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いだてん〜東京オリムピック噺〜

2019年放送のNHK大河ドラマ

いだてん〜東京オリムピック噺〜』(いだてん とうきょうオリンピックばなし)は、2019年1月6日より放送のNHK大河ドラマ第58作[3]。単に『いだてん』とも[4]

いだてん〜東京オリムピック噺〜
Olympic flag.svg
オリンピック・五輪のシンボルマーク
ジャンル テレビドラマ
脚本 宮藤官九郎
演出 井上剛
西村武五郎
一木正恵
大根仁
桑野智宏
林啓史
津田温子
松木健祐
出演者 中村勘九郎
阿部サダヲ
(以下五十音順)
麻生久美子
綾瀬はるか
荒川良々
生田斗真
池波志乃
板尾創路
イッセー尾形
岩松了
柄本佑
柄本時生
大竹しのぶ
小澤征悦
勝地涼
夏帆
神木隆之介
上白石萌歌
川栄李奈
桐谷健太
黒島結菜
小泉今日子
斎藤工
塩見三省
シャーロット・ケイト・フォックス
白石加代子
菅原小春
杉咲花
杉本哲太
大東駿介
田口トモロヲ
竹野内豊
寺島しのぶ
トータス松本
永島敏行
中村獅童
永山絢斗
萩原健一
橋本愛
林遣都
古舘寛治
星野源
松尾スズキ
松坂桃李
松重豊
三浦貴大
満島真之介
皆川猿時
峯田和伸
三宅弘城
宮崎美子
森山未來
薬師丸ひろ子
役所広司
山本美月
リリー・フランキー
ナレーター ビートたけし(噺) / 森山未來(語り)
オープニング 「いだてんメインテーマ」[1]
時代設定 明治後期 - 昭和中期
プロデューサー 訓覇圭(制作統括)
清水拓哉(制作統括)
岡本伸三
家冨未央
吉岡和彦
結城崇史(VFX・海外制作)
制作 日本放送協会
放送
放送国・地域 日本の旗 日本
放送期間 2019年1月6日
放送時間 日曜 20:00 - 20:45
放送枠 大河ドラマ
放送分 45分
回数 47[2]
NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺〜」
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概要編集

日本が初めて夏季オリンピックに参加した1912年(明治45年)のストックホルムオリンピックから、幻となった東京オリンピック(1940年の予定が、戦争で返上)開催を決めた1936年(昭和11年)のベルリンオリンピックを挟んで、1964年(昭和39年)の東京オリンピック開催までの52年間の知られざる歴史を章立てに分け[注釈 1]、日本人初のオリンピック選手となった「日本のマラソンの父」金栗四三と、東京オリンピック招致に尽力した田畑政治日本水泳連盟元会長)の2人の主人公をリレーする形式で描く[3]。主人公が作中で変わる「リレー形式」となるのは『葵 徳川三代』以来19年ぶり[5]

物語は五代目古今亭志ん生が語る架空の落語『オリムピック噺』の語りにのせて進行するという形式で、随所に志ん生自身の人生も挿入され、その視点で見た明治から昭和にかけての東京の変遷も描かれる[3]

あらすじ編集

第1部 金栗四三篇・前半編集

物語は1959年インフラ整備が進む五輪招致目前の東京の寄席で開かれた古今亭志ん生による「オリンピック初参加にまつわる噺」で始まる。さかのぼること50年前の1909年、東京。柔道の創始者・嘉納治五郎は「スポーツ」という言葉すら知られていない時代に日本初のオリンピック選手派遣に向けて悪戦苦闘の末、選手選考会を開催。東京高等師範学校の学生・金栗四三がマラソンで日本人初のオリンピック出場権を勝ち取る。

熊本の山間にある農村で生まれ育った四三は、幼いころ学校まで往復12キロを走る「いだてん通学」で虚弱体質を克服し脚力を身に着ける。中学校卒業後は海軍兵学校進学を志望するも不合格。幼なじみの春野スヤに励まされて気持ちを切り替え、憧れの嘉納治五郎が校長を務める東京高等師範学校へ進学する。慣れない東京で学生生活を送るある日、街中を疾走する集団・天狗倶楽部に遭遇した四三は初めて「マラソン」を知り衝撃を受ける。徒歩部[注釈 2]に入部し益々走ることに夢中になる四三はオリンピックのマラソン選考会の参加募集を知り出場、日本では前代未聞の長距離かつ悪天候で多くの脱落者が発生するなか優勝する。代表選手に内定した四三は、国の代表という重圧や旅費の自己負担などに戸惑い悩む日々を送るが、嘉納の説得、仲間たちの応援、兄・実次の尽力に助けられ、前向きに練習を重ねていく。1912年5月16日、四三は選手団長の嘉納が出国できないトラブルの中、監督の大森兵蔵と妻の安仁子、短距離走代表の三島弥彦の3人と共に開催地であるストックホルムへ出発する。現地に到着した4人は、長い旅路での疲労、兵蔵の病臥、不慣れな白夜、沈鬱した弥彦の自殺未遂騒動といったアクシデントが続き困憊するが、四三の叱咤激励と協力で弥彦は立ち直り、兵蔵も快方に向かい、嘉納も遅れて合流する。こうして迎えた開会式、四三のこだわりで「NIPPON」と表記したプラカードを掲げ日本選手団は入場。100m走に臨んだ弥彦は予選敗退したものの、自己ベストを更新。400m予選では準決勝に進出するが、外国人選手との格段な実力の差を悟り力尽きた弥彦は勝利を四三に託し棄権する。そして長距離走に出場した四三は、途中足の痛みや苦しさを感じながらも応援してきた仲間や幼き日の自身の幻影に励まされ20位まで順位を上げていく。しかし、多くの脱落者が発生するほどの猛暑により四三も日射病を発症し、道を誤り辿り着いた民家で失神。ガイドと公使の判断でそのまま宿舎へ戻り、ゴール出来ずに終了する。

一方、語り部である志ん生こと美濃部孝蔵の若き日々も並行して描かれる。浅草を拠点に自堕落に生きていた孝蔵は、ある日、噺家・橘家円喬の高座を目にして強く心を惹かれ、落語に傾倒、円喬の弟子となり「三遊亭朝太」の芸名を与えられる。

第1部 金栗四三篇・後半編集

明治天皇が崩御し、元号大正に移り変わってからしばらく後、四三はストックホルムから帰国する。1913年春、四三は、一人息子を失った熊本の資産家・池部幾江の要請で彼女の養子となりスヤと結婚。スヤを熊本に残して東京に戻り、ベルリンオリンピック出場に向けて鍛練に打ち込む。多くの同期生が教職に就く中でも四三はマラソンに専念し、1914年には世界記録を更新するが、同年6月、第一次世界大戦の影響でベルリンオリンピックの開催中止が決定する。ショックのあまりに塞ぎ込む四三だったが、心配し駆けつけたスヤの叱咤激励で気持ちを切り替え、「自身が50人いたら50個メダルが取れる」という発想から、教員をしながら後継者の育成に力を入れて行く。その中で駅伝を思いつき、嘉納の協力のもと史上初の駅伝「東海道五十三次駅伝競走」、1920年には「箱根駅伝」を実現させる。同年、アントワープオリンピックの開催が決定。渡航費は国が負担し、渡航中の船上でトレーニングが出来るなど、前回からは恵まれた環境でオリンピックに臨んだ選手団だったが、結果は、テニスで日本初のメダル獲得を果たすも、他の種目は惨敗。後輩らを先導しながら競技に挑んだ四三も、マラソン選手としての適齢期を過ぎ足の痛みを抱えながら完走するも、16位に終わる。スヤや国民に対して面目無さを感じ、オリンピック終了後はベルリンに直行し放浪していた四三は、陸上競技を嗜む現地の女性たちと出会い、日本女子へのスポーツの普及を志す。帰国し、東京府立第二高等女学校へ赴任した四三は、授業を差し置き女生徒らにスポーツを推奨。当初、生徒の村田富江らは四三に反発するが、彼に懇願され槍投げに挑戦したことをきっかけに、スポーツの楽しさに目覚める。以来、同僚教師のシマの協力もあり生徒たちは四三を師事しスポーツに傾倒。やがて富江が50m障害物走で日本記録を更新するが、その際に素足にシューズを履いて走った行為が醜態を晒したと、富江の父が学校に四三の解雇を要求、事を知った生徒らは解雇の反対とスポーツをする自由を求め教室に立てこもりを始める。シマの提案で村田父娘は100m走で勝負、富江が勝利し、父が折れる形で四三は解雇を免れる。嘉納が手がけた明治神宮外苑競技場が完成目前の1923年、関東大震災が発生。東京は震災で未曾有の壊滅状態となり、シマが行方不明となる。

一方、円喬に才能を認められながらも相変わらず素行が悪い孝蔵は、円喬の命で三遊亭小円朝に弟子入り。小円朝のドサ回りに同行することとなる。浜松を訪れた孝蔵は、地元の少年・田畑政治に落語を辛口評価されたことをきっかけに小円朝と喧嘩。一座を追い出され、無銭飲食を働き逮捕された獄中で円喬の死を知り、悲嘆に暮れる。小円朝の計らいで釈放された孝蔵は、彼に頭を下げ、引き続き一座に戻り精進する。その後、巡業を終え帰京するも、友人・小梅のトラブルに巻き込まれ再び浜松に一年間逃亡する羽目に。アントワープオリンピック終了後のある日、学友の内田正練の敗北を悔しがり、浜名湖でクロールに挑戦する田畑を目撃した孝蔵は、彼の財布から盗んだ金で再帰京する。「古今亭円菊」と芸名を変え再出発し、真打に昇進した後は、小梅・清さん夫婦の勧めで清水りんと結婚するが、所帯持ちになっても娯楽に興じ家に寄り付かず、挙句夜逃げを余儀なくされる。りんの愛想が尽き始めた矢先、2人は関東大震災に被災。その際、りんを守った孝蔵は、彼女から第1子懐妊の報告を受ける。

自身の無事を伝えるため四三は熊本に帰省するが、幾江の叱責と実次の格言から被災者に食料を届けることを思い立ち、大量の食料とスヤを連れて早々に東京に戻る。四三は本来の「韋駄天」のように食料を背負い人々に届け走り回るうちに、被災者のために運動会を望むようになり、体育関係者やシマの夫・増野などの賛同のもと、避難所として解放していた神宮外苑競技場で開催される。運動会には老若男女多くの人々が参加し、富江、シマが陸上の世界へ誘い続けた人見絹枝、弥彦らも参戦して場を盛り上げる。また、競技が出来ない被災者のため孝蔵が会場で寄席を披露し人々を笑顔にする。そして四三も短距離走に参加、ゴールを過ぎてもなお走り続け、競技場を颯爽と駆け抜けていくのであった。

第2部 田畑政治篇編集

1924年、東京帝国大学を卒業した田畑政治は朝日新聞社の採用試験を受ける。面接で好きなスポーツを聞かれた際、水泳について熱弁し面接官の緒方竹虎と社長を困らせる。水泳に情熱を注いでいたが運動部ではなく政治部を希望、不採用の見込みだったが、社長の鶴の一声で採用され朝日新聞政治部の記者となる。

