上野村
上野村(うえのむら)は、群馬県の南西部(最南端)に位置する、多野郡に存在する村。群馬県で最も人口の少ない自治体かつ(平成27年6月1日現在)[1]、関東地方の島嶼部(伊豆諸島・小笠原諸島)を除いた最も人口の少ない自治体である。
うえのむら ![]() 上野村 | |||||
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国 |
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地方 | 関東地方 | ||||
都道府県 | 群馬県 | ||||
郡 | 多野郡 | ||||
市町村コード | 10366-7 | ||||
法人番号 | 8000020103667 | ||||
面積 |
181.85km2 | ||||
総人口 |
1,047人 [編集] (推計人口、2023年5月1日) | ||||
人口密度 | 5.76人/km2 | ||||
隣接自治体 |
多野郡神流町、甘楽郡南牧村 埼玉県:秩父市、秩父郡小鹿野町 長野県:南佐久郡佐久穂町、川上村、南相木村、北相木村、 | ||||
- | |||||
上野村役場 | |||||
村長 | 黒澤八郎 | ||||
所在地 |
〒370-1614 群馬県多野郡上野村大字川和11番地 北緯36度04分59秒 東経138度46分38秒 / 北緯36.08319度 東経138.77731度座標: 北緯36度04分59秒 東経138度46分38秒 / 北緯36.08319度 東経138.77731度 ![]() | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
概要編集
かつての上野(こうずけ)国にあるが、当村の読みは「こうずけ」でなく「うえの」である。2003年(平成15年)4月1日に、中里村が神流町に合併してからは、群馬県内で最も人口の少ない地方公共団体となった。人口密度が群馬県内の市町村の中で最も低く、可住地面積割合の7.0%も、群馬県内で最も低い。
日本国政府が推進した「平成の大合併」に対して「合併しない宣言」を出した(他に福島県東白川郡矢祭町と宮城県黒川郡富谷町(現富谷市)が同様の宣言を出している)。山間にある過疎地域であるが、2005年に上野ダム・東京電力神流川発電所が完成し、固定資産税の税収が増加したのに伴い、2006年(平成18年)度から2012年(平成24年)度まで地方交付税の不交付自治体となった[2](ダム完成前の2005年(平成17年)時点の財政力指数は「0.20」と、かなり脆弱な財政だったが、ダム完成後の2007年(平成19年)には、一気に1.27にまで上がり、県内一の高さを誇るようになった。2008年(平成20年)には更に1.73に上昇した[1])。
村域南部には、1985年(昭和60年)8月12日に発生した日本航空123便墜落事故の現場である御巣鷹の尾根(高天原山)があり、事故当時は上野村消防団が人家のない地域の捜索・救助活動に当たった。当時は無名だった尾根を「御巣鷹の尾根」と命名したのは、元村長の黒澤丈夫である。また村内の楢原地区には、納骨堂や事故に関する展示施設を有する「慰霊の園」がある。
地理編集
群馬県南西部の山間に位置する村落。長野県・埼玉県と境を接する。村は森林セラピー基地に認定されている。父母トンネルをはさんで、東側に乙母(おとも)、野栗沢(のぐりさわ)、新羽(にっぱ)、勝山(かつやま)、川和(かわわ)、西側に乙父(おっち)、楢原(ならはら)の各大字がある。
歴史編集
- 1590年の徳川氏関東入国により乙母村など7村が代官の支配下となり、幕末には郡代支配に替わり、明治維新により甘楽郡が設けられ、7村ともそれに編入される[3]。
- 1884年:秩父事件起こる。上野村では黒沢鞍十郎を中心に蜂起[4]。
- 1889年4月1日:町村制度施行に伴い、上野村が発足。
- 1907年:野栗大水災[5]
- 1985年8月12日:羽田空港発伊丹空港行き日本航空123便が、御巣鷹の尾根に墜落(報道では御巣鷹山と報道されたが、実際には高天原山であった)。事故については「日本航空123便墜落事故」を参照。
