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応天の門

灰原薬の漫画作品

応天の門』(おうてんのもん)は、灰原薬による日本漫画作品。『月刊コミック@バンチ』(新潮社)にて2013年12月号から連載。

応天の門
ジャンル 歴史、クライム・サスペンス
漫画
作者 灰原薬
出版社 新潮社
掲載誌 月刊コミック@バンチ
レーベル BUNCH COMICS
発表期間 2013年12月号 -
巻数 既刊11巻(2019年7月9日現在)
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平安京を舞台に巻き起こる怪奇事件を、在原業平菅原道真が解き明かすクライム・サスペンス作品[1]。事件は平安時代に信じられていた物の怪などが引き起こすという形で発生するが、真相は人間たちが引き起こしたものとして解決される。また、事件の背景には、朝廷で勢力争いを繰り広げていた藤原氏伴氏といった有力貴族が何らかの形で関わっているなど、歴史ものとしての側面も描かれている[2]

本作の監修は東京大学史料編纂所本郷和人が担当しており、単行本には平安時代の文化・風俗に関する解説文を書いている。

第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞作。

あらすじ編集

藤原氏が朝廷の実権を掌握しつつあった時代。平安京の貴族たちの間では、その藤原氏の屋敷から夜な夜な下女が行方不明になるという事件の噂で持ちきりとなっていた。貴族たちは「鬼の仕業」と言い出し、その噂は帝の耳にも届くようになった。都の守護を務める在原業平は、帝の命を受け犯人捜しを始めるが、下女誘拐の犯人として自身の縁者である紀長谷雄が捕縛されてしまう。長谷雄の無実を証明しようとする業平は、捕縛の場に居合わせた長谷雄の学友・菅原道真に協力を依頼し、不承不承協力を約束した道真と共に犯人捜しを続けることになった。

捜査の甲斐あって下女の行方不明事件を解決した業平と道真は、以降も都で起こる怪奇事件を解き明かしていくが、次第に事件の背後に関わる藤原氏と伴氏の勢力争いに巻き込まれることになる。

登場人物編集

主人公編集

在原業平(ありわら の なりひら)
左近衛権少将。都の守護を務める役目柄、都で起こる怪奇事件の捜査に当たる。好色漢として有名で、数々の貴婦人と浮名を流しているが、本人はかつて関係を持っていた高子のことを忘れられないでいる。 白梅から好意をもたれておりそれを度々利用しているが、宣来子からは警戒されている。女性の香を聞くだけで誰のものかわかる特技をもつ。根っからの人たらし。 反藤原派との宴会を度々ひらいている。
菅原道真(すがわら の みちざね)
文章生。長谷雄からは「菅三殿」、屋敷の女房からは幼名の「阿呼さま」と呼ばれている。普段はを被っているため隠れているが、病で亡くなった兄・吉祥丸に負わされた傷痕が額にある。
学問に秀で洞察力もあるため、業平に度々事件への協力を頼まれている。おびただしい数の書籍を父・是善と共に所蔵している。遣唐使として大陸に渡ることを目標にしており、そのために学問に精進している。貴重な書物・墨に目がない。人と馴れ合うことが嫌いなため、屋敷に閉じこもりなことが多い。また、年若いため貴族社会の理不尽さには憤りを感じている。リアリストで物の怪・怨霊などの迷信は全く信じていない。厄介事に巻き込まれるのを嫌い常に相談者へ突っ慳貪な対応をとるが、相手の心理を汲み取り応じる優しさもある。
兄の死の原因となった藤原家を憎んでいる。是善に抗議するために数日間断食や、現実逃避のために出奔するなど頑固で行動的なところもある。
普通の貴族と違い、民衆とも分け隔てなく接する。

菅原家編集

菅原是善(すがわら の これよし)
道真の父。天皇の侍読をしており、ときには天皇に頼みにされることもある。藤原家の恐ろしさを知り逆らえずにおり、道真には藤原家と関わって欲しくないと思っている。道真に負けず劣らずの本好き。
吉祥丸(きっしょうまる)
白梅(はくばい)
森本の翁に仕える女房。翁の元で漢学を学び、翁の死後は道真に仕える。識字に長け、道真父子の書倉の整頓・管理を任されている。玉虫姫の一件を業平から知らされている高子から玉虫姫とも呼ばれている。宣来子とは読書を通じて友人関係となり、時には道真との恋の相談も聞く。
桂木(かつらぎ)