一方、金栗四三は1924年パリオリンピックの予選会で、伴走者として母校のランナーを鼓舞するが背中でゴールテープを切り1着でゴール。3度目のオリンピック参加が決まる。パリオリンピックで四三は意識を失い途中棄権、結果報告会で正式に現役引退を表明する。その結果報告会で体協の陸上びいきに腹を煮やした田畑は、報告会に乱入し、体協名誉会長の嘉納治五郎の引責辞任を求め、本人とは知らず嘉納に掴みかかり投げ飛ばされる。「勝手にしたまえ」と嘉納に告げられた田畑は、東京帝国大学教授の松沢一鶴らとともに大日本水上競技連盟(水連)を結成する。1928年アムステルダムオリンピックの選手選考の際に田畑は、体協に多数の水泳選手の派遣を求め、体協会長の岸清一から資金繰りも自らするよう告げられる。田畑は、大蔵大臣の高橋是清に直談判し、国にオリンピック特別予算を出させることに成功する。こうして水泳の精鋭らを送り込んだ田畑だったが、自身は職場で長期休暇の許可が下りず同行が叶わず、国内で勝利を祈ることとなる。結果、鶴田義行が金メダル、高石勝男が銀メダルと銅メダルを獲得。また同大会では、日本人女性初のオリンピック選手となった人見絹枝が銀メダルを獲得し、日本の女子スポーツの未来を切り開らく。そんな人見に続くかのように、水泳界では前畑秀子が頭角を現し始める。

同じ頃、実次危篤の連絡を受け、四三は帰省するが、四三の到着前に実次は息を引き取る。折しも数日前に実次から帰郷を打診されたことと、年老いた幾江の様子を見た四三は、現役を引退し、東京を去る決意を固める。

満州事変五・一五事件などの勃発により暗澹とする世情のなか、東京市長・永田秀次郎は関東大震災復興記念事業の一環として、オリンピックの招致に乗り出す。その頃田畑は、前畑、小池礼三宮崎康二大横田勉など若手の育成に力を入れ、日米対抗水上競技大会でアメリカに勝利し次期オリンピックに向けて拍車をかける。1932年、田畑は念願叶いロサンゼルスオリンピック水泳チームの総監督として渡米。全種目制覇のために人情を切り捨て選手選考をする田畑に松沢は反感を抱き、「ノンプレイングキャプテン」の立場を命じられた高石は、若手に抜かれ戦力外の現実に苛立ちを募らせていくが、新聞に金メダル獲得の記事を載せ、日本を明るくしたい田畑の希望を知った2人は協力的に変わる。結果、全種目金はならなかったが多くのメダルを獲得。人種差別で苦しめられていた現地日系人らは「アメリカ人を見返した」と田畑や水泳チームへの感謝と歓喜に沸く。

帰国した選手団は人々から賞賛されるが、銀メダルを獲得した前畑は、永井市長に金メダルを取れなかったことを落胆される。当初はショックを受けた前畑だったが、同じく落胆する国民の手紙を見て現実を受け入れ、次期オリンピックに向けて気持ちを切り替える。田畑は、陰で彼を見守り支えてきた同僚の酒井菊枝と結婚、1940年開催のオリンピック東京招致の実行委員に着任する。しかし、国際政情から東京は不利なことから、嘉納の提案で有力候補地であるイタリアの独裁者・ムッソリーニに懇願し譲ってもらう奇策が決まり、田畑はそのための写真資料集「日本」を作成する。

一方、柳家三語楼に弟子入りし柳家東三楼に芸名を変更、私生活では長女・美津子、次女・喜美子に続き長男・清が誕生と子宝に恵まれた孝蔵だったが、師匠の着物を質に出し怒りを買い破門。高座を追われ食うに困るほどの貧困に陥る。自身の著書のタイトルにもなるナメクジ長屋に転居し貧乏暮しを続けるある日、兄弟弟子の万朝が孝蔵の復帰を信じ、孝蔵の羽織を質流れから守っていることを知る。心打たれた孝蔵は万朝に弟子入りを懇願、りんも頭を下げる。しかし万朝よりも孝蔵が格上のため弟子入りは叶わず、万朝の協力で師匠と和解し「柳家甚語楼」として復帰する。'

制作編集

2016年11月16日、2019年の大河ドラマについて、宮藤官九郎のオリジナル脚本となること、放送時期が2020年東京オリンピックの前年に当たることから近代オリンピックがテーマになることが発表された[6]。同時に制作統括(チーフ・プロデューサー = CP)に訓覇圭、演出(チーフ・ディレクター)に井上剛と、宮藤を含めて連続テレビ小説あまちゃん』のスタッフ陣で臨むことも明らかにされている[6]

明治以降の日本の近現代のみを舞台とした大河ドラマは、『いのち』以来33年ぶりである[5][6]。これについて宮藤は、「(大河ドラマの主たる題材となる)歴史を動かした人物にも、戦国時代にも幕末にもあまり思い入れがないから、自分に大河ドラマは無理だろうと思っていました」「(スタッフから)『できる題材を探しましょう』という優しい言葉を頂き、だんだんその気になり、考えたのが『東京』と『オリンピック』の物語」と述べている[6]

2017年4月3日、制作発表が行われ、作品名や物語の構成が明らかになるとともに、主人公となる金栗四三役を中村勘九郎田畑政治役を阿部サダヲの両名が務めることが発表された[3]。また、物語の語り部として落語家の古今亭志ん生が登場することも併せて発表された[3]。中村勘九郎の父である十八代目中村勘三郎は1999年の『元禄繚乱』で主演を務めており(当時は「(五代目)中村勘九郎」名義)、緒形拳直人親子以来2組目となる「親子二代での大河ドラマ主演」となった[5]。また、大河ドラマ初の4K映像作品となることも後に明らかにされている[7]

2017年11月1日の出演者発表第1弾では、劇中音楽を『あまちゃん』の音楽も担当した大友良英が担当することが併せて発表された[8]。また、同年11月29日の出演者発表第2弾においては、五代目古今亭志ん生役をビートたけしが演じることが発表された[2]。オープニングテーマの作曲も大友が手掛けており、疾走感あふれるサンバ風のものとなっている[9]

2018年3月30日の出演者発表第3弾において、題字を横尾忠則が担当することが発表された[10]。横尾自身もマラソン好きということもあり(本人曰く、出身高校駅伝で最多優勝記録を持っているとのこと[注釈 3])、「他の人に依頼されなくてよかった」と感想を述べている[11]。同年11月9日の公式ホームページ開設に際して題字が公開されたが、「ロゴも走っているように見えるといいな」との発想から、「いだてん」の四文字の上に三脚巴を重ねたデザインとしている[11]

4月4日、金栗の故郷・熊本県でクランクイン[12][4]。8月上旬から3週間程度をかけ、1912年大会当時のスタジアム(ストックホルム・スタディオン)の姿がほぼ残るストックホルムでのロケ[13]が予定されており、準備に時間がかかるため、例年よりも早めのクランクインとなった[4]

11月9日、公式Twitterアカウントが開設され、最初の投稿で予告編 (PR) 映像が公開された[14]。また、公式サイトが開設された。

12月14日、初回試写会が行われ[15]、ドラマの最後に大河ドラマでは異例の「このドラマは史実を基にしたフィクションです」という注釈テロップが付けられることが明らかになった[16]。この意図について訓覇CPは「(基本的にドラマなのでフィクションだが)意外に事実が多く、事実とは何かを考える機会にもなる」「事実の大切さとフィクションの楽しさを両方持っているという自分の思いも込めた」と述べている[5][16]

2019年3月26日、第25回から登場する高橋是清役で出演予定の萩原健一が急逝したが、主な出演シーンは収録を終えており、予定通り放送される[17]

ロケ地編集

登場人物編集

主人公編集

金栗四三(かなくり しそう)
演:中村勘九郎[7](幼少期:久野倫太郎 / 船元大馳朗
この大河ドラマの第一部の主人公で東京高等師範学校の学生。日本人初のオリンピック選手となった「日本のマラソンの父」。実践と検証を重ねる実直な性格で、競技の分析ノートや旅行日記などを詳細に記録する。また中学校で教えられて以来、体質改善になると信じて、裸で頭から冷水を浴びるのを日課としている。嘉納が強く探し求める陸上競技オリンピック選手候補として現れたため、彼に韋駄天[25]とあだ名される。
熊本県玉名郡春富村に生まれる。幼少期は体が弱かったが、独自の呼吸法と共に往復12キロメートルの通学路を走るいだてん通学により虚弱体質を克服。目標としていた海軍兵学校に落ちた後、東京高等師範学校に進学、上京する。東京では慣れない生活に疲弊するも、夏休みに帰省から戻った際に立ち寄った浅草でマラソンと出会い熱中、徒歩部に入部する。
高師のマラソン大会で嘉納から表彰された際には、発奮し「脂抜き走法」など無茶な練習を強行する。そこで体調を崩したことから「自然ニ従へ」の教訓を得て、羽田で行われたオリンピックの予選大会に出場。マラソンで世界記録を塗り替えて優勝するとともに、オリンピック代表選手に内定する。
当初はオリンピックとは何かも知らず、単なる力試しとして予選に参加していたため、事の大きさを知り困惑するが、嘉納に「渡航費は参加者の自己負担のため世間に対して気負うことは無い」旨説得され、参加を決意。高師の仲間が集めたカンパや、兄・実次の尽力で熊本の名家・池部家から援助を得て、高額な渡航費問題も解決する。
オリンピック開催地であるストックホルムでは世界記録保持者として注目を浴び、ラザロ他外国人選手らに足袋を贈るなど交友する一方で、数々のアクシデントに見舞われコンディションの調整に難航する。また開会式の際に持つプラカードの表記について「日本」に強く拘り、「JAPAN」を主張する大森兵蔵と対立。結果として、嘉納の提案した「NIPPON」表記のものを使用することで落ち着く。マラソン競技本番では、レース中にコースを誤った先で日射病で倒れ、大会本部への連絡が無いまま途中棄権となる。一時は悲しみに暮れるが、ラザロの死を知り、彼を悼むとともに次のベルリンオリンピックを目指して再び走り始める。
帰国後、敗因から練習方法を編み出し次のオリンピックを目指すなか、跡取りを失った池部家の養子となり、幼馴染のスヤと結婚。このため本名は池部四三となるが、結婚した事実を周囲に言い出せないまま数年過ごし、そのまま金栗姓を名乗っている。当初は妻と継母・幾江に、高師卒業後に帰郷を約束するが、オリンピック出場に向け東京に残る決意をする。
高師卒業後は同校研究科に籍を置き、学生寮を出た後は播磨屋に居候しトレーニングを重ねるが、目標としていたベルリンオリンピックが第一次世界大戦の拡大により開催中止となり、一時は意気消沈する。しかしスヤの励ましにより、自身の後継者の育成という新たな目標を見つけ、神奈川師範の地理教師を勤める傍らマラソンの指導に当たる。また、嘉納らと協力し、史上初の駅伝となる「東海道五十三次駅伝競走」を企画。その後も極東選手権や東西対抗戦、富士登山競争などマラソン競技を次々と企画、走り続け、スヤが長男の正明を産んだ際も帰省せず、下関・東京間を走破する。そして日光・東京間を走破した際には「もう、日本に走る道はなか」との言葉を残す。
アントワープオリンピックの開催が決定すると、マラソン競技の予選も兼ねて箱根駅伝を企画し運営。その後、マラソンの他にも水泳などの選手たちとともにオリンピックに出場するも、ベルリン五輪中止以来の無理がたたり、結果は16位。金メダルを取ることが出来なかった悔しさから、ベルリンを放浪する。その最中に、戦争で夫を失い悲しみを抱えながら槍投げをする女性たちに出会い、日本でも女子スポーツを普及させることが必要と考え、東京府立第二高等女学校(通称・竹早)の教師となる。
竹早では、当初デリカシーに欠ける言動を取りスヤやシマから叱られるも、スポーツの魅力を女子生徒たちに伝えるため奮闘。村田富江らに槍投げをしてもらったことをきっかけに、竹早にスポーツを根付かせることに成功する。関東大震災の発生時には、救援物資を背負い被災地を走り人々のために尽くした。
震災からしばらく後、兄・実次が死去。その前後頃継母・幾江が老け込んだことがきっかけとなり、陸上を引退することを決意。陸連本部へ行き、嘉納たちに報告。熊本へと帰って行った。
田畑政治(たばた まさじ)
(まーちゃん → 田畑政治)
演:阿部サダヲ[7](少年期:山時聡真 / 青年期:原勇弥
第二部の主人公。日本水泳連盟会長および日本オリンピック委員会委員長を歴任することとなる人物。幼少時より、家族や親しい人々にはまーちゃんと呼ばれている[注釈 4]。また、水泳への熱狂ぶりから体育関係者などから「河童」と称される。
渋滞中に待ちきれず外へ飛び出すなど、せっかちな人物。また、イライラしている時にタバコを逆向きに吸って火傷しそうになり、熱がるという癖がある。落語は志ん生ではなく圓生派。
浜松で造り酒屋「八百庄」を営む資産家の次男。少年期、近所の寄席小屋「勝鬨亭」でお茶子をしていた際に孝蔵と出会い、彼の高座を「面白くない」と評する。同時期、大病を患ったことを機に学校の仲間らとの浜名湖での水泳を禁じられ、日本初の駅伝となる「東海道駅伝徒歩競走」の選手が浜名湖を舟渡りするのを目撃する。浜松中学校在学時に浜名湾游泳協会を結成。会員でアントワープオリンピックに敗れた内田正練の話で初めてクロールを知る。
東京帝国大学卒業後の1924年、朝日新聞社に就職し政治部記者に配属される。一方で、水泳選手の健闘を無視し結果を出せない金栗や陸上選手を贔屓する大日本体育協会に対抗し大日本水上競技連盟を創立、アムステルダムオリンピックに向け水泳強化のため、母校の帝大敷地内に温水プールを設置、水泳選手派遣増員のため高橋是清に直談判し陸上選手団にも分配するほどの資金を調達するなど奔走する。

