山下敦弘
山下 敦弘(やました のぶひろ、1976年8月29日 - )は、日本の映画監督。愛知県半田市出身[1]。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒業。
やました のぶひろ 山下 敦弘 | |||||
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本名 | 山下 敦弘 | ||||
生年月日 | 1976年8月29日(48歳) | ||||
出生地 | 日本・愛知県半田市 | ||||
ジャンル | 映画監督 | ||||
主な作品 | |||||
映画 『リンダ リンダ リンダ』 『松ヶ根乱射事件』 『天然コケッコー』 『味園ユニバース』 『オーバー・フェンス』 | |||||
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略歴・人物
編集愛知県立阿久比高等学校在学中から自主映画を製作。後の山下映画の常連俳優となる山本剛史とは中学校の同級生で、高校は別だったが自主映画仲間だった。
大学時代の先輩に熊切和嘉、山本浩司、宇治田隆史、本田隆一、元木隆史。同期には寺内康太郎、呉美保、柴田剛などがいる。卒業制作として撮った『どんてん生活』のビデオを、知人に配っていたら、篠崎誠経由で(北野武を国際的に紹介した批評家の)トニー・レインズに注目され、国際映画祭に出品される[2]。
大学の同級生だった向井康介(現在は脚本家)とのコンビで『どんてん生活』(1999年)『ばかのハコ船』(2002年)『リアリズムの宿』(2003年)の通称"ダメ男三部作"を20代で完成させ、そのオフビートな作風から「日本のアキ・カウリスマキ」「日本のジム・ジャームッシュ」などと称される(向井と2人の脚本共作体制は『松ヶ根乱射事件』まで続く)[誰によって?]。
その後、女子高生を主役にした『リンダ リンダ リンダ』(2005年)で新境地を開拓。『天然コケッコー』では、『ジョゼと虎と魚たち』の脚本家・渡辺あやと組み、第32回報知映画賞・最優秀監督賞を最年少受賞。2014年、咲くやこの花賞(文芸その他部門)受賞。キネマ旬報ベストテンでも『リンダ リンダ リンダ』(2005年6位)『天然コケッコー』(2007年2位)『マイ・バック・ページ』(2011年9位)『苦役列車』(2012年5位)『もらとりあむタマ子』(2013年9位)と、若手監督としては群を抜く入賞歴を誇っている。 向井と、やはり学生時代から組んでいたカメラマンの近藤龍人との3人で「真夜中の子供シアター」名義でも活動する。
俳優としても、自作や他人の監督作に出演。Theピーズ、作家の伊坂幸太郎らとのコラボレーション『実験4号』にも携わっている。
文芸誌『文学界』の鼎談で、入籍したことを明らかにしている。山本浩司、山本剛史・出演の『ふたりの山本』という短編のオチにそのことがネタになっている。
2015年、ドラマ『山田孝之の東京都北区赤羽』において、東京ドラマアウォード2015の演出賞を松江哲明とともに受賞[3]。
監督作品
編集劇場公開用映画
編集- どんてん生活(1999年)
- ばかのハコ船(2002年)
- リアリズムの宿(2003年)
- くりいむレモン(2004年)
- リンダ リンダ リンダ(2005年)
- 松ヶ根乱射事件(2007年)
- ユメ十夜(2007年)※「第八夜」監督
- 天然コケッコー(2007年)
- マイ・バック・ページ(2011年)
- 苦役列車(2012年)
- エアーズロック〜まさかの劇場版(2012年)※TVドラマ『エアーズロック』の上映用劇場編集版。11月3日吉祥寺バウスシアターにて)
- ありふれたライブテープにFocus(2013年)
- もらとりあむタマ子(2013年11月23日)
- 超能力研究部の3人(2014年12月6日)
- 味園ユニバース(2015年2月14日)
- オーバー・フェンス(2016年9月17日)[5][6]
- ぼくのおじさん(2016年11月3日)
- 映画 山田孝之3D(2017年6月16日)※松江哲明との共同監督
- ハード・コア(2018年11月23日)
- 1秒先の彼(2023年7月7日)
- カラオケ行こ!(2024年1月12日)
- 水深ゼロメートルから(2024年5月3日)
- 告白 コンフェッション(2024年5月31日)
- 化け猫あんずちゃん
短編映画
編集- その男、狂棒に突き
- よっちゃん
- 不詳の人
- 道(子宮で映画を撮る女)
- パリ、テキサス、守口
- 中学生日記(原作:Q.B.B)(2005年)
- It's a small world(DVD付き書籍『実験4号』の一部)
- 我ら天下を目指す
- 曇天吉日(keep walking theatreの一作)
- ご近所UMA[要曖昧さ回避]モロベエ(2012年)
- ランブラーズ2 (2021年)
- MIRRORLIAR FILMS Season1「無事なる三匹プラスワン コロナ死闘篇」(2021年)
テレビドラマ
編集- 谷村美月17歳、京都着。〜恋が色づくその前に〜(2007年)
