玉澤 徳一郎(たまざわ とくいちろう、1937年12月16日 - )は、日本の元政治家衆議院議員(通算9期)、防衛庁長官第56代)、農林水産大臣第28代第29代)などを歴任。

玉澤 徳一郎
たまざわ とくいちろう
08.28 副總統接見「日本前眾議員玉澤德一郎」一行,雙方進行交流 (36860621035).jpg
生年月日 (1937-12-16) 1937年12月16日(82歳)
出生地 日本の旗 岩手県宮古市田老地区
(旧下閉伊郡田老村
出身校 早稲田大学大学院政治学研究科修了
前職 富士大学助教授
所属政党自由民主党→)
無所属→)
自由民主党(町村派
称号 旭日大綬章

日本の旗 第28代 - 第29代 農林水産大臣
内閣 小渕内閣第2次改造内閣
第1次森内閣
在任期間 1999年10月5日 - 2000年7月4日

日本の旗 第56代 防衛庁長官
内閣 村山内閣
在任期間 1994年6月30日 - 1995年8月8日

選挙区旧岩手1区→)
比例東北ブロック岩手4区
当選回数 9回
在任期間 1976年12月10日 - 1990年1月24日
1993年7月19日 - 2000年6月2日
2003年10月10日 - 2009年7月21日
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選挙などの際には旧字体の「澤」でなく、画数の少ない「沢」を用い「玉沢徳一郎」と表記されることが多い。

経歴編集

生い立ち編集

岩手県下閉伊郡田老町(現在の宮古市)出身。岩手県立盛岡第一高等学校を卒業後、早稲田大学第二政治経済学部政治学科に入学。大学では早稲田大学雄弁会に所属。雄弁会の一期上に森喜朗、一期下に小渕恵三がいた。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了、政治学修士。学生時代から左翼が大嫌い(当時は学生運動の嵐の真っ只中)であることを公言していた。

政界へ編集

奥州大学講師富士大学助教授海部俊樹の秘書を経て、1976年第34回衆議院議員総選挙で初当選。自民党の中でもタカ派である清和政策研究会に属し、族議員(防衛族・農林族)の重鎮と目されていた。1994年村山内閣自社さ連立政権)で防衛庁長官に就任し、初入閣。1999年小渕再改造内閣農林水産大臣に就任。首相・小渕恵三の危篤により、急遽自由民主党幹事長の森喜朗が後継総裁に就任し、事実上の居抜き内閣の形で組閣した第1次森内閣でも農相に留任した。2000年の農林水産大臣在任中に口蹄疫が発生し、対応にあたった。2000年の衆院選で現職農相ながら落選した。2003年の衆院選で返り咲き国政に復帰する。

政治資金規正法違反事件編集

2007年夏、2004年分の政党支部虚偽記載問題が浮上。玉澤が代表を務める政党支部が領収書を偽造して重複計上したことが発覚する。同年9月3日、責任を取る形で同党を離党し無所属となった[1]。無所属となったため、2007年自由民主党総裁選挙には参加できなかった。政党支部領収書偽造問題では、政党支部会計責任者職務代行であった公設秘書が政治資金規正法違反や有印私文書偽造・同行使の罪起訴され、懲役1年6月・執行猶予5年の有罪判決が言い渡された。

政界引退編集

自民党離党後も自民党の派閥清和政策研究会で活動を続け、2008年9月25日、自民党に復党した。2009年7月21日衆議院解散に伴い政界を引退。このほか、社団法人日米平和・文化交流協会の理事を務めている。

銃撃事件編集

2019年12月10日昼、盛岡市の自宅で銃撃を受け、足に全治約20日間のけがを負った。その後容疑者が自首し、「選挙の恨みで撃った。金銭トラブルがあった」と供述した[2]

容疑者は約20年前から奥州市に居住する農業の男で、居住場所などをめぐって地元住民との間で過去に法的なトラブルを抱えており、現在は同市内のビニールハウスで生活をしていた[3]。男の自宅がある奥州市水沢羽田町の土地は、もともとは同町住民の共有林だったが、この土地で事業に失敗した業者の債権者側として男が移り住み、土地の賃料などを一切支払わなかったため、住民らが退去を求め提訴。最高裁まで争われ住民側が勝訴したが、男は確定後も10年以上居座り続けていたという[4]