東京高等師範学校・大日本体育協会編集

東京高等師範学校は「東京高師」、大日本体育協会は「体協」と省略される場面が多い。大日本体育協会は東京高師とは別組織だが校内に協会が設置され、協会理事も同校の教員らが名を連ねる。会長が岸清一に交代後は体協本部は岸の自宅に移り、その後岸の弁護士事務所内に再移転している。

体協役員と関係者たち編集

嘉納治五郎(かのう じごろう)
演:役所広司[8]
東京高師校長。柔道の創始者。大日本体育協会初代理事長。
第1話のキーパーソンであり、“平和の祭典”であるオリンピックの精神に惹かれて、日本のオリンピック初参加を実現するために奮闘する。
その後、オリンピック予選会においてマラソンで優勝した四三と短距離走で優秀な成績を収めた弥彦を選手としてストックホルムに送ることを決める。しかし国からの援助はなく、予選会開催のために多くの借金を重ねた上に、辛亥革命に巻き込まれた清からの留学生を救うための出費で莫大な借金をし、資金が不足。四三と弥彦に自費での出場を提案し、丸め込むような形で説得する。
ストックホルムへの出発の際は、政府の役人であるがゆえに手続きが煩雑となり四三らより出発が遅れる。ストックホルムから帰国後、大日本体育協会に多額な負債を負わせたことを理由に、永井らから更送を言い渡される(ただし大日本体育協会の会長職には1921年まで留まっている)。
ベルリン五輪の中止後、四三が東海道五十三次駅伝競争を企画すると、その姿に触発され、自身も神宮外苑に競技場を建設するという夢を持ち始める。その後、1920年アントワープオリンピックの前後に、永井の退任を受けて、大日本体育協会の会長から退くことを表明。その後は東京でオリンピックを開催するため明治神宮外苑競技場を建設することに尽力する。関東大震災が発生し、完成間近であった競技場をバラックとして開放。競技場で復興大運動会を開催するとともに、1924年パリオリンピックの選手の派遣を宣言する。
大森兵蔵(おおもり ひょうぞう)
演:竹野内豊[8]
米国体育学士。ストックホルムオリンピック日本選手団監督。
日本語の会話の中に英語を混ぜる癖があり、その度に安仁子に翻訳される。アメリカ留学中にアルバイトで安仁子のハウスボーイをしたことがきっかけで結婚に至った経緯から、オリンピックに同行出来ずに僻む可児と永井から妻の尻に敷かれていると嘲笑される。安仁子とは仲睦まじく、四三らと同席の車中でも新婚夫婦同然にふるまう。
嘉納からオリンピック選手団監督の打診をされた時には肺病を患っており、余命僅かであることが判明していた。しかし執筆した論文「オリンピック式陸上運動競技法」から伝わる熱意と安仁子からの懇願が嘉納の心を打ち、正式に監督に任命される。しかしストックホルムでは練習に参加できないほど病状が悪化。一時は持ち直すものの男子100メートル走予選以降、再び病状が悪化し、それから数か月後に渡米。翌年の1月にカリフォルニアの病院で息を引き取る。享年37歳。
可児徳(かに いさお)
演:古舘寛治[8]
東京高師助教授。徒歩部部長。嘉納の下で大日本体育協会の立ち上げに右往左往しつつ、オリンピック初参加の準備に奔走する。
嘉納の行動に振り回されがちではあるが、協会の資金で勝手に優勝カップを作るなど時折大胆な行動に出る。また、酒に酔うと威勢が良くなる。円形デッドボール(のちのドッジボール)の日本への紹介者。
ストックホルムオリンピックのため嘉納が不在の間に、借金取りに迫られ足を怪我する。
アメリカ留学後は、女子高等師範学校で教鞭を執りカドリーユを普及するが、大胆でセクハラな発言を生徒らに復唱させ、シマ等女生徒たちから顰蹙を買うこととなる。
アントワープオリンピックの際、監督になれなかったことを悔しく思っている。
永井道明(ながい どうめい)
演:杉本哲太[8]
東京高師教授。金栗たちの暮らす寄宿舎の舎監も務める。右利き。
日本人の体力向上を先決する考えのもと、肋木と共にスウェーデン体操を体育に取り入れた日本スポーツ界のパイオニアの一人。頑固で融通が利かない性格で、嘉納と対立する場面も少なくない。学生には厳しくも愛をもって接しており、マラソンにおいて学生の体調や命を第一とする言動を取っている。
嘉納から日本初となるオリンピック参加についての相談を受けた際には「ドランドの悲劇」を引き合いに出し、国の命運を選手に託し、人命よりも勝利にこだわる大会と見解し不愉快と感じたことと、肉体的に未熟な日本人にとって無理があると考え反対する。オリンピック予選会の後から大日本体育協会の活動に本格的に参加。四三のオリンピック出場に向けて積極的に関わり始める。
ストックホルムオリンピック後は、四三らの惨敗を受けて再び日本人の体力向上を目指す方向へ舵を切り、「学校体操教授要目」をまとめる。また、嘉納が不在の間に新たな人材を大日本体育協会に登用、財政や態勢の立て直しを図る。しかし、イギリス留学を終えた二階堂トクヨに自身の方針を否定され、今まで提唱してきた肋木とスウェーデン体操が時代遅れであることを痛感。また自分の考えを曲げることも己の美学に反するとの思いから、アントワープオリンピックの直前に大日本体育協会の理事職を退くことを決める。二階堂や野口源三郎に日本スポーツの未来を託し、体協を去る。
その後は、竹早でテニスを教えるなどしている。
野口源三郎(のぐち げんざぶろう)
演:永山絢斗[8]
東京高師の学生。四三の徒歩部の後輩。
四三が「脂抜き走法」を試した際にはこれに付き合うものの、途中で根負けし水を飲む。その後、オリンピック予選会に出場。マラソンの途中で蒸しパンを無銭飲食しつつ、好成績を収める。
オリンピックから四三が帰ってきたのちは、彼の持ち帰った槍や砲丸に興味を示す。
高師の卒業後は体協の活動に参加し、四三のマラソン競技の企画を補佐する。その後のアントワープオリンピックでは、日本選手団の主将を務めるとともに十種競技に出場し、最下位の結果に終わる。帰国後の報告会では、全ての種目をやりきったので悔いはないと語り、また他の競技の結果報告を務め上げ、記者からの非難の矢面に立つ。1924年パリオリンピックの結果報告会で田畑らに体協の陸上びいきを指摘され、体協の理事を辞任することを宣言する。
大森安仁子(おおもり アニコ)
演:シャーロット・ケイト・フォックス
大森兵蔵の妻。[8]
米国人であるが日本語が堪能で、兵蔵が無意識に発する英語を即座に日本語訳することもしばしば。笑い上戸な性格で、それゆえに周囲を困惑させることもある。
オリンピック出発1か月前より、出場選手ら(主に四三)への英会話と西洋式テーブルマナーの指南役となる。
余命僅かである兵蔵のオリンピック選手団監督としての同行を嘉納に直談判。熱意が伝わり、監督に着任した兵蔵の付き添いで自身もストックホルムへ同行することとなる。シベリア鉄道内での料理や、記録撮影なども手掛けるが、病に伏せる兵蔵の看病に時間を割かれることが多い。
ストックホルム大会が終わったのちの大正2年3月、自身が描いた兵蔵の肖像画を携えて嘉納とともに帰国。その後も日本に留まる。関東大震災後の復興大運動会で四三らのもとを訪れた際には、児童福祉施設を運営していた。
二階堂トクヨ(にかいどう トクヨ)
演:寺島しのぶ[26]
東京女子高等師範学校助教授。永井道明の弟子。
はっきりとした物言いをし、意志の強い性格。永井と同様に、ストックホルムオリンピックの日本選手惨敗やマラソン競技に対して厳しい見解を示す。
文部省の要請を受けて、大正元年11月に英国留学に旅立つ。帰国後は健やかな子を産む女子のための独自の体育を追及。従来の着物を否定し生徒たちにチュニックの着用を提唱したり、メイポールダンスを授業に導入したりして、師の永井と対立。肋木とスウェーデン体操は古いと言い放ち袂を分かつ。
一方で、野口源三郎には好意を抱いていたが、野口に妻と子がいることを知り落胆。女子体育の育成に生涯をかけるため、頭を剃りカツラを被るという形で覚悟を決め、二階堂体操塾(後の日本女子体育大学)を設立する。
岸清一(きし せいいち)
演:岩松了[27]
大日本体育協会理事、弁護士。
会計の面から体協を支え、アントワープ五輪では派遣費を体協から支弁するよう取り計らう。
マラソンや駅伝競走には興味のない素振りを見せていたが、第1回箱根駅伝を実際に観戦したことでその魅力に取りつかれる。
大日本体育協会第2代会長、IOC委員を後に務める。
関東大震災後は自身の弁護士事務所への間借りという形で体協の本部を置き、活動を続ける。田畑政治が神宮外苑へのプールの建設を提案した際は、スポーツを興行にしていくという彼のプレゼンテーションを聞き、その計画を承諾。補助金を出すと共に、嘉納治五郎と根の部分で似ていると彼を評する。
武田千代三郎(たけだ ちよさぶろう)
演:永島敏行[27]
大日本体育協会副会長。
史上初の駅伝「東海道五十三次駅伝競走」の開催にあたって、「駅伝」の名付け親となる。
辰野保(たつの たもつ)
演:安楽将士
アントワープオリンピック日本選手団監督。東京大学陸上部出身の弁護士。

