田園 (玉置浩二の曲)

玉置浩二の曲

田園」(でんえん)は、日本のシンガーソングライターである玉置浩二の11枚目のシングル

田園
玉置浩二シングル
初出アルバム『CAFE JAPAN
B面 「働こうよ」
リリース
規格 8センチCD
デジタル・ダウンロード
ジャンル ロック
ポップス
ポップ・ロック
時間
レーベル Sony Records
作詞・作曲 作詞:玉置浩二、須藤晃
作曲:玉置浩二
プロデュース 玉置浩二
須藤晃
ゴールドディスク
チャート最高順位
  • 週間2位(オリコン
  • 1996年9月度月間4位(オリコン)
  • 1996年10月度月間7位(オリコン)
  • 1996年度年間25位(オリコン)
  • 玉置浩二 シングル 年表
    メロディー
    (1996年)
    田園
    (1996年)
    MR.LONELY
    1997年
    CAFE JAPAN 収録曲
    ミュージックビデオ
    「田園」 - YouTube
    EANコード
    EAN 4988009422510
    テンプレートを表示

    1996年7月21日Sony Recordsからリリースされた。作曲は玉置が行い、作詞およびプロデュースは玉置と須藤晃が担当している。

    玉置のソロ3枚目のアルバム『カリント工場の煙突の上に』(1993年)、4枚目のアルバム『LOVE SONG BLUE』(1994年)などのアルバム共作を経て、玉置と須藤が制作した楽曲。歌詞は安全地帯の活動休止後における玉置が精神的に不安定であった時期の事を題材としている。

    オリコンチャートでは最高位2位を獲得しソロでは初となるトップ3入りを果たした他、オリコン集計で92万枚を売り上げ1996年度の年間売り上げランキングでは25位となりソロ作品では自身最大のヒット曲となった。

    玉置自身が出演したフジテレビ系木曜劇場コーチ』(1996年)の主題歌として使用された。

    後に安全地帯としてのセルフカバーバージョンが「結界」(2011年)との両A面シングルとしてリリースされた。

    背景編集

    玉置が所属していたロックバンドである安全地帯は8枚目となるオリジナルアルバム『安全地帯VIII〜太陽』(1991年)をリリース後、デビュー10周年を記念したコンサートツアー「10th Anniversary Acoustic Special Night」を敢行[3]。しかし同時期に玉置は、安全地帯の活動が大規模なものとなり自身の意見をストレートにバンドに反映していく事が困難となった事や、事務所を独立させた事により周囲との意思疎通が上手くいかなかった事、時代の流れにより打ち込みが主流となっていたがそれに強い抵抗感があった事などが重なり、自身の音楽活動に強い疑念を抱いた結果、安全地帯5人だけでの演奏に拘ったり、チャリティー・コンサートばかりに執着するようになり、次第にバンドのメンバーとの溝が深まっていく事態となった[4]。そして23枚目のシングル「ひとりぼっちのエール」(1993年)を最後に安全地帯は活動休止する事となった。

    その後ソロ2作目となるアルバム『あこがれ』(1993年)の制作時に玉置は作詞ができない事から音楽プロデューサー須藤晃が作詞担当として参加する事となった[5]。同時期に玉置は安全地帯の活動休止などにより人間不信に陥り、家に帰らなくなり、また人との会話を拒絶し始めたため、周囲からの勧めにより精神病院へと入院する事となった[4]。薬を飲まされベッドに寝るだけの生活を強いられた玉置は3日で病院を脱走し、北海道の実家に帰り療養する事となった[6]。この時期に当てもなく一人で演奏した事のない楽器を演奏するなど実験していた玉置であったが、その内容が反映されたソロ3作目となるアルバム『カリント工場の煙突の上に』(1993年)がリリースされ、須藤はディレクターとして参加した。4作目となるアルバム『LOVE SONG BLUE』(1994年)においては須藤がプロデューサーとして参加する事となった。

