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ガンダム開発計画(ガンダムかいはつけいかく、Gundam Development Project[1] )は、「ガンダムシリーズ」における架空の軍事計画。初出は、1991年から発売されたOVA機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY[注 1]

機動戦士ガンダム』に登場する主役モビルスーツ (MS) であるガンダムのさらなる高性能化を目指し[2]宇宙世紀0080年代初頭における「最強のMS」を開発する計画であり[3]、「ガンダム・プロジェクト」とも呼ばれる[4]

本記事では、計画によって開発された機体、および外伝作品などに登場するバリエーション機についても解説する。

概要編集

一年戦争終結後、地球連邦軍首脳部は「MS」という兵器自体の検証をおこなう[5]。一年戦争においてMSは宇宙時代の主力兵器としての地位を確立し、今後の戦略にMSを組み入れることは必須となる[6]。しかし、ジオン公国軍から接収した資料や施設から、連邦軍に10年は先んじていると言われるほどのMS開発の技術格差が明らかとなる[6]。連邦軍は、旧公国軍製MSのアグレッサー機としての運用などを通して[7]公国軍の技術の吸収を始める[5]。そして、技術格差の是正におおよその目処が立った頃に、MSのさらなる高性能化を目指して立案されたのが本計画である[5]

宇宙世紀0081年10月13日に連邦議会で可決された「連邦軍再建計画」の一環として採択され、20日に[8]アナハイム・エレクトロニクス社(以下、AE社)に発注[9]・委託される[7]。これは、当時の連邦軍が独自に新型MSを開発する余力をもっていないこともあるが、おもに連邦内部での部署の整理が立ち遅れ、開発体制が整っていないことによる[7]。AE社は戦後、公国最大の軍事メーカーであるジオニック社を吸収合併しており[7]、さらに発注に先立つ0081年4月にグループ企業の「AE機動機器」を大幅改組、10月には各グループ企業に協力を仰いでMS開発局を設立している[10]。加えて、連邦軍では軍事機密であるニュータイプ関連技術などの開発に限定したいという思惑もあり[6]、また本計画の管理責任者となるジョン・コーウェン中将[8][11]は、軍事支出を圧縮しつつ必要な兵器開発を推進するには、外部委託の道しか残されていないと訴えている[12]

新たに発足したAE社のMS開発局は、0078年から同社でMSの基礎研究をおこなっている先進開発事業部、通称「クラブ・ワークス」と[13]、旧ジオニック社のMS開発者からなる第2研究事業部[13]の2つを中心とする[12]。AE社は、本計画専用に月のフォン・ブラウン市[14]準備した研究所と工場を、組織上は「アナハイム・エンターテインメント」の管理下に置き、表向きは地球環境を再現した自然体験型パーク「アナハイム・ガーデン(仮称)」の研究施設として整備を進めている[15]。そのため、開発機体には自然と植物にちなんだコード・ネームが付与されることとなる[15][注 2]

本計画で開発される機体の型式番号は、ガンダムをあらわす "RX-78"[4](新規設計機でありながら、特例的に引き継がれる[16])に続いて「ガンダム・プロジェクト」の略である "GP"[17] 、そして何号機かをあらわす2桁の数字で記述される[4][注 3]。このため、本計画で製造された一連の試作機群は「GPシリーズ」とも呼ばれる[18]

また、GPシリーズは、設計に第2世代MSの特徴である可動内骨格を採用した初のMSとされる[19]。AE社側の提案により、複数の異なる試作機に対し共通のフレームを用いる設計案が承認されており、GPシリーズすべてに(全面的あるいは部分的に)採用されている[16]。この共通フレームは「フレームと装甲の分離」を目指したもので、のちのムーバブル・フレームの始祖となる技術であったとされる[16]

また、本計画の一環として強襲揚陸艦の開発も並行しておこなわれることとなり、ペガサス級強襲揚陸艦「アルビオン」が建造されている[20]

0083年1月にジオン公国軍残党の一派であるデラーズ・フリートに察知され、AE社内に工作員が潜入している[8]。そのことがのちに試作2号機を、搭載する核弾頭ごと強奪される事態を招き、デラーズ紛争へと拡大してゆく。観艦式において試作2号機による核攻撃が実施されるに至り(詳細は後述)、責任を問われる形で本計画はコーウェン中将から軍本部へと管轄を移行され[21](統括はジーン・コリニー大将[22])、一時中断となる。しかし、結果的に同紛争において3機(ガーベラ・テトラを含めると4機)のGPシリーズが実戦参加している。

