マリーンカップは、千葉県競馬組合船橋競馬場ダート1600mで施行する地方競馬重賞競走ダートグレード競走JpnIII)である。サッポロビールが優勝杯を提供しているため、正式名称はサッポロビール盃 マリーンカップと表記される。

マリーンカップ
開催国 日本の旗 日本
主催者 千葉県競馬組合
競馬場 船橋競馬場
創設 1997年4月2日
2024年の情報
距離 ダート1800m
格付け JpnIII / 国際LR
賞金 1着賞金3000万円
出走条件 サラ系3歳牝馬オープン(指定交流)
出走資格も参照
負担重量 定量(本文に記載
出典 [1]
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副賞はサッポロビール株式会社賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、開催執務委員長賞、またNAR生産牧場賞と船橋競馬生産牧場賞がある[2](2023年)。

概要 編集

前身は4歳(現表記3歳)牝馬限定の準重賞「マリーン・カップ」[3]。準重賞時代は1700mの距離で争われ、ケーエフネプチュンマキバサイレントらが優勝馬に名を連ねている。1997年に4歳(現3歳)から10歳(現9歳)までの牝馬限定の賞金別定の中央・地方全国指定交流の重賞(統一GIII・南関東G2)競走、マリーンカップとしてリニューアルし、施行回数は「第1回」とされた。競走距離も100m短縮されて1600mとなった。

2001年からは出走資格を3歳(旧4歳)以上牝馬に、2004年からは負担重量グレード別定に変更された。2011年東日本大震災の影響により開催中止となり、代替開催も「実施に適する日程がない」として執り行われなかった[4]

2024年のダートグレード競走の整備に伴い、施行時期を9月下旬に変更。また出走条件も3歳牝馬限定に、負担重量も定量となり、競走距離も1800mにそれぞれ変更され、3歳ダート牝馬路線の下半期の頂点競走として位置付けされることになる。さらに本競走の優勝馬にはJBCレディスクラシックの優先出走権を付与される予定[5]

条件・賞金等(2024年) 編集

出走資格
サラブレッド系3歳の牝馬[6]。南関東地区所属馬7頭、地方他地区所属馬3頭、中央競馬所属馬4頭のフルゲート14頭と出走枠が定められている[1]
負担重量
定量。55kg(南半球産は54kg)[1]
賞金額
1着3000万円、2着1050万円、3着600万円、4着300万円、5着150万円[1]
優先出走権付与
優勝馬にはJBCレディスクラシックへの優先出走権が与えられる。

歴史 編集

  • 1996年まで - 準重賞競走として施行。
  • 1997年 - 船橋競馬場のダート1600mの5歳(現4歳)から10歳(現9歳)までの牝馬限定の賞金別定の中央・地方全国指定交流の重賞(統一GIII・南関東G2)競走、マリーンカップとなる。
  • 2001年 - 出走条件が「5歳から10歳の牝馬(旧表記)」から「4歳以上牝馬(現表記)」に変更。
  • 2002年
    • JRAのプリエミネンスが史上初の連覇。
    • JRAの柴田善臣騎手として史上初の連覇。
    • JRAの伊藤圭三が調教師として史上初の連覇。
  • 2004年 - 負担重量をグレード別定に変更。
  • 2005年 - 施行時期を6月に変更。それに伴い、出走条件も「4歳以上牝馬」から「3歳以上牝馬」に変更。
  • 2006年 - 施行時期を4月に変更。それに伴い、出走条件も「3歳以上牝馬」から「4歳以上牝馬」に変更。
  • 2007年
    • ICSCの勧告により、格付けを統一JpnIIIに変更。なお、南関東グレードは併記しないことになった。
    • 船橋のトーセンジョウオーが当競走で史上2頭目の2度目の優勝(同馬は初勝利時と2度目では所属が異なる)。
  • 2009年
    • 施行時期を6月に変更。それに伴い、出走条件も「4歳以上牝馬」から「3歳以上牝馬」に変更。
    • JRAのメイショウバトラーが2頭目の連覇、かつ当競走で史上3頭目の2度目の優勝。
    • JRAの高橋成忠が調教師として2人目の連覇。
  • 2010年
    • 施行時期を4月に変更。
    • 4歳以上の基本負担斤量を54kgから55kgに変更。
  • 2011年 - 東日本大震災の影響により中止。
  • 2020年 - COVID-19の流行により客を入れずに「無観客競馬」として開催。
  • 2021年 - 船橋競馬場の大規模改修工事により客を入れずに「無観客競馬」として開催。
  • 2024年 - 「全日本的なダート競走の体系整備」に伴い、出走資格を3歳牝馬に(世代限定戦)、負担重量を定量に、施行時期を9月下旬に、施行距離を1800mにそれぞれ変更予定。

