藤井寺市(ふじいでらし)は、大阪府南河内地域北部に位置する。1966年(昭和41年)市制施行。

ふじいでらし ウィキデータを編集
藤井寺市
葛井寺本堂
藤井寺市旗 藤井寺市章
藤井寺市旗 藤井寺市章
1965年6月25日制定
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 大阪府
市町村コード 27226-4
法人番号 8000020272264 ウィキデータを編集
面積 8.89km2
総人口 62,085[編集]
推計人口、2024年2月1日)
人口密度 6,984人/km2
隣接自治体 八尾市柏原市羽曳野市松原市
市の木 ウメ
市の花 キク
藤井寺市役所
市長 岡田一樹
所在地 583-8583
大阪府藤井寺市岡一丁目1番1号
北緯34度34分27秒 東経135度35分51秒 / 北緯34.57422度 東経135.59747度 / 34.57422; 135.59747座標: 北緯34度34分27秒 東経135度35分51秒 / 北緯34.57422度 東経135.59747度 / 34.57422; 135.59747
藤井寺市役所
外部リンク 公式ウェブサイト

藤井寺市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村


地図
ウィキプロジェクト

概要

大阪市から南東へおよそ15kmで同市のベッドタウン。大小の古墳が密集する古市古墳群や、西国三十三所第5番札所の葛井寺の門前町として知られる。かつてはプロ野球近鉄バファローズの本拠地・藤井寺球場があったことでも知られている。全国のの中で5番目に面積が小さい[注 1]。また、人口密度は大阪府下で8番目であり、南河内では最も高い。

市章は、市内に多く所在する前方後円墳国府遺跡(国史跡)から出土した縄文時代玦状耳飾り(けつじょうみみかざり)をモチーフにしている[1][2]

地理

 
藤井寺市中心部周辺の空中写真。1985年撮影の6枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

大阪平野の南東部、大和川石川の合流点にあり、市域はほぼ平坦。古代には河内国府が置かれ、奈良を結ぶ長尾街道(古代の大津道)と竹内街道高野山へ通じる東高野街道が通じていた。 現在は、近鉄南大阪線が東西に、国道170号が南北に市域を貫き、西名阪自動車道が通るなど交通が発達。市の西側の藤井寺駅を中心とした地域と、東側の土師ノ里駅道明寺駅を中心とした地域に市街地が発達している。

羽曳野市柏原市とは次のとおり一部事務組合を組織しており、比較的結びつきが強い。
  • 消防柏原羽曳野藤井寺消防組合(羽曳野市、柏原市と)
  • ごみ・し尿処理:柏羽藤環境事業組合(羽曳野市、柏原市と)
  • 学校給食:藤井寺市柏原市学校給食組合(柏原市と)
  • 保健:藤井寺保健所(羽曳野市、柏原市のほか松原市も管轄)、なお、生活衛生室(薬事課、検査課)については富田林保健所管内(富田林市、河内長野市、大阪狭山市、太子町、河南町、千早赤阪村)もカバーし、南河内地域全域を管轄している。

歴史

市名は市内にある「葛井寺」(ふじいでら)に由来する。葛井寺は百済王族の子孫である渡来人系氏族葛井(藤井)連(ふじいのむらじ)の氏寺として、8世紀中頃に創建されたと推定されている。市内には国府(こう)の地名が残り、同地に河内国国府が置かれたとされている。

