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ダイタクヘリオスとは日本競走馬である。19911992年マイルチャンピオンシップ優勝馬。種牡馬としても2000年度のJRA賞最優秀短距離馬ダイタクヤマトを送り出し、父・自身・子と3世代続けて内国産種牡馬として供用された。

ダイタクヘリオス
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 1987年4月10日
死没 2008年12月12日(21歳没)
ビゼンニシキ
ネヴァーイチバン
生国 日本の旗 日本北海道平取町
生産 清水牧場
馬主 中村雅一
調教師 梅田康雄(栗東
競走成績
生涯成績 35戦10勝
獲得賞金 6億8995万2400円
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馬名の由来は冠名「ダイタク」とギリシア神話太陽神ヘリオス」より。おもに短距離路線で活躍しながら有馬記念のような長距離競走にも出走していた。

馬齢については、現役時代に合わせ当時の数え年で表記する。

経歴編集

競走馬時代編集

3歳秋にデビューし3戦目の新馬戦で勝ち上がる[1]と、格上挑戦となった4戦目のデイリー杯3歳ステークスでは4着に敗れるも、5戦目の条件戦を勝ってオープン入りした。なお、この勝利が生涯唯一の「単勝1番人気で1着」であった。そして次に出走した阪神3歳ステークスでは2着と健闘した。

4歳初戦はシンザン記念で2着に入った。父・ビゼンニシキが果たせなかったクラシック制覇の期待をかけられるも、距離が伸びたきさらぎ賞皐月賞トライアルスプリングステークスで惨敗したことで短距離路線に転向し、GIIIのクリスタルカップとオープン特別の葵ステークスに優勝する。続けてニュージーランドトロフィー4歳ステークスでは2着。秋はマイルチャンピオンシップにぶっつけで挑戦するが、初めて後手から進むこととなり惨敗した。その後、オープン特別のシリウスステークスとGIスプリンターズステークスでは4着・5着と、勝ちきれないレースが続いた。

5歳緒戦の淀短距離ステークスは4着に終わったが、続いて出走したマイラーズカップ[2]を5馬身差でレコード勝ちする。しかしその後はダービー卿チャレンジトロフィーで1番人気に推されるも4着、京王杯スプリングカップではダイイチルビーの6着と敗れる。そのため安田記念では10番人気であったが、レースでは道中好位を追走し、最後の直線で先頭に立ったところをダイイチルビーにかわされたものの、それでも粘って2着となった。その後CBC賞は2番人気で5着に終わったが、高松宮杯[3]では、安田記念で本馬に勝ったダイイチルビー[4]と叩き合いの末にハナ差で勝利した。秋に入り毎日王冠2着、スワンステークス9着のあとに出走したマイルチャンピオンシップではダイイチルビー・ケイエスミラクルバンブーメモリーに次ぐ4番人気だったが、第3コーナーで先頭に立つと、ダイイチルビーに2馬身半の差をつけて優勝し、GI初勝利となった。次いで有馬記念に出走、距離不適と言われながらも5着となった。

6歳になっても、マイラーズカップを60キログラム負担重量を背負いながら昨年に続く5馬身差の圧勝で、グレード制導入以後では初となる連覇を達成した。(同一の平地重賞を2年連続5馬身以上の差で勝った馬は、後にも先にもヘリオス1頭だけである。)その後の3戦で2・1・2番人気に推されたが、連続して馬券対象から外れた。しかし毎日王冠をレコードタイムで逃げ切り、秋の天皇賞では3番人気になった。奇しくもその天皇賞には父・ビゼンニシキのライバルであったシンボリルドルフの仔・トウカイテイオーが出走していた。しかしダイタクヘリオスはメジロパーマーと超ハイペースで逃げた末に失速、これを追走したトウカイテイオーも実力を発揮できず、後方に控えていた人気薄のレッツゴーターキンムービースターが1、2着となった。続いて前年優勝したマイルチャンピオンシップに出走した。1番人気をここまで4連勝中の4歳牝馬シンコウラブリイに譲るも、当時のレコードタイムで連覇した。その後はスプリンターズステークスに出走しひさびさの1番人気になるも4着、最後は連闘で有馬記念に出走しふたたび天皇賞と同じくメジロパーマーと激しく競り合った結果、12着に敗れた。これを最後に競走馬を引退した。