東京高師の教員・学生たち編集

福田源蔵(ふくだ げんぞう)
演:嶺豪一
東京高師地歴科の教師。熊本県出身。
平田(ひらた)
演:前原滉
東京高師の学生。徒歩部部員。
卒業後は熊本の中学校へ赴任。
徳三宝(とく さんぽう)
演:阿見201
東京高師の学生、日本一の柔道家。四三や美川を軽々と投げ飛ばすほどの腕前。
四三がストックホルムから帰国後、『播磨屋』に引きこもっていることを知った清さんたちと共に部屋に押しかける。
橋本三郎(はしもと さぶろう)
演:高橋周平
東京高師の学生。徒歩部部員。野口と同様に、四三と「脂抜き走法」を試す。卒業後は長野の中学校へ赴任。
秋葉祐之(あきば すけゆき)
演:柴田鷹雄
東京高師の学生。四三の弟子。
茂木善作(もぎ ぜんさく)
演:久保勝史
東京高師の学生。第一回箱根駅伝のアンカー。
大浦留市(おおうら とめいち)
演:高橋龍駒
東京高師の学生。
山下馬之助(やました うまのすけ)
演:三永武明
東京高師の学生。
渋谷寿光(しぶや としみつ)
演:宮森右京
東京高師の卒業生。
斎藤兼吉(さいとう けんきち)
演:菅原健
東京高師の学生。

熊本の人びと編集

金栗家編集

熊本県玉名郡春富村に在住。元は代々続く造り酒屋であったが、病弱である信彦の代で廃業し、実次の収入と農業で生計を立てている。

金栗実次(かなくり さねつぐ)
演:中村獅童[8](幼少期:中澤準[28]
四三の長兄。役場で働く一方で、病弱で早世した父に代わり家長として四三を見守る。
登校を嫌がる幼い四三を叱咤し「学校部屋」と称する小部屋に閉じ込めたり、危篤の父に対し最後の願いとして四三の中学進学を認めさせるなど、四三の勉学への道に情熱を注ぐ。東京高師に進学した四三から送られた、校内の長距離走で3位になった報告の手紙に対して、勉学に打ち込むよう叱責する返事を送るが、四三がオリンピック代表選手に選ばれた際には喜び、渡航費用の工面に奔走。春野スヤの紹介により、庄屋の池部家から土地を売った代金という名目で、渡航費を貰い受ける。
その後四三がオリンピックから帰ってくると、スヤとの縁談を進めるため詳細を一切伝えないまま彼を熊本に呼び戻す。四三の義母である幾江には頭が上がらない。
関東大震災からしばらく後に上京。熊本に戻るよう四三を促し、嘉納治五郎とも初めての対面を果たして帰った後、熊本で病に倒れ亡くなる。
金栗信彦(かなくり のぶひこ)
演:田口トモロヲ[10]
四三の父。胃弱を患っている。
病弱な四三を丈夫にするため、その当時第五高等中学に赴任していた嘉納治五郎に四三を抱っこしてもらおうと街まで行くが失敗。しかし家族には抱っこをしてもらえたと説明し、最後までその嘘を貫き通して死去する。
金栗シエ(かなくり シエ)
演:宮崎美子[10]
四三の母。長距離走で入賞した四三に、将来は教職になると思い東京高師に入れているのだから遊んでいないで勉強するよう、手紙で叱りつける。しかし、四三がオリンピック代表選手に選ばれると、神棚に手を合わせ健闘を祈るようになる。
金栗スマ(かなくり スマ)
演:大方斐紗子[27]
四三の祖母。
金栗キヨメ(かなくり キヨメ)
演:川面千晶
実次の妻。自身の出産時の呼吸が、四三独特の呼吸法のヒントとなる。
又作(またさく)
演:白石拳大[28]
四三の次兄。
松雄(まつお)
演:深田真弘[28](幼少期:伍藤奏[29]
四三の三兄。
エツ
四三の長姉。
ソヨ
四三の次姉。
末子(すえこ)
演:山口朋華[30](幼少期:りり花[31]
四三の妹。
金栗初太郎(かなくり はつたろう)
演:吉田翔
実次の息子、四三の甥。

池部家の関係者編集

池部スヤ(いけべ スヤ)
(春野スヤ → 池部スヤ → 春野スヤ → 池部スヤ)
演:綾瀬はるか[8](幼少期:原島凛々[28]
四三の幼馴染で、のちに四三を陰で支える妻となる人物。
女学校に通う頃には名家・池部家との縁談を受け、四三がストックホルムへ旅立つ直前に池部家に嫁入りし、渡航費用の工面に奔走する実次の金策に協力する。最初の夫である重行の亡き後は、姑・幾江の計らいで池部家の養子となった四三と再婚。しかしベルリン五輪に向けて大志を抱く彼の思いを尊重し、東京に戻る彼を熊本で見送る。
その後は手紙のやり取りのみを続け、大正4年(1915年)4月に上京した際も、堕落の入り口として帰されてしまう。しかし、その年の6月にベルリン五輪の中止が発表されると再び上京。四三を励まし、彼とともに播磨屋の二階で寝起きを始める。そして東海道五十三次駅伝競争における彼の走りを見届けて、熊本に帰る。またそれと同時期に、第一子を授かる。その後、身重の体でまた上京するが、マラソンに没頭する四三とは行き違いとなり、不安を募らせる。しかし、オリンピックで金メダルを取りそれから初めて妻を周りに紹介したいという彼の思いを日記から知り、播磨屋を後にする。その帰りの市電で四三から渡されたお守りを握りしめて熊本でお産、大正8年(1919年)4月28日に長男の正明を出産する。
アントワープオリンピックの際には、幾江とともに四三の金メダルを願う。その後の報告会には実次と出席。壇上に上がった選手たちへの非難や二階堂の激しい糾弾を目にし、記者たちを一喝。日本人で初めてフルマラソンを完走した四三を讃えるとともに、彼と一緒に走った若いマラソン選手たちを労う。またこの時に四三の妻であることを自ら表明する。そしてその後、四三がベルリンから帰った頃にまた播磨屋での同居を再開する。関東大震災時には熊本に子とともに帰っていたが、四三とともに上京し、東京で救援活動を行う。
春野先生(はるの せんせい)
演:佐戸井けん太[10][注釈 5]
石貫村の医師。スヤの父。四三の父である信彦の最期を看取る。
池部重行(いけべ しげゆき)
演:髙橋洋[10]
玉名村の庄屋。スヤの最初の夫。
妻となったスヤが四三を応援することに理解を示し、彼女と共に金栗家を訪れ応援の宴に興じる。
元々病弱だったこともあり、ストックホルムオリンピック閉幕後に死去する。
池部幾江(いけべ いくえ)
演:大竹しのぶ[8]
池部重行の母。
スヤの紹介で四三の渡航費用の借金を願い出る実次に対し、金栗家の畑を買収し同家に無償で貸し出すという名目で金を贈与する。
重行の死後は自死を考える程に落ち込むが、実家に出戻り懸命に生きるスヤの姿を見て立ち直る。そんな嫁のスヤを気に入り手放したくない思いから、四三を養子に迎え、二人の結婚を要請する。しかし、四三が卒業後も五輪出場を目指し東京に残る旨の手紙を送ってきたことから、実次に対し「約束が違う」と怒りを露わにする。
関東大震災で四三が熊本に帰ってきた際は、東京から逃げてきたのだと彼に対して怒り、東京に戻って罹災者を助けるよう促す。そして大量の救援物資を用意、韋駄天の由来になぞらえて人々に物資を与えるように言い、四三を送り出す。
その後、実次が死去した際は彼の死に寂しがる様子を見せる。またこの頃には自身もまた急激に老け込んでおり、そのことが四三の熊本へ帰るきっかけとなる。
池部正明(いけべ まさあき)
演:久野倫太郎
四三の長男。

市井の人びと編集

美川秀信(みかわ ひでのぶ)
演:勝地涼[8]
四三の郷友で彼のことは「金栗氏」と呼んでいる。四三と一緒に東京高師に入学するが永井の高圧的な態度に辟易し啖呵を切って以来、劣等生として扱われる。
小梅の客となったことをきっかけに彼女に恋をし、同郷と判明して以来仲睦まじくなるが、彼女の男性関係をめぐるトラブルに巻き込まれ、相手を孝蔵と偽装して逃げ回り、四三の下宿先である播磨屋に転がりこむ。小梅に振られた後も未練を持ち、彼女が結婚しても付きまといをするが、彼女に一喝されて悔しさにその場を去っていく。その後は、卑猥な写真などを販売する露天商を営み、富江の父が金栗の免職を求める引き金になる。
東京の華やかさに憧れ、当初は夏目漱石を敬愛していたがやがて探偵小説、画家と興味の対象は移り変わっていく。また四三の部屋にある日記などを勝手に読み、内容をスヤに伝えるなどモラルに欠けた行動をたびたび取る。
五条教諭(ごじょう きょうゆ)
演:姜尚中
四三の母校である玉名中学校の教諭。四三ら生徒に、風邪の予防方法として冷水浴を勧める。
小松勝(こまつ まさる)
演:仲野太賀[33]
マラソン九州一周を志す青年。四三を慕い、東京を引き上げ池辺家で暮らす四三を訪ねたことが、四三のマラソンへの情熱を呼び覚ますこととなる。

三島家編集

大隈重信や乃木希典など政財界の実力者との交流を持つ資産家一家。

三島弥彦(みしま やひこ)
演:生田斗真[8]
三島子爵家の御曹司。天狗倶楽部のメンバー。
スポーツ万能で、雑誌『冒険世界』の企画では痛快男子十傑に選ばれた運動会の覇王。女性ファンも数多く存在する。しかし家族からはスポーツに対する情熱を冷ややかに受け止められている。そんな家族の反対から、羽田で行われたオリンピックの予選大会は審査員を務める予定でいたが、気持ちを抑えきれず、飛び入りで競技に参加。結果、優勝し、四三と同じく日本人初のオリンピック短距離走の代表選手に選ばれる。家族にはストックホルムへの出発をギリギリまで伝えずにいたが、和歌子や弥太郎らの見送りを受け、旅立つ。
ストックホルム到着直後は、外国人との体格差や世界記録を持つ四三へのコンプレックス、コーチや仲間不在同然の孤独な練習から、宿舎の窓から飛び降りようとする程に気鬱になるが、四三の叱咤により正気を取り戻し練習に励む。男子100メートル走予選では兵蔵からのアドバイスにより、自身のタイムに挑むという心構えを体得。結果は最下位だったものの自己最高記録をマークする。続く200メートル予選でも惨敗し、400メートル予選では他の選手の棄権により準決勝進出が確実になったにも関わらず全力でこれを走り切り、準決勝を棄権。外国人との実力の差を痛感しながらも最後までスポーツを楽しんで競技を終える。
大正2年1月、ヨーロッパ視察と語学勉強を経て帰国。そこで天狗倶楽部解散の動きや野球害毒論を知り、憤慨。横浜正金銀行のサンフランシスコ支店に行き、アメリカがスポーツに強い理由を見極めることを決意する。
1920年にはアントワープオリンピック日本選手団を訪問、ストックホルム五輪からの進歩に感慨を覚えながら、彼らにエールを送る。関東大震災後の復興大運動会にも姿を見せ、四三や野口らオリンピック出場選手で徒競走を行い一着でゴールする。
三島弥太郎(みしま やたろう)
演:小澤征悦[10]
弥彦の長兄。横浜正金銀行頭取。
スポーツに熱中する弟に手を焼いており、スポーツそのものを嫌悪している。そのため嘉納治五郎や弥彦からオリンピックに関する融資を持ちかけられた際はこれを拒否している。しかし、弥彦がストックホルムに出立する際には見送りに出向き、また弥彦から沈鬱した内容の手紙が届いた際には心配する素振りを見せている。
三島和歌子(みしま わかこ)
演:白石加代子[10]
弥彦の母。鹿児島県出身で、西郷と呼ばれる女傑で、仕込み刀の杖を持ち歩く。
当時人気を博した新聞小説『不如帰』では、登場人物である冷酷な姑のモデルとされた。しかし字が読めないためその内容を知らず、活動写真化された同作を見て初めて描かれ方を知り激怒。またこれ以上あらぬ醜聞を広げぬため、オリンピック予選会への弥彦の出場に反対する。弥彦がオリンピック代表選手内定後も反対し続け、テーブルマナーを学びに来た四三や可児にも冷淡な態度を示すが、弥彦がストックホルムへ旅立つ際には、自らが日の丸を縫い付けたユニフォームを手渡し、涙ながらに応援し見送る。

