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下地島空港

沖縄県宮古島市の下地島に位置する地方管理空港

下地島空港(しもじしまくうこう、しもじじまくうこう[2]: Shimojishima Airport / Shimojijima Airport[2])は、沖縄県宮古島市下地島にある地方管理空港である。旅客ターミナル施設の名称は、みやこ下地島空港ターミナル[3]

下地島空港
Shimojishima Airport
みやこ下地島空港ターミナル
みやこ下地島空港ターミナル(2019年)
管制塔と空港事務所(2018年)
管制塔と空港事務所(2018年)
IATA: SHI - ICAO: RORS
概要
国・地域 日本の旗 日本
所在地 沖縄県宮古島市伊良部字佐和田1727番地
種類 商業
運営者 沖縄県
運用時間 8:00 - 19:30
開港 1979年7月
敷地面積 361.5 ha
標高 7.58 m (24 ft)
座標 北緯24度49分36秒 東経125度08分41秒 / 北緯24.82667度 東経125.14472度 / 24.82667; 125.14472座標: 北緯24度49分36秒 東経125度08分41秒 / 北緯24.82667度 東経125.14472度 / 24.82667; 125.14472
公式サイト みやこ下地島空港ターミナル
地図
下地島空港の位置
下地島空港の位置
SHI/RORS
下地島空港の位置
下地島空港の位置
SHI/RORS
下地島空港の位置
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
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目次

概要編集

日本国内でのパイロット養成の需要に応えるための訓練飛行場として開設された[4]。3,000m×60mの滑走路を持ち、航空機の操縦訓練のために、日本の空港では数少ない、滑走路両端に計器着陸装置(ILS)が設置されている地方空港である[注釈 1]

かつては南西航空(現日本トランスオーシャン航空、JTA)の那覇線が就航していたが、1994年(平成6年)に撤退。それ以降は定期便の就航がなく、実質的に日本航空(JAL)及び全日本空輸(ANA)のパイロット訓練専用空港となってきた。しかし、JAL及びJTAは2012年度(平成24年度)末で、ANAは2014年度(平成26年度)末で撤退[5][注釈 2]。以降、国内航空各社や官公庁により散発的に訓練が行われていた[注釈 3]

2019年3月30日に新ターミナルが開業するともに、定期便が就航した[10][11][12]

年度別利用者数・着陸回数[13]
年度 利用者数(人) 着陸回数(回)
2006年 0 1,922
2007年 329 2,317
2008年 0 2,513
2009年 967 2,513
2010年 36 1,879
2011年 0 2,080
2012年 0 1,741
2013年 0 1,513
2014年 0 206
2015年 18 232
2016年 13 304
2017年 0 243

すべて国内線。着陸回数には訓練を含む。

沿革編集

着工までの経緯編集

1966年昭和41年)の航空審議会答申で、ジェット旅客機での大量輸送に対応するため、パイロット訓練飛行場の早期整備が答申された。当初、日本国内7箇所が候補に上がったがいずれも難点があったため、1968年(昭和43年)には運輸省が米国統治下にあった沖縄西表島石垣島多良間島伊良部島、下地島、宮古島等を視察した結果、下地島が候補地に挙げられた。

1969年(昭和44年)3月に伊良部村議会は訓練飛行場の誘致を議決したが、4月の宮古郡民大会で住民は飛行場誘致に反対。将来、軍事施設に転用されることを懸念した反対派と地元の活性化を望む賛成派が衝突した。琉球政府は下地島空港建設を白紙撤回を要請し、日本政府は同年9月に飛行場建設中止を発表したが、11月には琉球政府が飛行場誘致の方針を決定。1971年(昭和46年)8月に空港は軍事転用しないとの主旨の屋良覚書琉球政府と日本政府との間で交わされ、沖縄返還前月の1972年(昭和47年)4月に下地島訓練飛行場の着工に至った[14][15]

着工以降の沿革編集

就航路線編集

国内線編集

国際線編集

施設編集

エプロンは6バース[45]。旧ターミナルは航空局が入る建物となっており、その他沖縄県の空港事務所が入る建物が並んでいる。エプロンへの車両入り口横にはJALとANAの訓練所だった建物が今も残されている。ボーディングブリッジは設置されておらず、新たに建設された空港ターミナルから航空機までは徒歩移動となる。また、チェックインエリアには売店が、出発エリア内にはCafe&Barや、鑑賞池が配置されている[46]

下地島VOR/DME及びILSが整備されており[4][47]、国土交通省大阪航空局の宮古空港・航空路監視レーダー事務所下地島空港分室が置かれている[48]

VOR/DME及びILSの保守官署は、空港分室でなく宮古空港・航空監視レーダー事務所本所が担当している。[要出典]

下地島空港の利活用編集

利活用の検討と募集編集

航空各社が次々と下地島空港での訓練から撤退したことを受け、沖縄県では2013年(平成25年)4月に当空港の利用方針案を策定する部横断的な作業班を設置する[26]等して利活用を検討してきた。