    同時期に全国コンサートツアーである「正義の味方ヒーローツアー」を開催していた玉置は、バックバンドのキーボード奏者として参加していた安藤さと子と出会っており、後の1999年に結婚する事となった[7]2007年に離婚[8])。

    制作、音楽性編集

    〈田園〉の詞は、まさに俺が一番グチャグチャになってたときのことをまとめた詞なんだ。いろんなことがあって、人間関係も勉強して、やっとわかってきた。『生きていくんだ、それでいいんだ』って。
    玉置浩二,
    玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから[9]

    プロデュースは玉置と須藤晃の共同プロデュースとなっている。アルバム『カリント工場の煙突の上に』、『LOVE SONG BLUE』にて共同作業を行った須藤と共に、後にアルバム『CAFE JAPAN』(1996年)、『JUNK LAND』(1997年)を製作していく事となるが、それに先駆けてリリースされた曲である[9]

    玉置は本作の歌詞に関して、安全地帯の活動休止からソロ活動開始の時点までの精神的に不安定であった時期の事をまとめたものであると述べている[9]。本作はこの時期に「まさにやりたかったこと、歌いたかったこと」であったとも述べ、「世の中にはいろんなやつがいる、と。いろんなことで悲しんでる。でもなんにもできなくてもさ、生きていればそれでいいんだ、ってほんとに思った」と述べている[10]

    リリース編集

    1996年7月21日Sony Recordsよりリリースされた。

    2011年8月24日には安全地帯の29枚目のシングル「結界」との両A面としてリリースされた。これは、安全地帯名義でセルフカバーしたものである。

    批評、反響編集

    専門評論家によるレビュー
    レビュー・スコア
    出典評価
    CDジャーナル肯定的[11]

    音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「何が幸せで何が不幸せだとか考えるよりも大事なのは何よりも「生きること」と、スピード感ある歌唱で聴き手を諭す」と指摘し、「この曲を自身の応援歌にしている人も多いはず」と肯定的に評価した[11]

    タレントのビートたけしは本作をフェイバリットソングとして挙げ、1994年8月に原付バイクでの事故によりマスコミからのバッシングや映画が撮影できなくなった事などで悲観していた時に、酒を飲みながら良く聴いていたと語っている[12]

    チャート成績編集

    オリコンチャートでは最高位2位、登場回数30回となり、売り上げ枚数は92.5万枚となった。

    ソロでは初となるオリコントップ3入りを果たし、ほぼミリオンセラーとも言える大ヒットでソロ作品では自身最大のヒット曲となっている。また、2007年9月9日放送のテレビ東京系音楽番組『みゅーじん』(2004年 - 2009年)で、玉置が安全地帯も含めて、自身の最大ヒット作は本作であると語っている。

    須藤は音楽業界にて一度成功し自らの代表曲を持つ者が、低迷期を迎えた後に復活する事はほぼ不可能であると主張し、玉置が安全地帯の「ワインレッドの心」(1983年)の大成功により烙印を押された後に本作がヒットした事に関しては「僕もそのお手伝いはできたと思いますが、そういう烙印を彼が全部自分の力でぶち壊して、新たにそれ以上に売れる作品、もっと大きなマスターピースを作ったパワーはすごい。頭が下がります」と述べている[13]

    ミュージック・ビデオ編集

    PVでは、農村青年中国人魔術師といったコスプレ姿を披露している。

    このキャラクターたちには設定があり、カフェ・ジャパンの裏で農家を営んでいる農夫がカフェ・ジャパンの支配人でありオーナー、中国服の男は謎のマネージャーとなっている[14]。また、玉置は「このカフェ・ジャパンに人生で迷ったヤツが来る!」と語り、仮面の男はその中の一人であるという[14]。また本作のコンセプトとして「仮面の男はカフェ・ジャパンに来た事で救われ、『自分はこれでいいんだ』と最後に仮面を取って晴れやかな顔になる、その時空には虹がかかっている」という構想であると玉置は語っている[14]

