ドクター・ストレンジ (映画)

アメリカの映画作品

ドクター・ストレンジ』(Doctor Strange)は、マーベル・スタジオ製作、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ配給による2016年公開のアメリカ合衆国スーパーヒーロー映画である。日本では、2017年1月27日に公開された[3]

ドクター・ストレンジ
Doctor Strange
監督 スコット・デリクソン
脚本 スコット・デリクソン
ジョン・スペイツ
C・ロバート・カージル
製作 ケヴィン・ファイギ
製作総指揮 ルイス・デスポジート
チャールズ・ニューワース
スタン・リー
ヴィクトリア・アロンソ
スティーヴン・ブルサード
出演者 ベネディクト・カンバーバッチ
キウェテル・イジョフォー
レイチェル・マクアダムス
ベネディクト・ウォン
マイケル・スタールバーグ
ベンジャミン・ブラット
スコット・アドキンス
マッツ・ミケルセン
ティルダ・スウィントン
音楽 マイケル・ジアッチーノ
撮影 ベン・デイヴィス
編集 ワイアット・スミス
サブリナ・プリスコ
製作会社 マーベル・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2016年11月4日
日本の旗 2017年1月27日
上映時間 115分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $165,000,000[1]
興行収入 世界の旗$677,718,395[1]
アメリカ合衆国の旗 $232,641,920[1]
日本の旗 18.7億円[2]
前作 シビル・ウォー/キャプテン・アメリカマーベル・シネマティック・ユニバース前作)
次作 ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(シリーズ次作)
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(マーベル・シネマティック・ユニバース次作)
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マーベル・コミック」のアメリカン・コミックヒーローである『ドクター・ストレンジ』の実写映画化作品である。また、様々な「マーベル・コミック」の実写映画を、同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては第14作品目の映画となる。

ストーリー

ニューヨークの病院で働く天才外科医、スティーヴン・ストレンジ。ある日交通事故に遭った彼は、外科医としては致命的な、両手にマヒが残るケガをしてしまう。一瞬にしてその輝かしいキャリアを失った彼は、あらゆる治療法を試し、最後にカトマンズの修行場カマー・タージに辿り着く。そこで神秘の力を操る指導者エンシェント・ワンと巡り会った彼は、未知なる世界を目の当たりにして衝撃を受け、ワンに弟子入りする。そして過酷な修行の末に魔術師として生まれ変わったストレンジ。しかしそんな彼の前に、闇の魔術の力で世界を破滅に導こうとする魔術師カエシリウスが現れ、人類の存亡をかけた戦いの渦に巻き込まれていく。