デラーズ紛争終結後の0084年3月10日、機密書類の発効によりGPシリーズは登録を抹消、関連するあらゆる書面・資料・部品など痕跡を残すものもすべて破棄され[23]、研究成果や技術そのものも封印される[24][注 4]。また、AE社が連邦軍が指定する機密を漏洩した場合や、その技術を使用したMSなどを連邦軍に先行して公にした場合には、多額の違約金が徴収されることとなる[25]。AE社としても、一部の役員がデラーズ・フリートとの裏取引で試作4号機を譲渡していた事情もあり、公にはできなかった[26]。ただし、それまでに計上されている予算に見合った成果の必要性から、ムーバブル・フレームや全天周囲モニターなどといった一年戦争末期に提案されていた技術の確立などは公開されており[24]、武装関連の技術も月企業連合体をはじめとする経済界によるロビー活動によって、特に機密度の高いもの以外は規制されていない[25]。同年の防衛白書には本計画の記述は一切なく、記録自体が計画立案時までさかのぼって抹消されている(秘密の計画であるため記載されていないとする見方もある)[22]。また、本計画に割り当てられていた未消化分の予算は、ティターンズの設立準備資金およびコロニー落着事故への対応費用として計上されている[22]

0099年11月、AE社が本計画に関する資料の一部を公開。それまで謎とされていた第1世代MSと第2世代MSを繋ぐミッシングリンクとして注目を集める[27]

試作0号機編集

ガンダム試作0号機(ブロッサム)編集

GUNDAM GP00[28] (BLOSSOM[29])

アニメ版『0083』には未登場の機体で、模型雑誌電撃ホビーマガジン』2002年6月号の企画「GUNDAM SECRET WEAPONS PHANTOM BULLETS」(協力:サンライズ[30])に登場(型式番号:RX-78GP00[注 5]。コード・ネームの「ブロッサム」は「花、開花」の意であるが[29]、本機を開発したクラブ・ワークス内の共通フレーム開発班「チーム・ブロッサム」の名称からとられたものであるといわれる[15]。メカニック・デザインはAs'まりあ[30]

AE社が「ガンダム開発計画」を進めるに当たって、考えうる限りの要素を導入したトライアル機として開発した機体[28]。共通フレームのトライアルも兼ねており、連邦軍からの裁定を待たず独自に建造を進めていたらしいとされる[31]

初代ガンダムは「汎用多目的」MS、いわゆる「万能」なMSとして開発されている。これに対し、一年戦争における多様なMSのデータをもとにMSの「万能性」を再検討した結果、オプションによって機体の機能を特化させる「汎用多用途」というコンセプトが得られ、本計画の認可の時点で基準コンセプトとして決定する[32]。これを実現させるため、クラブ・ワークスはコア・ブロック・システムを復活させ(従来の、パイロットと戦闘データの生残性確保という目的もある[2])、異なるタイプのコア・ファイターを換装することでMSの機能を特化させるという方針を打ち出し、これにもとづいて最初に設計されたのが本機である[31]。さらに、本機では高機動化が求められ、コア・ブースターとMSの合体を可能とするとともに肩部や腰部、脚部に補助推進機が追加されている[28]。塗装は白・青・黒を基調に一部黄色で塗り分けられ、コックピット・ハッチにはエメラルド・グリーンが配されている。

武装・装備
長射程ビーム・ライフル
背部に位置するドラム式フレームには、武器マウント・アームを介して様々な装備がマウント可能となっている[28]。本武装もそのひとつであり、実戦参加時は右側にマウントされている。当時のMSが装備する火器としては最大のものであり、その威力も強力であるが、エネルギーCAPシステムが確立する以前のものであり、一斉射のあとのエネルギー・チャージに長時間を要する[28]。グリップは上部に配置される。
MPIWS
名称は「ミノフスキー粒子干渉波検索装置 (Minovsky-Particle Interference-Wave Seacher)」の略で[29]、円形であり単に「レドーム」とも呼ばれる[28]。ドラム式フレーム用の装備のひとつで、実戦参加時には左側にマウント。大型高性能センサーとして高々度から月面の残骸を捕捉する性能をもつが、不調となることが多く信頼性は低い[28]
ビーム・サーベル
肩口に、初代ガンダムとは異なり前方へ向けて水平に装備されている。コア・ファイター時にはビーム砲となる試作型[28]
頭部バルカン砲
連邦系MSの標準装備。こめかみに当たる部分ではなく、側面のインテーク部に配置されている。
作中での活躍
宇宙世紀0082年12月に、完成したばかりの本機が連邦軍の要請により月面でザメル砲を使い長距離狙撃テロをおこなう公国軍残党の哨戒任務に急遽駆り出され、調整もそこそこに出撃する。連邦軍のジャック・ベアード中尉がパイロットを務め、僚機のジム・コマンド2機とともに残党部隊を沈黙させるものの、ムサイ級巡洋艦の残骸の下敷きとなり埋もれてしまう(大破したともいわれる[31]。ジャックは生還)[30]。実戦データを回収して分析の結果、いたずらに多機能化を求めることはパイロットに負担をかけるため、単一機能を追求すべきとの結論に達し、試作1-4号機が開発されることとなる[28]
漫画『機動戦士ガンダム 0083 REBELLION』では、クレナ・ハクセルが開発主任であり[33]、上記と異なりニナ・パープルトンによる問題点の指摘により開発設計自体がお蔵入りになっている[34]。ただし、一部装備は製作されており、月での改修が完了したフルバーニアンが暗礁宙域でのアルビオンとシーマ艦隊の戦闘に急行する際に、ブースター・ベッドにドラム式フレームを取り付け、長射程ビーム・ライフルとMPIWSを装備し、ムサイ級1隻を撃沈する。パイロットのコウ・ウラキ少尉によれば、MPIWSの測量と照準のバランスが悪いとされる[35]

