リバン・モイネロ

キューバのプロ野球選手
この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の)はモイネロ第二姓(母方の)はピタです。(Template:スペイン語圏の姓名

リバン・モイネロ・ピタLiván Moinelo Pita1995年12月8日 - )は、キューバ共和国ピナール・デル・リオ州出身のプロ野球選手投手)。左投左打。ベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオ所属。NPB福岡ソフトバンクホークスに派遣されている。

リバン・モイネロ
Liván Moinelo
福岡ソフトバンクホークス #35
Hawks-Liván Moinelo Pita.jpg
2021年5月4日福岡PayPayドームにて
基本情報
国籍  キューバ
出身地 ピナール・デル・リオ州
生年月日 (1995-12-08) 1995年12月8日(25歳)
身長
体重
178 cm
69 kg
選手情報
投球・打席 左投両打
ポジション 投手
初出場 NPB / 2017年6月27日
年俸 2億5,000万円(2021年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
派遣歴
国際大会
代表チーム キューバの旗 キューバ
WBC 2017年
プレミア12 2015年2019年

ニックネームはティトスペイン語で「坊ちゃん」)[2]

経歴編集

子供の頃から草野球をして遊んでいたが、本格的に野球を始めたのは12歳の頃からで、16歳からキューバのU-23国内リーグでプレーする[2]

2013年、17歳でベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオに所属しプロ野球選手のキャリアをスタートした[2]

2015年2月8日、2015年カリビアンシリーズにおいて、所属するベゲーロス・デ・ピナール・デル・リオが初優勝を果たす。キューバ代表としては55年振りの優勝となった[3]。チームメイトには、フレデリク・セペダユリエスキ・グリエルロエル・サントスの他に、後にソフトバンクでチームメイトとなるアルフレド・デスパイネがいた。同年19歳でプレミア12 キューバ代表入りを果たす[2]

2017年に開催された2017 ワールド・ベースボール・クラシックにおいて、WBC・キューバ代表に選出される。

ソフトバンク時代編集

2017年5月10日、福岡ソフトバンクホークスへの育成選手としての派遣が発表され[4]、5月23日に同期入団のオスカー・コラスと共に入団会見を行った[5]背番号143

同月29日に行われたオリックス二軍との練習試合で、来日して初の実戦登板[6]。二軍戦、三軍戦において5試合に登板、9回2/3を投げ、14奪三振を奪うなど結果を残し、6月16日に年俸2,000万円(金額は推定)で支配下選手登録され、背番号は35へ変更となった[7][8]。同月27日の対北海道日本ハムファイターズ戦(福岡ヤフオク!ドーム)において、9回表に3番手として登板し、一軍公式戦初登板を果たす[9]。7月2日には、中継ぎ登板3戦目にして初勝利を記録[10]。シーズン途中の入団ながら、34試合に登板し、35回2/3を投げ、4勝3敗、15ホールド、1セーブ、防御率2.52と、クローザーデニス・サファテを中心に、森唯斗岩嵜翔、左のワンポイント嘉弥真新也と共に勝利の方程式を担い、リーグ優勝に貢献した。チームは6回までにリードした展開では、76勝3敗、勝率.962という驚異的な数字を残した[11]ポストシーズンは、東北楽天ゴールデンイーグルスとのクライマックスシリーズファイナルステージにおいて、3試合に登板し、いずれも無失点の好投をみせ、日本シリーズに進出。横浜DeNAベイスターズとの日本シリーズにおいては、第5戦で3失点し敗戦投手にはなったが、第2・3・6戦はいずれも無失点の好投で、チームの2年ぶりの日本一奪還に貢献した。

2018年、3月31日の対オリックス戦で開幕を迎えると[12]、前年同様ワンポイントリリーフセットアッパーとして起用され、中継ぎ投手陣の一角を占める。前年より防御率は4.53と低下したが、49試合で45回2/3を投げ、5勝1敗13ホールドを記録する。ポストシーズンのクライマックスシリーズにおいては、埼玉西武ライオンズとのファイナルステージで2試合に登板。広島東洋カープとの日本シリーズでは、4試合にリリーフで登板し、チームの日本一連覇に貢献した。