登場人物・キャスト

スティーヴン・ストレンジ / ドクター・ストレンジ
演 - ベネディクト・カンバーバッチ、日本語吹替 - 三上哲[4][5]
さまざまな医療知識に精通し、天才的な医術を持つ神経外科医だったが、事故によってその能力を失い、神秘的な魔術の世界へと足を踏み入れ、魔術師に転身する本作の主人公。
交通事故によって両手の神経を損傷し、その機能を失って医師として復帰することに固執して失敗し続けたため激しく荒んでしまい、元恋人のクリスティーンにまで立ち去られる結果となるが、下半身不随になった男がある治療施設に行ったのち平然と歩けるようになったという噂から、治療のためにネパール・カトマンズにある“カマー・タージ”の門を叩く。そこで“多元宇宙(マルチバース)”由来の魔術の存在と、これまでの世界の常識の範疇外の事象を見せつけられ、エンシェント・ワンに弟子入りし、魔術の道を究めようと修行に励んでいくうちに、闇の勢力から世界を救うために、魔術師として立ち上がる。
モルド英語版
演 - キウェテル・イジョフォー、日本語吹替 - 小野大輔[4]
カマー・タージで修行を積む黒人系の魔術師で、エンシェント・ワンを強く信頼している忠実な弟子。自然の調和を保つ魔術師であることに誇りを持っており、生真面目で自らの倫理観を確立しているものの、そんな人物像から融通が利かない一面もあり、自然の秩序を乱す敵には容赦せず命まで奪おうとするほどの激しい気性の持ち主。その意固地さも相まって、エンシェント・ワンには「若い頃に苦労した経験から魂が固すぎる」と危惧されている。
カトマンズを訪れたストレンジを暴漢らから救い、カマー・タージへと招いて彼の兄弟子兼お目付け役となり、修行相手を務めつつ魔術の知識を与えるだけでなく、規則を無視したり闇の勢力との戦いに消極的な姿勢を見せるストレンジを戒める。やがてゼロッツのサンクタム・サンクトラム襲撃に巻き込まれ、応戦する最中にエンシェント・ワンの秘密を知ったことで、魔術に対して失望してしまう。
それでも香港を守るためにストレンジやウォンと共闘したが、戦闘後に彼らと口論になり彼らにも失望して行方をくらます。さらにエンドロール後には、パングボーンの下に現れ、彼の魔力を奪い取り、「魔術師が多すぎる」と呟く。
クリスティーン・パーマー
演 - レイチェル・マクアダムス、日本語吹替 - 松下奈緒[4]
メトロポリタン総合病院に在籍する救急救命医。 ストレンジと一時期は恋人同士だったが、彼の傲慢さに付いていけず、現在は同僚の関係に戻っている。それでも彼とは仕事のパートナー兼友人として深く信頼し合い、ストレンジから唯一心を許せる人と認められるほど、芯が強く愛情に溢れ、茶目っ気もある女性である。また、突然の声掛けや物音にも極端に反応してしまうなど相当怖がりな部分もある。
事故後に両手を負傷したストレンジを気に掛け、甲斐甲斐しく彼の治療に付き添い続けてきたものの、両手の機能が戻らないと知って自暴自棄になったストレンジから暴言を浴びせられると、彼を見限った。その数ヶ月後に魔術師として戻ってきたストレンジと再会した際には、深手を負っていた彼を治療し、復縁したいと打ち明けられたが、魔術師として人を救う道を歩みはじめたストレンジの決意を尊重し、彼の再出発を頰へのキスで後押しして、今生の別れを決める。
ウォン英語版
演 - ベネディクト・ウォン、日本語吹替 - 田中美央
カマー・タージの書庫を管理・守護するアジア系の魔術師。常に仏頂面を崩さず、流行や著名人に関する事象にも疎いようで、ストレンジのジョークにも動じない。何事にも真剣に取り組み、浮世離れしているように見える一方、携帯音楽プレーヤーで音楽を聴きながら仕事をするなど、必ずしも堅物というわけでもない。彼もまた、ストレンジの導き手となる。
毎度魔術書を借り受けに来ては閲覧禁止の書物を読もうとするストレンジに頭を抱え、彼がアガモットの目を用いた魔術まで試していることに気付くと、モルドと共にストレンジへ厳しく忠告し、多次元宇宙とカリオストロの儀式について解説した。
