羽幌町
羽幌町(はぼろちょう)は、北海道北部の西海岸にある半農半商の町で、留萌振興局管内中部の中心都市である。かつては、道内有数の炭鉱の街でもあった。夕日のきれいな街としても知られている。
はぼろちょう 羽幌町 | |||
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旧羽幌炭鉱羽幌本坑の立坑櫓 | |||
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国 |
![]() | ||
地方 | 北海道地方 | ||
都道府県 | 北海道(留萌振興局) | ||
郡 | 苫前郡 | ||
市町村コード | 01484-2 | ||
法人番号 |
5000020014842 ![]() | ||
面積 |
472.65km2 | ||
総人口 |
6,662人 [編集] (住民基本台帳人口、2020年12月31日) | ||
人口密度 | 14.1人/km2 | ||
隣接自治体 |
苫前郡苫前町、初山別村、 天塩郡遠別町、雨竜郡幌加内町 | ||
町の木 | オンコ(イチイ) | ||
町の花 | ツツジ | ||
他のシンボル | - | ||
羽幌町役場 | |||
町長 | 駒井久晃 | ||
所在地 |
〒078-4198 北海道苫前郡羽幌町南町1-1 北緯44度21分38秒東経141度41分50.2秒 | ||
外部リンク | 羽幌町 | ||
ウィキプロジェクト |
暑寒別天売焼尻国定公園の一部である天売島・焼尻島も羽幌町に属しており、多くの観光客が訪れている。夏は海水浴客が多い。甘えびの水揚げでも知られる。
町名の由来編集
アイヌ語が転訛したものであるが、以下の諸説がある[1][2][3]。
- 「ハプㇽ(hapur)」(柔らかい)…海岸の砂がやわらかであったことから
- 「ハポロペッ(ha-poro-pet)」(流出?・広大・川)…現在の羽幌川が出水時に砂浜を潰決する様から
- 「ハㇷ゚オㇿオペッ(? -oro-o-pet…前半部不明)」(ウバユリの鱗茎?・そこ・多くある・川)
1.は上原熊次郎や山田秀三らが採用しているものである[1]。2.は永田方正によるもので[1]、町でも同様の説を紹介している[2]。3.は1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』において、2.説を「疑問である」としたうえで、紹介されているものである[1][3]。
地理編集
羽幌(留萌地方)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
平均最高気温 °C (°F) | −1.5 (29.3) |
−1.0 (30.2) |
2.7 (36.9) |
9.4 (48.9) |
14.9 (58.8) |
18.9 (66) |
22.8 (73) |
24.6 (76.3) |
21.1 (70) |
14.9 (58.8) |
7.3 (45.1) |
1.1 (34) |
11.3 (52.3) |
日平均気温 °C (°F) | −4.7 (23.5) |
−4.5 (23.9) |
−0.6 (30.9) |
5.5 (41.9) |
10.6 (51.1) |
15.2 (59.4) |
19.2 (66.6) |
20.9 (69.6) |
16.9 (62.4) |
11.0 (51.8) |
4.2 (39.6) |
−1.6 (29.1) |
7.7 (45.9) |
平均最低気温 °C (°F) | −8.8 (16.2) |
−8.9 (16) |
−4.6 (23.7) |
1.4 (34.5) |
6.3 (43.3) |
11.5 (52.7) |
16.0 (60.8) |
17.3 (63.1) |
12.3 (54.1) |
6.6 (43.9) |
0.8 (33.4) |
−4.7 (23.5) |
3.8 (38.8) |
降雪量 cm (inch) | 198 (78) |
150 (59.1) |
94 (37) |
13 (5.1) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
0 (0) |
1 (0.4) |
58 (22.8) |
172 (67.7) |
686 (270.1) |
平均月間日照時間 | 56.5 | 81.9 | 137.6 | 172.3 | 200.4 | 191.8 | 171.7 | 171.6 | 176.8 | 129.5 | 54.4 | 35.6 | 1,580.1 |
