葵ステークス(あおいステークス)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場で施行する中央競馬重賞競走GIII)である。

葵ステークス
2022年葵ステークス
主催者 日本中央競馬会
競馬場 日本の旗京都競馬場
創設 2018年5月26日
2024年の情報
距離 芝1200m
格付け GIII
賞金 1着賞金4100万円
出走条件 サラ系3歳(国際)(特指)
負担重量 馬齢
出典 [1][2]
テンプレートを表示

競走名にある「」とはアオイ科の植物の総称のことであり、また家紋のひとつで、フタバアオイの葉を図案化したものである。賀茂神社の神紋に由来し、徳川氏の葵巴の紋などが有名である。同神社で5月15日に行われる葵祭は、石清水祭春日祭とともに三勅祭のひとつに数えられる[3]

概要 編集

 
2018年葵ステークス
 
2021年葵ステークス

1984年までは条件クラスの競走であり[注 1]1988年までは葵賞(あおいしょう)として施行されていた。1996年から2009年までは、地方競馬所属馬(出走枠3頭)に限り1着馬に安田記念の出走権が与えられるトライアル競走でもあった。

施行距離は1985年から1995年までと、2002年から2009年までは芝1400メートルで行われていたが、1996年から2001年までと2010年からは芝1200メートルで施行されている。

2018年の番組改正で3歳スプリント路線の拡充を図る観点から、本競走は新設重賞として昇格されることになった[5]。格付表記は2019年から2021年まで「重賞」とされ、2022年よりGIIIに新規格付された(後述)。

競走条件 編集

以下の内容は、2024年のもの[1][2][6]

出走資格:サラ系3歳、未出走馬および未勝利馬を除く

  • JRA所属馬
  • 地方競馬所属馬(2頭まで)
  • 外国調教馬(優先出走)
  • 負担重量:馬齢重量(57kg、牝馬55kg)

賞金 編集

2024年の1着賞金は4100万円で、以下2着1600万円、3着1000万円、4着620万円、5着410万円[1][2]

歴史 編集

  • 2018年 - 3歳馬による重賞(新設重賞)として創設[5]。この年に限り、「テイエムオペラオー追悼競走」の副題を付けて施行[7]
  • 2019年 - 格付け表記を「重賞」に変更[8]
  • 2020年 - 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、「無観客競馬」として実施[9]
  • 2021年
    • 京都競馬場の整備工事に伴い、中京競馬場で施行(2022年も同様)[10]。この年以降、出走可能頭数が18頭に変更される。
    • 日本グレード格付け管理委員会の承認を得次第、GIII競走として格付けされる予定であった[10]。しかし、承認を得ることが出来なかった[注 2]ため、引き続き重賞として施行される[11]
  • 2022年 - 日本グレード格付け管理委員会の承認を得たため、GIII競走として格付けされる[12]
  • 2024年 - 負担重量を馬齢重量に変更。

歴代優勝馬 編集

コース種別を記載していない距離は、芝コースを表す。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 2018年5月26日 京都 1200m ゴールドクイーン 牝3 1:08.0 古川吉洋 坂口正則 加藤充彦
第2回 2019年5月25日 京都 1200m ディアンドル 牝3 1:08.0 藤岡佑介 奥村豊 (有)シルクレーシング
第3回 2020年5月30日 京都 1200m ビアンフェ 牡3 1:08.1 藤岡佑介 中竹和也 前田幸貴
第4回 2021年5月29日 中京 1200m レイハリア 牝3 1:08.1 亀田温心 田島俊明 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
第5回 2022年5月28日 中京 1200m ウインマーベル 牡3 1:08.2 松山弘平 深山雅史 (株)ウイン
第6回 2023年5月27日 京都 1200m モズメイメイ 牝3 1:07.1 武豊 音無秀孝 (株)キャピタル・システム

2017年までの優勝馬 編集

葵賞 編集

施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
1985年5月11日 京都 1400m オープン ロングクイック 牡3 1:23.2 内山正博 小野幸治
1986年5月10日 京都 1400m オープン リードトリプル 牡3 1:24.6 河内洋 服部正利
1987年5月16日 京都 1400m オープン マルブツロンリー 牝3 1:24.4 山田和広 坪正直
1988年5月14日 京都 1400m オープン グレートモンテ 牡3 1:24.7 猿橋重利 高橋成忠