- 蒼井優×4つの嘘 カムフラージュ(2008年、WOWOW)
- 週刊真木よう子「中野の友人」(2008年、テレビ東京)
- 深夜食堂「タマゴサンド」「アジの開き」(2009年、毎日放送)
- 深夜食堂2「唐揚げとハイボール」「缶詰」(2011年、毎日放送)
- 深夜食堂3「里いもとイカの煮もの」「きんぴらごぼう」(2014年、毎日放送)
- 深夜食堂 -Tokyo Stories-「アメリカンドッグ」「トンテキ」(2016年、Netflix)
- エアーズロック(2012年4月–7月、GAINAX)※今泉力哉と共監督
- 山田孝之の東京都北区赤羽(2015年、テレビ東京)※本人出演
- 山田孝之のカンヌ映画祭(2017年、テレビ東京)※本人役出演
- コタキ兄弟と四苦八苦(2020年、テレビ東京)
配信ドラマ
編集- モダンラブ・東京「最悪のデートが最高になったわけ」(2022年、Amazon Prime Video)[7]
その他
編集- 腐る女(1997年、ショートムービー)監督
- 鬼畜大宴会(1998年、熊切和嘉監督)助監督
- CM「角川文庫 夏の100冊」(2008年、松山ケンイチ主演)
- 土俵際のアリア(LISMOオリジナルドラマ、2009年)
- めちゃ怖(2009年、小池壮彦主演)監督
- MUSIC ON! TV ステーションID"シーズン・グリーティングID"「タマ子」シリーズ(2012年11月 - 、MUSIC ON! TV)
- 午前3時の無法地帯(BeeTV配信ドラマ、2013年)
- 乃木坂46「君の名は希望」ミュージックビデオ(2013年)
- フジファブリック「カンヌの休日 feat. 山田孝之」ミュージックビデオ(2017年2月15日)
- WEB CM「JT 山本彩 ひといきつきながら それぞれの道篇 」短編映像(2017年2月17日)
- ライス単独ライブ「ブラン」(2017年7月7日-7月9日、CBGKシブゲキ‼)OP映像監督
受賞歴
編集- 毎日映画コンクール
- 第62回日本映画優秀賞
- 報知映画賞
- 第32回監督賞
- TAMA映画賞
- 第8回最優秀作品賞
- 映画芸術
- 2005年度作品ベストテン第1位
- 2007年度作品ベストテン第3位
- 2012年度作品ベストテン第1位
- 2013年度作品ベストテン第6位
- キネマ旬報ベスト・テン
- 第79回日本映画ベスト・テン第6位
- 第79回読者選出日本映画ベスト・テン第3位
- 第81回日本映画ベスト・テン第2位
- 第85回日本映画ベスト・テン第9位
- 第86回日本映画ベスト・テン第5位
- 第87回日本映画ベスト・テン第9位
- 第90回日本映画ベスト・テン第9位
- ヨコハマ映画祭
- 第29回日本映画ベストテン第2位
- 朝日ベストテン映画祭
- 第70回最優秀作品賞
- ゆうばり国際ファンタスティック映画祭
- 第11回オフシアター部門グランプリ
- KINOTAYO現代日本映画祭
- 第10回ソレイユ・ドール 観客賞
- おおさかシネマフェスティバル
- 2015年監督賞
- 2015年日本映画ベストテン第3位
- 芸術選奨文部科学大臣新人賞
- 2018年度映画部門
出演作
編集- 世田谷リンダちゃん(タナダユキ監督)
- ピーカン夫婦
- 幽霊より怖い話 VOL.4
- 歌謡曲だよ人生は 乙女の祈り(宮島竜治監督)
- フィッシュストーリー(中村義洋監督)クラブのマスター役
- モテキ(テレビドラマ版第9話、漫画家のアシスタント役)
- たぶらかし-代行女優業・マキ-(第5話、山下役)
- 夢売るふたり(西川美和監督、2012年)
- いだてん〜東京オリムピック噺〜(第5話、カメラマン役)
脚注
編集- ^ 松井玲奈:出身地・豊橋で映画祭アンバサダーに 「すてきな時間と思い出を」 堤幸彦、山下敦弘らも参加へ まんたんウェブ 2018年8月28日閲覧。
- ^ 『ユリイカ』山下敦弘特集号
- ^ “『天皇の料理番』が4冠獲得 「東京ドラマアウォード2015」”. ORICON STYLE (2015年10月21日). 2015年10月21日閲覧。
- ^ アニメハック・ニュース 2024年4月21日(日)21:00 久野遥子&山下敦弘監督の日仏合作アニメ「化け猫あんずちゃん」第77回カンヌ国際映画祭監督週間に出品
- ^ “オダギリジョー×蒼井優×松田翔太!山下敦弘監督『オーバー・フェンス』に豪華キャスト集結”. シネマトゥデイ (2015年9月10日). 2015年9月10日閲覧。
- ^ 半澤孝平 (2016年7月13日). “映画「オーバー・フェンス」9月公開へ完成上映会 山下監督と満島さんインタビュー”. 函館新聞 (函館新聞社)
- ^ “水川あさみ、池松壮亮、黒沢清が参加「モダンラブ・東京」Prime Videoで配信”. 映画ナタリー. ナターシャ (2022年3月30日). 2022年3月30日閲覧。
関連項目
編集- Category:山下敦弘の監督映画
- 前田敦子 - 山下映画ファンで、『苦役列車』で助演、その後もコラボレーションに参加。