種牡馬・功労馬時代編集

引退後、1996年より北海道日高軽種馬農業協同組合門別種牡馬場にて種牡馬となった。種牡馬入り後しばらくは産駒の活躍には恵まれなかったが、2000年ダイタクヤマトがスプリンターズステークスを16頭立て16番人気で勝利し、同年のJRA賞では父が取れなかった最優秀短距離馬を受賞した。

その後、2002年に青森県八戸市の山内牧場に移り2008年9月に種牡馬を引退。同牧場で功労馬として繋養されていたが、同年12月に死亡した[5]

競走成績編集

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離馬場 タイム
上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
1989. 10. 7 京都 3歳新馬 12 4 4 11.9 (3人) 3着 岸滋彦 52 芝1400m(良) 1:24.7 (36.6) 0.5 オースミロッチ
10. 21 京都 3歳新馬 12 8 12 2.0 (1人) 2着 岸滋彦 52 ダ1200m(良) 1:14.0 (38.1) 0.5 ニチドウサンダー
10. 29 京都 3歳新馬 15 2 3 4.1 (3人) 1着 岸滋彦 52 芝1600m(良) 1:36.3 (37.0) -0.4 (ジャストアハード)
11. 11 阪神 デイリー杯3歳S GII 10 2 2 20.5 (6人) 4着 岸滋彦 54 芝1400m(良) 1:23.8 (36.8) 0.7 ヤマニングローバル
12. 9 阪神 さざんか賞 11 2 2 2.8 (1人) 1着 田島良保 54 芝1400m(良) 1:22.9 (37.1) -0.2 (ダイイチコーヤ)
12. 17 阪神 阪神3歳S GI 12 5 5 7.9 (4人) 2着 武豊 54 芝1600m(良) 1:35.7 (37.6) 0.0 コガネタイフウ
1990. 1. 14 京都 シンザン記念 GIII 11 8 11 7.3 (4人) 2着 岸滋彦 55 芝1600m(良) 1:36.1 (35.8) 0.1 ニチドウサンダー
2. 11 阪神 きさらぎ賞 GIII 12 7 9 6.9 (4人) 6着 岸滋彦 56 芝2000m(不) 2:05.2 (39.5) 1.1 ハクタイセイ
3. 25 中山 スプリングS GII 14 2 3 40.9 (8人) 11着 岸滋彦 56 芝1800m(良) 1:51.3 (41.0) 2.4 アズマイースト
4. 14 中山 クリスタルC GIII 10 5 5 4.0 (2人) 1着 岸滋彦 55 芝1200m(稍) 1:09.0 (35.8) -0.4 (シンボリガルーダ)
5. 13 京都 葵S 18 8 18 5.2 (2人) 1着[6] 岸滋彦 59 芝1400m(良) 1:23.6 (37.2) -0.1 (ダイイチオイシ)
6. 3 東京 NZT4歳S GII 16 5 9 3.6 (1人) 2着 岸滋彦 56 芝1600m(良) 1:35.1 (37.6) 0.2 ミュージックタイム
11. 18 京都 マイルCS GI 18 8 16 53.4 (12人) 17着 田島良保 55 芝1600m(良) 1:35.5 (35.5) 1.9 パッシングショット
12. 2 中京 シリウスS 12 7 9 5.5 (3人) 4着 上野清章 58 芝1200m(稍) 1:10.3 (36.7) 0.4 ホリノウイナー
12. 16 中山 スプリンターズS GI 16 6 10 8.1 (4人) 5着 岸滋彦 55 芝1200m(良) 1:08.5 (35.7) 0.7 バンブーメモリー