コア・ブースターII編集

試作0号機用のコア・ファイターで、「汎用多用途」の一環として考案されたコア・ファイターのバリエーションのひとつ[36](型式番号:FF-X(7)II-Bst[37])。一年戦争時のコア・ブースターは、その状態でMSとドッキングすることは不可能であるが、その機動力に着目した技術者によってドッキング可能なように設計される[37][注 6]。機体中央にドラム式フレームが配置され、長射程ビーム・ライフルとMPIWSを装備した状態でも飛行可能。

完成と同時に試作0号機に搭載され、機動実験に臨むが、この時点でのコア・ブロック・システムの完成度は高くなかったといわれており[31]、機体制御が困難であることが判明し、廃案となっている[29]

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試作1号機編集

ガンダム試作1号機(ゼフィランサス)編集

諸元
ガンダム試作1号機(ゼフィランサス)
GUNDAM GP01 (ZEPHYRANTHES)
型式番号 RX-78GP01 / RX-78GP01N[38]
全高 18.5m[39] / 18.0m[40]
頭頂高 18.0m[2]
本体重量 39.7t[2]
全備重量 65.0t[2]
装甲材質 ガンダリウム合金[41]
出力 1,790kW[2]
推力 42,000kg×2[2]
12,000kg×2[2]
総推力:108,000kg[39]
武装 60mmバルカン砲×2
ビーム・サーベル×2
ビーム・ライフル
90mmマシンガン
シールド
搭乗者 コウ・ウラキ

初代ガンダムの純粋な発展型。コード・ネームの「ゼフィランサス」はヒガンバナ科のタマスダレの学名で[42]花言葉は「清い愛[42]、期待[43]」。OVA制作発表当初の雑誌では「Nガンダム」と表記されることもあった[44]。開発はクラブ・ワークスが担当[13]

次期主力MS開発のための汎用試作型MS[2]。汎用人型兵器の思想を追求して、バランサーやセンサーをブラッシュ・アップまたは設計変更し、より人間に近い運動・可動が可能なように設計されている(この思想はのちにムーバブル・フレームとして昇華される)[2]。実験機であるため、センサー類がなどが増設され、機体各所にむき出しで仮設されている部分もある[2]。性能は初代ガンダムより3割近く向上するが、環境適応能力は若干落ちており、コア・ファイターの換装でおぎなっている[45]。塗装は初代ガンダム(2号機)と同様に白・青・赤のトリコロールを基調とし、塗り分けもほぼ準じている。

宇宙世紀0083年9月8日に完成するが[13]、制式なロールアウトは29日までずれ込んでいる[46]。10月7日、アルビオンに試作2号機とともに搭載され、システム・エンジニアのニナ・パープルトンらAE社のスタッフも同行してフォン・ブラウンを出港[46]ジャブローで最終調整を受け[47]、13日に評価試験場であるトリントン基地に到着する[46]

当初、GPシリーズのテストはAE社が独自に実施し、充分な調整ののちに連邦軍に譲渡される予定であり、パイロットも元連邦軍大尉でAE社のMS開発部門設立当初からテスト・パイロットを務めるニール・クレッチマンが予定される。しかし0083年9月9日、北米オークリー基地で搭乗していたテスト機(本機と同型のジェネレーターを搭載したジム・タイプ)が原因不明の事故により大破、死亡する。事故には不審な点が多いともいわれるが、連邦軍の調査チーム(コーウェン派ではない)は「ヒューマン・エラー」を主張し、本機を含む今後のテストはすべて連邦軍のパイロットによっておこなうことを通達している[13]

