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レッツゴードンキは、日本の競走馬である。主な勝ち鞍は2015年の桜花賞[3]

レッツゴードンキ
Let's-Go-Donki Ouka-Sho 2015(IMG1).jpg
2015年桜花賞
欧字表記 Let's go Donki[1]
香港表記 唐吉快跑[2]
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 2012年4月6日(7歳)
死没 (現役競走馬)
キングカメハメハ
マルトク
母の父 マーベラスサンデー
生国 日本の旗 日本北海道平取町
生産 清水牧場
馬主 廣崎利洋
→廣崎利洋HD(株)
調教師 梅田智之栗東
競走成績
生涯成績 35戦3勝
(中央)32戦3勝
(地方)2戦0勝
(海外)1戦0勝
獲得賞金 4億6708万8000円
(中央)4億4283万8000円
(地方)1435万円
(2019年11月4日現在)
 
勝ち鞍
GI 桜花賞 2015年
GIII 京都牝馬ステークス 2017年
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生産牧場編集

レッツゴードンキを生産したのは北海道平取町の清水牧場である[4][3][5]。1967年(昭和42年)創業で、50年間にダイタクヘリオスマイルチャンピオンシップ2勝)、マジェスティバイオ中山大障害中山グランドジャンプ)などを生産してきた[4]。同牧場の生産馬で中央競馬のクラシック競走を勝つのはレッツゴードンキが初めてである[4]

競走馬として編集

2歳時(2014年)編集

レッツゴードンキは2歳の夏に札幌競馬場で初出走を果たし、札幌2歳ステークス(G3、1800メートル)3着、アルテミスステークス(G3、1600メートル)2着を経て、12月の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1、1600メートル)で優勝馬から半馬身差の2着になった[6]

3歳時(2015年)編集

桜花賞で30年ぶりの逃げ切り優勝編集

3歳になるとチューリップ賞(G3、1600メートル)に出走した[6]。レッツゴードンキはスタートから「押し出されるような形で[7]」先頭に立ってしまい、逃げる格好となった。その結果、最後の直線で失速し、ココロノアイらにかわされて3着に敗れた[7]

元騎手の安藤勝己は、レッツゴードンキの「行きたがる面」を欠点だと指摘し、その克服が今後の鍵となると評した[7]。厩舎サイドでも、チューリップ賞の敗戦のあとは「後ろで我慢させる[8]」ことを重視した調教を行った[8]

桜花賞(G1、1600メートル)には重賞を複数勝ったものが1頭しかおらず[9]、キャリアの浅い馬が揃った[10]。その中で3戦無敗のルージュバックが1.6倍の人気を集め、唯一頭重賞を2勝していたココロノアイが7.6倍の2番人気だった[3]島田明宏は、ファンはルージュバックの優勝で11年ぶりの「無敗の桜花賞馬」が誕生することを期待していたという[11]。レッツゴードンキは出走馬の中では2歳時に最も高いレーティングを獲得していたが[12]、5番人気どまりだった[3]

レッツゴードンキは2013年頃オーストラリアで開発されたトライアビットという新型の特殊なリングハミを装着して出走していた[3]。これは競走馬の発揮する能力を向上させ、特に先行したがる馬に効果的とされている[13][14]調教助手を務める西原玲奈の想定では、本命馬のルージュバックが4、5番手につけ、レッツゴードンキはその直後に控えるレースをするはずだった[8]。騎手の岩田康誠も「後ろから行くという気持ちが95%」だった[15][16]。発走直前のパドックでも、陣営は後方待機策の打ち合わせをしていた[16]

しかしレッツゴードンキはチューリップ賞と同様に、スタートから先頭にたった。西原はこれを見て「やっちゃった」と感じたという[8]。岩田騎手は、チューリップ賞では敗れたもののスタート直後の出足が鋭かったことを覚えていて、スタート直後に各馬の騎手が馬を抑え込んでいるのをみて、「とっさの判断」で先手を奪ったという[15][16]