物語のクライマックスでは香港を守るため、他の魔術師たちを率いて果敢に戦場に立つが、ゼロッツに敗れて瓦礫の下敷きとなってしまった。しかしストレンジに救われ、彼によって香港が救われた一部始終と、去り行くモルドを見届ける。
ニコデマス・ウエスト英語版
演 - マイケル・スタールバーグ、日本語吹替 - 志村知幸
ストレンジやクリスティーンの同僚の医師で、両者からは“ニック”と呼ばれることもある。救える患者を脳死と誤診し、ストレンジから辛く罵られるなど、医師としての腕は今ひとつに見えるが、両手に重症を負ったストレンジの治療を担当し、物語の後半にはカエシリウスとの戦いに敗れたエンシェント・ワンの手術をストレンジから頼まれているため、決して藪医者という訳ではない。ストレンジとルシアンがアストラル・ディメンションで戦っていた時には、その際の余波で病院内の自販機から溢れ落ちた多数の菓子をくすねていた。
ジョナサン・パングボーン
演 - ベンジャミン・ブラット、日本語吹替 - 根本泰彦
事故で下半身不随に陥ったものの、エンシェント・ワンの下で魔術を身につけ、歩けるようになった男性。現在は鉄工所で働き、バスケットボールを楽しめる程にまで回復した。
かつてストレンジに治療を求めたこともあったが、彼が自分の名声が傷つくのを恐れ、手術を不可能だと告げたため、門前払いを食らった[注釈 1]。そこで医術を諦めて、世界中の寺院や聖堂を渡り歩いた末にカマー・タージに行きつき、半年間エンシェント・ワンの下で魔術を学ぶ。その際にモルドとも顔馴染みとなるとともに、マスターズ・オブ・ミスティックアーツ入りを辞退した代わりに、魔力を得てまともに動ける肉体を手に入れた経緯を持つ。
前述の件もあって初対面時には辛辣な態度を取るが、ストレンジが自分と同じ境遇に陥っているのを見て、カマー・タージに行くよう助言する。だが、エンドロール後に職場で仕事中に現れたモルドに虚を突かれて身体から魔力を奪われ、再び下半身不随となってしまう。
ハミヤ
演 - トポ・ウェルネスニーロ
カマー・タージの左前腕が欠損している老魔術師で、エンシェント・ワンからは“マスター・ハミヤ”と呼ばれる。カマー・タージを初めて訪ねたストレンジからエンシェント・ワンと間違えられた。五体不満足ながらも、エルドリッチ・ライトを容易く発動できるほど優れた魔術師である。
ブルネット・ゼロッツ
演 - ザラ・フィシアン
ゼロッツの一員である、黒髪の女性魔術師。冒頭のミラー・ディメンションから香港まで、倒されることや戦線離脱することは一度も無かったが、最終的に“暗黒次元(ダーク・ディメンション)”の王“ドルマムゥ”によって暗黒次元へ吸い込まれる。
トール・ゼロッツ
演 - アラー・サフィ
ゼロッツの一員である男性の魔術師。物語後半のミラー・ディメンションでの戦いで、カエシリウスに無惨にも捨て駒にされて、死亡する。
ブロンド・ゼロッツ
演 -カトリーナ・ダーデン
ゼロッツの一員である、ブロンドヘアーの女性魔術師。ニューヨークのサンクタム・サンクトラムの戦いで、ストレンジによってゲートウェイから砂漠に一時放逐されたが、その後香港では何事も無かったかのように、カエシリウスらと共闘してストレンジたちに挑んだ。しかし、最終的にドルマムゥによって暗黒次元へ吸い込まれる。
ダニエル・ドラム
演 -マーク・アンソニー・ブライトン
ニューヨークのサンクタム・サンクトラムの主を務める魔術師。サンクタム・サンクトラムを破壊しようとするゼロッツに応戦するが、カエシリウスに刺殺される。
ルシアン / ストロング・ゼロッツ
演 - スコット・アドキンス、日本語吹替 -祐仙勇
ゼロッツの一員である男性の魔術師で、カエシリウスの弟子たちの中心的存在。弟子たちの中でも最も強力な魔力と身体能力を有し、足技を中心としたアクロバティックな格闘技を用いて戦う。
エンシェント・ワンには他の弟子たちと同様に苦戦を強いられたものの、ニューヨークのサンクタム・サンクトラムでは、まだ戦闘慣れしていないストレンジを苦しめた。だが、アストラル・ディメンションでの一騎打ちにおいて、クリスティーンがストレンジの身体に施し彼のアストラル体から放たれた電気ショックの衝撃を受けて自らのアストラル体が消滅し、絶命する。