2014年(平成26年)7月22日には、沖縄県土木建築部が、プライスウォーターハウスクーパースJTB沖縄共同企業体(JV)に「下地島空港及び周辺残地の利活用促進支援業務」を委託する契約を結び、デベロッパーを募集するための要項作成に取りかかるとともに、有識者による検討委員会を設置した[30]。そして、下地島を7つのゾーンに区分し、そのうち、下地島空港の滑走路部分と空港周辺用地の以下の4つのゾーンについて利活用策を募集した。

  • 空港および航空関連
  • 国際都市活用
  • 観光リゾート
  • スポーツコミュニティー

事業の選定と合意書の締結編集

その結果、2015年(平成27年)1月までに10案の応募があり[49]、3月31日には、沖縄県が利活用事業者の候補として、以下の4事業を提案した4社を選定したことを発表した[50][51]

このうち三菱地所は12月25日に、同空港への旅客ターミナル建設を沖縄県に提案[32]。富裕層のプライベートジェットだけでなく、宮古空港には未就航の国際線などの誘致を目指す。同社では2017年(平成29年)1月着工、2018年(平成30年)5月開業という計画を明らかにした[53]

2017年(平成29年)3月8日には、沖縄県がFSO及び三菱地所とそれぞれ下地島空港等の利活用に係る基本合意書を締結。FSOは2018年度(平成30年度)からパイロット育成事業を実施する予定で、2021年度の目標を操縦士免許取得者数73人とした。また、三菱地所は2017年(平成29年)6月に旅客ターミナル施設の整備に着手し、2018年(平成30年)9月までに工事及び準備を終え、同年10月に開業して、LCCや国際便を就航させる計画で、年間航空旅客数の目標を2018年(平成30年)に5万5千人、2021年に30万人、2025年に57万人とした[35][36][37]

一方、星野リゾートは辞退し、AAAは調整がつかなかった[54]

事業の実施状況編集

2017年(平成29年)8月、三菱地所は、建築確認申請に時間を要していることや、労働力が不足していることを理由に、開業を2019年(平成31年)3月末に延期することを明らかにした[55]。同年10月11日には旅客ターミナルに着工している[40]

2018年(平成30年)10月15日、三菱地所等は、ターミナルの開業を2019年(平成31年)3月30日に決定したと発表。また、同年春頃にジェットスター・ジャパン成田国際空港との間に1日1便の定期便を就航させることも公表した[56][57][58][59][60]。その後、定期便の就航が3月30日になることが公表され、3月30日に予定通りターミナルが開業するとともに、定期便が就航した[60][10][11][12]

また、2019年(令和元年)5月13日には、FSOによるパイロット養成訓練が開始されている[61][62]

下地島空港の軍民共用化問題編集

下地島空港の軍事利用編集

下地島空港は沖縄本島と台湾・中国大陸の中間にあり、また尖閣諸島にも近く、日本全体でも数少ない滑走路両端にILSが設置された空港でもある。航空自衛隊が使用する那覇空港は軍民共用であり、かつ民間の発着便数の多さだけでも過密といえる状態である。中国の軍事的脅威や尖閣諸島の領土問題普天間飛行場の移設問題(普天間基地移設問題)も含め、地政学的見地からも下地島空港への米軍や自衛隊配備を支持する意見があった[63]一方、これに反対する意見もあった[64]

屋良覚書編集

飛行場設置に当たっては住民の反対運動と誘致運動が繰り返された末、1971年(昭和46年)に日本政府と当時の屋良朝苗琉球政府行政主席との間に交わされた「屋良覚書」によって反対運動が収まり、空港建設が決定した。

その内容は

  1. 下地島飛行場は、琉球政府が所有及び管理を行い、使用方法は管理者である琉球政府が決定する。
  2. 日本国運輸省(現・国土交通省)は航空訓練と民間航空以外に使用する目的はなく、これ以外の目的に使用することを琉球政府に命令するいかなる法令上の根拠も持たない。
  3. ただし、緊急時や万が一の事態のときはその限りではない。

というものである[65]

また「屋良覚書」を補完するものとして、1979年(昭和54年)に当時の西銘順治沖縄県知事が森山欽司運輸大臣宛に提出した、いわゆる「西銘確認書」が存在する。同確認書では、下地島飛行場を空港に転換するにあたり

  1. 下地島空港の維持管理にあたっては、県費の持ち出しをしないことを基本とした訓練使用料を設定する。
  2. 下地島空港は、人命救助、緊急避難等特にやむを得ない事情のある場合を除いて、民間航空機に使用させる方針で管理運営する。

という沖縄県の要望に対し、運輸省側からは「下地島空港の運営方針は、第一義的には設置管理者たる沖縄県が決める問題であると考えている」との返答があったものである。

日本政府は2004年(平成16年)に「屋良覚書」に関連する質問主意書への回答で、「下地島空港は、公共の用に供する飛行場として適切に使用する必要があり」、そのため「パイロット訓練及び民間航空以外の利用が当然に許されないということではない」と回答するとともに、「その利用についての調整の権限は、引き続き、管理者である沖縄県が有している」として[66]、航空訓練・民間航空以外への利用に関しては沖縄県が判断すべき問題であるという姿勢を示しており、2013年(平成25年)に提出された質問主意書への回答でもその立場を崩していない[67]

