無用ノ介
『無用ノ介』(むようのすけ)は、さいとう・たかを作の日本の漫画作品、およびこれを原作とする連続テレビドラマ・単発テレビドラマである。
漫画:無用ノ介 | |||
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作者 | さいとう・たかを | ||
出版社 | 講談社 | ||
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掲載誌 | 週刊少年マガジン | ||
レーベル | 講談社コミックス | ||
発表期間 | 1967年 - 1970年 | ||
巻数 | 全15巻(講談社コミックス) 全15巻(小学館文庫) 全8巻(SPコミックス) | ||
テレビドラマ:無用ノ介 | |||
原作 | さいとう・たかを、さいとう・プロダクション | ||
監督 | 高橋繁男、下村堯二、土屋啓之助、香月敏郎 | ||
制作 | 国際放映、日本テレビ | ||
放送局 | 日本テレビ系列 | ||
放送期間 | 1969年3月1日 - 1969年9月20日 | ||
話数 | 全19話 | ||
テレビドラマ:豪剣!賞金稼ぎ 無用ノ介 二つの顔のお尋ね者・修羅街道に美女七人 | |||
監督 | 牧口雄二 | ||
制作 | テレビ朝日、東映 | ||
放送局 | テレビ朝日系列 | ||
放送期間 | 1990年10月8日 - | ||
話数 | 全1話 | ||
テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | 漫画、ドラマ | ||
ポータル | 漫画、ドラマ |
目次
概要編集
1967年から1970年まで講談社の『週刊少年マガジン』に連載されていた。
賞金稼ぎだった父と町の遊女との間に「無用の子」として生まれ、孤児として育った孤独な男で、自らも賞金稼ぎを生業とする隻眼の浪人・志賀無用ノ介が、我流の「野良犬剣法」で生きるために必死に戦う様を描く。単行本第4巻の第13話「夏の終わり 無用の介はひとり」において無用ノ介の母親らしき人物が登場するものの、母親ではないことが判明。以降、母親が誰なのかは不明のままとなる。
単行本編集
単行本は『週刊少年マガジン』版元の講談社のほか、小学館とリイド社からも発売されている。
- 講談社
- 講談社コミックス 無用ノ介 全15巻(1969年 - 1970年)
- 小学館
- 小学館文庫 無用ノ介 全15巻(1976年 - 1978年)
- My First BIG SPECIAL 自選無用ノ介 第1集 - 第3集(2016年)
- リイド社
- SPコミックス 劇画座招待席 48 - 56 無用ノ介 全9巻(1984年 - 1985年)
- SPコミックス 無用ノ介 全8巻(1999年 - 2001年)
テレビドラマ編集
連続テレビドラマ版編集
1969年3月1日から同年9月20日まで日本テレビ系列局で放送。国際放映と日本テレビの共同製作。全19話(本放送時には第18話まで放送)。カラー放送。放送時間は毎週土曜 20:00 - 20:56 (日本標準時)。
主人公・無用ノ介役には、当時デビュー間もない新進俳優だった伊吹吾郎が扮した。伊吹は1万を越す書類選考と100人を越す面接を経て抜擢され、劇画と寸分違わぬイメージが話題となった。監修は内田吐夢が務め、主題歌「ひとり行く」は美空ひばりが歌うなど、テレビ時代劇史上類を見ない豪華さも話題を呼んだ。また、日本テレビのテレビ時代劇では初のカラー作品である。劇画の迫力そのままに、豪快かつ斬新な殺陣の場面、賞金稼ぎとして生きるがゆえの孤独や悲しみ、無用ノ介にまつわる人々の哀歓が、人間臭く骨太な作風で描かれた。ロードムービーの形式をとり、主人公の無用ノ介以外の出演者はすべてゲスト出演者である。
放送は7か月に及んだが、本放送時の放送回数は18回で最終回は未放送に終わっている。伊吹はプロ野球中継の放送が優先された雨傘番組扱いであったと証言しており、視聴率も苦戦したとされる[1]。
スタッフ編集
- プロデューサー:若尾初男、中沢啓作、新藤晃(日本テレビ)
- 原作:さいとう・たかを、さいとう・プロダクション
- 脚本:放送日程参照
- 監督:放送日程参照
- 監修:内田吐夢
- オープニングナレーション:伊吹吾郎(第1話 - 第5話)、芥川隆行(第6話 - 第19話)
- 撮影:小林茂、宮西良太郎
- 照明:矢口明、塩野昌弘
- 美術:朝生治男
- 音楽:宇野誠一郎
- 編集:神谷信武
- 録音:豊田博
- 助監督:香月敏郎、平野一夫、新津左兵、中野恵行、志村広、小俣堯、尾崎義幸
- 殺陣:渡辺高光、松宮康夫
- 制作担当:小林晋貮