    ライブ・パフォーマンス編集

    NHK総合音楽番組『第47回NHK紅白歌合戦』(1996年)にソロとして初出場したが、直前に大腸憩室炎を起こし出演が危ぶまれていた。当日はTOKIOがバックバンドを務め、最後の歌詞を間違えた。

    2013年4月19日放送のフジテレビ系音楽番組『僕らの音楽 Our Music』(2004年 - 2014年)では小池徹平とのコラボレーションで演奏した[15]

    2014年8月13日放送のフジテレビ系音楽番組『2014 FNSうたの夏まつり』(2014年)で、玉置浩二×高見沢俊彦×小室哲哉×森山直太朗×WaT×miwaによる6組のアーティストによるコラボレーションで披露された。

    NHK総合音楽番組『SONGS』(2007年 - )においては度々本作の演奏が行われており、2014年3月15日放送分では東日本大震災の被災地にて弾き語りで演奏された他[16]2017年5月25日放送分においても弾き語りによって披露された[17]

    2020年12月31日放送のNHK総合音楽番組『第71回NHK紅白歌合戦』(2020年)にて本作のオーケストラバージョンを披露し、同番組への24年ぶりの出演を果たした[18][19][20][21]。出演情報は放送前日の12月30日に発表され、出演順は事前に公表されなかった[18]。玉置の紅白への出場は1985年に安全地帯の「悲しみにさよなら」、上記の1996年出演から通算して3回目となった[22]。オーケストラの伴奏は東京フィルハーモニー交響楽団によって演奏され、ベートーヴェン田園交響曲の第1楽章の旋律が組み込まれたものになっている。

    メディアでの使用編集

    玉置自身も出演したフジテレビ系木曜劇場コーチ』(1996年)の主題歌として使用された[23][24]。同ドラマは最終回では20%を超える視聴率を獲得し、大ヒットドラマとなった[24]。また、作中に登場した食品「サバカレー」は放送終了後に実際に発売され、入手困難になるほど売れたという[24]

    2016年には、LINE GAMELINE ブラウンファーム』のテレビCMに同曲が使用された(3月19日〜4月3日まで放映)。歌詞はゲーム内容に準じた替え歌。歌手名は明らかにされていない[25]

    プロ野球・福岡ソフトバンクホークス奥村政稔投手は、同曲を自身の登場曲に使用している。

    カバー編集

    収録作品は初出のもののみ記載する。

    シングル収録曲編集

    全作曲: 玉置浩二
    #タイトル作詞作曲・編曲編曲時間
    1.田園玉置浩二、須藤晃玉置浩二玉置浩二、藤井丈司
    2.働こうよ須藤晃玉置浩二玉置浩二
    3.田園(オリジナル・カラオケ) 玉置浩二 
    合計時間:

    スタッフ・クレジット編集

    参加ミュージシャン編集

    スタッフ編集

    • 玉置浩二 - プロデューサー
    • 須藤晃 - プロデューサー、ディレクター
    • 中沢慎太郎 - ディレクター
    • 田中邦明 - レコーディング・エンジニア、ミックス・エンジニア
    • 金子洋明 - エグゼクティブ・プロデューサー
    • 濱野啓介 - エグゼクティブ・プロデューサー

    リリース履歴編集

    No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
    1 1996年7月21日 Sony Records 8センチCD SRDL-4225 2位
    2 2011年8月24日 ユニバーサルミュージック マキシシングル UICZ-5052 59位 結界」との両A面
    3 2014年4月1日 ソニー・ミュージックダイレクト デジタル・ダウンロード - - オリジナル版の配信

    収録アルバム編集

    田園

    脚注編集

    [脚注の使い方]

