姉崎地区

千葉県市原市の地区
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姉崎地区(あねさきちく)は、千葉県市原市の地区。市原市役所姉崎支所が管轄している[3]。なお、市原市役所有秋支所が管轄している有秋地区(ゆうしゅうちく)も含めた範囲を姉崎地区とする場合もあるため、本記事では有秋地区についても扱う[3]

姉崎地区
市原市の地区
姉崎地区・有秋地区
姉崎火力発電所
姉崎地区の位置(千葉県内)
姉崎地区
姉崎地区
姉崎地区の中心地
北緯35度28分16.9秒 東経140度2分43.4秒 / 北緯35.471361度 東経140.045389度 / 35.471361; 140.045389座標: 北緯35度28分16.9秒 東経140度2分43.4秒 / 北緯35.471361度 東経140.045389度 / 35.471361; 140.045389
日本
都道府県 千葉県
市町村 市原市
市内地区一覧 姉崎地区市原地区五井地区三和地区市津地区辰巳台地区南総地区加茂地区有秋地区ちはら台地区
支所設置 姉崎支所1963年5月1日、有秋支所1989年10月1日
管轄支所 姉崎支所姉崎)・有秋支所有秋台西
面積
 • 合計 34.23675 km2
 • 姉崎地区 19.72488 km2
 • 有秋地区 14.51187 km2
人口
2023年令和5年)4月1日現在)
 • 合計 42,035人
 • 密度 1,200人/km2
 • 姉崎地区
28,484人
 • 姉崎地区密度 1,400人/km2
 • 有秋地区
13,551人
 • 有秋地区密度 930人/km2
等時帯 UTC+9 (JST)
市外局番 0436[2]
ナンバープレート 市原
座標は市原市役所姉崎支所付近

概要 編集

姉崎地区(有秋地区含む)は、市原市では五井地区市原地区(辰巳台地区含む)に次ぐ3番目の人口規模を誇る地区であり、人口総数は合計で約42000人と千葉県内では富津市館山市とほぼ同規模である。この地区一帯は姉崎古墳群と呼ばれる、古墳が非常に多い地域であるほか、約2千年前の姉埼神社建立など市原市内では最も長い歴史を持つ地区にあたる[4]

また沿岸には1960年頃から工業地域が発達しており、主に化学系の工場が多く立地しているほか、JERA姉崎火力発電所などが立地する。当地区にある姉ヶ崎港千葉港千葉港区第4区の拠点港である。農産物も有名で、第42回日本農業賞大賞受賞の姉崎だいこん、皇室に献上されている姉崎いちじく等は市場で非常に高い評価を得ている[5]

都心からのアクセスでは、東京都千代田区東京駅から地区の中心駅である姉ケ崎駅まで、京葉線経由の特急さざなみ号で最速47分、京葉線経由の通勤快速で最速50分、京葉線経由の快速で最速59分、総武快速線経由の快速で最速63分となっている[6]。なお姉ケ崎駅は、経由する全ての定期列車が停車する[6]

一部において島野など養老川より南側かつ館山自動車道より西側の地域も姉崎地区とする場合もある。

地理 編集

地名 編集

姉崎地区 編集

有秋地区 編集

その他 編集

島野は、字内に鎮座している島穴神社と姉崎の姉埼神社の関係から姉崎地区に属すると考える者もあるが、旧五井町域にはいるため、行政上は完全に五井地区となっている[4]

河川 編集

主な河川は以下の通りである。

  • 椎津川
  • 片又木川
  • 不入斗川
  • 深城川
  • 今津川

主要住宅地 編集

 
青葉台団地

土地区画整理事業 編集

歴史 編集

 
姉埼神社拝殿

地名「姉崎」 編集

由来 編集

伝承として3つの説がある。1つ目は、姉埼神社の主祭神の志那斗弁命はがその弟神(夫とする説も)である志那津彦命よりも先にこの地にたどり着いたため、この地の名前が「姉先(あねさき)」となった説[4]。2つ目は、志那斗弁命が志那津彦命の帰りを待っていた際に発言した「待つは憂きものなり(待つのは辛いことである)」を、「松は憂きものなり(松は嫌なものである)」と勘違いしため、姉埼神社境内の松の木を全て伐採した上で、地名を「姉松(あねがまつ)」から「姉先(あねがさき)」に変更したとする説[4]。3つ目は、かつてこの地域では、姉妹のうち、姉より妹の方が早く嫁入りする例が多く見られ、姉の方に早く嫁入りしてほしいという願いから地名を「姉松(あねがまつ)」から「姉先(あねがさき)」に変更したとする説[4]。また、地形に基づく説として「埴埼(はにさき:赤土の露出した台地の先)」が変化して「姉埼(あねさき)」となった説がある[4][7]