葵ステークス 編集

施行日 競馬場 距離 条件 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
1989年5月14日 京都 1400m オープン オサイチジョージ 牡3 1:25.0 丸山勝秀 土門一美
1990年5月13日 京都 1400m オープン ダイタクヘリオス 牡3 1:23.6 岸滋彦 梅田康雄
1991年5月12日 京都 1400m オープン テンザンハゴロモ 牝3 1:23.3 松永昌博 松永善晴
1992年5月17日 京都 1400m オープン エリザベスローズ 牝3 1:23.2 佐藤哲三 渡辺栄
1993年5月16日 京都 1400m オープン フジワンマンクロス 牡3 1:23.7 田原成貴 谷八郎
1994年4月24日 阪神 1400m オープン マルカオーカン 牡3 1:24.1 河内洋 瀬戸口勉
1995年4月23日 京都 1400m オープン イサミサクラ 牝3 1:22.4 武豊 領家政蔵
1996年5月12日 京都 1200m オープン ザゴールド 牡3 1:08.8 塩村克己 中村好夫
1997年5月11日 京都 1200m オープン スタープログラマー 牡3 1:09.0 田中勝春 宗像義忠
1998年5月17日 京都 1200m オープン メイショウアヤメ 牝3 1:09.9 飯田祐史 飯田明弘
1999年5月16日 京都 1200m オープン クールネージュ 牝3 1:08.8 松永幹夫 西園正都
2000年5月13日 京都 1200m オープン ブレイクタイム 牡3 1:08.0 石橋守 山本正司
2001年5月12日 京都 1200m オープン カルストンライトオ 牡3 1:07.4 熊沢重文 大根田裕也
2002年5月11日 京都 1400m オープン ダンツジャッジ 牡3 1:21.2 藤田伸二 山内研二
2003年5月17日 京都 1400m オープン モンパルナス 牝3 1:21.5 松永幹夫 坪憲章
2004年5月15日 京都 1400m オープン マイネルゼスト 牡3 1:21.5 四位洋文 高橋裕
2005年5月15日 京都 1400m オープン シンボリグラン 牡3 1:20.9 熊沢重文 畠山吉宏
2006年5月14日 京都 1400m オープン ウインレジェンド 牡3 1:23.0 川田将雅 瀬戸口勉
2007年5月12日 京都 1400m オープン カノヤザクラ 牝3 1:22.6 上村洋行 橋口弘次郎
2008年5月17日 京都 1400m オープン ミリオンウェーブ 牡3 1:21.7 角田晃一 宮本博
2009年5月16日 京都 1400m オープン エイシンタイガー 牡3 1:20.4 川田将雅 西園正都
2010年5月15日 京都 1200m オープン ケイアイデイジー 牝3 1:07.6 幸英明 山内研二
2011年5月14日 京都 1200m オープン ロードカナロア 牡3 1:09.3 北村友一 安田隆行
2012年5月13日 京都 1200m オープン マコトナワラタナ 牝3 1:08.0 藤岡康太 鮫島一歩
2013年5月12日 京都 1200m オープン ティーハーフ 牡3 1:08.7 武豊 西浦勝一
2014年5月18日 京都 1200m オープン リアルヴィーナス 牝3 1:07.5 藤岡康太 安達昭夫
2015年5月17日 京都 1200m オープン ジャストドゥイング 牡3 1:08.0 岩崎翼 中竹和也
2016年5月15日 京都 1200m オープン ナックビーナス 牝3 1:07.9 酒井学 杉浦宏昭
2017年5月13日 京都 1200m オープン アリンナ 牝3 1:10.5 藤岡佑介 松元茂樹

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 1984年は800万円以下条件、芝2400メートルで行われた[4]
  2. ^ GIII昇格の条件として、2018年から2020年までの3年間の平均レースレーティング(105.00以上に対して106.42だった)は満たしていたものの、もう一つの要件である直近年(2020年)のレースレーティングが満たされなかったため(105.00以上に対して104.50だった)昇格が見送られることとなった。

出典 編集

  1. ^ a b c 重賞競走詳細(レース別・関西)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 18 (2023年). 2023年9月10日閲覧。
  2. ^ a b c 令和5年第1回京都競馬番組(第7~12日)” (PDF). 日本中央競馬会. 2023年9月10日閲覧。
  3. ^ 2023年度第1回京都競馬特別レース名解説(第11日)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 5. 2023年9月10日閲覧。
  4. ^ 「特別レース勝馬一覧」『優駿』、日本中央競馬会、1984年7月、152頁。 
  5. ^ a b 平成30年度競馬番組等について” (PDF). 日本中央競馬会. p. 2 (2017年11月14日). 2020年11月13日閲覧。
  6. ^ 中央競馬指定交流競走に出走する地方競馬所属馬の決定方法(令和4年度春季競馬)” (PDF). 日本中央競馬会. 2022年5月22日閲覧。
  7. ^ テイエムオペラオー追悼行事をJRAが発表 主要4競馬場に献花台&記帳台など”. スポーツ報知 (2018年5月23日). 2022年5月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月30日閲覧。
  8. ^ 平成31年度(2019年)競馬番組等について” (PDF). 日本中央競馬会. p. 2 (2018年11月20日). 2020年11月13日閲覧。
  9. ^ 4月25日(土曜)から5月31日(日曜)までの中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年4月23日). 2020年6月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月20日閲覧。
  10. ^ a b 令和3年度の重賞競走の主な変更点について” (PDF). 日本中央競馬会 (2020年10月19日). 2020年10月20日閲覧。
  11. ^ 東京スポーツ杯2歳ステークスおよび葵ステークスの格付け”. 日本中央競馬会 (2021年1月27日). 2021年1月27日閲覧。
  12. ^ 葵ステークスのGⅢ格付けおよびニュージーランドトロフィー(GⅡ)の格付けに対する警告 JRA”. jra.jp. 2022年1月26日閲覧。

各回競走結果の出典 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集