ところが、レースは「稀にみる超スローペース[10]」「歴史的なスローペース[17]」となった[3][18][9][19][20]。重馬場だったチューリップ賞では前半600メートルの通過ラップが35秒9だったのに対し、桜花賞は37秒1だった[8][注 1]。一般に桜花賞は極端なハイペースになる傾向があるとされているが[18]、良馬場であったにもかかわらず[9][19]、先行しようとする馬がレッツゴードンキ以外にいなかったことがスローペースの原因とされている[9][3]。レース後クリストフ・ルメール騎手(3着)は「funnyなレースだった」と述べた[16]

極端なスローペースで逃げているにもかかわらず、2番手以降のどの騎手もレッツゴードンキを追いかけようとしなかったため[18][16]、レッツゴードンキは楽に先行することができた[18]。西原は、スタート直後に先頭に立つまでは馬がハミを噛んで力走していたが、そのあとはリラックスしていたとする[8]

ペースが遅すぎたために最後の直線に入ってもどの馬にもたっぷりと余裕が残っていた[19][3][18]。最後の直線では各馬が激しく追い込みにかかるも、レッツゴードンキにもじゅうぶんな余力があり、後続馬を逆に突き放して、最後は2着に4馬身差をつけてゴールまで逃げ切った[19][3][18][20][15]

桜花賞での逃げ切り勝ちは、1985年のエルプス以来30年ぶりとなった[19][21]。1勝馬による桜花賞優勝としては史上6頭目だった[22]。調教師の梅田智之にとってはこれがJRAG1競走初優勝となった[15][注 2]。馬主の廣崎利洋にとっては馬主歴28年目にして初めてのG1競走優勝となった[23]。ふだんとは違い、馬主席ではなくコース目の前のフェンス際で観戦しており、優勝直後は周囲のファンに囲まれて祝福されたという[24]。騎手の岩田康誠は2012年のジェンティルドンナ以来の桜花賞優勝だった[16]

桜花賞のあと編集

レッツゴードンキはこのあと、優駿牝馬へ駒を進めた。桜花賞の勝ち方からレッツゴードンキへの評価は高まり、「史上14頭目の牝馬二冠達成なるか」という見方が増えていった[25][26][27]。また、優駿牝馬の1週間前に行なわれるヴィクトリアマイルを廣崎の所有馬ストレイトガールが勝ったことで、馬主の廣崎には「2週連続GI優勝」の記録がかかると話題となった[26][27]。こうして周囲の期待が高まるなか、廣崎はもし本当に勝ってしまうと大変なことになると、不安だったと述懐している[28]

最終的にレッツゴードンキは2番人気になった。岩田騎手や調教師によれば体調・状態は万全だったが、桜花賞の時とは違ってスムーズに走ることができず、10着に敗れた[27][29]。馬主の廣崎は10着に敗れて「ホッとした」と述べている[28]

秋は3歳牝馬路線をすすんだ[17]ローズステークス(G2、1800メートル)4着のあと秋華賞(G1、2000メートル)に3番人気で臨むも、道中で折り合いを欠き17着に大敗した[30][6]。このあと短距離路線に狙いを移しマイルチャンピオンシップ(G1、1600メートル)に出走、6着に終わった[6][17]。掲示板には乗らない着順だったとはいえ、この年の年度代表馬となるモーリスから0.5秒差の結果に、梅田調教師は短距離の素質があると感じたという[17]

このあと、年末に行われる有馬記念出走馬選出のためのファン投票では20位(2万0447票)を獲得するも[31]、出走はしなかった[6]

4歳時-(2016年-)編集

しかし2014年桜花賞のあと、レッツゴードンキは1年10ヶ月にわたり勝鞍を挙げることができなかった[17]。そのうち1年間は、掲示板に乗る5着に入ることすらほとんどできなかった[17]。この間、G3戦で後方から伸びて3着に入ったことがあり、馬主の廣崎と梅田調教師は勝ったわけでもないのに喜びをみせたという[17]。着順は振るわないとはいえ、後方待機策のために直線で不利を受けての大敗が何度かあり、調教師はレッツゴードンキの成長と、1200メートル戦への適性を確信しつつあった[17]