天狗倶楽部編集

天狗倶楽部は明治末期に野球愛好家の押川春浪が創設した私的団体、現在でいう「サークル」に相当する組織。ユニフォームのワッペン「TNG」やメンバーがよく脱ぐといった設定も史実に準拠している。メンバーを呼ぶ際は、上の名字を取って「○○天狗」と呼んでいる[34]。弥彦が海外留学から帰国した大正初期には、世間でスポーツへの関心が薄れ少しずつ軍国主義的な時代へと変わっていくようになり、メンバーの高齢化が進んだことから「天狗倶楽部」は解散する。

吉岡信敬(よしおか しんけい)
演:満島真之介[10]
天狗倶楽部のメンバー。早稲田大学OB。
天狗倶楽部の解散後は読売新聞の記者となり、東海道五十三次駅伝競争の開催に動き出した金栗と関わる。女子スポーツには否定的な立場を取り、女子ランナーに夢を抱くシマとも対立するが、女子陸上大会が開かれた際はスポーツに取り組んでいる女子を目の当たりにし、意見を肯定的に転換させる。
中沢臨川(なかざわ りんせん)
演:近藤公園[10]
天狗倶楽部のメンバー。京浜電鉄の社員。
羽田のオリンピック予選会では、陸上トラックの整備を行う。
押川春浪(おしかわ しゅんろう)
演:武井壮[10]
天狗倶楽部の創設者。作家。
弥彦が帰国した頃、メンバーの高齢化を理由に天狗倶楽部の解散を決定する。

東京の人びと編集

増野家編集

シマ
(シマ → 増野シマ)
演:杉咲花[8]
三島家に仕える女中。後にミルクホールの女給をしながら東京女子高等師範学校に通う。1921年時点では東京府立第二高等女学校(竹早)教師。
弥彦の活躍を応援し、彼や四三を見守るうちにスポーツへの興味を抱くようになる。三島家を出て播磨屋の向かいの下宿(四三の向かいの部屋)に一人暮らしをしながら、東京女子高等師範学校受験を目指す。師範学校進学後はマラソン競技に女子の参加を嘉納に打診するが、マラソンが女子の体質に向いてないと却下され、協力者と信じて相談した二階堂にも理解されず不良扱いされる。しかし女子体育の強化に次第に積極的となる二階堂と打ち解けていく。
四三が竹早に赴任すると、スポーツの楽しさを伝えようと尽力する彼に力を貸し、また教え子たちとともにスポーツに取り組んでいる。また、オリンピック出場への夢を抱く。そのため二階堂が縁で知りあった増野との結婚を当初は辞退しようとするが、仕事への情熱と陸上競技への夢を受け止められる。1921年に四三・スヤ夫妻の仲人のもとで結婚。長女のりくを授かる。
村田・梶原のテニスの遠征に付き添い岡山高等女学校に行った際は、人見絹枝の身体能力の高さに感銘を受け、彼女を陸上競技に勧誘する。またその後も女子陸上大会の開催に際して出場を頼む手紙を送り、働きかける。
村田ら生徒と放課後に浅草オペラを観る約束で凌雲閣の12階で待ち合わせをするなか関東大震災に被災し行方不明となる。
増野(ますの)
演:柄本佑[26]
シマの夫。百貨店従業員。
二階堂との見合い話が用意されていたが、二階堂が乗り気でなく、彼女に頼まれ代理に出席したシマと見合いをしたことを機に交際を始める。
当初、教員の仕事の楽しさと、オリンピックに出場する夢を捨てきれないシマから結婚を躊躇される。しかし結婚を理由に仕事を辞めることを反対し、オリンピックで活躍するシマを子供と一緒に観に行く旨を誓い、結婚に踏み切る。
しかし、関東大震災でシマが行方不明となり、悲しみに暮れながらも懸命に捜索を行う。体協から復興運動会の開催が提案された際も、シマが聞き付けて現れることを期待して開催に賛成する。結局本番まで彼女が現れることはなかったが、人見絹枝に対面し、彼女へのシマの手紙を読むことになる。そして、女子たちのリレーを観戦していた時に、シマの幻影を目撃。彼女の死を受け入れる。
その後はりくと共に絹枝の活躍を応援している。
増野りく(ますの りく)
演:杉咲花[注釈 6]
シマと増野の娘。シマが陸上競技が好きであることから命名される。

播磨屋編集

四三が高師の学生だった頃は足袋専門店だったが、大正時代に入ると『ハリマヤ製作所』に屋号を変え、体操服やチュニックなどを取り扱うようになる。

黒坂辛作(くろさか しんさく)
演:三宅弘城(第4回 - 第10回放送分:ピエール瀧[注釈 7]
大塚の足袋屋「播磨屋」の店主。頑固な職人気質の人物。
オリンピック予選会に臨む四三にぴったりの足袋を誂えるが、走りにくかった旨を言われを撒いて店頭から追い出すほど激怒する。しかし考えを改め、オリンピックに挑む四三の意見を取り入れながらマラソンに向いた足袋作りに改良を重ね、提供し続ける。四三がストックホルムへ出発する直前には、日の丸を縫い付けたユニフォームを餞に贈る。
その後も四三の活躍で足袋が飛ぶように売れた謝礼も兼ね、ベルリンオリンピックを目指す彼に部屋を提供。足袋が本来の姿と目的からかけ離れた姿となっていくことに職人である自身のプライドと葛藤しながらも、四三の要望に応えマラソン用の足袋を改良して行く。のちにハリマヤ製作所に屋号を変え、チュニックなどを製作販売する。
黒坂勝蔵(くろさか かつぞう)
演:斎藤嘉樹(少年期:阿久津慶人 / 波多腰由太
黒坂辛作の息子。
黒坂ちょう(くろさか ちょう)
演:佐藤真弓
黒坂辛作の妻。
黒坂満佐子(くろさか まさこ)
演:池田恋
黒坂辛作の娘。

東京府立第二高等女学校と関係者編集

村田富江(むらた とみえ)
演:黒島結菜[26]
第二高等女学校の生徒。
女子もスポーツをすべきという四三に当初は反感を抱いていたが、四三の勧めで槍投げを行ったことがきっかけでスポーツに目覚める。それからは四三との関係も良好で、他生徒ともに四三のことを「パパ」と呼ぶ。
その後、梶原とテニスでダブルスを組み、各地に遠征に出向くようになる。また自分たちで作ったユニフォームが大人気となったこともあり、アイドル的な人気を誇るようになっていく。
四三の提案で開かれた女子の陸上大会では、靴のサイズが合わなかったことから靴下を脱いで出走、ハードルで日本新記録を出すが世間から好奇の目に晒されることになる。そしてそれが父兄たちの目に留まったことで四三の依願免職が求められ、他生徒を先導して教室に立てこもり、ボイコットを行う。シマの提案で、父と100m走で6本連続で勝負。全て勝利し、四三の免職を阻止する。
梶原(かじわら)
演:北香那
第二高等女学校の生徒。負けず嫌いな性格であり、槍投げにおいて溝口より良い記録を出そうとリベンジしたり、人見絹枝の言葉に食って掛かったりしている。
村田とテニスでダブルスを組む。
溝口(みぞぐち)
演:松浦りょう
第二高等女学校の生徒。
白石(しらいし)
演:百瀬さつき
第二高等女学校の生徒。
村田大作(むらた だいさく)
演:板尾創路[26]
浅草の開業医。村田富江の父。女子がスポーツに取り組むことを否定的に考えるとともに、娘が靴下を脱いで陸上大会に出場したこと恥辱と考え、四三の依願免職を求るが、シマの提案で富江と100m走で勝負し敗れ、譲歩する。関東大震災では、被災者の治療に従事するなか、自警団に不審者と疑われる四三を助ける。

東京市井の人びと編集

小梅(こうめ)
演:橋本愛[2]
浅草の遊女で孝蔵の友人。熊本の阿蘇出身。凌雲閣の袂を根城に客引きをしており、四三や美川にも声をかける。
客として相手をした美川から遊女を辞めるよう迫られるようになり、彼を苦手視する。しかし同郷と判明し、孝蔵の初高座を観に美川を連れ、仲睦まじい様子を見せる。その後、美川とは切れていないにも関わらずやくざ者の徳重の愛人となり、別れる際には孝蔵と恋仲である旨の嘘をつき、美川と駆け落ち。孝蔵が東京に居られなくなるきっかけをつくる。
そしてその後、清さんの魅力に気づき結婚、十二階下で飲み屋を営む。また東京で噺家として再スタートを切った孝蔵に、清水りんとの見合い話を持ちかけて仲人としてふたりの間を取り持つ。
清さん(せいさん)
演:峯田和伸[2]
浅草の人力車夫で孝蔵の兄貴分的存在。健脚の持ち主。
最終学歴小学校卒業であるにも関わらず、学歴詐称[注釈 8]してマラソン大会に度々出場。羽田の大予選会にも出場し、四三と知り合う。その後四三がオリンピックへの参加を決めると、練習に協力。ストックホルムに似た道として、芝から日本橋を通って浅草までの道を往復するというコースを教える。
四三がストックホルムから帰国した後、『播磨屋』に引きこもっていることを知り彼の同窓生と共に部屋へ押しかけ四三に檄を飛ばす。
小梅が徳重と騒動を起こした際は、一年間孝蔵が東京の高座に上がらないことを条件として手を打ち、また孝蔵の才能を信じて彼を徳重から身を挺して守っている。のちに小梅と結婚。舗装路となり走りにくくなったことを受けて、十二階下で小梅と飲み屋を営んでいる。しかし、関東大震災で浅草が焼け野原となり自宅を失う。明治神宮外苑競技場のバラックに入居し、バラックの自治会長として嘉納と協議し復興大運動会の開催を了承する。
美濃部盛行(みのべ もりゆき)
演:土佐和成
孝蔵(志ん生)の父。職業は警察官。孝蔵が10歳の頃、大事にしていた煙管を質屋に売り飛ばしたことに激怒して、街中で槍を持って追い回した末に彼を勘当する。
美濃部てう(みのべ てう)
演:山本裕子
孝蔵(志ん生)の母。
徳重(とくじゅう)
演:榊英雄
小梅を囲うやくざ者。孝蔵と恋仲と話す小梅の嘘を信じて憤り、孝蔵を探し追う。
清水亀次郎(しみず かめじろう)
演:遠山俊也
高田馬場の下宿屋。りんの父。
マリー
演:薬師丸ひろ子[40]
日本橋のバー「ローズ」の店主。「よく当たる」と自称し占いを得意としているが、「田畑は30歳で死ぬ」「オリンピックで大横田が金メダル獲得」など鑑定結果はことごとく外れている。しかし、この田畑の寿命の予言が彼を翻弄し、水泳への情熱に拍車をかけることとなる。
大野(おおの)
演:久保酎吉
医者。

