2017年茨城県知事選挙
2017年茨城県知事選挙(2017ねんいばらきけんちじせんきょ)は、2017年8月27日に投開票が行われた[1]茨城県知事を選出するための選挙。
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概要編集
2017年茨城県知事選挙は、現職の橋本昌(6期目)の任期満了に伴う選挙である。橋本が日本の現職都道府県知事としては最多となる7期目を目指し、多選に反発した自民党が独自候補を擁立したため注目を浴びた。7選に挑む現職の橋本には、茨城県市長会、茨城県町村会、連合茨城、茨城県医師連盟などの団体が推薦を出したため、保守分裂選挙となった。民進党は自主投票の方針を採った[2]。
この選挙は、改正された公職選挙法において、選挙権が20歳から18歳に引き下げられてから、はじめての茨城県知事選となる。
タイムライン編集
- 2016年
- 2017年
- 3月1日 - 大井川が出馬する考えを正式に表明した。
- 4月5日 - 現職の橋本昌が出馬する考えを正式に表明した[4]。
- 4月27日 - 茨城県町村会、茨城県町村議会議長会、茨城県医師連盟、茨城県歯科医師連盟が橋本の推薦を決定[5]。
- 4月28日 - 大井川は連合茨城に推薦依頼を提出[6]。
- 5月10日 - 茨城県市長会が橋本の推薦を決定[7]。
- 6月15日 - 大井川から推薦依頼を受けていた連合茨城であったが、この日、連合は橋本の推薦を決定した[6]。
- 6月26日 - 動物愛護団体理事長の鶴田真子美が出馬する考えを正式に表明した[8]。
- 7月8日 - 民進党は自主投票とする方針を決定[9]。
- 7月13日 - 「県食と農と水政治連盟」(県農政連)が橋本の推薦を決定[10]。
- 7月17日 - 公明党が大井川の推薦を決定[11]。
- 7月21日 - 日本共産党県委員会など6つの政治団体が共同記者会見を開き、鶴田の推薦を発表した[12]。
- 7月31日 - 「橋本まさるを支援する市町村議員連盟」の決起集会が水戸市内のホテルで開かれた。800人あまりの全市町村議のうち、同連盟の会員は400人超。連盟の議員には自民党員も多く、保守分裂の様相はさらに強まった[13]。
- 8月2日 - 茨城県市長会が橋本の推薦を既に決定している状況下にもかかわらず、その決定に背き、高萩市長の小田木真代、古河市長の針谷力、ひたちなか市長の本間源基、笠間市長の山口伸樹、坂東市長の木村敏文、利根町長の佐々木喜章の6市町村長は、大井川の支援を表明。同日、大井川と政策協定を結んだ。このことに関して、茨城県市長会は、会の決定を無視して結束を乱す行動を取った当該6市町村長に対して不快感を表明した[14]。
- 8月10日 - 選挙が告示される。橋本の出陣式には日本維新の会の石井章参議院議員、茨城県議会の自民県政クラブの江田隆記代表らがかけつけた[15]。橋本は東海村にある東海第二原発について、この席上、「再稼働は認めない」と述べ、反対の姿勢を鮮明にした[16]。大井川は原発の再稼働問題については「賛成でも反対でもない」という曖昧な態度に終始した[11][17]。鶴田は原発の廃炉を訴えた[18]。
選挙データ編集
- 選挙事由:任期満了
- 告示日:2017年8月10日
投票日編集
選挙の争点編集
- 橋本県政6期24年の評価ならびに多選の是非
- 日本原子力発電・東海第2原子力発電所(東海村)の再稼働の是非
立候補者編集
知事選が告示された8月10日の立候補締め切り時点で3名が立候補を届け出た。
候補者名 | 年齢 | 党派 | 新旧 | 推薦・支持団体 |
---|---|---|---|---|
橋本昌 | 71 | 無所属 | 現職 |
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大井川和彦 | 53 | 無所属 | 新人 | |
鶴田真子美 | 52 | 無所属 | 新人 |
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選挙結果編集
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投票率は43.48%で前回(2013年)を11.74ポイント上回った[24][25]。当日の有権者数は242万9326人で投票者数は105万6280人であった[26]。
候補者別の得票数の順位、得票数[27][28]、得票率、惜敗率、供託金没収概況は以下のようになった。惜敗率は未発表のため暫定計算とした(小数3位以下四捨五入)。
順位 | 候補者名 | 党派 | 新旧 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 | 供託金 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
当選 | 1 | ■大井川和彦 | 無所属 | 新 | 497,361 | 47.50% | ---- | |
2 | ■橋本昌 | 無所属 | 現 | 427,743 | 40.85% | 86.00% | ||
3 | ■鶴田真子美 | 無所属 | 新 | 122,013 | 11.65% | 24.53% |
自民・公明の連立与党らが推薦した元IT企業役員・大井川が、全国最多となる7期目を目指した現職・橋本に対して僅か約70,000票差で当選した[29]。得票率で見ると、47.50%の大井川に対して、橋本も40.85%の得票率、という僅差の選挙結果であった。