大正末期から昭和初期にかけて、大阪鉄道藤井寺駅付近に住宅や教材園、野球場などを建設し、田園都市として発展した。

行政区域の変遷

  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により、以下の4村が発足。
  • 1890年(明治23年)3月31日 - 道明寺村と沢田村が合併して、改めて道明寺村となる。
  • 1896年(明治29年)
    • 4月1日 - 郡の統廃合により、所属郡が南河内郡となる。
    • 5月4日 - 南河内郡のもうひとつの長野村(旧・錦部郡長野村)との区別のため、長野村が藤井寺村に改称。
  • 1915年(大正4年)11月10日 - 藤井寺村と小山村が合併して、改めて藤井寺村となる。
  • 1928年(昭和3年)10月15日 - 藤井寺村が町制施行して、藤井寺町となる。
  • 1951年(昭和26年)1月1日 - 道明寺村が町制施行して、道明寺町となる。
  • 1959年(昭和34年)4月20日 - 藤井寺町と道明寺町が合併して、藤井寺道明寺町(ふじいでらどうみょうじちょう)が発足。
  • 1960年(昭和35年)1月1日 - 藤井寺道明寺町が美陵町(みささぎちょう)に改称。
  • 1966年(昭和41年)11月1日 - 美陵町が市制施行・即日改称して、藤井寺市となる(摂津市高石市と同日施行)。

人口

平成27年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、1.10%減の65,438人であり、増減率は府下43市町村中15位、72行政区域中38位。

 
藤井寺市と全国の年齢別人口分布(2005年) 藤井寺市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 藤井寺市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

藤井寺市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


地域

藤井寺市では、全域で町名整理が実施されており、ほとんどの区域で住居表示に関する法律に基づく住居表示が実施されている。住居表示未実施の地域は、小山三丁目、小山七丁目の大和川以北、津堂三丁目、津堂四丁目。

町名 町名の読み 設置年月日 住居表示実施年月日 住居表示実施直前の町名 備考
青山一〜三丁目 あおやま 1968年1月1日
野中一〜五丁目 のなか 1968年1月1日
藤ヶ丘一〜四丁目 ふじがおか 1968年1月1日
さくら町 さくらちょう 1968年1月1日 2005年8月1日 藤井寺公団(ふじいでらこうだん) 公団住宅撤去により町名変更
東藤井寺町 ひがしふじいでらちょう 1968年1月1日
西古室一・二丁目 にしこむろ 1968年1月1日
藤井寺一〜四丁目 ふじいでら 1968年1月1日
陵南町 りょうなんちょう 1968年1月1日
春日丘一〜三丁目 かすがおか 1968年1月1日
春日丘新町 かすがおかしんまち 1968年1月1日 2008年2月1日 春日丘公団(かすがおかこうだん) 公団住宅撤去により町名変更
恵美坂一・二丁目 えみさか 1969年1月1日
岡一・二丁目 おか 1969年1月1日
御舟町 みふねちょう 1969年1月1日
北岡一・二丁目 きたおか 1969年1月1日
小山一〜九丁目 こやま 1969年1月1日
小山藤美町 こやまふじみちょう 1969年1月1日
小山新町 こやましんまち 1969年1月1日
小山藤の里町 こやまふじのさとちょう 1969年1月1日
津堂一〜四丁目 つどう 1970年7月1日
西大井一・二丁目 にしおおい 1969年1月1日
沢田一〜四丁目 さわだ 1969年1月1日(一)
1970年7月1日(三・四)
1973年10月1日(二)
林一〜六丁目 はやし 1969年1月1日(一)
1970年7月1日(二〜六)
古室一〜三丁目 こむろ 1970年7月1日(二・三)
1973年10月1日(一)
道明寺一〜六丁目 どうみょうじ 1970年7月1日
国府一〜三丁目 こう 1970年7月1日
惣社一・二丁目 そうしゃ 1970年7月1日
梅が園町 うめがえんちょう 1970年7月1日
船橋町 ふなはしちょう 1970年7月1日
北條町 ほうじょうちょう 1970年7月1日
大井一〜五丁目 おおい 1970年7月1日
川北一〜三丁目 かわきた 1970年7月1日

行政

歴代市長

氏名 就任 退任
初代 松内慶造 1966年 1979年
2代 堀端宏 1979年 1999年
3代 井関和彦 1999年 2007年
4代 國下和男 2007年 2019年
5代 岡田一樹 2019年