浜松の人々編集

田畑家編集

田畑うら(たばた うら)
演:根岸季衣[27]
田畑政治の母。43歳の若さで亡くなった夫を看取り、政治たちを育て上げる。
田畑庄吉(たばた しょうきち)
演:内村遥
田畑政治の兄。短命な家系が災いし、33歳で肺炎で亡くなる。

浜松市井の人びと編集

ちいちゃん
演:片山萌美
浜松勝鬨亭の席亭。「小股の切れ上がった」美女として朝太ら落語家たちに慕われ、また性的な視線を向けられている。
内田正練(うちだ せいれん)
演:葵揚
浜松中学校の学生。
アントワープオリンピックの水泳日本代表に選ばれる。しかし日本古来の泳法が全く通用せず予選敗退に終わり、報告会の中では非難を浴びながら日本の水泳もクロールの習得と優秀な指導者が必要であることを強く説く。
小野田(おのだ)
演:大内田悠平
遊泳協会の水泳選手。
堀井(ほりい)
演:福田航也
遊泳協会の水泳選手。

競技関係者たち編集

陸上競技関係者編集

沢田英一(さわだ えいいち)
演:矢崎広
明治大学の学生。金栗が発案したアメリカ大陸横断駅伝競走に共鳴する。
第1回箱根駅伝の第5区走者。箱根路に見張りがいないことを知り、近道をしようとするが、地元青年団に発見され、正規のルートを先導される。
三浦弥平(みうら やへい)
演:福山康平
早稲田大学の学生。第1回箱根駅伝の第5区走者。
西岡吉平
演:工藤トシキ
明治大学の学生。第1回箱根駅伝のアンカー。ゴール直前で転倒し、高師に逆転を許す。
下村広次(しもむら こうじ)
演:鈴田修也
明治大学の学生。
寺内(てらうち)
演:萩原拓也
慶應義塾大学の学生。第1回箱根駅伝の第1区走者。
八島健三(やしま けんぞう)
演:國友久志
小樽中学校の学生。アントワープオリンピック後の報告会では、期待はずれの結果に終わった金栗らを非難する記者達に掴みかかる。
人見絹枝(ひとみ きぬえ)
演:菅原小春[26]
岡山高等女学校の学生。
テニスの試合で村田・梶原ペアと対戦し、身体能力の高さを見せつけ圧勝する。その能力に着目したシマから陸上競技選手へのスカウトを受けるが、体格や能力をコンプレックスとしているゆえに混乱、憤慨し、交渉は決裂する。その後もシマから陸上競技選手への誘いの手紙を受け続け、岡山の競技会に出場し走り幅飛びで日本記録を更新した。
関東大震災後、シマを訪ね偶然にも復興大運動会を訪れる。シマが行方不明のため再会は叶わなかったものの四三の誘いで運動会に飛び入り参加、リレーのアンカーで村田と競い勝利し、互いに健闘を讃え握手を交わす。
その後、二階堂体操塾に入学。陸上選手として活躍する一方、世間の無理解や嘲笑に悩まされる。昭和3年(1928)、アムステルダムオリンピックに日本人女子として初めて参加。陸連や日本中の期待を集めて女子100メートル走に出場するが、結果は4位に終わる。しかし、女子選手たちの未来を開くため、未経験の800メートル走に急遽エントリー。野口源三郎や織田ら男子選手と計画を立てた上で、長距離レースに臨み、銀メダルを獲得する。帰国後、ラジオ放送を通じてシマからの言葉を紹介すると共に日本女性にエールを送り、トクヨには活動を続けていくことを宣言する[41]
その3年後、24歳でこの世を去る。
織田幹雄(おだ みきお)
演:松川尚瑠輝
三段跳の選手。三段跳で日本人初の金メダルを獲得する[41]
南部忠平(なんぶ ちゅうへい)
演:池田倫太朗
走幅跳・三段跳の選手。
山本忠興(やまもと ただおき)
演:田中美央
陸上競技総監督。

水泳競技関係者編集

高石勝男(たかいし かつお)
演:斎藤工[42]
競泳自由形の選手。愛称は「勝っちゃん」。美男子として知られ、女性ファンが多い。普段は標準語で喋るが、感情が昂ぶると地の関西弁が出て表情も険しくなり、周囲から「関西の顔になってる」と言われる。
野田一雄(のだ かずお)
演:三浦貴大[42]
競泳自由形の選手。アントワープ五輪後は水泳選手団の助監督となる。
松澤一鶴(まつざわ いっかく)
演:皆川猿時[42]
東京帝国大学水泳部コーチ。愛称は「鶴(かく)さん」。
鶴田義行(つるた よしゆき)
演:大東駿介[42]
競泳平泳ぎの選手。愛称は「鶴(つる)さん」。
前畑秀子(まえはた ひでこ)
演:上白石萌歌[42]
競泳女子平泳ぎの選手。橋本高等小学校の学生。後に椙山女学校の学生。
入江稔夫(いりえ としお)
演:大藪雄汰
競泳背泳ぎの選手。
宮崎康二(みやざき やすじ)
演:西山潤
競泳自由形の選手。浜松第一中学校の学生。
松澤初穂(まつざわ はつほ)
演:木竜麻生
競泳女子自由形の選手。
小島一枝(こじま かずえ)
演:佐々木ありさ
競泳女子自由形の選手。
大横田勉(おおよこた つとむ)
演:林遣都[42]
競泳自由形の選手。
小池礼三(こいけ れいぞう)
演:前田旺志郎
競泳平泳ぎの選手。沼津商業学校の学生。
前畑光枝(まえはた みつえ)
演:中島唱子
前畑秀子の母。
前畑福太郎(まえはた ふくたろう)
演:康すおん
前畑秀子の父。
古橋廣之進(ふるはし ひろのしん)
演:北島康介[43]

その他の競技関係者編集

大松博文(だいまつ ひろぶみ)
演:徳井義実[44]
河西昌枝(かさい まさえ)
演:安藤サクラ[44]

ジャーナリストたち編集

朝日新聞社編集

田畑菊枝(たばた きくえ)
(酒井菊枝→田畑菊枝)
演:麻生久美子[40]
朝日新聞速記係。日本橋の工業用品店「酒井商店」社長の娘。後に田畑と結婚する。
口数が少なく控え目で穏やかだが、田畑の発する「あれ」だけで彼が何を欲しているかを理解出来るなど機転の利く性格。
河野一郎(こうの いちろう)
演:桐谷健太[40](学生時代:大下ヒロト
朝日新聞社の校正。第1回箱根駅伝では早稲田大学の学生として第7区の走者だった。師である四三を敬愛しており「陸上のほうが水泳より上」という考えをもっていてたびたび田畑と口論になる。また、体協から水連が独立したことを受け、自身も陸連を発足し体協から独立。その理事を務める。やがて言論の自由の喪失を感じ、朝日新聞社を退社して衆議院議員に転身する。
緒方竹虎(おがた たけとら)
演:リリー・フランキー[40]
朝日新聞編集部長。明治天皇が崩御した際、新元号「大正」をスクープした。部下である田畑の言動に振り回されながらも、田畑を可愛がっており仕事後に日本橋のバー「ローズ」にたびたび連れていく。
尾高(おだか)
演:じろう[40]
朝日新聞運動部員。アムステルダム、ロサンゼルス両オリンピックで取材を行う。田畑とは犬猿の仲。
村山龍平(むらやま りょうへい)
演:山路和弘
朝日新聞社長。当初不採用予定だった田畑を、「顔がいいから」との理由で採用する。
細田(ほそだ)
演:政修二郎
朝日新聞政治部員。

その他の報道関係者編集

本庄(ほんじょう)
演:山本美月[10]
雑誌『冒険世界』の女性記者。天狗倶楽部周辺を取材する。天狗倶楽部の解散後も活動を続けており、女子スポーツの普及に尽力する四三を取材。女子陸上大会において村田富江が素足を見せた現場にも居合わせる。
土岐善麿(とき ぜんまろ)
演:山中聡
読売新聞社会部長。
大村幹(おおむら かん)
演:竹森千人
読売新聞の記者。
寺田(てらだ)
演:本間剛
報知新聞の社員。
河西三省(かさい さんせい)
演:トータス松本[42]
NHKアナウンサー。ロサンゼルスオリンピックで、松内と共に「実感放送」を行う。
松内則三(まつうち のりぞう)
演:ノゾエ征爾
NHKアナウンサー。
山本照(やまもと てる)
演:和田正人[45]
NHKアナウンサー。

政界・財界・軍部関係者たち編集

大隈重信(おおくま しげのぶ)
演:平泉成[10]
早稲田大学総長。三島家のパーティーに参加し、嘉納と天狗倶楽部を引き合わせる。
加納久宜(かのう ひさよし)
演:辻萬長
日本体育会会長。健康な心身を育成するための体育を重要視する立場から、日本人のオリンピック参加に否定的な立場を取る。
小笠原文部大臣(おがさわら もんぶだいじん)
演:春海四方
文部大臣。オリンピック参加のための資金提供を断る。
内田公使(うちだ こうし)
演:井上肇[10]
駐スウェーデン公使。本名内田定槌(さだつち)。
伊藤博文(いとう ひろぶみ)
演:浜野謙太[注釈 9]
初代内閣総理大臣。韓国統監。
田島錦治(たじま きんじ)
演:ベンガル[27]
京都帝国大学教授。1912年ストックホルムオリンピックの日本選手団の入場行進に加わる。
永田秀次郎(ながた ひでじろう)
演:イッセー尾形[26]
第14代東京市長。関東大震災からの復興のため奔走。その後、紀元2000年の節目を記念したものとして東京に五輪を招致することを決断する。
高橋是清(たかはし これきよ)
演:萩原健一[40]
立憲政友会総裁。大蔵大臣二・二六事件で暗殺される。
三浦梧楼(みうら ごろう)
演:小林勝也
枢密院顧問官。日本橋のバー「ローズ」で緒方と語り合い、緒方がそのことを記事に書かなかったことを理由に新元号「大正」を教える。
清水照男(しみず てるお)
演:小村裕次郎
東京市長秘書。
犬養毅(いぬかい つよし)
演:塩見三省[40]
内閣総理大臣五・一五事件で海軍将校らに暗殺される。
三上卓(みかみ たく)
演:小久保寿人
海軍軍人。
副島道正(そえじま みちまさ)
演:塚本晋也[40]
元貴族院議員、伯爵。
杉村陽太郎(すぎむら ようたろう)
演:加藤雅也[40]
元国際連盟事務次長。
牛塚虎太郎(うしづか とらたろう)
演:きたろう
第15代東京市長。
中橋中尉(なかはし ちゅうい)
演:渋谷謙人
陸軍中尉
川島正次郎(かわしま しょうじろう)
演:浅野忠信[44]