脚注編集
注釈・出典編集
- ^ “茨城県知事選挙及び茨城県議会議員補欠選挙関連情報”. 茨城県選挙管理委員会. (2017年6月17日) 2017年6月20日閲覧。
- ^ “与党、茨城知事選へ総力=改造後初の大型地方選”. 時事通信. (2017年8月13日) 2017年8月14日閲覧。
- ^ “「ドワンゴ」取締役・大井川和彦氏、茨城知事選に擁立へ 自民県連が最終調整…元経産官僚の顔も”. 産経新聞. (2016年12月4日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “全国最多選タイの茨城・橋本昌知事が7選出馬を表明 当選なら単独最多に”. 産経新聞. (2017年4月5日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “茨城知事選、橋本氏に推薦状続々 県町村会、県医師連盟など”. 産経新聞. (2017年4月28日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ a b c “連合茨城が橋本氏推薦 県政を評価”. 東京新聞. (2017年6月16日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “県市長会、橋本氏に推薦状 公務で多忙…特別な追い風? 大井川氏は知名度向上へ奔走”. 産経新聞. (2017年5月11日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “知事選 鶴田さん出馬表明 東海第二「再稼働同意できぬ」”. 東京新聞. (2017年6月27日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “茨城知事選は自主投票=民進県連”. 時事通信. (2017年7月8日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “県農政連が橋本氏推薦 「実績や政策など考慮」 /茨城”. 毎日新聞. (2017年7月14日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ a b “知事選 公明が大井川さん推薦 「勢いあるうちバトンを」”. 東京新聞. (2017年7月19日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “共産など鶴田氏推薦 5項目の政策協定結ぶ /茨城”. 毎日新聞. (2017年8月25日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “<対決の構図 2017知事選>(中)橋本陣営 保守分裂に危機感”. 東京新聞. (2017年8月7日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “6市町長が新人支援、知事支援の市長会が不快感”. 読売新聞. (2017年8月5日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “知事選 あすの茨城を託すのは 3候補が熱く第一声”. 東京新聞. (2017年8月11日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “「再稼働反対」に揺れる東海村 茨城知事選ルポ”. 東京新聞. (2017年8月25日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “知事選 候補者アンケート(下)”. 東京新聞. (2017年8月17日) 2017年9月13日閲覧。
- ^ “【茨城県知事選】 鶴田真子美氏「知名度伸ばせなかった」”. 産経新聞. (2017年8月28日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “選挙のお知らせ”. 常総市 (2017年8月2日). 2017年8月14日閲覧。
- ^ a b “現新3氏の争いに=多選、原発再稼働争点-茨城知事選”. 時事通信. (2017年8月10日) 2017年8月14日閲覧。
- ^ “市長会、町村会長が辞意 知事選、現職落選で引責”. 茨城新聞. (2017年8月29日) 2017年8月29日閲覧。
- ^ “茨城県知事選告示、現職と新人の計3人が届け出”. 讀賣新聞. (2017年8月10日) 2017年8月14日閲覧。
- ^ “茨城知事選 6政党・団体が鶴田まこみ氏推薦へ”. KANAWeb:日本共産党県議 江尻かな Official Website (2017年7月23日). 2017年8月14日閲覧。
- ^ 茨城知事選 自公勝利 推薦の大井川氏が現職7選阻む2017年8月28日 東京新聞
- ^ “知事に大井川氏、刷新訴え初当選、橋本氏の7選阻む”. 茨城新聞 クロスアイ. (2017年8月28日) 2017年8月28日閲覧。
- ^ 県知事選投票結果速報 茨城県選挙管理委員会
- ^ 県知事選開票速報 茨城県選挙管理委員会(PDF)
- ^ NHK 選挙WEB 選挙データベース 茨城県知事選 - NHKオンライン、2017年8月29日閲覧
- ^ 茨城知事選、自公推薦の新人・大井川氏が当選2017年8月27日 讀賣新聞
関連項目編集
外部リンク編集
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