出典: 気象庁[4] |
留萌管内中部に位置する。天売島(西側)、焼尻島(東側)の島嶼部も含む。
隣接している自治体編集
沿革編集
町の本格的な開拓は近隣の苫前町、初山別村より遅い明治中期以降であるが、大正期に優良な石炭を産出する羽幌炭鉱が発見されて以来、石炭中心のモノカルチャー都市として発展。昭和40年の国勢調査では人口30,266人、世帯数6,840戸を数えた。しかし、炭鉱閉山の1971年(昭和46年)以降は過疎化が著しい。
昭和40年頃には、国鉄羽幌線、羽幌炭礦鉄道築別線、上羽幌線が通る羽幌駅の賑わいは最高潮に達した。昭和45年まで羽幌炭礦鉄道では野球、女子バレー、ジャンプ、卓球の実業団チームを有し、スポーツの町としてのの発展に大いに寄与した。
炭鉱閉山後の1971年(昭和46年)、人口がついに3万人を割り込み、あわてて市制を施行しようとしたが、町が国勢調査時に人口を大幅に水増しするという不正を行っていたことが発覚、町長ら幹部を含む83人が統計法違反などの容疑で書類送検される事件となった。その後も人口減が続いており、市制施行には至っていない。
経済編集
産業編集
主要産業は漁業、農業、観光(暑寒別天売焼尻国定公園)
金融機関編集
企業・商業施設編集
- 沿岸バス
- サンセットプラザはぼろ(アンビックス)
- NTTドコモ
- KDDI
- 総合衣料品店 八幡屋
- ベスト電器
- マツヤデンキ
- ツルハ
- ホクレン商事
- 大創産業
- ホーマックニコット
- 株式会社ダイゼン
- ハートフルはぼろ(複合商業施設)
- スーパー・衣料品店・飲食店などが入っている商業施設
特産品編集
- 焼尻めん羊(サフォーク)
- 甘エビ
- ねばり長芋
- グリーンアスパラ
- あっちゃんみそ
- 羽幌メロン
農協・漁協編集
- るもい農業協同組合(JAるもい)本所
- 北るもい漁業協同組合
郵便局編集
- 羽幌郵便局(集配局)
- 天売郵便局
- 焼尻郵便局
- 築別郵便局
- 羽幌北大通簡易郵便局
公共機関編集
警察編集
姉妹都市・提携都市編集
地域編集
人口編集
羽幌町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 羽幌町の年齢・男女別人口分布(2005年) |
■紫色 ― 羽幌町
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 |
羽幌町(に相当する地域)の人口の推移 | |
総務省統計局 国勢調査より |
消滅集落編集
2015年国勢調査によれば、以下の集落は調査時点で人口0人の消滅集落となっている[13]。
- 羽幌町 - 水面,字上羽幌,字築別炭礦,字羽幌礦
医療編集
- 総合病院
教育編集
交通編集
鉄道編集
現在、町内を走る鉄道路線は存在しない。鉄道を利用する場合の最寄り駅は、JR北海道留萌本線留萌駅。
廃止された鉄道路線編集
バス編集
- 沿岸バス – 羽幌町に本社設置
- 羽幌線代替バス、札幌線(特急はぼろ号)
コミュニティバス編集
- 羽幌町内循環バスほっと号(沿岸バスに運行委託)
港湾編集
- 羽幌港
- 羽幌沿海フェリー
- 羽幌 – 焼尻 – 天売
道路編集
レジャー編集
- 羽幌町総合体育館(パワデール)
- おろちゃんランド
- 羽幌町スポーツ公園パークゴルフ場
- 町民スキー場
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事編集
文化財編集
天然記念物編集
- 焼尻の自然林
- 天売島海鳥繁殖地
道指定有形文化財編集
町の文化財編集
- 9月の平神社祭で奉納される[8]。1900年(明治33年)、富山県平村(現・南砺市)の祖山地区[6]から羽幌町平地区に獅子舞道具がもたらされ[5][6][補注 1]、平神社に獅子舞を奉納したことから始まる。
- 7月の羽幌神社祭で奉納される[11]ほか、町内外のイベントで披露される[12]。1922年(大正11年)頃、石川県内灘町からの移住者が加賀獅子を羽幌神社に奉納したのが始まり[11][12]。ニシン漁の衰退とともに1953年(昭和28年)に一時中断したが、1974年(昭和49年)に羽幌加賀獅子舞保存会が結成されて復活した[12]。
神社編集
寺院編集
観光編集
- 暑寒別天売焼尻国定公園
- はぼろサンセットビーチ
- サンセットプラザはぼろ
- 北海道海鳥センター
- はぼろバラ園
- 朝日公園花菖蒲園
- 雲雀ヶ丘公園(焼尻島)
- 赤岩展望台(天売島)
- 観音岬展望台(天売島)
- 海の宇宙館(天売島)
祭事編集
- 甘エビ祭り 6月下旬
- 羽幌神社祭 7月上旬(平成22年7月8日〜10日)