1964東京五輪招致チーム編集

平沢和重(ひらさわ かずしげ)
演:星野源[27]
外交評論家、ジャーナリスト。東京五輪招致のためのスピーチを務める。テレビでよく解説者をしている。嘉納治五郎の最期を看取った人物。
岩田幸彰(いわた ゆきあき)
演:松坂桃李[27]
日本オリンピック委員会常任委員。愛称は「岩ちん」。
東龍太郎(あずま りょうたろう)
演:松重豊[27]
東京都知事。愛称は「東龍(とうりゅう)さん」。
北原秀雄(きたはら ひでお)
演:岩井秀人
外務省の役人。東京五輪招致に向けたスピーチの本来の担当者だったが外務省の運動会でアキレス腱断裂の怪我により出られなくなってしまう。

志ん生一家と弟子たち編集

古今亭志ん生(ここんてい しんしょう)
(美濃部孝蔵 → 古今亭志ん生)
演:ビートたけし[2](青年期:森山未來[2] / 幼少期:荒井雄斗[47][注釈 10]
落語家。本名美濃部孝蔵(みのべ こうぞう)。
本作のナビゲーターに相当し、志ん生が語る落語という体で、金栗四三とオリンピック黎明期の物語が語られる。一方、青年時代の志ん生(孝蔵)は本作のナレーションに相当し、志ん生の噺の登場人物のひとりでありながら、あたかも後世の志ん生の目線での解説役をも兼ねる。
小学校を中退し、10歳の頃から「飲む打つ買う」に精通していた悪童。父親の煙管を質に入れていたことがバレて勘当され、青年時に吉原の付き馬から逃げるため寄席に飛び込み、橘家円喬の落語に出会う。そこから落語に傾倒、寄席に通い始める。
その後、オリンピック予選会が羽田で開かれた際には、それに清さんが出場するため車夫の仕事を代行する。そこで偶然円喬と遭遇し、弟子入り。浅草から日本橋を通って芝までを実際に走りながら、円喬の『富久』を背中で聞くという稽古を受ける。
四三らがストックホルムに向かっている頃、三遊亭朝太(さんゆうてい ちょうた)の芸名と五を円喬から貰い、正式に彼の弟子となる。ストックホルムオリンピック開催頃、緊張から酒を呷り泥酔状態のため完遂は出来なかったものの『富久』で初高座を経験。大正元年9月には小円朝に付いて旅興行に出かけることになり、円喬、清さん、小梅の見送りを受けて旅立つ。旅先の浜松では、小円朝と衝突し一座を飛び出した後、無銭飲食をして入牢。その際、新聞記事で円喬の死を知る。悲しみに茫然自失とする中、同室となった牢名主(演:マキタスポーツ)を相手に『文七元結』を演じたことで円喬の死と向き合い断髪、小円朝に謝罪、高座で前座話の『寿限無』を披露し噺家として出直しを誓う。
その後、東京に戻るが小梅と徳重の騒動に巻き込まれ浜松に戻ることを余儀なくされる。アントワープオリンピックの終了後、政治からくすねた金で東京に戻り、噺家として再起を図る。二つ目として三遊亭円菊(さんゆうてい えんぎく)を名乗っていたこの頃に上野鈴本亭の席亭の計らいで真打ち昇進が決まり、万朝から贈られた紋付きを始めとした道具一式を揃えられるも、これをすべて質草にし、ボロボロの着物で金原亭馬きん(きんげんてい ばきん)として真打ち披露を果たす。同時期、将来を心配した清さんと小梅に勧められるまま、彼らを仲人として清水りんと結婚。しかし生活ぶりは相変わらず酒にバクチ、女に手を出す暮らしを続ける。関東大震災発生時は咄嗟にりんを守るが、直後に酒屋に走り、そこら中で壊れた樽や瓶の酒を片っ端から飲み漁る。帰宅後、りんから第一子の懐妊を告げられ絶句するも、妻の手酌の椀入りの酒を飲む。そして震災で廃墟となった東京を目前にして落ち込むが、倒壊した寄席小屋でもなお落語をする同業者や、後に無事が確認された清さん・小梅夫婦の励ましを受け気持ちを切り替え、仮設の寄席やバラックで落語を披露し、罹災者を勇気づける。
りん
(清水りん → おりん → りん)
演:池波志乃[10][注釈 11](青年期:夏帆[26]
志ん生の妻。旧姓は清水(しみず)。
高田馬場で下宿屋を営む家で育った。25歳のときに孝蔵との縁談話がまとまり、清さん・小梅夫婦の仲人の元で結婚。結婚当初は世間知らずかつ純粋で、噺家の符丁で誤魔化され毎日のように遊びに出掛ける孝蔵を見送る。やがて孝蔵と夜逃げをする羽目となり、生活に疲れ果てた同時期に関東大震災に罹災。その中で孝蔵の自身に対する愛情を知り、後の美津子となる第一子の懐妊を打ち明ける。
五りん(ごりん)
(小松 → 五りん)
演:神木隆之介[2]
本名は小松。芸名は志ん生が、かつて円喬から朝太の名とともに貰った「五厘」にちなんで与えたもので、オリンピックの通称「五輪」とは関係ない。またドラマの語りとしては、主に女子スポーツに関するパート、特にシマの物語を担当している。
親からの言いつけで健康法として冷水を頭から被る習慣を持つ。父は、元・箱根駅伝選手、母は昔播磨屋で働いた経歴がある。関東大震災で祖母が罹災した旨を話し、その祖母の写真としてシマと増野の結婚写真を持ち歩いている。
母の形見である、亡き父が出征先の満州から送った絵葉書に「志ん生の『富久』は絶品」と書かれていたことから志ん生を慕い、落語の知識は皆無ながらも昭和35年に弟子入りを志願。当初志ん生に断られるが、飄々として人懐こい性格で志ん生の懐に入り込み弟子になる。ただし身の周りの世話以外何もしておらず実質付き人という扱いであり、志ん生自身も稽古をつけるつもりは無いと言う。
昭和36年の正月には、箱根駅伝にあやかった駅伝落語として『富久』を今松から仕込まれるが、落語の基礎さえまるでできず、代わりに自身が書いた創作落語『箱根駅伝』を高座に上げることになる。当初は志ん生も含めた3人だけで回すはずが人数が足りなくなり、志ん生の子である馬生や朝太の手を借りながら、これを完走。
知恵(ちえ)
演:川栄李奈[2]
小松の恋人。苗字は阿部(あべ)。ちーちゃんとも呼ばれる。
小松が志ん生を探すのに付き合い、一緒に志ん生の自宅を訪れる。
五りんと同じく人懐こく物怖じしない性格で、五りんが志ん生に弟子入り後は、勝手に志ん生の家に上がったり、彼を「おじいちゃん」呼ばわりして、対等に会話を交わしたりしている。
美津子(みつこ)
演:小泉今日子[27]
志ん生の長女。父のマネジャーを務める。
関東大震災の際にりんが身ごもっていた。
今松(いままつ)
演:荒川良々[10]
志ん生の弟子。
金原亭馬生(きんげんてい ばしょう)
演:森山未來[49]
志ん生の長男。本名は美濃部清(みのべ きよし)
古今亭朝太(ここんてい ちょうた)
演:森山未來[49]
志ん生の次男。本名は美濃部強次(みのべ きょうじ)。テレビにもよく出演している。

落語関係者たち編集

橘家円喬(たちばなや えんきょう)
演:松尾スズキ[2]
売れっ子の落語家。孝蔵が落語家を目指すきっかけになる人物。芸事に妥協がなく、先輩にも平気で毒を吐く。一方で孝蔵と接する時に感情を表に出すことは少ないが、彼を「フラがある」と評し才能を認めている。
オリンピック代表選考会に参加する清さんに代わり人力車夫をしていた孝蔵と出会う。その際、孝蔵に弟子入りを懇願され、専属の車夫として雇う。
孝蔵の初高座ののち、彼を三遊亭小円朝に預けることを決める。孝蔵が小円朝のドサ回りの同行で出発する際には、高座の合間を縫って新橋駅に現れ「大事な弟子」として孝蔵を小円朝に託し、孝蔵には当時の高級タバコである敷島を餞別に与える。
孝蔵が浜松巡業中、肺癌により死去する。享年48歳。
万朝(まんちょう)
演:柄本時生[27]
三遊亭小円朝の弟子。孝蔵が小円朝の元を去ってからも行動を共にするが、浜松の宿で孝蔵が文無しにも関わらず宿泊したことから、捕まるのを恐れて逃げるように去っていく。その後は太鼓持ちとなり、孝蔵のことを心配し、真打になった時に困らないよう紋付を用意する。
三遊亭小円朝(さんゆうてい こえんちょう)
演:八十田勇一
落語家。円喬に代わって美濃部孝蔵の師匠となる。しかし浜松の勝鬨亭で些細なことから孝蔵と大喧嘩になり一度は彼を追い出すが、円喬の死を機に考えを改め頭を下げたことで再び弟子として受け入れる。
席亭
演:中村育二
上野鈴本亭の三代目席亭。名前は鈴木孝一郎
金原亭馬生(六代目)(きんげんてい ばしょう)
演:古今亭菊之丞[注釈 12]
孝蔵(金原亭馬きん)の3人目の師匠。
柳家三語楼(やなぎや さんごろう)
演:廣川三憲
孝蔵(柳家東三楼)の4人目の師匠。
三遊亭圓生(さんゆうてい えんしょう)
演:中村七之助[33]

外国人編集

IOC関係者編集

クーベルタン
演:ニコラ・ルンブレラス
近代オリンピックの創始者。
欧米人だけの大会だったオリンピックにアジア代表として日本の参加を望み、そのための「適任者」として治五郎に目をつける。大会終了後の会議で日本開催を口にして招待しようとした治五郎に「日本は遠すぎる」と小馬鹿にし背負い投げを喰らう。
ジェラールフランス語版
駐日仏国大使
ラトゥール
演:ヤッペ・クラースオランダ語版
ベルギーIOC委員。フルネームはアンリ・ド・バイエ=ラトゥール。
ボナコッサイタリア語版
演:フランチェスコ・ビショーネ
イタリアIOC委員。伯爵。
王正廷(ワン ジョンディン)
演:ホァンシー
中国IOC委員。
ガーランド英語版
演:ラズ・B
アメリカIOC委員。
ブランデージ
演:ドン・ジョンソン
アメリカIOC委員。

競技関係者たち編集

ラザロ
演:エドワード・ブレダ
ストックホルム大会マラソンポルトガル代表選手。
元は貧しい大工で、電車に乗れず走って通っていたところを代表選手としてスカウトされた。
四三の履く足袋に興味を持ったことを機に友好的な関係となり、長距離走本番では道を誤る四三に注意を呼びかけるが、レース中に倒れ死去。近代オリンピック史上で初の死亡者となる。
ザーリングスウェーデン語版
演:マックス・ベッカム
ストックホルム大会陸上競技スウェーデン代表選手。
キッパス
アメリカ競泳監督。

オリンピック開催都市の人々編集

ダニエル
演:エドヴィン・エンドレ
ストックホルム大会での日本選手団ガイド。
サミュエル
演:ピーター・エリクソン
ストックホルム大会の記者。ダニエルの父。
ナオミ
演:織田梨沙
ロサンゼルスの日系アメリカ人。リトルトーキョーの日本料理店従業員。
ヤーコプ
演:サンディー海
ベルリン大会での日本選手団通訳。