歴代優勝馬 編集

回数 施行日 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1997年4月02日 ファッションショー 牝5 JRA 1:40.2 佐藤隆 山内研二 (有)社台レースホース
第2回 1998年4月08日 エフテーサッチ 牝5 浦和 1:38.2 森下博 小林文治 深野茂雄
第3回 1999年4月07日 ファストフレンド 牝5 JRA 1:40.8 蛯名正義 高市圭二 竹崎大晃
第4回 2000年4月05日 ヤマノリアル 牝4 船橋 1:38.6 張田京 後藤稔 山泉惠宥
第5回 2001年4月04日 プリエミネンス 牝4 JRA 1:40.3 柴田善臣 伊藤圭三 (有)グランド牧場
第6回 2002年4月17日 プリエミネンス 牝5 JRA 1:40.4 柴田善臣 伊藤圭三 (有)グランド牧場
第7回 2003年4月28日 ラヴァリーフリッグ 牝4 船橋 1:40.0 石崎隆之 出川克己 村中徳広
第8回 2004年4月14日 ベルモントビーチ 牝6 川崎 1:40.8 酒井忍 池田孝 (有)ベルモントファーム
第9回 2005年6月01日 トーセンジョウオー 牝4 JRA 1:38.7 後藤浩輝 国枝栄 島川隆哉
第10回 2006年4月05日 グラッブユアハート 牝6 JRA 1:38.2 安藤勝己 畠山吉宏 吉田和子
第11回 2007年4月04日 トーセンジョウオー 牝6 船橋 1:37.3 内田博幸 川島正行 島川隆哉
第12回 2008年4月02日 メイショウバトラー 牝8 JRA 1:39.2 武豊 高橋成忠 松本好雄
第13回 2009年6月10日 メイショウバトラー 牝9 JRA 1:41.0 福永祐一 高橋成忠 松本好雄
第14回 2010年4月14日 トーホウドルチェ 牝5 JRA 1:39.2 四位洋文 田島良保 東豊物産(株)
第15回 2011年4月06日 地震のため中止
第16回 2012年4月04日 ミラクルレジェンド 牝5 JRA 1:40.3 岩田康誠 藤原英昭 吉田照哉
第17回 2013年4月03日 メーデイア 牝5 JRA 1:39.9 浜中俊 笹田和秀 (有)社台レースホース
第18回 2014年4月09日 ワイルドフラッパー 牝5 JRA 1:39.5 福永祐一 松田国英 吉田照哉
第19回 2015年4月14日 サンビスタ 牝6 JRA 1:38.4 岩田康誠 角居勝彦 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
第20回 2016年4月13日 ヴィータアレグリア 牝5 JRA 1:40.2 戸崎圭太 高柳瑞樹 (有)キャロットファーム
第21回 2017年4月12日 ホワイトフーガ 牝5 JRA 1:41.3 蛯名正義 高木登 西森鶴
第22回 2018年4月11日 アンジュデジール 牝4 JRA 1:41.2 横山典弘 昆貢 安原浩司
第23回 2019年4月17日 ラーゴブルー 牝5 川崎 1:40.6 御神本訓史 内田勝義 吉田和美
第24回 2020年4月02日 サルサディオーネ 牝6 大井 1:40.1 矢野貴之 堀千亜樹 菅原広隆
第25回 2021年4月07日 テオレーマ 牝5 JRA 1:38.4 川田将雅 石坂公一 水上行雄
第26回 2022年4月13日 ショウナンナデシコ 牝5 JRA 1:41.3 吉田隼人 須貝尚介 国本哲秀
第27回 2023年4月12日 ペルアア 牝4 JRA 1:41.6 岩田望来 野中賢二 (株)カナヤマホールディングス

1996年までの優勝馬 編集

施行年月日 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
1988年8月31日 1700m パピヨンフブキ 牝3 川崎 1:47.5 森下博 高月由次 古澤智
1989年8月24日 1700m スーパーセブン 牝3 船橋 1:49.2 石崎隆之 須永和良 齋藤美智子
1990年8月16日 1700m ホクトフローラ 牝3 船橋 1:50.3 渡辺市郎 成田清輔 森滋
1991年8月21日 1700m スピードデオール 牝3 川崎 1:49.3 久保秀男 新貝啓介 市川不動産(株)
1992年8月5日 1700m タカネジヨオー 牝3 船橋 1:50.4 野口正宏 鈴木總介 小川康則
1993年8月4日 1700m ユーワビギン 牝3 船橋 1:48.1 佐藤祐樹 波多野高次 野澤直哉
1994年8月17日 1700m ケーエフネプチュン 牝3 船橋 1:50.4 矢内博 凾館政一 藤谷一雄
1995年8月2日 1700m マキバサイレント 牝3 船橋 1:47.2 左海誠二 北川亮 新田知也
1996年7月18日 1700m スギヤマワッスル 牝3 船橋 1:49.1 湯浅淳一 中井利一 齊藤米造

※馬齢は現表記。

関連項目 編集

出典・注釈 編集

  1. ^ a b c d 令和5年度第1回船橋競馬競走番組表(決定)” (PDF). 船橋ケイバ. 2023年4月10日閲覧。
  2. ^ 船橋競馬出走馬一覧表 令和5年度第1回船橋競馬第3日4月12日(水)” (PDF). 名古屋けいばオフィシャルサイト. 2023年4月10日閲覧。
  3. ^ 船橋ケイバ4/11(月)-15(金)開催リリース” (2016年4月7日). 2016年4月9日閲覧。
  4. ^ 第15回マリーンカップ(JpnIII)の取り止めについて - 船橋ケイバ公式サイト 2011年5月11日付け
  5. ^ 全日本的なダート競走の体系整備について地方競馬全国協会、2022年11月28日閲覧
  6. ^ 3歳馬は出走可能だが牝馬クラシック戦線に進む馬が多く、出走可能となった2009年以降では2012年のエミーズパラダイス(船橋)、2014年のクロスオーバー(高知)の2頭しか出走はない。

各回競走結果の出典 編集

外部リンク 編集