カエシリウス
演 - マッツ・ミケルセン、日本語吹替 - 井上和彦
本作のヴィランである、ゼロッツを率いる魔術師。最愛の家族を亡くして以来、永遠の命を求めるようになり、エンシェント・ワンに弟子入りしてマスターとなったものの、ドルマムゥが持つと言われる、死を克服し時間を超越した力と永遠の命に魅入られた。だが、闇の魔術を禁じている師に幻滅し、亡くなった妻や子どもを蘇えらせることはできないと悟ったことを機に数人の魔術師と共に離反。彼らを自分の弟子として従え、「暗黒次元こそ人間を真の幸福に導くための目指すべき目標」という思想を掲げて、この世界を暗黒次元へと引きずり込もうと暗躍する。弟子たちとは異なり、山吹色と茶色のツートンカラーの道着を着用している。
落ち着いた物腰の壮年男性だが、エンシェント・ワンやモルド曰く、「ストレンジとよく似ている」と言われるほど傲慢で頑固らしく、邪魔者の抹殺として相手の頭部の切断や弟子を捨て駒にする行為を躊躇い無くとるなど、極めて残酷な本性も秘めている。
物語の冒頭では、2本の鎌を武器とし、通常の魔術を駆使していたが、エンシェント・ワンの追撃を振り切り、カリオストロの儀式を行って暗黒次元にアクセスし、ドルマムゥから強大な魔力と数百年の時を生き続けることができる不老の力を会得。闇の魔術を使いこなし、現実世界とミラー・ディメンションの空間や物質を自在に操ることができるようになった。その力を用いて弟子たちと共に各サンクタム・サンクトラムを襲撃し、ストレンジたちとも交戦して、エンシェント・ワンの打倒に成功。香港に暗黒次元を出現させたが、最終的にドルマムゥによって暗黒次元へと吸い込まれる末路を辿る。
エンシェント・ワン英語版
演 - ティルダ・スウィントン、日本語吹替 - 樋口可南子[4]
カマー・タージの主にして、至高の魔術師“ソーサラー・スプリーム”の称号を持つ、700歳を超えた年齢不詳のケルト人女性の魔術師。その魔力は魔術師の中でも最強を誇り、カエシリウスたちを圧倒する程の実力を持つ。神秘的な扇子を愛用し、英語だけでなく中国語も話せるマルチリンガルでもある。
物静か且つ常に達観した佇まいを崩さない淑女だが[注釈 2]、至高の魔術師を引き継ぐべき人物が現れるまで現実世界を多次元の脅威から守り続けるために、自ら禁じている闇の魔術によって気の遠くなるほど長い時を生きてきた事実を隠してきた。その結果、このことがカエシリウスやモルドの離反に繋がった。
離反したカエシリウスらゼロッツにカリオストロの書を奪われた数ヶ月後、両手を治すべく救いを求めてやって来たストレンジに、多次元宇宙の一端を見せつけて、魔術の教えを請われるが、彼からカエシリウスと同じものを感じ取ったため一度は拒否した。しかしストレンジの辛抱強さと魔術の継承者としての可能性を見出し、時には獅子の子落としの如き厳しさで彼を魔術師の道へ導いていった。
ゼロッツがニューヨークのサンクタム・サンクトラムを襲った際に、ストレンジたちに前述の事実を知られつつもゼロッツに応戦するが、カエシリウスによって致命傷を負わされ、メトロポリタン総合病院に搬送されることになった。しかし絶命直前にアストラル体を分離させ、同じくアストラル体となったストレンジに最後の教えとメッセージを残してアストラル体が消滅。同時に息を引き取る。
ノンクレジット・カメオ出演
ソー
演 - クリス・ヘムズワース、日本語吹替 - 三宅健太
北欧神話の雷神“トール”のモデルであり、神々の国“アスガルド英語版”の王“オーディン”の息子でもあるアスガルドの皇子にして、“アベンジャーズ”の主力メンバーである最強の雷神。エンドクレジット後にて登場し、ニューヨークのサンクタム・サンクトラムの主となったストレンジの下を訪ねる。
ちなみにこのソーの登場場面は『マイティ・ソー』シリーズ第3作『マイティ・ソー バトルロイヤル』の一場面であり、ソーがストレンジと出会うまでの経緯もこの作品にて描写されている。