外国要人編集

ムッソリーニ
演:ディノ・スピネラ
イタリア首相
ロドロ
オスロ・イタリア公使
ヒトラー
演:ダニエル・シュースター
ドイツ総統

その他の人物編集

慶(けい)
演:深沢敦[注釈 13]
活動写真化された『不如帰』で描かれた、三島和歌子をモデルとした登場人物。

スタッフ編集

いだてん紀行編集

放送編集

放送時間編集

  • NHK BS4K:毎週日曜 9時-9時45分
  • NHK BSプレミアム:毎週日曜 18時 - 18時45分
  • 総合テレビ:毎週日曜 20時 - 20時45分
  • (再放送)総合テレビ:毎週土曜 13時5分 - 13時50分 / BS4K:毎週日曜 8時 - 8時45分

放送日程編集

  • 初回は15分拡大。
  • 4月28日の第16回は平成最後、5月5日の第17回は令和最初のNHK大河ドラマの放送となった。
放送回 放送日 サブタイトル 演出 紀行 視聴率
第1部 金栗四三篇・前半
01回 01月06日 夜明け前 井上剛 嘉納治五郎&井上康生 15.5%[51]
02回 01月13日 坊っちゃん 金栗の故郷を訪ねて 12.0%[52]
03回 01月20日 冒険世界 西村武五郎 天狗倶楽部 13.2%[53]
04回 01月27日 小便小僧 一木正恵 脂抜き走法 11.6%[54]
05回 02月03日 雨ニモマケズ 井上剛 羽田運動場 10.2%[55]
06回 02月10日 お江戸日本橋 西村武五郎 日本橋 09.9%[56]
07回 2月17日 おかしな二人 一木正恵 高橋大輔&地元支援 09.5%[57]
08回 2月24日 敵は幾万 井上剛 旧新橋停車場 09.3%[58]
09回 3月03日 さらばシベリア鉄道 大根仁 大森夫妻 09.7%[59]
第10回 3月10日 真夏の夜の夢 西村武五郎 ストックホルム 08.7%[60]
第11回 3月17日 百年の孤独 100年後のいだてん 08.7%[61]
第12回 3月24日 太陽がいっぱい 一木正恵 マラソンコース 09.3%[62]
第13回 3月31日 復活 井上剛 ラザロ 08.5%[63]
第1部 金栗四三篇・後半
第14回 4月14日 新世界 井上剛
大根仁
日本の体育教育 09.6%[64]
第15回 4月21日 あゝ結婚 一木正恵 金栗の故郷を訪ねて 08.7%[65]
第16回 4月28日 ベルリンの壁 大根仁 髙田裕司&失われた目標 07.1%[66]
第17回 5月05日 いつも2人で 一木正恵 東海道五十三次駅伝 07.7%[66]
第18回 5月12日 愛の夢 松木健祐 ハリマヤシューズ 08.7%[67]
第19回 5月19日 箱根駅伝 大根仁 箱根駅伝 今井正人 08.7%[68]
第20回 5月26日 恋の片道切符 日本初のメダリスト 熊谷一彌 08.6%[69]
第21回 6月02日 櫻の園 西村武五郎 女子スポーツと澤穂希 08.5%[70]
第22回 6月09日 ヴィーナスの誕生 林啓史 二階堂トクヨ日本女子体育大学 06.7%[70]
第23回 6月16日 大地 井上剛 凌雲閣 06.9%[71]
第24回 6月23日 種まく人 一木正恵 関東大震災復興 07.8%[72]
第2部 田畑政治篇
第25回 6月30日 時代は変る 井上剛 田畑政治 08.6%[73]
第26回 7月07日 明日なき暴走 大根仁 人見絹枝有森裕子 07.9%[74]
第27回 7月14日 替り目 日本泳法 07.6%[75]
第28回 7月28日 走れ大地を 桑野智宏 犬養毅 07.8%[76]
第29回 08月04日 夢のカリフォルニア 西村武五郎 ロサンゼルスオリンピックリトルトーキョー選手村 07.8%[77]
第30回 08月11日 黄金狂時代 津田温子 ロサンゼルスオリンピック・プールと北島康介 05.9%[78]
第31回 08月18日 トップ・オブ・ザ・ワールド 西村武五郎 ロサンゼルスオリンピック・スタジアムと日系人 07.2%[79]
第32回 08月25日 独裁者 大根仁 岸清一 05.0%[80]
第33回 09月01日 仁義なき戦い 桑野智宏 オリンピック招致活動と小谷実可子 06.6%[81]
第34回 09月08日 226 一木正恵 招致活動とラトゥール
第35回 09月15日 民族の祭典 井上剛 オリンピック映画の歴史
第36回 09月22日 前畑がんばれ
  • 視聴率は総合テレビでの放送分であり、ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。

放送休止・時間変更編集

  • 4月7日は、総合テレビで19時59分 - 21時45分に『2019統一地方選開票速報・第1部』を放送のため休止。なお、BSプレミアム・BS4Kでの放送時間帯、および同月13日の総合テレビでの再放送枠はそれぞれ別番組が放送された。
  • 7月21日は、総合テレビで19時55分 - 翌4時30分に『参院選2019開票速報』を放送のため休止[75]

視聴率と評判編集

  • 初回放送の視聴率は15.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム。以下略)で『大河ドラマ』としては前作の『西郷どん』の15.4%を0.1ポイント上回った[51]。しかし、第6回放送で史上最速の1桁となる9.9%を記録し[56]、第16回放送では大河ドラマ史上最低の7.1%と2012年の『平清盛』を下回り過去最低となった[66]。その後、第22回、第30回、第32回放送でもさらに低視聴率を更新した[80]
  • 視聴率の低下につながった要因として、五感生活研究所代表の山下柚実は、大河ドラマとしては異例となる近現代劇で2人の主人公、「マラソンと落語」といった二つの素材を入れたため話がわかりにくいなどが考えられるとしている[82]
  • NHKの5月9日の定例会見で上田良一会長はドラマを評価するコメントを出した。打開策について聞かれた制作責任者は「今回の大河は近代もので、ほぼ無名の人物を描いていて、挑戦的な作品。特効薬的なものがあれば、逆にお聞きしたいですが、現場でも頑張っていて、どうやればうまく分かりやすいように伝わるかなど考えています」と答えた[83]

関連商品編集

サウンドトラック
  • 大河ドラマ いだてん オリジナル・サウンドトラック(ビクターエンタテインメント
    • 前編:2019年3月6日発売、VICL-65131
    • 後編:2019年7月24日発売、VICL-65225
公式ガイドブック
シナリオ本

ドラマと所縁のある地域の反応編集

主人公の一人である金栗四三の出身地、旧熊本県玉名郡春富村が含まれる和水町と、玉名市南関町の1市2町による地域協議会が2017年10月に発足した[84]。2019年1月6日のドラマ放送開始にあわせ、玉名市繁根木の旧玉名市役所庁舎跡地に大河ドラマ館(2019年1月13日から2020年1月12日)、和水町大田黒の三加和温泉ふるさと交流センター敷地内に金栗四三ミュージアムが2019年1月11日から2020年1月13日までの1年間の予定で開館し、金栗四三を記念したマラソン大会も開催される[85]。また金栗四三の生家が2019年1月11日から12月23日まで特別に公開される[86]。なお、和水町では初回放送日の2019年1月6日に和水町三加和公民館にてパブリックビューイング (PV) が行われる予定であったが、放送3日前の1月3日に和水町で震度6弱を記録する地震が発生し、同公民館が避難所に指定されているため、PVが中止となった[87][88]が、地域おこし協力隊有志により会場を変更して開催にこぎつけた[要出典]。なお、第2話については熊本市内の2箇所(くまもと県民交流館パレア(くまモンスクエア)NHK熊本放送局)にてPVが行われる[89]

金栗四三が青春時代を過ごした東京都文京区では「大河ドラマ『いだてん』主人公金栗四三青春の地・文京区プロジェクト」と題し、様々なイベントを開催した[90]

金栗四三が教員を務めた東京府立第二高等女学校を前身とする東京都立竹早高校吹奏楽部は、本作が縁となりドラマ中の音楽の演奏に参加することとなった[91]

またもう一人の主人公である田畑政治の出身地である静岡県浜松市でも、同市を舞台とした2017年NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』に引き続き、商工会議所が作品に関連する商品開発を進める方針[92]である。しかし「~直虎」の時には市や経済界、観光協会が協議会をつくって市全体で受け入れ態勢を整えたが、今回はその時に比べると市の風景がどれだけ放映されるかは不透明でもあり、反応は鈍いとされる[93]

金栗を指導した可児徳の出身地である岐阜県中津川市では名前すら忘れ去られていた[94]が、『いだてん』放送を機に観光課が可児を紹介するチラシを作成[95]、「可児徳杯小学生ドッジボール大会」を開催する[96]など功績を伝える動きが現れた[97]。また、ロケが行われているつくばみらい市ワープステーション江戸では、完成したばかりの新ゾーンが撮影に用いられることになっており、地元の期待が高まっている[98]

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 当初の公式発表[3]では「“スポーツ維新”ストックホルム大会篇」「“オリンピックの光と影”ベルリン大会篇」「“復興、平和への願い”東京大会篇」の3章立てであることが記されているが、公式サイトの「登場人物」欄では「ストックホルム大会篇」以降4章立てになっていることが示唆されている。
  2. ^ 現在の陸上部
  3. ^ 横尾の出身校である兵庫県立西脇工業高等学校は長らく全国高等学校駅伝競走大会の男子最多優勝記録を持っていたが、2014年・2015年に連続優勝した広島県立世羅高等学校に上回られている。
  4. ^ 少年期演者のクレジットも「まーちゃん」となっている。
  5. ^ 当初志賀廣太郎の出演が予定されていたが体調不良のため降板[32]
  6. ^ 増野シマとの二役。
  7. ^ 当初キャスティングされたピエール瀧が不祥事により3月10日の放送(第10回)をもって降板、3月19日付で代役が三宅に決定した[35][36]。不祥事発覚後の3月16日の第10回再放送は瀧の登場シーンがカットされるように再編集され[37]、この影響により、本放送では登場していた峯田和伸(清さん役)のクレジットも再放送においては削除された[38]。また、今後の放送の総集編やDVD発売時のため、放送済みのピエール瀧の出演シーンも三宅弘城により撮り直しとなる[39]
  8. ^ ゼッケンに「田せ早(早稲田)」と書かれていた。
  9. ^ 前年(2018年)の大河ドラマ『西郷どん』にも同役で出演していた[46]
  10. ^ クレジット上は、ビートたけしが「古今亭志ん生」役、森山未來が「美濃部孝蔵」役と振り分けられている。
  11. ^ 池波はりんの長男である十代目金原亭馬生の長女であるため、実の孫が祖母を演じることとなる[48]
  12. ^ 落語指導も担当。
  13. ^ 深沢は慶の他に「先輩噺家」(第10回)も演じている。
  14. ^ a b 古今亭志ん生の「オリムピック噺」という落語で展開される物語との設定[5]のため、志ん生(ビートたけし)によるナレーションを「噺」と表記し、志ん生の「噺」に登場する美濃部孝蔵(森山未來)のナレーション[50]を「語り」と表記している。

出典編集

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関連項目編集

外部リンク編集