1991. 2. 3 京都 淀短距離S 14 7 11 3.8 (2人) 4着 岸滋彦 56 芝1200m(良) 1:09.8 (35.1) 0.7 グロリアトウショウ
2. 24 中京 マイラーズC GII 13 4 5 5.6 (4人) 1着 武豊 56 芝1700m(良) R1:41.2 (36.5) -0.8 (プリティハット)
3. 17 中山 ダービー卿CT GIII 11 5 6 2.9 (1人) 4着 岸滋彦 57 芝1200m(稍) 1.09.5 (36.0) 0.6 ナイスパーワー
4. 21 東京 京王杯スプリングC GII 18 1 1 8.4 (5人) 6着 岸滋彦 57 芝1400m(良) 1:22.2 (35.8) 0.7 ダイイチルビー
5. 12 東京 安田記念 GI 16 6 13 28.7 (10人) 2着 岸滋彦 57 芝1600m(良) 1:34.0 (36.0) 0.2 ダイイチルビー
6. 23 中京 CBC賞 GII 11 7 9 3.2 (2人) 5着 岸滋彦 58 芝1200m(不) 1:11.4 (36.7) 0.6 フェイムオブラス
7. 7 中京 高松宮杯 GII 8 1 1 11.7 (5人) 1着 加用正 58 芝2000m(良) 1:59.4 (36.5) 0.0 (ダイイチルビー)
10. 6 東京 毎日王冠 GII 13 8 13 8.9 (5人) 2着 岸滋彦 58 芝1800m(稍) 1:46.2 (36.5) 0.1 プレクラスニー
10. 26 京都 スワンS GII 16 1 1 6.8 (4人) 9着 岸滋彦 58 芝1400m(良) 1.21.6 (35.9) 1.0 ケイエスミラクル
11. 17 京都 マイルCS GI 15 7 12 11.8 (4人) 1着 岸滋彦 57 芝1600m(良) 1:34.8 (35.3) -0.4 ダイイチルビー
12. 22 中山 有馬記念 GI 15 3 4 32.2 (9人) 5着 岸滋彦 57 芝2500m(良) 2:31.3 (36.8) 0.7 ダイユウサク
1992. 3. 1 阪神 マイラーズC GII 11 4 4 5.0 (2人) 1着 岸滋彦 60 芝1600m(良) 1:36.2 (37.0) -0.9 (シンホリスキー)
4. 25 東京 京王杯スプリングC GII 13 5 6 2.9 (2人) 4着 岸滋彦 59 芝1400m(良) 1:22.0 (35.8) 0.4 ダイナマイトダディ
5. 17 東京 安田記念 GI 18 3 5 2.9 (1人) 6着 岸滋彦 57 芝1600m(良) 1:34.2 (36.6) 0.4 ヤマニンゼファー
6. 14 阪神 宝塚記念 GI 13 3 3 5.9 (2人) 5着 岸滋彦 57 芝2200m(良) 2:20.6 (41.4) 2.0 メジロパーマー
10. 11 東京 毎日王冠 GII 11 1 1 5.2 (4人) 1着 岸滋彦 59 芝1800m(良) R1:45.6 (35.5) -0.1 イクノディクタス
11. 1 東京 天皇賞(秋) GI 18 3 6 7.0 (3人) 8着 岸滋彦 58 芝2000m(良) 1:59.2 (38.4) 0.6 レッツゴーターキン
11. 22 京都 マイルCS GI 18 8 18 5.0 (2人) 1着 岸滋彦 57 芝1600m(良) R1:33.3 (35.0) -0.2 シンコウラブリイ
12. 20 中山 スプリンターズS GI 16 6 12 3.8 (1人) 4着 岸滋彦 57 芝1200m(良) 1:08.1 (34.8) 0.4 ニシノフラワー
12. 27 中山 有馬記念 GI 16 4 8 23.1 (7人) 12着 岸滋彦 56 芝2500m(良) 2:34.8 (38.6) 1.3 メジロパーマー