設定・用語

※ 詳細とリンク先が記載されていないアイテムについてはこちらを参照のこと。

魔術関連

魔術/ミスティック・アーツ
古来より伝えられてきた、多次元宇宙(マルチバース)にアクセスし強力なパワーを引き出すための技法。
魔術師たちが魔術の発動時に見せる身振り(腕や手の幾何学的な動作)は、タッティングが取り入れられており、魔術を駆使する格闘アクションには空手も織り交ぜている[6]
エルドリッチ・ライト
多元宇宙のエネルギーを引き出して発するパワーで、人の目には輝くオレンジ色の光として映る。
至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)
魔術師の一団“マスターズ・オブ・ミスティック・アーツ”の中で、一団を率いる資格と実力を持つ魔術師に与えられる称号。現在ではエンシェント・ワンがこの称号を持つ。
カリオストロの儀式
“カリオストロの書”に記載されている、闇の儀式。。
闇の魔術
暗黒次元由来の魔術。この魔術の使い手は、現実世界の空間すら湾曲させたりするなどの魔術を行使できるようになる。

レリック

魔術師が使用する道具。

スリング・リング
自分が望む行き先へのゲートウェイ(出入り口)を開く指輪で、人差し指と中指だけ通すメリケンサックのような形状をしている。
浮遊マント
ニューヨークのサンクタム・サンクトラム内の陳列室のガラスケースに収められていた赤いマント。カエシリウスに苦戦していたストレンジに加勢し、以後彼の愛用品となった。
このマントを身につけると、空中を自在に浮遊飛行できるようになる。
アガモットの目
至高の魔術師の初代であったアガモットの名を冠した首飾り。時間そのものを自在に操ることができ、使用時にはペンダント本体部分が駆動して内部の緑色の石が露出・発光し、独特の緑色の魔法円が展開する。
内部に収められている緑色の石は時間を操る“タイム・ストーン”である。この石の力によってより強い魔術を行使することが可能になる。
ヴァルトのブーツ
モルドが常時履いている一足の靴。
リビング・トリビューナルの杖
モルドが背負って携行・愛用する、多節棍のように変化する杖。
ワトゥームの杖[7]
香港のサンクタム・サンクトラムのレリックの陳列室に置かれていた杖で、ウォンがカエシリウスらゼロッツに立ち向かうために持ち出す。
スペクターの杖[8]
ダニエル・ドラムが武器としていた杖。
エンシェント・ワンが愛用する小さな木製の扇子[9]
ボムガリアスの火桶[7]
ニューヨークのサンクタム・サンクトラムの陳列室に飾ってあった火桶。
サイトラックのクリムゾン・バンド[7]
3000年前のバビロンで作られた拘束具。
ダヴェロスのダガー[7]
複数本分存在する短剣。
アガモットのオーブ[10]
カマー・タージの図書館のアンティチェンバー(控えの間)に浮遊した状態で保管される[10]、アガモットによって造られた大型の球体[10]

その他のアイテム

ジャガー・ルクルト
マスター・ウルトラスリム・パーペチュアル[11]
ストレンジがクリスティーンから貰った高級腕時計で、本体の裏には『Time will tell you how much I love you, Christine.』というメッセージが彫られている。
グランド・レベルソ・ウルトラスリム 1931 ルージュ[11]
ストレンジがかつてニューヨークの自宅アパートの引き出しのケース内に仕込んだウォッチワインダーに収納していた高級腕時計コレクションの一つ。
このほかにもストレンジは、ロレックスの“コスモグラフデイトナ Ref.116520”[11]タグ・ホイヤーの“モナコ シルバーダイヤル”[11]など、複数の高級腕時計を事故に遭うまでコレクションしていた。
カリオストロの書
カマー・タージの図書館に収蔵されていた魔法書のうちの一冊で、書式はサンスクリット語。時間を操る危険な魔術が掲載されている。