4歳秋(2016年11月)、レッツゴードンキはJBCレディスクラシック(GI、ダート1600メートル)に挑戦した。ダートコースへの出走は初めてではあったが、母馬はダート競馬で5勝を挙げていることもあって出走を決めたという[17]。前年の優勝馬ホワイトフーガには敗れたものの2着に入り、改めて短距離能力を示すことになった[17]。このあとレッツゴードンキは12月の香港スプリントの招待を受けたが[32]、結局は香港へ挑まず、ターコイズステークス(オープン、1600メートル)で2着の後、2017年2月の京都牝馬ステークス(G3、1400メートル)で1年10ヶ月ぶりの優勝を果たした[17][6]。2歳のデビュー当時と比べて馬体が50キログラムあまり増え、牡馬のスプリンターのような体格に成長したという[17]

以後、短距離G1路線をすすむと、2017年高松宮記念スプリンターズステークス、2018年高松宮記念でもハナ差の2着に入った[6][33][34]。G1競走では2着4回と「惜敗」が続いている[34]

競走成績編集

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量 1着馬(2着馬)
2014.08.24 札幌 2歳新馬 芝1800m(良) 11 3 3 004.80(3人) 01着 01:53.2(34.9) -0.5 戸崎圭太 54kg (ステイハッピー)
0000.09.06 札幌 札幌2歳S GIII 芝1800m(良) 11 3 3 013.60(7人) 03着 01:50.2(36.4) -0.2 吉田隼人 54kg ブライトエンブレム
0000.11.01 東京 アルテミスS GIII 芝1600m(稍) 17 2 3 004.30(1人) 02着 01:34.4(33.6) -0.0 岩田康誠 54kg ココロノアイ
0000.12.14 阪神 阪神JF GI 芝1600m(良) 18 6 11 005.60(2人) 02着 01:34.5(34.3) -0.1 浜中俊 54kg ショウナンアデラ
2015.03.07 阪神 チューリップ賞 GIII 芝1600m(重) 17 8 15 003.80(2人) 03着 01:38.0(36.6) -0.3 岩田康誠 54kg ココロノアイ
0000.04.12 阪神 桜花賞 GI 芝1600m(良) 18 3 6 010.20(5人) 01着 01:36.0(33.5) -0.7 岩田康誠 55kg (クルミナル)
0000.05.24 東京 優駿牝馬 GI 芝2400m(良) 17 1 1 006.00(2人) 10着 02:26.1(35.2) -1.1 岩田康誠 55kg ミッキークイーン
0000.09.20 阪神 ローズS GII 芝1800m(良) 17 5 10 006.80(3人) 04着 01:45.9(35.6) -0.7 岩田康誠 54kg タッチングスピーチ
0000.10.18 京都 秋華賞 GI 芝2000m(良) 18 5 10 005.10(3人) 17着 01:59.8(38.0) -2.9 岩田康誠 55kg ミッキークイーン
0000.11.22 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 2 3 028.6(10人) 06着 01:33.3(34.3) -0.5 戸崎圭太 54kg モーリス
2016.02.28 阪神 阪急杯 GIII 芝1400m(良) 18 5 9 004.70(2人) 06着 01:20.1(34.7) -0.2 岩田康誠 55kg ミッキーアイル
0000.03.27 中京 高松宮記念 GI 芝1200m(良) 18 6 11 031.2(10人) 08着 01:07.4(33.4) -0.7 岩田康誠 55kg ビッグアーサー
0000.05.15 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 18 6 11 023.50(8人) 10着 01:32.9(34.8) -1.4 岩田康誠 55kg ストレイトガール
0000.06.19 函館 函館スプリントS GIII 芝1200m(良) 16 1 1 008.10(7人) 03着 01:08.0(34.0) -0.2 吉田隼人 54kg ソルヴェイグ
0000.08.28 札幌 キーンランドC GIII 芝1200m(良) 14 7 12 008.80(4人) 03着 01:08.7(34.5) -0.2 岩田康誠 55kg ブランボヌール
0000.10.02 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 6 12 019.70(7人) 09着 01:07.8(32.9) -0.2 岩田康誠 55kg レッドファルクス