政治

市議会

大阪府議会

選挙区は柏原市及び藤井寺市選挙区。定数は1。

衆議院

選挙区 議員名 党派名 当選回数 備考
大阪府第14区八尾市柏原市羽曳野市藤井寺市 青柳仁士 日本維新の会 1 選挙区

経済

商業

平成19年商業統計調査による。

製造業

大阪府統計課「平成20年大阪の工業」による。

  • 事業所数:114
  • 従事者数:2,509人
  • 製造品出荷額等:4,456,632万円

藤井寺市内に本社機能を置く主な企業

藤井寺市内に主力工場もしくは支店を置く主な企業

金融機関

現存

名称が藤井寺支店の金融機関は藤井寺駅周辺に、道明寺支店の金融機関は土師ノ里駅周辺にある。道明寺駅周辺には金融機関の店舗はなく、店舗外ATMも設置されていない。

撤退

  • みずほ銀行藤井寺支店 - 旧第一勧業銀行。春日丘に所在していた。2006年阿倍野橋支店と統合。建物は取り壊され、現在はファミリーマートになっている。なお、隣の松原市にあった松原支店も同日をもって阿部野橋支店と統合となったため、近鉄南大阪線沿線で同行が出店しているのはターミナル駅に立地する阿倍野橋支店のみとなった。藤井寺、松原いずれも店舗があった場所の近くにATMを設置している。
  • なみはや銀行藤井寺支店 - 旧大阪相互銀行なにわ銀行。春日丘に所在していた。1999年の経営破綻後、近畿大阪銀行に営業譲渡されたため至近距離にあった同行藤井寺支店と統合。建物は現存し、現在住友不動産販売の営業所となっている。
  • 京都銀行藤井寺支店 - 岡に所在していた。撤退後は泉州銀行(現・池田泉州銀行)が出店。1973年の藤井寺市版電話帳には当行の電話番号の記載がある。また、1988年版電話帳には泉州銀行の電話番号の記載がある。したがって、1974年から1986年までの間に撤退したと思われる。
  • 相互信用金庫藤井寺支店 - 小山に所在していた。経営破綻後2003年頃閉店。建物は現存し、現在は動物病院となっている。
  • 大同信用組合道明寺支店 - 旧福寿信用組合。道明寺に所在していた。1999年の合併後しばらくは営業していたが、至近距離に松原市に本店があった河内信用組合の流れを酌む成協信用組合が出店しており、競合するため撤退。建物は現存しているが空きビルとなっている。
  • 近畿大阪銀行土師ノ里支店 - 旧近畿銀行土師ノ里支店。沢田に所在していた。大阪銀行と合併後しばらくは営業していたが道明寺支店と統合。建物は現存し、小児科と眼科からなるクリニックモールとなっている。
  • 住友信託銀行 - 店舗名は不明。春日丘に所在していた。一時期支店か出張所として出店していた。
  • 田辺信用組合藤井寺支店 - 藤ヶ丘に所在していた。1998年に経営破綻後、さくら銀行へ事業譲渡され閉店。建物は取り壊され、現在は分譲住宅となり一角に整骨院が開業している。向かいにある交番前に掲示されていた地図には、撤去されるまで当組合の記載があった。
  • ナショナル証券藤井寺支店 - 岡(成協信用組合の向かい)に所在していた。1999年頃閉店。閉店後は店舗の入れ替わりが激しい。
  • 藍澤證券藤井寺支店 旧大華証券→丸宏大華証券→日本アジア証券 春日丘に所在していたが2022年に阿倍野区のあべのハルカス内へ移転し、同地に移転した泉佐野支店とともに「あべのハルカス支店」と改称。

日本郵政グループ

(2012年12月現在)