言い伝え 編集

志那斗弁命志那津彦命の帰りを待ちわびて「待つは憂きものなり」と歎かれ同音の「松」を忌むようになったとされる。このことから姉埼神社の境内には松の木は見られない他、姉埼神社氏子地域では正月に門松を飾るのは宜しくないとされ、市原市門榊カードなどの門松の代替品をホームページから印刷できるようにしている[4]

現在見られる表記と読み 編集

歴史的に見ても表記が「姉崎」「姉前」「姉ヶ崎」であったり、読みが「あねがさき」「あねさき」であったり時期によって異なるため、現在残っている表記や読み方も様々になっている[7]。現在一般的なのは姉崎と書いて「あねさき」と読むものである。なお、古くからの住民には、「あねざき」、「あんさき」、「あんざき」と訛って発音する者も在る[4]。現在残っている表記と読みは以下の通りである[4][7]

名目 漢字表記 よみ 備考
行政 姉崎 あねさき 最も一般的な漢字表記及び読み仮名である。
姉ケ崎 あねがさき もともと『ヶ』であったが、現在は会社内で『ケ』に統一している模様。
姉ヶ崎 あねがさき こちらは『ヶ』のままである。
火力発電所 姉崎火力発電所 あねがさき この表記と読みの組み合わせのものはかなり珍しい。
神社 姉埼神社 あねさき 造はではなくが正しい。

過去にあった表記と読み 編集

過去に存在した表記と読みは以下のとおりである[4][7]

名目 漢字表記 よみ 備考
郵便局 姉崎郵便局 あねざき 1958年までは読みが「あねざき」であった。現在は「あねさき」。
神社 姉前神社 あねさき 境内に表記が残っている。
姉先神社 あねさき 境内に表記が残っている。

概歴 編集

市原市の一部となってから、市内の他の国鉄(JR東日本)の幹線駅を有する市原地区及び五井地区と同様に、工業を中心とした開発が実施されてきた[8]。姉崎地区では特に、石油化学工業がその中心であった[8]。姉崎地区は、駅西口側はすぐに工業地域(埋立前は海岸線)が広がり、駅東口側は山がちな地形を示していることから、先に挙げた2地区と比べて平地が少ない[4]。高度成長期には人口増加に対処するために、山がちな地形の中に、姉崎住宅団地や青葉台団地など比較的規模の大きな団地を造成してはいたものの、やはりが先の2地区と比べて、人口増加が思わしくなかった[8]。近年は姉崎駅前の土地区画整理事業による駅舎橋上化と駅前ロータリー整備及び駅前道路拡張工事を実施した他、平成通りの片側1車線での暫定開業などが行われた。ここ数年に限ると、五井地区五井駅東側の未開発地域や、住民の反対によりあまり開発がされず、無秩序な開発が行われていた市原地区の八幡宿駅周辺の区画整理を実施しているため、姉崎地区ではほぼ目立った動きはない[9]

年表 編集

市制施行後の1963年昭和38年)5月1日以降の年表は以下の通りである。なお、それ以前は「姉崎町#年表」を参照。

行事 編集

地区内で行われる行事の日程と場所は以下の通りである[20]

人口 編集

2022年(令和1年)4日現在は以下の通りである[21][22][23]

地区 総数 平均年齢 人口割合
年少 生産年齢 老年
姉崎支所管内 28,519人 49.4歳 9.2% 58.6% 32.2%
有秋支所管内 13,702人 48.9歳 10.9% 55.7% 33.4%
姉崎地区合計 42,221人 49.2歳 9.8% 57.7% 32.6%

教育 編集

通学区域 編集

小学校と中学校の学区の対照は以下の通りである。

小学校 中学校 県立高校
市原市立姉崎小学校 市原市立姉崎中学校 第9学区 [24]
市原市立明神小学校
市原市立青葉台小学校 市原市立姉崎東中学校
市原市立有秋東小学校 市原市立有秋中学校
市原市立有秋西小学校
市原市立有秋南小学校
市原市立千種小学校 市原市立千種中学校

状況 編集

小学校 編集

各小学校の児童数の推移は以下の通りである[8][24][注釈 4]