多元宇宙(マルチバース)

※ 各次元の詳細はこちらを参照のこと。

この世界とは異なる、ありとあらゆる次元宇宙の総称。魔術師たちは、マルチバースを開くことによって得たエネルギーを用いて様々な魔術を行使する。

ミラー次元
現実世界を基に作り出した仮想空間のような次元。
アストラル次元
肉体を離れた精神や魂などの霊的な物が存在する次元。
暗黒次元(ダーク・ディメンション)
この世界とは根本的に異なる物質で満ちた暗黒の空間で、生命体はおろか時間や生死、倫理など人間の概念が存在しない。
ドルマムゥ
暗黒次元を支配している邪悪な存在で、飽くなき欲望と無限の力を持つ。その外見は、暗黒次元に浮かぶ巨人のようなエネルギー体で、顔面は縦に波打っている。無数の突起物状のエネルギー体、口から吐く破壊光線、光球、星々の岩石を利用する串刺しなど、非常に強力で多彩な攻撃手段を披露する。また、文字通り直接倒す方法は現時点で存在しない。
他の次元をも暗黒次元に引き込むために地球を第一の侵略目標に定め、その機会を虎視眈々と狙っていたものの、エンシェント・ワンとは地球を巡って長年に渡って対立し、サンクタムを破れずにいた。ゼロッツによって暗黒次元が香港に出現した際には、眼前に現れたストレンジを徹底的に圧倒したが、彼の時間ループに閉じ込められて根負けし、ストレンジと「ゼロッツを地球からつまみだして共に別の次元に立ち去り、2度と地球に手を出さないと誓えば解放する」という取引に応じて、ゼロッツと共に地球から去る。
ドルマムゥは、モーション・キャプチャーを用いてストレンジ役のカンバーバッチが演じており、声は、カンバーバッチ自身のものと、本作の監督のデリクソンも名前を知らないイギリス人俳優によるものが合成されている。デリクソンによるとカンバーバッチ自身がドルマムゥ役をも申し出て、自分は熟考した末に「ドルマムゥの役柄を“超思い上がったストレンジ”として書いた」ことから、ドルマムゥにカンバーバッチが相応しいと思うようになって、彼にドルマムゥ役を指名した。ドルマムゥの顔面もカンバーバッチの顔がベースである[12]

団体・地域・施設

団体

マスターズ・オブ・ミスティック・アーツ
厳しい訓練で習得した魔術を駆使して、この次元を侵略しようとする闇の勢力に対抗する魔術師の一団。
ゼロッツ
闇の力を狂信し、エンシェント・ワンの教えに背いて離反した魔術師の一団。闇の魔術の力で現実世界を暗黒次元へと引きずり込もうと暗躍する。

魔術師の聖域・施設

※ サンクタム・サンクトラム(ニューヨーク)以外の詳細はこちらを参照のこと。

カマー・タージ
ネパールのカトマンズにある、魔術師のために建てられた修行場である寺院。エンシェント・ワンの指導の下で多くの魔術師達が日々修行に励んでいる。
図書館
ウォンによって管理される、古今東西のあらゆる魔法書が収蔵された部屋。
本作の冒頭では、ゼロッツを率いるカエシリウスによって、ウォンの前任者の魔術師が斬首され、カリオストロの書が奪われる。
サンクタム
地球をあらゆる別次元からの侵略から守るために構えられた聖域。この聖域から放出した魔術で張りめぐらせた結界により、多元宇宙からの侵略者の襲来を防いでいる。
サンクタム・サンクトラム[13]
3ヶ所のサンクタムを守護する砦として建てられた、魔術師たちの拠点。3ヶ所のうち2ヶ所でも破壊されると結界が消滅し、多元宇宙からの侵略者が襲来してしまう。
ニューヨーク
グリニッジ・ビレッジのブリーカー通り177Aが住所である、ニューヨークのサンクタム・サンクトラム。4階建てで最上階にあるオキュラス[注釈 3]が特徴の洋館。
※ 詳細はこちらを参照のこと。
ロンドン
物語の中盤でゼロッツに襲撃・破壊された、ロンドンのサンクタム・サンクトラム。
香港
九龍にある[8]サンクタム・サンクトラム。