- 2002年9月:村内初の信号機を設置。直前の時点で群馬県内で信号機が設置されていない町村は、この上野村と中里村のみであった。なお群馬県内で最後まで信号機がない村として残った中里村は2003年4月に万場町との合併によって神流町となり、「信号機がない村」を解消した。
- 2004年3月24日:湯の沢トンネルが開通。これにより、上信越自動車道下仁田ICから上野村へのアクセスが改善された。
人口編集
上野村と全国の年齢別人口分布(2005年) | 上野村の年齢・男女別人口分布(2005年) | |
■紫色 ― 上野村
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |
上野村(に相当する地域)の人口の推移 | ||
総務省統計局 国勢調査より |
交通編集
村内を鉄道路線は走っていない。最寄り駅は、上信電鉄上信線下仁田駅で、乗合タクシーが利用できる。
路線バス編集
神流川沿いに多野郡内の下流・関東平野にある旧・新町(現・高崎市の飛地)を結ぶ路線が基幹的路線となっている他、山を越えた北方向の甘楽郡下仁田町へ直行する乗合タクシー路線がある。県外路線はない。
道路編集
- 群馬県道
- ふるさと林道湯の沢線(湯の沢トンネル)
道の駅編集
観光地編集
行事編集
行政・立法編集
- 村長:黒澤八郎(2017年6月就任 2期目)
県議会編集
- 選挙区:藤岡市・多野郡選挙区
- 定数:2名
- 任期:2023年(令和5年)4月30日 - 2027年(令和9年)4月29日[11]
議員名 | 会派名 | 備考 |
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金沢充隆 | 令明 | 党籍は無所属 |
神田和生 | 自由民主党 |
衆議院編集
- 任期 : 2021年(令和3年)10月31日 - 2025年(令和7年)10月30日(「第49回衆議院議員総選挙」参照)
選挙区 | 議員名 | 党派名 | 当選回数 | 備考 |
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群馬県第4区(上野村、高崎市(旧高崎市・新町・吉井町)、藤岡市、神流町) | 福田達夫 | 自由民主党 | 4 | 選挙区 |
教育編集
医療編集
- へき地診療所
- へき地歯科診療所
警察編集
- 藤岡警察署上野駐在所(多野郡上野村大字勝山94)
消防編集
- 多野藤岡広域市町村圏振興整備組合藤岡消防署上野消防出張所(多野郡上野村大字川和19)
姉妹都市編集
健康づくりにおける相互応援協定都市編集
出身有名人編集
- 元村長、10期連続無投票当選。元全国町村会会長。元大日本帝国海軍少佐。「平成の大合併」に対して、「経済効率一辺倒で、面積や国土を軽んじている」と批判した。また、日本航空123便墜落事故の対応に尽力した。
ゆかりの有名人編集
脚注編集
- ^ 行政視察のご案内上野村役場
- ^ 平成25年度普通交付税不交付団体一覧表
- ^ 上野村 管轄沿革『多野郡誌』(多野郡教育会, 1910)
- ^ 『秩父事件佐久戦争: 民衆大学』銀河書房, 1984, p177
- ^ 野栗大水災の事『群馬県多野郡誌』(群馬県多野郡教育会, 1927), p892
- ^ 上野村に春の訪れ 不二洞弥生祭りYoutube上野村公式チャンネル、2015/03/30
- ^ みんなで楽しいひと時 乙父のおひながゆYoutube上野村公式チャンネル、2016/04/19
- ^ 伝統受け継ぎ 厳かに 乙父神社 例大祭Youtube上野村公式チャンネル、2016/04/19
- ^ 平成26年 中正寺の火渡りYoutube上野村公式チャンネル、2014/05/20
- ^ 神流川のお川瀬下げ神事公益財団法人 群馬県教育文化事業団
- ^ “議員の紹介 勤続年数・年齢順 - 群馬県議会(令和5年4月30日現在)”. www.pref.gunma.jp. 群馬県. 2023年4月30日閲覧。
関連項目編集
- 全国市町村一覧
- 当初から廃置分合を行った事のない市町村の一覧
- 十石犬
- 御天間(おてんま)
- 上野村農業協同組合 - 十石みそを製造・販売