    注釈編集

    1. ^ 2003年6月度までの旧基準。最低累計正味出荷枚数80万枚以上の作品に適用。

    出典編集

    1. ^ 認定作品 1996年11月度を閲覧。日本レコード協会 2018年5月17日閲覧。
    2. ^ RIAJ 2016年8月度
    3. ^ 志田歩 2006, p. 102- 「第5章 初心にかえろう」より
    4. ^ a b 志田歩 2006, pp. 116–117- 「第6章 孤独からのスタート」より
    5. ^ 志田歩 2006, p. 108- 「第6章 孤独からのスタート」より
    6. ^ 志田歩 2006, p. 117- 「第6章 孤独からのスタート」より
    7. ^ 志田歩 2006, p. 153- 「第9章 巡り逢ってしまった者たち」より
    8. ^ 玉置浩二が歌手安藤さと子と離婚”. Nikkansports.com. 日刊スポーツ新聞社 (2007年12月2日). 2020年1月2日閲覧。
    9. ^ a b c 志田歩 2006, p. 129- 「第7章 生きていくんだ!」より
    10. ^ 志田歩 2006, pp. 129–130- 「第7章 生きていくんだ!」より
    11. ^ a b 玉置浩二 / 田園 KOJI TAMAKI BEST”. CDジャーナル. 音楽出版. 2019年3月16日閲覧。
    12. ^ 真紀和泉 (2018年7月30日). “玉置浩二『田園』 ビートたけしからミセス大森元貴まで世代を超えて影響”. エキサイトニュース. エキサイト. 2019年3月16日閲覧。
    13. ^ 志田歩 2006, p. 130- 「第7章 生きていくんだ!」より
    14. ^ a b c 志田歩 2006, p. 132- 「第7章 生きていくんだ!」より
    15. ^ 玉置浩二、僕らの音楽で「田園」&TOKIOカバー盟友と競演”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2013年4月16日). 2019年3月16日閲覧。
    16. ^ 玉置浩二、新作「GOLD」引っさげ被災地で「田園」熱唱”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2014年3月14日). 2019年3月16日閲覧。
    17. ^ デビュー30周年の玉置浩二、「ワインレッドの心」や「田園」を特別アレンジで”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2017年5月18日). 2019年3月16日閲覧。
    18. ^ a b 大野択生 (2020年12月30日). “玉置浩二さんが24年ぶりに紅白出場へ 「田園」歌う”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社. 2021年2月6日閲覧。
    19. ^ 玉置浩二24年ぶり紅白、「田園」をオーケストラと”. Nikkansports.com. 日刊スポーツ新聞社 (2020年12月30日). 2021年2月6日閲覧。
    20. ^ 玉置浩二「NHK紅白歌合戦」に24年ぶり出場、オーケストラとコラボで「田園」歌う”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2020年12月30日). 2021年2月6日閲覧。
    21. ^ 玉置浩二、24年ぶりに『紅白歌合戦』出場決定”. BARKS. ジャパンミュージックネットワーク (2020年12月30日). 2021年2月6日閲覧。
    22. ^ 玉置浩二が24年ぶり出場、特別企画で代表曲「田園」歌う!/紅白”. SANSPO.COM. 産業経済新聞社 (2020年12月31日). 2021年2月6日閲覧。
    23. ^ COACH - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2020年1月2日閲覧。
    24. ^ a b c こじへい (2016年4月4日). “「サバカレー」が話題となった玉置浩二主演ドラマとは”. エキサイトニュース. エキサイト. 2019年3月16日閲覧。
    25. ^ 『田園』のメロディに合わせて歌う「LINE ブラウンファーム」のCM開始!今ならダイヤ&スタンプをプレゼント”. LINE GAME公式ブログ (2016年3月18日). 2016年3月31日閲覧。
    26. ^ OKMusic編集部 (2011年11月15日). “安全地帯、ニューアルバムは「田園」など玉置浩二のソロ作を再録した渾身のセルフカヴァー”. OKMusic. ジャパンミュージックネットワーク. 2021年2月6日閲覧。
    27. ^ ボイスマジシャン青木隆治、90's名曲を歌うカバーアルバム”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2012年6月14日). 2021年2月6日閲覧。

    参考文献編集

    • 志田歩 『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、102 - 153頁。ISBN 9784876722006 

    関連項目編集

    外部リンク編集