  • 日本郵便株式会社
    • 藤井寺郵便局(藤ヶ丘) - 集配局。
    • 藤井寺小山郵便局(小山)
    • 道明寺南郵便局(道明寺)
    • 藤井寺西古室(にしこむろ)郵便局(西古室)
    • 藤井寺駅前郵便局(春日丘)
    • 藤井寺沢田郵便局(沢田)
    • 藤井寺北条(ほうじょう)郵便局(北條町=ほうじょうちょう)
  • ゆうちょ銀行
    • 大阪支店 藤井寺出張所(藤ヶ丘/藤井寺郵便局と併設)(ATMはホリデーサービス実施)
その他各郵便局にATMが設置され、藤井寺駅前郵便局ではホリデーサービスを実施。

※藤井寺市内の郵便番号は「583-00xx」(藤井寺郵便局の集配担当)となっている。

姉妹都市・提携都市

教育

大学・短期大学

高等学校

中学校

小学校

特別支援学校

図書館

交通

鉄道路線

近畿日本鉄道

南大阪線:藤井寺駅 - 土師ノ里駅 - 道明寺駅
道明寺線:道明寺駅

バス

一般路線バス

コミュニティバス

  • 藤井寺市公共施設循環バス[4]
    • 1994年(平成6年)運行開始[4]。市内公共施設を中心に、Aコース・Bコースそれぞれに南回り・北回りを設定し、バス2台で循環運行している[4]
    • 市の自家用バスを使用して市内を循環する自治体バス。運賃は無料。運行業務を近鉄バスへ委託している。車両は三菱ふそう・ローザを使用し、北回りは青いバス、南回りは赤いバスで運行する。
    • 市北部の一部(小山七丁目の一部)が大和川を越え八尾市に隣接していることから、八尾市内(八尾市太田八丁目)にも乗り入れる。
    • 循環バスの利用は、本市公共施設を利用する場合に限られる[5]

道路

このほか、大阪南部高速道路の建設が構想されている。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

 
葛井寺
 
道明寺天満宮
 
アイセルシュラホール
 
藤井寺球場
 
仲ツ山古墳
 
城山古墳

名所・旧跡

文化財

彫刻

  • 乾漆・十一面千手観音座像(国宝・葛井寺蔵)
  • 木造・十一面観音立像(国宝・道明寺蔵)
  • 木造・十一面観音立像(重要文化財・道明寺蔵)
  • 木造・聖徳太子立像(重要文化財・道明寺蔵)

工芸

  • 伝菅公遺品(国宝・道明寺天満宮蔵)

建築

  • 葛井寺四脚門(重要文化財)

考古資料

  • 水鳥形埴輪(重要文化財・城山古墳出土)

観光スポット

祭事・催事

出身・関連有名人

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 面積が小さい順に挙げると蕨市狛江市向日市国立市の順となり、大阪府の市では最も狭い。
  2. ^ 2000年の吉田地図発行住宅地図と2002年ゼンリン発行の住宅地図によると、さくら銀行藤井寺支店の所在場所が三井住友銀行藤井寺駅前支店の所在場所が同じになっているので誤記ではないかと思われる。ただし、前述の統合店舗の出典によると位置関係から当記述となる可能性が高いが、2000年12月発行のタウンページおよび2001年12月発行のタウンページの電話番号の記述も吉田地図と同一の内容となっており、銀行が公表している店舗統合のお知らせが誤記の可能性はなお否定出来ない。[要出典]

出典

  1. ^ 市章”. 藤井寺市. 2020年10月25日閲覧。
  2. ^ 国府遺跡発掘物語 No.121 けつ状耳飾りの謎”. 藤井寺市. 2020年10月25日閲覧。
  3. ^ 店舗統合のお知らせ(統合日順) 三井住友銀行
  4. ^ a b c 公共施設循環バス 藤井寺市、2020年11月12日更新、2022年6月30日閲覧。
  5. ^ 藤井寺市公共施設循環バスの運行に関する要綱 藤井寺市、2020年11月12日更新、2022年6月30日閲覧。
  6. ^ 古墳大きさランキング(日本全国版)(堺市ホームページ、2015年8月16日更新版)。
  7. ^ 広報ふじいでら 令和5年(2023年)7月号 藤井寺市、2023年7月1日更新、2023年7月28日閲覧

外部リンク