旧伊良部町の請願編集

下地島空港の地元である旧伊良部町では、2005年(平成17年)3月16日に開催された町議会で、下地島空港への自衛隊誘致の請願を賛成9 反対8で可決した。この請願は、2004年(平成16年)11月10日に宮古島及び石垣島沖合で発生した漢級原子力潜水艦領海侵犯事件や尖閣諸島問題を念頭に、「先島圏域における住民の安全確保には、下地島空港への自衛隊誘致・駐屯が必要」との理由で9名の議員が提案したものであった[68]。この請願を提案した議員らは、住民に対して「放って置いたら下地島空港に米軍が入ると考え、自衛隊を誘致して振興策を得ることがいいと判断した」とも説明している[69]

3月24日に開催された住民説明会では、請願を提案した議員が「住民の半数が参加すれば、誘致決議の撤回も考える」と述べたことを受け、主催者発表で町民ら約3,500人が参加。同議員らは謝罪し、翌日の臨時議会での白紙撤回を明言。翌3月25日の伊良部町臨時議会で16日の自衛隊誘致決議と2001年(平成13年)の自衛隊訓練誘致決議の白紙撤回が賛成16 反対1で決議された[69][70]

その後編集

2005年(平成17年)10月1日に伊良部町は合併により宮古島市になり、下地島空港の利活用としては、民間のデベロッパーによる旅客ターミナル建設の計画が進んだ(#下地島空港の利活用参照)。

交通編集

沖縄県道252号平良下地島空港線[注釈 4]が、本空港と宮古島市市街地の平良とを結んでいる。下地島と狭い水路を挟んで隣接する伊良部島の間には数本の橋が架かっており、伊良部島と宮古島の間には2015年1月31日に伊良部大橋が開通している。

かつては宮古島の平良港と伊良部島の佐良浜港の間に宮古フェリー及びはやての高速船(所要時間 15分)やフェリー(所要時間 25分)が就航していたが、伊良部大橋の開通に伴い廃止された。

2019年3月30日の旅客ターミナル開業に合わせて、宮古協栄バス及び中央交通が本空港と宮古島市中心部を結ぶ定期バス路線を開設した[71][72]

景観編集

下地島空港北側の沖合には佐和田の浜を囲むように長さ20kmに渡り環礁が広がっている[73]

この海域に向かって延び、「ランウエイ17END」(ワンセブンエンド)と通称される滑走路17の進入端は絶景で知られており、滑走路沿いの管理用通路には多くの観光客が訪れていた[74]。また、タッチアンドゴー訓練が行われていた頃には、航空機撮影の名所として知られていた[75][76]。しかし、伊良部大橋の開通以降は観光バスや乗用車が増加しており、交通混雑や交通事故が起き、空港のフェンスが破損したり舗装の継目に段差が生じるといった空港の管理や保安上の問題が発生していた。そこで、2019年3月30日の定期便就航を前に保安管理に万全を期すため、同年3月23日から管理用通路は全面車両通行止めになった[74][77]。ただし、徒歩での通行は可能である[78]

ギャラリー編集

下地島空港に関連する作品編集

  • ストラトス・フォー - 下地島を舞台としたアニメ。近未来の下地島空港を基地とする彗星迎撃部隊が描かれる。
  • 機体消失 - 元ANA機長の作家内田幹樹による下地島空港を舞台にした小説。
  • 空母いぶき - かわぐちかいじ作の漫画。尖閣諸島を巡って中国との紛争が勃発、下地島空港は自衛隊基地として登場するが、破壊される。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 東京国際空港等の大規模空港も含め、国内の大多数の空港では、ILSは滑走路の片側にのみ設置されている。
  2. ^ 下地島空港からの撤退後、JALはグアム国際空港へ、ANAは中部国際空港へ訓練を移している[6][7]
  3. ^ ジェット旅客機については、2017年(平成29年)10月にバニラ・エア[8]2018年(平成30年)1月にはJTAが訓練を行っており[9]、その他の航空機については、琉球エアーコミューター(RAC)、海上保安庁国土交通省航空局が訓練を行っている。
  4. ^ 伊良部大橋とその取付道路以外の大半の区間は、既存の他の県道との重複区間である。

出典編集

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  4. ^ a b c d e f g h 下地島空港 - 沖縄県土木建築部
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  77. ^ “下地島空港17側管理用通路の車両通行止めについて” (プレスリリース), 沖縄県, (2019年2月20日), https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/doboku/kuko-shimoji/koutsuu_kisei.html 
  78. ^ “観光往来増加で車両の通行止め/下地島空港管理通路”. 沖縄タイムス. (2019年2月21日). https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/387700 

外部リンク編集