種牡馬成績編集

特徴・エピソード編集

気性
35戦して1番人気に6回推されるも1着は3歳時の条件戦での1回のみで、あとの9勝はすべて2番人気以下でのものとムラっ気が強かった。このため「オッズを見る馬」と称された。穴馬党には馬券購入においても根強い人気があり、実際5歳になって以降(1991年以降)ダイタクヘリオスが出走したレースはこの馬の勝敗を問わずすべて1番人気が敗れている。
一般にパドックや返し馬であんぐりと口を開けたりイレ込んで荒れるなどの気の悪さを見せているほうが走り、逆にいかにも落ちついていい動きをしている場合は走らないと言われていた。調教においても同様で、折り合いがついて終いまできっちりまとめられた場合よりも、テンから引っかかって飛ばし終いバタバタになった場合の方が好走する、といわれた。また、常に大きく口を割って走る姿から「笑いながら走る馬」とも称された。
種牡馬入り後は非常に穏和な生活ぶりを示し、気性の激しかった現役時代を知る繋養先の牧場スタッフが思わず拍子抜けをするほどだったという。ある日放牧地でダイタクヘリオスが静かに横たわっていたため関係者が「病死したのでは」と慌てて見に行ってみると、横になって草を食べていたというエピソードもあった。また死の当日も牧場スタッフが放牧のために馬房に行くとヘリオスはすでに冷たくなっており、馬房には暴れたり苦しんだ痕跡もなく眠るように事切れていたと証言している。
ダイイチルビー
よしだみほの漫画『馬なり1ハロン劇場』では対戦が多かったダイイチルビーとのロマンスが創作された。現実にはこの2頭の間に仔はいないが、競馬ゲーム『ウイニングポスト』シリーズには、この2頭の産駒という設定のファーストサフィーという馬がスーパーホースの常連として登場している[7]。このような物語や設定から、ダイタクヘリオス最後の産駒(ケーエフウイナーの2007・牝馬)が「ファーストサフィー」の名前で登録された。祖母に南関東公営競馬の名牝ケーエフネプチュンがいる血統である。園田競馬場でデビューし、2010年1月6日に初勝利を挙げた。

血統表編集

ダイタクヘリオス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 リュティエ系
[§ 2]

ビゼンニシキ
1981 栗毛
父の父
* ダンディルート
Dandy Lute
1972 鹿毛
Luthier
1965 黒鹿毛
Klairon
Flute Enchantee
Dentrelic
1965 栗毛
Prudent
Relict
父の母
ベニバナビゼン
1975 栗毛
*ミンスキー
1968 栗毛
Northern Dancer
Flaming Page
カツハゴロモ
1971 鹿毛
*サウンドトラック
*ワイルドライフ

ネヴアーイチバン
1971 黒鹿毛
* ネヴァービート
Never Beat
1960 栃栗毛
Never Say Die Nasrullah
Singing Grass
Bride Elect Big Game
Netherton Maid
母の母
ミスナンバイチバン
1959 黒鹿毛
*ハロウェー Fairway
Rosy Legend
*スタイルパッチ Dogpatch
Style Leader
母系(F-No.) スタイルパッチ系(FN:8-g) [§ 3]
5代内の近親交配 Big Game 5×4、Nearco 5・5(母内) [§ 4]
出典
  1. ^ [8]
  2. ^ [9]
  3. ^ [10][8]
  4. ^ [8]

母系は祖母のミスナンバイチバンから大きく広がっており、近親の活躍馬にはカブラヤオーミスカブラヤダイタクバートラムダイタクリーヴァダイタクテイオーチャンストウライなどがいる。

脚注編集

  1. ^ 当時は同一開催期間中の新馬戦に最大4回出走(4連闘)できた
  2. ^ 阪神競馬場が改修中だったため中京競馬場・1700メートルで行われた。
  3. ^ 当時は芝2000メートルのGIIであった。
  4. ^ なお同馬は同競走での母子3代制覇がかかっていた。
  5. ^ “名マイラー”ダイタクヘリオス死す - SANSPO.COM
  6. ^ レースは2位入線だが、1位入線のアンビシャスホープが他馬への進路妨害で失格した事による繰り上がり。
  7. ^ ウイニングポスト7マキシマム2008以降はファーストサフィーに代わってヘリオスの仔ダイタクヤマトを父、ルビーの仔ダイイチシガーを母とするセカンドサフィーが登場している。
  8. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ダイタクヘリオス|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2016年10月8日閲覧。
  9. ^ 小林皓正(編)『サラブレッド血統マップ'93』コスモヒルズ、1993年、76頁。
  10. ^ 『優駿』1992年12月号、日本中央競馬会、136頁

外部リンク編集