- 舞台装置:美建興業株式会社
- 現像:東洋現像所
- 制作:国際放映、日本テレビ
主題歌編集
放送日程編集
話数 | サブタイトル | 放送日 | 脚本 | 監督 |
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1 | 虎穴にはいった無用ノ介 | 1969年 3月1日 |
猪俣勝人 | 高橋繁男 |
2 | 無用ノ介の首 五百両也 | 3月8日 | 土屋啓之助 | |
3 | 吹雪が無用ノ介の肩で舞う | 3月15日 | 小池一雄 さいとう・たかを |
下村堯二 |
4 | 無用ノ介・将棋・無用ノ介 | 3月22日 | 猪俣勝人 | 高橋繁男 |
5 | 夕日と弓と無用ノ介 | 3月29日 | ||
6 | 剣につばする無用ノ介 | 4月5日 | 西沢治 | 下村堯二 |
7 | 無用ノ介 世直し不動にあう | 4月12日 | 高橋繁男 | |
8 | 雨に消える無用ノ介 | 4月19日 | 下村堯二 | |
9 | やってきた無用ノ介 | 5月10日 | 高橋繁男 | |
10 | 無用ノ介 かまいたちの異造を追う | 5月17日 | 猪俣勝人 | 香月敏郎 |
11 | 月にうそぶく無用ノ介 | 5月24日 | 布勢博一 | 下村堯二 |
12 | 処刑前 無用ノ介は走る | 6月7日 | 小池一雄 さいとう・たかを |
高橋繁男 |
13 | 赤い月下の無用ノ介 | 6月21日 | 下飯坂菊馬 | 土屋啓之助 |
14 | 無用ノ介危機一髪 | 7月5日 | 西沢治 | 高橋繁男 |
15 | 天にさけぶ無用ノ介 | 7月19日 | [3] | 下村堯二 |
16 | さむらい渡とのらいぬ無用ノ介 | 8月23日 | 小池一雄 さいとう・たかを |
高橋繁男 |
17 | 夏の終わり 無用ノ介はひとり[4] | 9月6日 | さいとう・たかを | |
18 | おいらの好きな無用ノ介[4] | 9月20日 | 西沢治 | 下村堯二 |
19 | 明日に生きる無用ノ介 | 未放送 |
補足編集
- オーディションの選考には、伊吹のほかに和崎俊哉、村井國夫、地井武男などが残っていた[2]。最終的には伊吹と和崎の決選投票となり、票数では和崎が優っていたが、内田吐夢の意向によって伊吹に決定した[2]。
- 無用ノ介の傷跡は、日本手拭を茶色に染め、細く切ったものをニスで貼り付けて表現している[2]。
- 内田は本作品の後、伊吹をイメージに『子連れ狼』の映像化企画を検討していたが、伊吹では少し若すぎるとして実現していない[2]。
日本テレビ系列 土曜20:00枠 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
かみなり三代
(1968年10月12日 - 1969年2月22日) |
無用ノ介
(1969年3月1日 - 1969年9月20日) |
なんでもやりまショー
(1969年10月4日 - 1970年9月26日) ※19:30 - 20:30 右門捕物帖(中村吉右衛門版) (1969年10月4日 - 1970年3月28日) ※20:30 - 21:26 |
単発テレビドラマ版編集
1990年10月8日(月曜) 19:03 - 21:48 (日本標準時)、テレビ朝日系列局で単発ドラマ『秋の時代劇スペシャル 豪剣!賞金稼ぎ 無用ノ介 二つの顔のお尋ね者・修羅街道に美女七人』が放送された。テレビ朝日と東映の共同製作。
キャスト編集
- 無用ノ介:高橋英樹
- お艶:梶芽衣子
- お綱:大西結花
- お美代:坂上香織
- お松:あべ静江
- 銀次郎:清水健太郎
- 志賀勝
- 久富惟晴
- 浜田晃
- 荒木しげる
- 内田勝正
- 福本清三
- 木谷邦臣
- 笹木俊志
- 稲田龍雄
- 藤沢徹夫
- 池田謙治
- 勝野賢三
- 峰蘭太郎
- 出水憲
- 中島俊一
- 細川純一
- 広世克則
- 志茂山高也
- 滝野貴之
- 大村健次
- 中西勇太
- 治右衛門:山村聰
- 神兵衛:三木のり平
- 神津友子
- 千野沢子
- 杉村由紀
- 石井洋充
- 泉好太郎
- 加藤重樹
- 原田和彦
- 真崎理
- 八幡沙織
- 香住美弥子
- 及川潤
- 西村純一
- 斎藤弘勝
- 今井健二
- 曽根晴美
- 広瀬義宣
- 佐藤晟也
- 今いくよ
- 今くるよ
- 次郎太:松原桃太郎
- 早吉:柳沢慎吾
- 各務弾正:仲谷昇
- 権兵衛:川津祐介
- 市太郎:山本譲二
- お品:朝丘雪路
スタッフ編集
脚注編集
参考文献編集
- 石橋春海 『'60年代 蘇る昭和特撮ヒーロー』 コスミック出版〈COSMIC MOOK〉、2013年12月5日。ISBN 978-4-7747-5853-4。