0000.11.03 川崎 JBCレディスクラシック JpnI ダ1600m(重) 13 8 14 006.10(4人) 02着 01:41.5(39.9) -0.2 岩田康誠 55kg ホワイトフーガ
0000.12.17 中山 ターコイズS 重賞 芝1600m(良) 16 7 13 011.10(6人) 02着 01:33.8(34.1) -0.2 岩田康誠 56.5kg マジックタイム
2017.02.18 京都 京都牝馬S GIII 芝1400m(稍) 18 5 10 003.00(1人) 01着 01:22.5(34.0) -0.3 岩田康誠 55kg (ワンスインナムーン)
0000.03.26 中京 高松宮記念 GI 芝1200m(稍) 18 2 3 005.10(2人) 02着 01:08.9(33.9) -0.2 岩田康誠 55kg セイウンコウセイ
0000.05.14 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(稍) 17 7 14 007.90(3人) 11着 01:34.6(34.2) -0.7 岩田康誠 55kg アドマイヤリード
0000.10.01 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 1 2 010.80(5人) 02着 01:07.6(33.1) -0.0 岩田康誠 55kg レッドファルクス
0000.10.28 京都 スワンS GII 芝1400m(重) 18 1 2 003.20(1人) 03着 01:22.7(35.5) -0.3 岩田康誠 54kg サングレーザー
0000.12.10 沙田 香港スプリント G1 芝1200m(良) 13 7 12 047.0(10人) 06着 01.08.94 -0.54 岩田康誠 55.5kg Mr. Stunning
2018.02.18 東京 フェブラリーS GI ダ1600m(良) 16 7 13 051.0(10人) 05着 01:36.7(37.0) -0.7 幸英明 55kg ノンコノユメ
0000.03.25 中京 高松宮記念 GI 芝1200m(良) 18 4 8 006.30(3人) 02着 01:08.5(34.6) -0.0 岩田康誠 55kg ファインニードル
0000.05.13 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(稍) 18 1 1 011.70(6人) 06着 01:32.7(33.9) -0.4 岩田康誠 55kg ジュールポレール
0000.08.26 札幌 キーンランドC GIII 芝1200m(稍) 16 3 6 004.10(2人) 05着 01:10.2(35.5) -0.8 岩田康誠 55kg ナックビーナス
0000.09.30 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(稍) 16 5 10 011.80(4人) 05着 01:08.6(34.3) -0.3 岩田康誠 55kg ファインニードル
0000.11.04 京都 JBCスプリント JpnI ダ1200m(良) 16 7 13 006.40(2人) 05着 01:11.0(36.0) -0.6 岩田康誠 55kg グレイスフルリープ
2019.02.24 阪神 阪急杯 GIII 芝1400m(良) 18 1 1 006.00(4人) 02着 01:20.5(34.6) -0.2 岩田康誠 54kg スマートオーディン
0000.03.24 中京 高松宮記念 GI 芝1200m(良) 18 4 8 009.80(5人) 06着 01:07.6(33.3) -0.3 岩田康誠 55kg ミスターメロディ
0000.05.12 東京 ヴィクトリアマイル GI 芝1600m(良) 18 7 14 041.0(13人) 10着 01:31.2(33.2) -0.7 岩田康誠 55kg ノームコア
0000.09.29 中山 スプリンターズS GI 芝1200m(良) 16 5 10 047.00(9人) 05着 01:07.5(33.4) -0.4 岩田康誠 55kg タワーオブロンドン
0000.11.04 浦和 JBCレディスクラシック JpnI ダ1400m(重) 12 5 6 006.40(5人) 06着 01:26.9(38.2) -2.4 岩田康誠 55kg ヤマニンアンプリメ
  • 競走成績は2019年11月4日現在
  • 出典:[35]