2019年、開幕から14試合連続自責点0と好投を続けた。ただし、この間の4月12日(対楽天・楽天生命パーク)にこのシーズン唯一の敗戦投手となっている[注釈 1]。レギュラーシーズン全体では防御率が前年より3点以上改善し、奪三振率(13.04)も向上し、奪三振数(86)は救援投手ながらリーグ13位だった。ポストシーズンでは計9試合に登板し、計9回1失点5ホールドで、チームの日本一3連覇に貢献した。

2020年新型コロナの流行の影響で、他のキューバ勢[注釈 2]の来日が遅れる中、6月19日の千葉ロッテマリーンズとの開幕戦で初ホールドを記録した。シーズンを通して「8回モイネロ・9回森唯斗」とほぼ固定で起用され、チームの3年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。奪三振率(14.44)と被打率(.164)は、キャリアハイを記録し、初めてのタイトルとなる最優秀中継ぎ投手も獲得した。これによりモイネロは左腕外国人投手としてはNPB史上初めて最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。ロッテとのクライマックスシリーズでは、第1戦は8回同点の場面で登板し3者凡退に抑え、その裏に勝ち越し点が入ったため、勝利投手となった。第2戦では、7回二死の場面で登板し8回まで投げるというレギュラーシーズンでは1度しかなかった「回跨ぎ」の起用だったが、期待に応え計4人の打者を凡退させた。先発の東浜巨が4回までで降板していたため、最も勝利に貢献した救援投手[注釈 3]としてこの試合も勝利投手となり、チームは日本シリーズ進出を決めた。これにより、このシーズンに行われたクライマックスシリーズ全試合[注釈 4]で勝利投手になるという珍記録を残した。巨人との日本シリーズでは、第1・3・4戦のいずれも8回に登板し、無安打無失点8奪三振と好投してチームの4連覇に貢献した。

2021年も当初は主に8回を任されていたが、4月30日に森唯斗が入院のため登録抹消されると、クローザーも任されるようになった。キューバ代表として東京オリンピックのアメリカ大陸予選に出場する[注釈 5]ためチームを離れた5月24日まで、20試合・6ホールド・5セーブ・防御率0.45という成績を残した。7月9日にチームに復帰すると、翌10日の復帰後初登板でホールドを挙げた[13]

選手としての特徴編集

  • 最速158km/h[14]ストレートと、変化球はキレのあるスライダー、大きく曲がるカーブチェンジアップが武器[8][9]
  • 登録は「左打ち」だが、交流戦の打撃練習で右打席にも入ったように「両打ち」である。本人曰く、キューバ国内リーグ時代に実際に右打席に入ったこともある。

人物編集

  • 2人の従兄弟は元キューバ代表選手、おじの2人も元プロ野球選手。家族は両親に、兄2人、恋人との間には長女が誕生している[2]
  • 以前からキューバ代表などではチームメイトだったが、2017年からソフトバンクでもチームメイトとなった母国の大先輩でもあるアルフレド・デスパイネは、グラウンド内外でモイネロを支え、食事に連れて行ったり、自宅に招いて料理を振る舞ったりと面倒をみている。モイネロは、「デスパイネのおかげもあって、楽しめているよ。日本で4年目と経験もあって、なんでも教えてくれる。打者目線でも色々と教えてくれる存在」とコメントしている[15]

詳細情報編集

年度別投手成績編集





















































W
H
I
P
2017 ソフトバンク 34 0 0 0 0 4 3 1 15 .571 141 35.2 21 1 14 1 2 36 1 0 15 10 2.52 0.98
2018 49 0 0 0 0 5 1 0 13 .833 190 45.2 31 6 24 0 1 57 1 0 23 23 4.53 1.20
2019 60 0 0 0 0 3 1 4 34 .750 245 59.1 37 4 25 1 6 86 3 0 13 10 1.52 1.04
2020 50 0 0 0 0 2 3 1 38 .400 193 48.0 26 1 25 3 2 77 0 0 9 9 1.69 1.06
NPB:4年 193 0 0 0 0 14 8 6 100 .636 769 188.2 115 12 88 5 11 256 5 0 60 52 2.48 1.08
  • 2020年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績編集