機体構造
胴体部に関してはコア・ファイターIIを参照。
頭部
GPシリーズの要求仕様のひとつとして、ガンダムの頭部意匠を踏襲することが設けられている[48]。デュアル・カメラは初代ガンダムのものをブラッシュアップした光学端末で、視差による計測が可能なモードも備わっている[49]。コア・ファイターに搭載されるメイン・コンピューターのコ・プロセッサー・フレームの搭載も踏襲している[49]。前頭部のV字アンテナは送受信の出力強化のため大型化[48]。さらに、モニタリング用のアンテナ[2]などの装備が多数増設されている[49]
腕部
胴体部にコア・ブロックを内装するため、肩部の可動部品やアクチュエーターのほとんどを腕部に集中して収納している。このため、可動部品の体積当たりのトルクを向上させ、アクチュエーターの小型化を実現している[49]
脚部
肩関節と同様に、股間部も新設計の高トルク・アクチュエーターが脚部に集中して内装されている。これにより、構造が複雑で頻繁にメインテナンスが必要であった股関節自体の設計が変更されている。その検証のため構造検査などが容易なように、関節部分の露出が多い[49]
膝部の空隙はオプション・ラッチになっており、テスト運用中は各種測定機器が搭載されているが、架装式オプションのサブ・ジェネレーターの搭載も可能で、グレネード・ミサイルやナイフ状の近接格闘兵装などを格納する案もあったという[50]
武装
60ミリバルカン砲
型式番号:TOTO KANINNGHAM・ASG81-B8S[51]
トト・カニンガム社製。銃身が従来の頭部ユニット一体式から、後頭部よりU字に挟み込む形に変更され、メンテナンス性や装弾性のほか[51]、射程や精度も格段に向上している[49]。装弾数は60発で、地上での有効射程距離は3,500キロメートル[51]
他種の装備への変更も容易であることから、AE社はプレゼンテーション用兵装として、小口径高初速の次世代型実体弾発射兵器、携行武装の照準強化装置であるレーザー・レンジ・ファインダー、偵察装備ポッドなどを独自に製造している[48]
ビーム・サーベル
型式番号:A.E.BLASH・XB-G-06/Du.02[25]
AEブラッシュ社製[25][注 7]。バックパックに2基装備。出力は0.49メガワット[51]。小型化したビーム・ライフルの駆動部が組み込まれており[51]、コア・ファイター時はビーム・ガンとして使用可能だが、その威力は威嚇や撹乱以外に実効性はなく、実戦ではほとんど使い物にならないと言われている[32]
ビーム・ライフル
型式番号:ボウワ・XBR-M-82A[42] / BAUVA・XBR-M-82-05H[32]
第4話から使用。ボウワ社製[32][注 8]。初めてEパック方式を採用しており(公的記録では0086年に開発されたガンダムMk-II用のM86系統が最初となっている)[52]、本体に対するエネルギー負担が軽減され、次世代機にもコンセプトが受け継がれる[43]。Eパックは第1世代に分類され[53]、「アナハイム・タイプ」と呼ばれる[54]。出力は1.5メガワット[32]、1パック当たりの装弾数は20発[52]と12発[51]の2説がある。GPシリーズ以外は出力不足で使用不能となる[55]ガンキャノン用ライフルの後継機として開発されており、射程距離は目を見張るものがある[52]。最大の特徴は銃身下部に小型ビーム・サーベル「ジュッテ」が装備されていることで、ライフルを携行したまま敵の近接兵器を緊急防御可能となっている[42]。スコープの制御センサーにより命中精度も向上しており[55]、光学式スコープでないためデュアル・カメラで覗き込む必要はない[56]
90ミリマシンガン
ジム改などが携行する、当時の連邦軍の標準兵装[43]。第2話の試作2号機追撃の際、トリントン基地にあった本兵装を携行している[51]。第3話の、ベルナルド・モンシアジム・カスタムとの模擬戦の際にもペイント弾を装填して使用する。
シールド
型式番号:RX・Vsh-023F/S-04712[32]
携行や移送時の配慮として、全長を短縮できる設計となっており、未使用時の慣性モーメントを軽減できるらしいとされる。表面には耐ビーム・コーティングがほどこされ、2, 3回のビームの直撃も防御できるといわれる[32]
劇中での活躍
トリントン基地に到着した本機と試作2号機は、同基地の人員からテスト・パイロットを選抜するとともに、評価試験がおこなわれる予定であったが、到着したその夜に2号機がデラーズ・フリートに強奪されたため、その場に居合わせた同基地所属のコウ・ウラキ少尉が本機に搭乗するも、強奪は阻止できずに終わる。コウはそのまま本機のパイロットに任命され、2号機追撃の任に就く。ふたたびアルビオンに搭載され、アフリカから宇宙へ上がるが、10月31日に地上用装備のままシーマ・ガラハウ中佐のゲルググMと交戦し中破する。
漫画『0083 REBELLION』では、0082年12月31日に試作2号機とともにAE社の工場で建造中の姿が描かれている[57][注 9]
デザイン
マクロスシリーズ」のメカニックデザインを担当する河森正治がメインデザインを、カトキハジメがコクピット周辺や武装などのデザインを担当した(フルバーニアンも同様)。初代ガンダムと異なりコア・ファイターがバックパックと兼用しているのは、航空機マニアの河森からすると「あれだけの出力の推進装置をMS形態で使用していないのは考えられない」とのこと[要出典]。なお、コア・ファイターIIの具体的な変形・合体機構は当初は設定されておらず、のちに試作1号機が「マスターグレード」でプラモデル化される際にカトキにより検証・デザインされている[59]