年度 姉崎小 明神小 青葉台小 有秋東小 有秋西小 有秋南小 千種小
2023年度 225名 271名 352名 不明 不明 不明 711名
2022年度 245名 281名 346名 231名 331名 132名 699名
2021年度 247名 299名 337名 245名 352名 131名 709名
2020年度 278名 316名 344名 247名 345名 126名 740名
2010年度 310名 426名 517名 239名 272名 200名 879名
最大年度 約850名 約1,150名 約1,350名 約800名 約800名 約700名 950名

中学校 編集

各中学校の生徒数の推移は以下の通りである[8][24][注釈 4]

年度 姉崎中 姉崎東中 有秋中 千種中
2023年度 297名 168名 不明 不明
2022年度 303名 178名 352名 394名
2021年度 318名 178名 359名 430名
2020年度 319名 170名 337名 449名
2010年度 376名 258名 415名 401名
最大年度 約1,500名 約720名 約950名 478名

施設等 編集

行政施設 編集

治安施設 編集

社会教育施設 編集

医療施設・保健福祉施設 編集

スポーツレクリエーション施設 編集

学校教育施設 編集

子育て支援施設 編集

商業施設 編集

港湾施設 編集

工業施設 編集

神社仏閣 編集

遺跡 編集

名所 編集

閉鎖施設 編集

  • 遊宴館(姉崎807番地1):現在は老人ホームあさひガーデンが立地。
  • ゲームチャリオット姉崎店(姉崎487番地3):2011年11月30日閉店。現在は進学塾QUARDが中核のクオードビルが立地。
  • 市原市立朝山小学校(今津朝山):千種小学校に併合。
  • スーパーいずみ(泉台)
  • 生鮮市場トップワン(泉台3丁目1番地):現在は建物のみ残存。

交通 編集

鉄道 編集

バス 編集

 
あおばす

姉ケ崎駅東口発着 編集

  1. 小湊鉄道
    • 姉01系統:姉ケ崎駅東口〜姉崎高校前〜青葉台グリーンタウン
    • 姉02系統:姉ケ崎駅東口〜姉崎高校前〜青葉台グリーンタウン〜帝京大学ちば総合医療センター
    • 姉03系統:姉ケ崎駅東口〜姉崎高校前〜帝京大学ちば総合医療センター
    • 姉04系統:姉ケ崎駅東口〜有秋台団地下〜市原緑園都市ターミナル
    • 姉05系統:姉ケ崎駅東口〜有秋台団地〜市原緑園都市ターミナル
    • 姉06系統:姉ケ崎駅東口有秋台団地
    • 姉07系統:姉ケ崎駅東口〜有秋台団地下〜光風台駅
    • 姉30系統:姉ケ崎駅東口〜姉崎高校前〜帝京大学ちば総合医療センター〜市原緑園都市ターミナル〜光風台駅
    • 姉34系統:姉ケ崎駅東口〜姉崎高校前〜帝京大学ちば総合医療センター〜コストコ物流センター
    • 八21系統:八幡宿駅西口〜五井駅西口〜姉ケ崎駅東口別荘下[注釈 5]
    • 八22系統:八幡宿駅西口〜五井駅西口〜姉ケ崎駅東口[注釈 5]
    • あおばす急行姉ケ崎駅東口〜勾当水〜ダイヤパレス
    • あおばす姉ケ崎駅東口〜勾当水〜ダイヤパレス〜帝京大学ちば総合医療センター
    • あおばす姉ケ崎駅東口〜勾当水〜ダイヤパレス
  2. 日東交通
    • 姉ヶ崎・桜台団地線姉ヶ崎駅前桜台団地茅野

姉ケ崎駅西口発着 編集

  1. 小湊鉄道
    • 五23系統:五井駅西口〜アピタ前〜姉ケ崎駅西口
    • 長02系統:姉ケ崎駅西口長浦駅

姉崎ターミナル発着 編集

  1. 小湊鉄道
    • 姉21系統:姉崎ターミナル〜姉崎高校前〜青葉台グリーンタウン
    • 姉23系統:姉崎ターミナル〜姉崎高校前〜帝京大学ちば総合医療センター
    • 姉24系統:姉崎ターミナル〜有秋台団地下〜市原緑園都市ターミナル
    • 姉25系統:姉崎ターミナル〜有秋台団地〜市原緑園都市ターミナル
    • 姉26系統:姉崎ターミナル有秋台団地
    • 姉27系統:姉崎ターミナル〜有秋台団地下〜光風台駅
    • 姉28系統:姉崎ターミナル〜有秋台団地下〜緑園都市ターミナル〜光風台駅