- サンセットサマーライブ 7月上旬・はぼろサンセットビーチ(休止)
- サンセットビーチSummerフェスタ 7月下旬・はぼろサンセットビーチ
- 羽幌・焼尻めん羊祭り 7月上旬(平成22年7月3日〜7月4日)
- 天売うに祭り 8月上旬(平成22年7月31日〜8月1日)
- 焼尻めん羊まつり
食文化編集
マスコミ編集
その他編集
- 『女医・優〜青空クリニック〜』ロケ地
- 日本テレビドラマ版『幸福の黄色いハンカチ』ロケ地
- 天売島と焼尻島は北海道内でこの2か所のみ、選挙の繰り上げ投票が実施される(通常投票日の2日前)。これはニュースでも衆議院選挙・参議院選挙・北海道知事選挙・北海道議会議員選挙など投票があるたびに必ず取りあげている。
- 1980年5月6日、町内の山林で通称「北海太郎」と呼ばれる、巨大なオスのヒグマが射殺された。体重は少なくとも450kgあったとされる。
羽幌町人口水増し事件編集
1970年に行われた国勢調査において町の人口は2万8千人余であったが、翌1971年になって町議の告発がきっかけとなり約5,900人もの人口の水増しが行われていたことが発覚した。町では前回の1965年の国勢調査で当時の市制施行要件を上回る3万人余の人口を記録し、新庁舎の建設に着手するなど市制施行に向けた動きが活発になっていたが、町の経済を支えていた羽幌炭鉱の経営が悪化したことで人口の流出が進み、調査時には3万人を大幅に割り込んでいた。警察の捜査の結果、町長ら幹部を含む83人が統計法違反や公文書偽造の容疑で送検された[22][23]。
出身の有名人編集
脚注編集
出典編集
- ^ a b c d “アイヌ語地名リスト ノブト~ヒラキ P101-110”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
- ^ a b “まちの概要”. 羽幌町. 2019年3月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月22日閲覧。
- ^ a b 『北海道 駅名の起源』日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、第1版、107頁。
- ^ “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2011年6月22日閲覧。
- ^ a b c d e f “羽幌町・富山県平村(現・南砺市)友好都市締結30周年 (PDF)”. 『広報はぼろ』 平成21年12月号. 羽幌町. 2012年2月6日閲覧。
- ^ a b c d e “羽幌町”. 南砺市友好交流協会. 2012年2月4日閲覧。
- ^ a b “羽幌の起源”. 羽幌町. 2012年2月5日閲覧。
- ^ a b c “平越中獅子舞”. 北海道文化資源データベース. 北海道. 2012年2月6日閲覧。
- ^ a b “羽幌町・内灘町姉妹都市提携30周年 (PDF)”. 『広報はぼろ』 平成22年9月号. 羽幌町. 2012年2月6日閲覧。
- ^ a b “友好姉妹都市”. 内灘町. 2012年2月5日閲覧。
- ^ a b c d “羽幌加賀獅子舞”. 北海道文化資源データベース. 北海道. 2012年2月5日閲覧。
- ^ a b c d “わたしたちが引き継ぐ伝統芸能-羽幌加賀獅子舞”. 『教育ほっかいどう』 377号. 北海道教育委員会. 2012年2月5日閲覧。
- ^ [|総務省統計局統計調査部国勢統計課] (2017-01-27) (CSV). 平成27年国勢調査小地域集計01北海道《年齢(5歳階級),男女別人口,総年齢及び平均年齢(外国人-特掲)-町丁・字等》 (Report). 総務省 2017年5月20日閲覧。.※条町区分地の一部に0人の地域がある場合でも他の同一区分地で人口がある場合は除いた。
- ^ “旧小納家住宅”. 文化遺産オンライン. 文化庁. 2012年2月6日閲覧。
- ^ “羽幌町焼尻郷土館(旧小納家住宅)”. 北海道文化資源データベース. 北海道. 2012年2月6日閲覧。
- ^ a b c “平越中獅子舞”. 北海道文化資源データベース. 北海道. 2012年2月6日閲覧。
- ^ 羽幌神社(公式ホームページ)、羽幌神社
- ^ [1]
- ^ [2]
- ^ [3]
- ^ 高野山真言宗 成田山 真如院
- ^ 背伸びやめ 胸を張る 読売新聞 2007年9月1日
- ^ 羽幌町人口水増し事件
補注編集
- ^ 北海道文化資源データベースでは、故郷をしのんで獅子頭を制作した、との記述がされている。