競走馬としての評価編集

桜花賞優勝の評価編集

桜花賞を逃げ切って優勝するのは1985年のエルプス以来30年ぶりだったが[19]、エルプスは重馬場をハイペースで逃げ切ったのに対し[36]、レッツゴードンキは良馬場をスローペースで逃げたものであり、走破タイムは全て良馬場で行われた過去6年で最も遅い[19]

2015年の桜花賞を「ハイレベル」(東京スポーツ[37]、4馬身差を「歴史的圧勝」(『サラブレ』ライター小林誠)[38]、などと持ち上げる者もいたが、国際的に競走の格付けや競走馬の評価に用いられる公式指標である日本中央競馬会の評価は105.00ポイントで、2001年に評価が公表されるようになって以来史上最低のレベルであったという公式見解を示している[12][39]

ただしこのレーティングは2着以下の各馬が軒並み低評価だったことが大きな影響を与えており、レッツゴードンキ単独での評価は112ポイントで、これは2001年以降の15回中、2位タイの高評価である[39]。過去に112ポイント以上の評価を受けたのは2009年のブエナビスタ(112)、2014年のハープスター(113)の2頭だけである[39]

馬主編集

馬主の廣崎は関西に本拠を置く建築事務所「アスクプランニングセンター」の経営者で[28][24][40][41][42][43][44]、1980年代に都市部でビブレを企画し、日本にファッションビルの概念を創出した人物である[41][40][44][45]。この商業形態は日本のリテール業界に大規模なインパクトを与え、百貨店量販店ビジネスモデル転換をもたらした[44][45]。そのほか、天王洲アイルシーフォートスクエア)、広島のアルパーク、小倉のコレット (百貨店)銀座シャネル大江戸温泉物語など、大規模な都市再開発に携わっている[40][44][46][45]

西宮市で小売業を営む両親のもとで育った廣崎は、学生の頃から商品の配達で阪神競馬場の厩舎に出入りしており、シンザンメイズイの時代から競馬に関心をもっていた[28]。廣崎は神戸の甲南大学へ進学し、在学中には馬術部の友人に馬に乗せてもらうこともあった[28]。廣崎はオリベッティに就職したが、馬券を買うようになってからも阪神競馬場に通っており、こうしたことから阪神競馬場の大レースである桜花賞を最大の目標にするようになった[28]

廣崎は豊田善一野村證券副社長)、細川益男らの紹介で馬主となった[28]。初めて所有した競走馬はアスクヒーローといい、華麗なる一族と呼ばれる牝系の祖マイリーの曾孫に当たる馬だった[28][47]。廣崎はこの馬を800万円で購入し、伊藤雄二調教師に預託した[28]。アスクヒーローは1989年の初夏、その年で最初に行なわれる札幌競馬場の2歳戦[注 3]に出走した[28]。他の出走馬の中では2億円で購買された米国産のシアトルスルー産駒であるドラゴンラリーが話題を集めていたが、アスクヒーローはこれを負かして1着となり、廣崎は馬主としての初所有馬で初出走で初勝利をあげた[28]

これ以来、廣崎の馬主歴は桜花賞の時点で28年となった[24][48][28]。2014年にシルクロードステークスでの重賞勝利経験はあったが、G1優勝はレッツゴードンキによるものが初めてだった[48]。(G1競走では、2014年にストレイトガールスプリンターズステークス2着、高松宮記念3着、ヴィクトリアマイル3着、香港スプリント3着の経験がある。シルクロードステークスの優勝も同馬によるもの。[49]

馬名編集

レッツゴードンキの馬名の由来について、日本中央競馬会では『さあ進もう「ドンキホーテ」のように』の意味であるとしている[50][51]。一般の報道では、この「ドンキホーテ」はスペインの騎士道物語『ドン・キホーテ』ではなく、ディスカウントストアドン・キホーテに由来するとされており、同社の創業者安田隆夫(2015年時点では代表取締役会長[52])と馬主の廣崎利洋とが知己であることから命名されたと報じられている[51][48][53]。日本中央競馬会や日本軽種馬協会が定める公式な馬名のローマ字表記は「Let's Go Donki」であり[54]、「ドンキ」部分の綴りは騎士道物語の「Don Quixote」とは異なり、ドン・キホーテ社が商標登録をしている「DONKI」となっている[55]

なお、日本中央競馬会では施行規程を定めており、同規程第22条(5)では「明らかに営利のための広告宣伝を目的として会社名、商品名等と同じである名称を附したと認められ、かつ、競走馬の馬名としてふさわしくない馬名[56]」は馬名として認められないことになっている[56]

血統編集

血統表編集

レッツゴードンキ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ミスタープロスペクター系
[§ 2]

キングカメハメハ
2001 鹿毛
父の父
Kingmambo
1990 鹿毛
Mr.Prospector
1970 鹿毛
Raise a Native
Gold Digger
Miesque
1984 鹿毛
Nureyev
Pasadoble
父の母
*マンファス
Manfath
1991 黒鹿毛
*ラストタイクーン
1983 鹿毛
*トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird
1983 鹿毛
Blakeney
The Dancer