インターネット上では、玉澤の高校の同級生を名乗る容疑者と同姓同名の人物が、2015年に「『玉澤 徳一郎』に告ぐ」という告発サイトを開設しており、サイトでは1972年衆院選の際に玉澤に1000万円を選挙資金として貸し付けたが返済されていないと主張。2014年1月に玉澤を提訴したが、翌年には時効のため請求は棄却されたと記されていた[5]。1972年当時の玉澤の秘書によれば、男は当時盛岡駅不動産会社を経営していて、羽振りも良く、玉澤を支援していたが、玉澤が初当選した1976年の選挙以降は支援していなかった。また、経営していた不動産会社がバブル崩壊のあおりで倒産し、1996年頃から強硬に返済を求めてきたとされる[6]。男の知人によれば、男は近年資金繰りに困っており、「(玉澤は)政治資金と言っているけど、俺は金を貸していると思っている」「同級生で頭にきている」「早く回収しないといけない」などと話していた[7]。事件当日は返還を求めて玉澤宅を訪ねた際、共通の知人に関する発言に激高して犯行に及んだとされる[8]盛岡地検銃刀法違反(加重所持)罪暴力行為法違反の罪で男を起訴。殺人未遂罪については「証拠が集まらなかった」として適用を見送った[9]

初公判で拳銃は20年から30年前に暴力団関係者から譲り受けたものであることなどが明らかとなり、盛岡地裁2020年4月7日、男に懲役5年の実刑判決を言い渡した。玉澤は判決後取材に応じ、「多くの方に不安や恐怖を与えた。また、社会の秩序を乱したことについては、大変申し訳ないことだと思っております」「(被告について)根は非常にいいやつなんだけど、残念ながら人が変わった。罪に服して、昔のA君(被告)に戻ってもらえればいいなと」とコメントした[10][11]

略歴編集

人物編集

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 玉澤氏が離党届 領収書改ざん引責」 (2007年9月4日 岩手日報
  2. ^ “玉沢元農相銃撃、男を送検「暴力団から拳銃預かる」”. 産経新聞. (2019年12月12日). https://www.sankei.com/region/news/191212/rgn1912120045-n1.html 2020年3月25日閲覧。 
  3. ^ “銃撃事件を県警に通報せず 玉沢元農水相、容疑者は住民とトラブルも”. 産経新聞. (2019年12月11日). https://www.sankei.com/affairs/news/191211/afr1912110032-n1.html 2020年4月11日閲覧。 
  4. ^ “周辺住民と土地トラブル 高橋容疑者、敗訴後も居住続ける―元農水相銃撃・岩手”. 時事ドットコム. (2019年12月12日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2019121200163&g=soc 2020年4月11日閲覧。 
  5. ^ “玉沢元農相が銃撃される、容疑者「選挙の恨みで」”. 日刊スポーツ. (2019年12月10日). https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201912100000937.html 2020年3月25日閲覧。 
  6. ^ “金銭トラブルはあったのか 憶測呼ぶ元農相銃撃事件”. 産経新聞. (2019年12月23日). https://www.sankei.com/premium/news/191223/prm1912230003-n1.html 2020年4月11日閲覧。 
  7. ^ “「金を貸している」 逮捕の男、事件前知人に―玉沢元農相、銃撃後通報せず”. 時事ドットコム. (2019年12月11日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2019121101041&g=soc 2020年4月11日閲覧。 
  8. ^ “玉沢元農相銃撃認める 同窓生の男に懲役6年求刑”. 日本経済新聞. (2020年3月23日). https://r.nikkei.com/article/DGXMZO57089780T20C20A3CE0000?s=5 2020年4月11日閲覧。 
  9. ^ “玉沢元農相銃撃、知人起訴 殺人未遂罪適用せず”. 日本経済新聞. (2020年1月30日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55019480Q0A130C2000000/ 2020年4月11日閲覧。 
  10. ^ “岩手・玉沢徳一郎元衆議院議員銃撃の同級生に懲役5年の判決”. 日テレNEWS. (2020年4月7日). https://www.news24.jp/nnn/news88517407.html 2020年4月11日閲覧。 
  11. ^ “玉沢徳一郎元農水大臣 銃撃事件 事件後初めて当時を語る 同級生に懲役5年【岩手・盛岡市】”. 岩手めんこいテレビ. (2020年4月7日). https://www.fnn.jp/articles/-/29614 2020年4月11日閲覧。 
  12. ^ 玉澤元農相が五重計上 領収書3枚使い回し377万円」 (2007年8月29日 朝日新聞
  13. ^ 自民党の玉澤氏、政治倫理審査会長の辞表提出」 (2007年8月29日 日本経済新聞
  14. ^ 自民の玉澤徳一郎元農水相が引退へ」 (2008年9月13日 nikkansports.com)

関連項目編集

議会
先代:
大石千八
  衆議院農林水産委員長
1986年 - 1987年
次代:
菊池福治郎
公職
先代:
中川昭一
  農林水産大臣
1999年 - 2000年
次代:
谷洋一
先代:
神田厚
  防衛庁長官
1994年 - 1995年
次代:
衛藤征士郎