コア・ファイターII編集

諸元
コア・ファイターII
型式番号 FF-XII / FF-X7II
全長 14.7m[2]
全幅 10.5m[2]
全備重量 15.9t[2]
推力 42,000kg×2[2]
武装 ビーム・ガン×2
搭乗者 コウ・ウラキ
ニック・オービル
ディック・アレン(『0083 REBELLION』)

試作1号機用のコア・ファイター。初代コア・ファイターを開発・製造したハービック社は吸収合併されて[60]「AEハービック」となっており[61]、同社の開発スタッフが本機の開発にも携わっている[60]

GPシリーズのコア・ブロック・システムは、初代ガンダムにおいて問題となっていた腹部の脆弱な構造をおぎなうため、従来のバーティカル(垂直)・イン・ザ・ボディ方式から、試験的にホリゾンタル(水平)・イン・ザ・ボディ方式を採用している[2]。基本的に空中換装は想定されておらず、換装作業中はBパーツ(下半身)の固定が運用条件とされたため、航空機形態時の飛行ベクトルをMS形態時の機動軸を一致させる必要がなくなり、機体レイアウトは大幅に変更されている[60]。MS形態時はキャノピーがのコックピット・ハッチの真下に位置するため耐弾性が倍加し、インテークとメイン・ジェネレーター・ブロックは胸部に収納され、エンジン・ブロックが背部に露出することで全長が延長されている[60]。このため、機体に十分な機能と装備を盛り込むことが可能となり、メイン・エンジンはMS形態時のメイン・スラスターとして流用可能なほどの推力を獲得し[60]、エンジン・ブロックはバーニア・ブロックとして機能する。これは、コア・ブロック・システムの再検証により、初代ガンダムでは機体に収納されてデッド・ウェイトとなってしまうバーニアなどを有効利用するという発想から生まれたものである[62][注 10]。各種操縦・管制機器もほとんどがコア・ファイターに搭載されている[2]。エンジンは熱核ジェット・ロケットのハイブリッド[63][64][注 11]。開発時には、コア・ブロック・システムによる剛性の低下と機体重量の増加が機体システム全体に悪影響をおよぼすが、新米エンジニアのニナ・パープルトンの手腕によって解消されている[13]

戦闘機としても非常に優秀であり、一年戦争で消耗した連邦軍の航空戦力の補充用に、純粋な戦闘機として配備する計画もあったという。実際にトリントン基地で予備機が航空機として試験運用される予定であったが、本計画の秘匿によって頓挫し[62]、予備機を含め数機の生産に終わる[66]。主翼に前進翼を採用しているため、翼端失速が発生せず、超音速領域での機動性にも優れる[64]。ダイバージェンスの問題もルナ・チタニウムなどをはじめとする堅牢かつ軽量な材料や、スラスターの援用による予防などによって解消されており、安定した飛行が可能である[64]。主兵装のビーム・ガンは機体下面に配置されるが、空力的に大きな抵抗を生じ、基部が破損して脱落するケースもあるため、超高速飛行時には先端を後方に向ける[67]。翼下の各2箇所のハードポイントには空対空ミサイルなどのオプション兵装を懸架可能[67]。また、各部インテークはステルス仕様となっている[68]

なお、本機の型式番号は制式には "FF-X7II" であるが、連邦軍に正規に納入された機体ではないため、"FF-XII" が一般的とされる[69]

劇中での活躍
第4話のアフリカ大陸で、コウが1機しかない予備機に搭乗し、何度か哨戒飛行をおこなっている