藤原北家編集

藤原良房(ふじわら の よしふさ)
左大臣藤原北家を率いる朝廷の実力者で、今上帝の外祖父でもある。自身と藤原氏の権勢を強めることに執着し、その妨げになる人間は一族の者であっても容赦しない。
娘の明子に続き、姪の高子を入内させようと画策しており、かつて高子と関係を持っていた業平を警戒している。
藤原高子(ふじわら の たかこ)
良房の姪。良房の権勢拡大の策として、年若い帝に入内することになっている。かつて業平と駆け落ちしたことがあり、今でも業平に想いを寄せ、時折文を送り合っている。大胆な行動を躊躇いもなく起こすことがあり、また道真の性格を見通して物で釣って協力させたことなどから、道真から「強烈な姫」と評される。
藤原基経(ふじわら の もとつね)
左近衛中将、参議。良房の甥で高子の兄。良房の養子となり、英才教育を受け育ち朝廷内の実力者となる。
良房同様に冷徹な人物で、兄の国経遠経のことまで内心見下しており、高子からは良房以上に恐れられている。良房同様業平を警戒しており、道真のことも多少警戒している。
藤原遠経(ふじわら の とおつね)
藤原国経(ふじわら の くにつね)
藤原良相(ふじわら の よしみ)
藤原常行(ふじわら の つねつら)
藤原多美子(ふじわら の たみこ)

伴家編集

伴善男(とも の よしお)
大納言。良房に次ぐ朝廷の実力者。藤原氏に代わり朝廷の実権を掌握しようとしており、様々な策謀を画策している。
伴中庸(とも の なかつね)

その他朝廷関連編集

紀長谷雄(き の はせお)
業平の妻の縁者で、道真の学友。博打や女に目がなく、文章生試験にも消極的で落第し続け、度々問題を起こしては道真に助けを求めているため、道真には突き放された物言いをされることが多い。
島田忠臣(しまだ の ただおみ)
基経に仕える漢詩人。道真の師であり、また是善の弟子でもある。基経の命で裏で暗躍している。
島田宣来子(しまだ の のぶきこ)
忠臣の娘で道真の許嫁。政略結婚で許嫁となっているが道真のことを心から愛し、道真が得業生になったら正式に夫婦になると約束している。
わずか12歳で道真と同格の観察力を持ち、双六偏つぎもかなりの実力を持つなど学習力や記憶力に長けているが漢書が読めず、白梅が代わりに書物を読んであげる内に友人となる。
夫婦になるのを待ちきれず道真の屋敷の塀をよじ登り、侵入しようとするなどお転婆なところもある。
橘広相(たちばな の ひろみ)
大内裏八省院内大学院に勤める学者で道真の師。是善の元で学んだこともあり、今でも懇意にしている。道真が師事している数少ない人物のひとり。
紀豊城(き の とよき)
源信(みなもと の まこと)
源融(みなもと の とおる)
清和帝(せいわてい)

市井編集

昭姫(しょうき)
都の遊技場を束ねる女主人。からやって来た渡来人唐物に詳しいため、唐物が関わる事件の際には道真が相談に訪れる。以来、何かと頼りにされる。
長谷雄のことを「御得意様」として懇意にしているが、長谷雄からは苦手意識を持たれている。元唐の後宮の女官であった。

各話登場人物編集

「在原業平少将、門上に小鬼を見る事」編集

藤原親嗣(ふじわら の ちかつぐ)

「都を賑わす玉虫の姫の事」編集

森本の翁(もりもとのおきな)
雪代(ゆきしろ)
酒井久通(さかい ひさみち)

「藤原高子屋敷に怪現れたりの事」編集

筑紫(つくし)

「鏡売るものぐるいの事」編集

加持丸(かじまる)

「染殿の后、鬼に乱心せらるるの事」編集

染殿(そめどの)
遠山(とおやま)
真済(しんぜい)

「道真、明石にて水脈を見る事」編集

清川(きよかわ)
常丸(つねまる)
ハツ
「在原業平、多くの災難に遭うこと」
山吹(やまぶき)
肋丸(ろくまる)

「在原業平、京にて塩焼きの宴を催す事」編集

大江公幹(おおえ の きみみき)
藤原良近(ふじわら の よしちか)
藤原有貞(ふじわら の ありさだ)

「山科の宮、山中の笛の音に惑わさるる事」編集

皐月(さつき)
山科宮(やましなのみや)

「長谷雄、唐美人に惑わさるる事」編集

寧(ねい)

「都で流行りたりける暦の事」編集

家原郷好(いえはら の さとよし)
古川幹麻呂(ふるかわ の みきまろ)

「大学寮にて騒ぎが起こる事」編集

安野有兼(やすの ありかね)

「菅原道真、遊行する比丘尼に合う事」編集

青海尼(せいかいに)
清原定成(きよはら の さだなり)

書誌情報編集

脚注編集

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  1. ^ 灰原薬が@バンチ新連載、菅原道真&在原業平のサスペンス”. コミックナタリー (2013年10月21日). 2014年6月29日閲覧。
  2. ^ 菅原道真と在原業平がコンビを組んで事件を解決! 歴史ミステリコミック『応天の門』”. ダ・ヴィンチニュース (2014年6月5日). 2014年6月29日閲覧。

外部リンク編集