マルトク
2001 栗毛
マーベラスサンデー
1992 栃栗毛
サンデーサイレンス
1986 青鹿毛
Halo
Wishing Well
モミジダンサー
1980 栗毛
ヴァイスリーガル
モミジⅡ
母の母
エリットビーナス
1996 栗毛
ジェイドロバリー
1987 鹿毛
Mr.Prospector
Number
フリースピリット
1986 鹿毛
リアルシャダイ
ダイナフランダース
母系(F-No.) レデイフランダーズ(USA)系(FN:4-f) [§ 3]
5代内の近親交配 Mr.Prospector 18.75% 3 x 4 、Northern Dancer 9.38% 5 x 5 x 5 、Special 6.25% 5 x 5 [§ 4]
出典
  1. ^ 血統情報:5代血統表|レッツゴードンキ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年5月19日閲覧。
  2. ^ レッツゴードンキの血統表|競走馬データ - netkeiba.com”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年5月19日閲覧。
  3. ^ 血統情報:5代血統表|レッツゴードンキ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年5月19日閲覧。
  4. ^ 血統情報:5代血統表|レッツゴードンキ|JBISサーチ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年5月19日閲覧。


レッツゴードンキの父はキングカメハメハ、母はマルトクである。血統表の5代以内には、ミスタープロスペクター(3×4)、ノーザンダンサー(5×5×5)、スペシャル(5×5)という近親交配がある。これはあくまでも「5代以内」の場合であり、5代前にはノーザンダンサー直仔のニジンスキーノーザンテーストやニジンスキー産駒のグリーンダンサーがおり、6代前まで遡るとノーザンダンサーの近親交配は5×5×5×6×6、7代まで遡ると5×5×7×5×6×6というように、さらに強い近親交配が出現する[57]

母系編集

レッツゴードンキの母系の4代前が社台グループがアメリカからの輸入した*レディフランダースで[58]、1989年から1990年頃に中距離で活躍したレディゴシップ(1989年クイーンステークス2着)[59]や2009年のエリザベス女王杯優勝馬クィーンスプマンテ(本馬の4代母の孫)が同族である。この系統にノーザンテーストリアルシャダイジェイドロバリー、と代々にわたって社台グループの看板種牡馬を配合されて生まれたエリットビーナス(レッツゴードンキの祖母)が1歳のときに1997年のセリ市[注 4]で745万円で売られ[60]、繁殖入りしたあとにマーベラスサンデーを配合されて、マルトク(レッツゴードンキの母)が誕生した[61]

マルトクは2003年から2007年まで中央競馬に所属し、すべてダートの1000メートルから1400メートルで走り、5勝をあげた[61][62]。重賞出走歴はないが、準オープンクラスで入着したことがある[62]。5代以内には、累代の社台グループ種牡馬経由でヘイルトゥリーズン(4×5)、ノーザンダンサー(4×5×5)、ネイティヴダンサー(5×5×5)という近親交配がある[58]。レッツゴードンキはその4番仔で、2016年6月時点で兄・姉に中央競馬での勝鞍があるものはないが、半兄のマルトクスパートは東海地区の重賞・東海桜花賞など地方競馬で16勝をあげている[63]

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 2007年に桜花賞のコース変更があり、以後の開催のなかでは最も遅いペースとなった[16]
  2. ^ JRA以外では、2014年にアドマイヤラクティでオーストラリアのコーフィールドカップ(G1)を優勝している。しかしアドマイヤラクティはその後オーストラリアで突然死しており、梅田はレッツゴードンキの桜花賞優勝のときにアドマイヤラクティのことを思い出したという[15]
  3. ^ 当時の呼称では「3歳新馬戦」である。アスクヒーローが出走したのは1989年1回札幌競馬1日目の新馬戦で、中央競馬のその世代が出走する一番早い機会である。
  4. ^ 当時は馬齢表示方法が誕生時を1歳と数える方式だったので「2歳」として売買されているが、新しい馬齢表示方法にしたがって「1歳」とした。

出典編集

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参考文献編集

  • 『週刊競馬ブック』株式会社競馬ブック
  • 2015年4月19日号(第53巻16号)
  • 2015年6月14日号(第53巻24号)
  • 日本中央競馬会 重賞競走・オープン特別競走レーティング(桜花賞)

外部リンク編集