その他の地域・施設

アメリカ合衆国ニューヨーク
メトロポリタン総合病院
クリスティーンやウエストたちが務める総合病院で、物語の前半まではストレンジもここに籍を置き、医者としての腕を振るっていた。
魔術師となったストレンジは、ゼロッツとの戦闘中に負傷してここを訪ね、クリスティーンの手当てを受けながらアストラル・ディメンションでルシアンと再戦し、その後、瀕死の重傷を負ったエンシェント・ワンも搬送されて手術を受けるも、息を引き取る。
デアデビル』をはじめとする、“ディフェンダーズ”に属するヒーローたちが活躍するMCUドラマ各作品には、“メトロ総合病院”という名称の病院施設が登場している。
アベンジャーズ・タワー
かつてアベンジャーズの本部施設であった、ニューヨークのグランド・セントラル駅の北側に隣接する超高層ビル。本作では、背景の一部としてのみ描写される。
ネパール
カトマンズ
パングボーンから教えられたカマー・タージへ赴くために、ストレンジが旅したネパールの首都。ストレンジは裏通り生活など数日間あてもなく彷徨い、スワヤンブナートクリシュナ寺院を経て、路地裏で出会ったモルドに案内されてカマー・タージに辿り着く。
エベレスト
ヒマラヤ山脈にある、世界最高峰の山。エンシェント・ワンは、ストレンジのスリング・リングを使う修業で、試練としてここの山頂にゲートウェイを開けない彼を一時放逐させる荒療治を行い、30分後、ストレンジは漸くゲートウェイを開いて、命からがらカマー・タージに帰り着くことに成功する。
中国香港
九龍
サンクタムの1ヶ所でもある香港の一地区。前述のとおり、ゼロッツがここのサンクタム・サンクトラムを破壊したことで、この地区を中心に暗黒次元が発生。そのため、クライマックスでストレンジたちとゼロッツの決戦の場となる。

他のMCU作品とのタイ・イン

  • ストレンジが講演へ出発する前に描写されたニューヨークの都市にアベンジャーズタワーが登場した。
  • ストレンジが事故直前、車の中にて運転中下半身不随となった軍人を見てほしいという電話が入るが、これは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で負傷したローズ大佐と当初は思われていた。しかし後に監督がローズ大佐ではないと明言している。
  • 主要キャストのクレジットシーン後のソーの登場場面は、『マイティ・ソー』シリーズ第3作『マイティ・ソー バトルロイヤル』の一場面であり、ソーがストレンジと出会うまでの経緯もこの作品にて描写されている。

受賞

映画賞 対象 結果 出典
2017 第21回美術監督組合賞(ADC賞) ファンタジー映画部門 未決定 [14]
第15回視覚効果協会 長編実写映画・視覚効果賞 未決定 [15]

日本での公開

日本では約二か月遅れの1月27日に公開された。キャッチコピーは「上から目線の天才外科医。彼を目覚めさせたのは、魔術ー」である。公開初日には来日したカエシリウス役のマッツ・ミケルセンが登壇しての舞台挨拶が行われた。映画興行収入ランキングでは初登場1位を果たした。アメコミ映画がランキング1位にランクインするのは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』以来となる。マーベル・シマティック・ユニバース内では4作目に当たり、単体タイトル作品としては『アイアンマン』以来の快挙である。