道路 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 姉崎地区に属するのは一丁目から四丁目まで。五丁目から七丁目は五井地区
  2. ^ 小字:屏風ノ内、浜田、南町、仲町、下田、駒ケ崎、鶴牧、北辺田、茶ノ木、竹ノ越、五霊台、外郭、根ノ上、寺田、二才山、瀬尾山、向原、尾崎、杉ノ木、川田、道六神、初崎、下ノ関、坊窪、下中台、堰谷、島原、小木戸、上中台、中台、茶畑、西新田、東新田、上志々通、松山、松上台、帯屋田、日ノ宮、岩ノ谷、松上、尾越、道作、柳ノ内、堂ノ下、下志々通、唐上下、小谷、下大谷、花萩、上大谷、下椎木、大椎木、新唐上、唐上、念切、念切台、永畑、小椎木、中林、上椎木、代地
  3. ^ 小字:萩ノ谷、花林、新林、上金口、打越、下打越、中谷、椎津坂、金口谷、金口、山谷、中山谷、寺ノ腰、下野別当、上野別当、上山谷、生鳳谷、椎木谷、南椎津、大縊、狢沢、生鳳、タラン坊、高石、新田、茶木沢、新田台、二枚橋、金草、新田谷、日休、二重堀台、地蔵面、バチ谷、大ツ作、上新田、京田、京田脇、上京田、大沢、中大沢、大沢台、上細山
  4. ^ a b 太字は最大と最小。
  5. ^ a b 五22系統と八21系統・八22系統は五井駅から姉ケ崎駅間ほぼ別区間走行

出典 編集

  1. ^ 令和4年度市原市統計書データ”. 市原市 (2022年4月1日). 2023年8月16日閲覧。
  2. ^ 市外局番一覧 - 総務省(2017年12月6日閲覧)
  3. ^ a b 市原市役所支所設置条例”. www.city.ichihara.chiba.jp. 2022年8月23日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k 姉崎歴史”. 市原歴史博物館. 2022年7月5日閲覧。
  5. ^ 平成最後の皇室献上-姉崎いちじく”. www.google.com. 千葉日報. 2022年7月31日閲覧。
  6. ^ a b 千葉支社ダイヤ改正2022”. JR東日本. 2022年3月23日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h 姉崎産業祭 ~2019 あふれる笑顔 みんなで楽しむ 姉崎産業祭~”. anesakisangyousai.web.fc2.com. 2022年7月21日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h i j k 矢島秀朗『市原現代年表』市原市、2016年12月。 
  9. ^ 市原市拠点形成構想”. 市原市. 2022年10月10日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g 千葉県土地区画整理事業一覧”. 千葉県. 2022年7月21日閲覧。
  11. ^ a b c d e f g h i j 市原市ホームページ-学校情報”. 市原市. 2022年7月21日閲覧。
  12. ^ a b c d 千葉県. “県指定文化財”. 千葉県. 2022年7月21日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g 市原市ホームページ-市原市指定文化財”. 市原市. 2022年7月22日閲覧。
  14. ^ a b c d e 市原市ホームページ-歴史”. 市原市. 2022年7月22日閲覧。
  15. ^ 令和元年度千葉県光化学スモッグの発生状況と対策”. 千葉県. 2022年8月19日閲覧。
  16. ^ 開発履歴 | 千葉県住宅供給公社”. www.chiba-kousya.or.jp. 2022年8月19日閲覧。
  17. ^ 捜査難航、風化懸念も 市原の2殺人事件10年”. www.chibanippo.co.jp. 2022年8月19日閲覧。
  18. ^ 市原市立姉崎中学校 思い出花火”. トレナビマッチング 全国とれたて情報「とれなび」. 2022年11月26日閲覧。
  19. ^ a b JR姉ケ崎駅公衆トイレをリニューアル”. 市原市. 2023年6月20日閲覧。
  20. ^ 市原市周辺の祭・盆踊り(イベント)一覧 [祭の日]”. 祭の日. 2022年7月27日閲覧。
  21. ^ 市原市防災アセスメント評価姉崎地区”. 2022年8月20日閲覧。
  22. ^ 市原市防災アセスメント評価有秋地区”. 市原市. 2022年8月20日閲覧。
  23. ^ 市原市姉崎地区人口2022年7月”. 市原市. 2022年7月22日閲覧。
  24. ^ a b c 市原市公共施設カルテ 学校教育施設”. 市原市. 2022年3月31日閲覧。

関連項目 編集