投手












2017 ソフトバンク 34 2 3 1 0 .833
2018 49 2 8 1 0 .909
2019 60 1 8 0 0 1.000
2020 50 2 11 0 0 1.000
通算 193 7 30 2 0 .949
  • 2020年度シーズン終了時

タイトル編集

記録編集

NPB
節目の記録
  • 100ホールド:2020年11月3日、対千葉ロッテマリーンズ22回戦(ZOZOマリンスタジアム)、8回表に登板・完了、1回無失点 ※史上33人目
その他の記録

背番号編集

  • 143(2017年 - 同年6月15日)
  • 35(2017年6月16日 - )

登場曲編集

[17]

代表歴編集

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ 失策による失点のため、この試合での記録は失点2・自責点0である。
  2. ^ デスパイネグラシアル
  3. ^ 他の救援投手はいずれも1回以内しか投げていなかった。
  4. ^ このシーズンに限り、セ・リーグでは全面的に中止となり、パ・リーグでもファーストステージを実施せず、レギュラーシーズン1位チーム(1勝のアドバンテージあり)と2位チームによる1ステージのみの「4戦3勝先取制」という形式で実施された。
  5. ^ 予選の結果、キューバは敗退し、オリンピック出場を逃した。

出典編集

  1. ^ 【ソフトバンク】2021年俸一覧”. スポーツ報知. 2021年3月9日閲覧。
  2. ^ a b c d e ソフトバンク・モイネロ「日本でもビールかけを」”. 日刊スポーツ (2017年8月29日). 2017年10月22日閲覧。
  3. ^ キューバ55年ぶり優勝 セペダMVP”. 日刊スポーツ (2015年2月10日). 2017年12月22日閲覧。
  4. ^ 育成選手入団のお知らせ”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト (2017年5月10日). 2017年5月19日閲覧。
  5. ^ “キューバ2選手が育成入団会見 左腕モイネロ&18歳二刀流コラス「大谷はすごい選手」”. 西日本スポーツ. (2017年5月23日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/330387/ 2021年7月27日閲覧。 
  6. ^ キューバ左腕モイネロ、最速151キロ実戦デビュー”. 西日本スポーツ (2017年5月29日). 2017年10月22日閲覧。
  7. ^ “【ソフトバンク】21歳モイネロを支配下選手登録”. スポーツ報知. (2017年6月15日). オリジナルの2017年6月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170616053217/https://www.hochi.co.jp/baseball/npb/20170616-OHT1T50057.html 2021年7月27日閲覧。 
  8. ^ a b ソフトバンク・モイネロ支配下登録、デスパも喜ぶ”. 日刊スポーツ (2017年6月16日). 2017年6月17日閲覧。
  9. ^ a b モイネロ上々初登板”. 西日本スポーツ (2017年6月28日). 2017年10月22日閲覧。
  10. ^ 来日3戦目 わずか4球 モイネロ もう勝った”. 西日本スポーツ (2017年7月3日). 2017年10月22日閲覧。
  11. ^ 東浜は楽天戦防御率1・93/ソフトバンク見どころ”. 日刊スポーツ (2017年10月18日). 2017年11月25日閲覧。
  12. ^ 2018/04/01(日)第2回戦 福岡ソフトバンク vs オリックス”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト (2018年3月31日). 2019年4月6日閲覧。
  13. ^ “早くもモイネロ復帰効果 工藤監督「よしいけるという雰囲気になる」”. 西日本スポーツ. (2021年7月11日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/768733/ 2021年7月12日閲覧。 
  14. ^ フル回転のソフトバンク・モイネロ サファテ超え驚異の奪三振率”. 西日本スポーツ (2020年7月27日). 2021年7月27日閲覧。
  15. ^ ソフトBモイネロ、なぜこんなに早く日本に“順応”? 活躍支える“先輩”の存在”. Full-Count (2017年8月14日). 2017年12月22日閲覧。
  16. ^ “ソフトバンクのモイネロが3者連続3球三振の快投 パ・リーグでは7人目”. デイリースポーツ. (2018年5月16日). https://www.daily.co.jp/baseball/2018/05/16/0011262359.shtml 2018年5月16日閲覧。 
  17. ^ チーム情報 球場使用曲一覧”. 福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト. 2021年3月10日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集