批判

原作コミックにおいてもともとはチベット系の武道の老師であったエンシェント・ワンを白人の女優であるティルダ・スウィントンに演じさせたことが映画におけるホワイトウォッシングであるとして批判されたが、これに対して監督をつとめたスコット・デリクソンは、原作であるコミック版のエンシェント・ワンについて「白人のヒーローに教えを授ける年取ったフー・マンチュー風のメンター像をひきずった1960年代の西洋のステレオタイプ[16]」だと述べ、「東洋のキャラクターや人についてアメリカ人が持っているひどく古いステレオタイプで、何をしてでもこういうステレオタイプは避けないとと強く思ったんです[17]」とスウィントンを起用した理由を弁護している。マーベル・スタジオ側もステレオタイプを避けるためにこうしたキャスティングを行ったと弁明したが、「エンシェント・ワンについてあるアジア系のステレオタイプを避けようとしたせいで別のステレオタイプを強化している」という批判を受けた[18]

ホワイトウォッシング以上に、中国映画資本によるチベット弾圧とする批判も多い。チベットの老師がメインキャラクターや場所では、中国上映が難しいことから大幅な収益減の恐れとなる。場所もチベットからネパール・カトマンズに変更されている。[19]

地上波テレビ放送

放送局 放送枠 放送年月日 放送時間(JST 視聴率 備考 出典
1 日本テレビ 金曜ロードSHOW! 2019年5月17日 21:00 - 22:54 7.9% 地上波初放送 [20]

続編

現地時間2019年7月20日、サンディエゴ・コミコンにてシリーズ第2作『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス(原題:Doctor Strange in the Multiverse of Madness)』が2021年5月7日に米国公開されることが発表された。発表によると、続編はDisney+にて配信される『ワンダヴィジョン(原題:Wandavision)』とストーリーが直結しており、スティーブン・ストレンジ/ドクター・ストレンジ役にカンバーバッチが続投するほか、ワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチ役でエリザベス・オルセンが出演する。
ファイギと、第1作から続いて続編でもメガホンをとる監督のスコット・デリクソンは「MCU史上初の怖い映画となり、PG-13指定の作品になる」と説明した[21]

脚注

注釈

  1. ^ 正確には助手が断っていた。
  2. ^ モルド曰く、「無慈悲で寛容」。
  3. ^ アガモットの目とも同デザインである。

参考

  1. ^ a b c Doctor Strange” (英語). Box Office Mojo. 2017年1月27日閲覧。
  2. ^ 2017年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
  3. ^ “カンバーバッチ主演「ドクター・ストレンジ」2017年1月27日に公開決定”. 映画ナタリー. (2016年7月26日). http://natalie.mu/eiga/news/195800 2016年7月26日閲覧。 
  4. ^ a b c d “「ドクター・ストレンジ」樋口可南子と松下奈緒が吹替初挑戦、小野大輔も参加”. 映画ナタリー. (2016年11月16日). http://natalie.mu/eiga/news/209499 2016年11月16日閲覧。 
  5. ^ “話題のふきカエ ドクター・ストレンジ”. ふきカエル大作戦!!. (2017年1月27日). http://www.fukikaeru.com/?p=5675 2017年1月27日閲覧。 
  6. ^ 『ドクター・ストレンジ』のアクションはダンスと空手の融合だった!”. 2017年6月20日閲覧。
  7. ^ a b c d ドクター・ストレンジ解体新書〜ドクターの奇妙な小ネタ集〜”. 2017年2月6日閲覧。
  8. ^ a b ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 165
  9. ^ ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 161
  10. ^ a b c ビジュアル・ディクショナリー 2019, p. 164
  11. ^ a b c d 映画『ドクター・ストレンジ』の時計コレクションを一挙公開”. 2018年10月9日閲覧。
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参考文献

  • 『マーベル・スタジオ・ビジュアル・ディクショナリー』デアゴスティーニ・ジャパン、2019年。ISBN 978-4-8135-2270-6

外部リンク