子安 宣邦(こやす のぶくに、 (1933-02-11) 1933年2月11日(87歳)[1]- )は、日本思想史家大阪大学名誉教授。専門は日本思想史(近世・近代)。

略歴編集

神奈川県川崎市出身。 妻はシュタイナー教育研究の子安美知子。娘はエッセイスト・ミュージシャンの子安文

東京大学文学部倫理学科卒業。同大学院人文科学研究科博士課程満期退学。横浜国立大学教育学部助教授(哲学・倫理学教室)、大阪大学文学部教授、1987年「伊藤仁斎研究」で大阪大学文学博士。1996年定年退官、名誉教授、東京家政学院筑波女子大学国際学部教授。日本思想史学会の会長も務めた。

ミシェル・フーコーの「言説」論(『言葉と物』『知の考古学』など)に大きな影響を受け、『「事件」としての徂徠学』以降、「言説論的転回」を遂げて、『江戸思想史講義』など一連の著作で「日本思想史」を問い直している。『現代思想』(青土社)などへの雑誌寄稿もある。

伊藤仁斎荻生徂徠本居宣長平田篤胤なと、江戸時代の古学国学を専門にしていたが、『近代知のアルケオロジー』(『日本近代思想批判』)以後は福澤諭吉津田左右吉和辻哲郎など、明治以降の思想についても言及している。これらの思想史的検討だけではなく、靖国神社問題(『国家と祭祀』)や中国問題(『日本は中国をどう語ってきたか』『帝国か民主か』など)にも積極的に発言し、幅広い思想史に関わる議論をおこなっている。

著書(単著)編集

  • 『宣長と篤胤の世界』(中央公論社、中公叢書、1977年)のち『平田篤胤の世界』に所収
  • 『伊藤仁斎 人倫的世界の思想』(東京大学出版会、1982年)
  • 『「事件」としての徂徠学』(青土社、1990年)のちちくま学芸文庫
  • 鬼神論―儒家知識人のディスクール』(福武書店、1992年)のち『鬼神論ー神と祭祀のディスクール』(白澤社、2002年)
  • 本居宣長岩波新書岩波書店、1992年)のち岩波現代文庫
  • 『「宣長問題」とは何か』(青土社、1995年)のちちくま学芸文庫
  • 『近代知のアルケオロジー 国家と戦争と知識人』(岩波書店、1996年)のち『日本近代思想批判』岩波現代文庫
  • 『江戸思想史講義』(岩波書店、1998年)のち岩波現代文庫
  • 『方法としての江戸―日本思想史と批判的視座』(ぺりかん社、2000年)
  • 平田篤胤の世界』(ぺりかん社、2001年)
  • 『「アジア」はどう語られてきたか―近代日本のオリエンタリズム』(藤原書店、2003年)
  • 漢字論 不可避の他者』(岩波書店、2003年)
  • 『国家と祭祀』 (青土社、2004年)
  • 『福沢諭吉「文明論之概略」精読』(岩波現代文庫、2005年)
  • 『本居宣長とは誰か』平凡社新書、2005年)
  • 『宣長学講義』(岩波書店、2006年)
  • 『日本ナショナリズムの解読』(白澤社、2007年)
  • 『「近代の超克」とは何か』(青土社、2008年)
  • 徂徠学講義 『弁名』を読む』(岩波書店、2008年)
  • 昭和とは何であったか─反哲学的読書論』藤原書店、2008年)
  • 思想史家が読む論語 ー「学び」の復権』(岩波書店、2010年)
  • 和辻倫理学を読む もう一つの「近代の超克」』青土社 2010
  • 『日本人は中国をどう語ってきたか』青土社 2012
  • 歎異抄の近代』白澤社 2014
  • 仁斎学講義 『語孟字義』を読む』ぺりかん社 2015
  • 『帝国か民主か 中国と東アジア問題』社会評論社 2015
  • 『「大正」を読み直す 幸徳大杉河上津田、そして和辻・大川』藤原書店 2016
  • 『仁斎論語 上下 『論語古義』現代語訳と評釈』ぺりかん社 2017

編著編集

  • 『日本思想史辞典』監修(ぺりかん社 2001年)
  • 『岩波哲学・思想辞典』廣松渉三島憲一宮本久雄佐々木力野家啓一末木文美士共編(岩波書店 1998)
  • 『江戸の思想』1〜10巻(ぺりかん社)
  • 『日本思想史』 (ブックガイドシリーズ 基本の30冊)(人文書院 2011年) 
  • 『日本思想史読本』古田光共編 東洋経済新報社 1979
  • 歴史の共有体としての東アジア 日露戦争と日韓の歴史認識 崔文衡共著 藤原書店 2007.6
  • 「[解説]日本倫理学の方法論的序章」和辻哲郎著『人間の学としての倫理学』岩波文庫2007

翻訳・校注編集

  • テツオ・ナジタ懐徳堂 18世紀日本の「徳」の諸相』岩波書店 1992
  • 佐藤信淵「鎔造化育論」相良亨編『平田篤胤』
  • 平田篤胤『霊の真柱』(校注)岩波文庫 1998
  • 平田篤胤『仙境異聞・勝五郎再生記聞』(校注)岩波文庫、2000
  • 本居宣長「排蘆小船・石上私淑言 宣長「物のあはれ」論』(校注)岩波文庫、2003
  • 本居宣長『紫文要領』校注 岩波文庫、2010年

脚注編集

  1. ^ 『現代日本人名録』

関連項目編集

外部リンク編集