車両編集
過去の車両編集
歴史編集
当区間の優等列車の歴史については「しもつけ (列車)」も参照のこと。
- 1928年(昭和3年)12月7日 鉄道免許状下付(下都賀郡大宮村-宇都宮市)[8][9]。
- 1930年(昭和5年)3月 複線化に計画を変更[9]。
- 1931年(昭和6年)
- 1932年(昭和7年)
- 1933年(昭和8年)
- 1944年(昭和19年)
- 1953年(昭和28年) 浅草 - 東武宇都宮間の料金不要の急行・準急(毎時1-2本運行)に加え、愛称無しの有料急行1往復運行開始。現在の特急「しもつけ」とほぼ同じダイヤ設定。当時の日光線準急は浅草 - 東武日光間と浅草 - 東武宇都宮間に運転されていた。
- 1954年(昭和29年)9月24日 花房町駅廃止。
- 1956年(昭和31年) 浅草 - 東武宇都宮間の有料急行に「しもつけ」の愛称が与えられる。
- 1959年(昭和34年)
- 1965年(昭和40年)6月7日 おもちゃのまち駅開業[9]。
- 1970年(昭和45年)
- 1988年(昭和63年)8月9日 浅草 - 東武宇都宮間に快速急行「しもつけ」(6050系を使用)運転開始[9]。
- 1989年(平成元年)11月28日 柳原信号所廃止。
- 1991年(平成3年)7月21日 ダイヤ改正により、快速急行「しもつけ」を急行に格上げ[9]、使用車両を350系に切り替える[9]。
- 2006年(平成18年)3月18日 ダイヤ改正に伴う種別名変更により、急行「しもつけ」を特急に格上げ[9]。同時に特急以外の浅草直通列車が廃止された。
- 2007年(平成19年)
- 2015年(平成27年)
- 2018年(平成30年)
- 2019年(令和元年)6月15日 「東武宇都宮線無料乗車DAY」を昨年に引き続き開催。いちごの形をした無料乗車券を宇都宮線各駅及び栃木駅にて配布。栃木 - 東武宇都宮間で臨時特急スカイツリートレインが3往復運転された[18][19]。
駅一覧編集
- 全駅栃木県に所在。
- 普通列車は全駅に停車する。特急「しもつけ」の停車駅は「しもつけ (列車)」を参照。
- 全駅の業務を東武ステーションサービスに委託(新栃木駅をのぞく)している。
- 凡例
- 単線/複線 … ∥:複線区間、◇:単線区間(列車交換可能)、∨:これより下は単線、∧:終点(列車交換可能)
駅番号 | 駅名 | 駅間営業キロ | 営業キロ | 接続路線 | 単線/複線 | 所在地 |
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TN-12 | 新栃木駅 | - | 0.0 | 東武鉄道: 日光線(一部列車は栃木駅まで直通運転) | ∨ | 栃木市 |
TN-31 | 野州平川駅 | 2.0 | 2.0 | ◇ | ||
TN-32 | 野州大塚駅 | 1.9 | 3.9 | ◇ | ||
TN-33 | 壬生駅 | 3.5 | 7.3 | ◇ | 下都賀郡 壬生町 | |
TN-34 | 国谷駅 | 3.5 | 10.8 | ◇ | ||
TN-35 | おもちゃのまち駅 | 1.8 | 12.6 | ◇ | ||
TN-36 | 安塚駅 | 2.2 | 14.8 | ◇ | ||
TN-37 | 西川田駅 | 3.5 | 18.3 | ◇ | 宇都宮市 | |
TN-38 | 江曽島駅 | 2.0 | 20.3 | ◇ | ||
TN-39 | 南宇都宮駅 | 1.8 | 22.1 | ◇ | ||
TN-40 | 東武宇都宮駅 | 2.2 | 24.3 | ∧ |
過去の接続路線編集
- 栃木駅:鍋山人車鉄道 - 1956年11月廃止
- 柳原信号所:柳原線 - 1989年11月28日廃止(貨物線)
- 壬生駅:小倉川砂利線 - 1984年2月1日廃止(貨物線)
- 西川田駅:大谷線 - 1964年6月16日廃止
廃駅・廃止信号所編集
- 柳原信号所(野州大塚 - 壬生間)
- 花房町駅(南宇都宮 - 東武宇都宮間)
脚注編集
- ^ a b 『東武鉄道のひみつ』 - PHP研究所
- ^ 宇都宮線乗降人員
- ^ 『JTB時刻表』1989年3月号、日本交通公社、p.698 によると日中はおおむね1時間に1本で下り東武宇都宮行き11本・上り浅草行き10本の準急あり。
- ^ 『JTB時刻表』1994年9月号、日本交通公社、p.774
- ^ 『JTB時刻表』2001年4月号、JTB、p.790
- ^ “2018年度の設備投資計画について” (PDF) (プレスリリース), 東武鉄道, (2018年4月27日) 2018年5月10日閲覧。
- ^ a b 東武20400形が営業運転を開始 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2018年9月4日
- ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1928年12月11日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b c d e f g h i j k l m n 東武宇都宮線開通80周年記念イベントを実施! - 東武鉄道、2011年7月21日、2011年7月21日閲覧。
- ^ 「地方鉄道運輸開始」『官報』1931年8月18日(国立国会図書館デジタルコレクション)
- ^ a b 【栃木、茨城大雨】線路が宙づり 東武宇都宮線で橋の土台流される 全線で運転見合わせ - 産経ニュース、2015年9月11日
- ^ “大雨の影響による復旧作業の進捗状況について (PDF)”. 東武鉄道 (2015年9月11日). 2015年9月12日閲覧。
- ^ “台風第18号及び第17号による大雨等に係る被害状況等について(第8報) (2015/09/11 12:00現在) (PDF)”. 国土交通省 (2015年9月11日). 2015年9月13日閲覧。
- ^ 【台風18号・ライフライン情報】東武宇都宮線、一部区間除き運転再開 安塚-西川田駅間で橋が流失 - 下野新聞、2015年9月11日
- ^ 東武宇都宮線安塚〜西川田間、10/7運転再開 - 橋りょう流出から1カ月で復旧 - マイナビニュース、2015年10月5日
- ^ 安塚-西川田駅間の運転を再開 東武宇都宮線 - 下野新聞、2015年10月7日
- ^ “6月16日(土)栃木県県民の日記念イベントにあわせ、「東武宇都宮線フリー乗車DAY」を実施します!” (PDF) (プレスリリース), 東武鉄道, (2018年5月10日) 2018年5月11日閲覧。
- ^ “6月15日(土)に「東武宇都宮線フリー乗車DAY」を実施します!” (PDF) (プレスリリース), 東武鉄道, (2019年5月22日) 2019年6月20日閲覧。
- ^ 東武宇都宮線で“臨時特急スカイツリートレイン”運転 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2019年6月16日
関連項目編集
外部リンク編集
- 宇都宮線(路線図・駅情報) - 東武鉄道