トミー・ロブレド・ガルセスTommy Robredo Garces, 1982年5月1日 - )は、スペインジローナ県オスタルリック出身の男子プロテニス選手。自己最高ランキングはシングルス5位、ダブルス16位。これまでにATPツアーでシングルス12勝、ダブルス5勝を挙げている。身長180cm、体重75kg、右利き、バックハンド・ストロークは片手打ち。彼の父親はロックバンド「ザ・フー」の大ファンで、お気に入りのロック・オペラ『トミー』にちなんで息子にこの名前をつけた。

トミー・ロブレド
Tommy Robredo
トミー・ロブレド
基本情報
フルネーム Tommy Robredo Garces
国籍 スペインの旗 スペイン
出身地 カタルーニャ州ジローナ県オスタルリック
生年月日 (1982-05-01) 1982年5月1日(41歳)
身長 180cm
体重 75kg
利き手
バックハンド 片手打ち
ツアー経歴
デビュー年 1998年
引退年 2022年
ツアー通算 17勝
シングルス 12勝
ダブルス 5勝
生涯通算成績 691勝535敗
シングルス 533勝358敗
ダブルス 158勝177敗
生涯獲得賞金 13,427,497 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 ベスト8(2007)
全仏 ベスト8(2003・05・07・09・13)
全英 4回戦(2014)
全米 ベスト8(2013)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト8(2003)
全仏 ベスト8(2009)
全英 ベスト8(2010)
全米 ベスト4(2004・08・10)
国別対抗戦最高成績
デビス杯 優勝(2004・08・09)
ホップマン杯 優勝(2002・10)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 5位(2006年8月28日)
ダブルス 16位(2009年4月20日)

2006年ハンブルク・マスターズ優勝。デビスカップにも出場しデビスカップスペイン代表の優勝に貢献。

選手経歴 編集

5歳からテニスを始める。ジュニア時代には、1998年の「オレンジボウル選手権」(ジュニアテニス選手の登龍門と言われる大会)の16歳以下の部門で優勝し、2000年全仏オープンの男子ジュニア部門で準優勝がある。2001年全豪オープン4大大会にデビューし、同年の全仏オープンでいきなりエフゲニー・カフェルニコフとの4回戦まで進出した。この年は全米オープンでもアンディ・ロディックとの4回戦に進出し、年間最終ランキングで30位以内に入った。

ロブレドは2003年全仏オープン3回戦で第1シードのレイトン・ヒューイットを4-6, 1-6, 6-3, 6-2, 6-3の逆転で破った。 ヒューイットは先に2セットを取りながらも続く3セットをロブレドに逆転されて敗退する。勢いに乗ったロブレドは、4回戦で過去3度優勝のグスタボ・クエルテンを破り、大会前年優勝者アルベルト・コスタとの準々決勝まで進出した。2004年アテネ五輪スペイン代表選手に選ばれ、男子シングルス3回戦まで進出している。オリンピック終了後、彼は2004年全米オープンの男子ダブルスで、当時18歳のラファエル・ナダルと組んでベスト4に入った。2005年全仏オープンで2年ぶり2度目の準々決勝に進出し、ニコライ・ダビデンコに6-3, 1-6, 2-6, 6-4, 4-6のフルセットで敗れた。

2006年5月第3週に行われたのハンブルク・マスターズで、ロブレドは決勝でラデク・ステパネクを6-1, 6-3, 6-3で破って優勝した。このマスターズ大会での優勝により、ロブレドは初めての世界ランキングトップ10入りが確定した。ウィンブルドン選手権終了後、7月第2週にスウェーデン・オープンの決勝でニコライ・ダビデンコを破り、ツアー通算4勝目を挙げた。2007年度の4大大会では、ロブレドは全豪オープン全仏オープンの2大会連続でベスト8に進んだが、どちらも準々決勝でロジャー・フェデラーに連敗した。

2009年全仏オープンで、ロブレドはシングルスダブルスの両部門でベスト8に入った。シングルスの準々決勝は2年ぶり4度目で、第5シードのフアン・マルティン・デル・ポトロに3-6, 4-6, 2-6でストレート負けした。ダブルスでは同じスペインのマルク・ロペスとペアを組み、初進出の準々決勝でブライアン兄弟に6-7, 6-4, 6-7で敗れた。

ロブレドは初出場した2001年全豪オープン以来、10年に渡って4大大会に連続出場を続けてきたが、2011年全仏オープンを故障のため欠場し4大大会連続出場が41大会で止まった。

2013年4月のハサン2世グランプリで2年ぶりに決勝に進出しケビン・アンダーソンを7–6(6), 4–6, 6–3で破り2年ぶりのツアー11勝目を挙げた。全仏オープンでは3回戦でガエル・モンフィス、4回戦でニコラス・アルマグロを破り4年ぶりのベスト8に進出した。2回戦からの3試合は2セットダウンからの逆転勝ちであった。準々決勝ではダビド・フェレールに2-6, 1-6, 1-6で敗れた。全米オープンでは4回戦で過去10戦全敗だったフェデラーを7-6(3), 6-3, 6-4で破り全米では初めてベスト8に進出した。準々決勝では優勝したラファエル・ナダルに0-6, 2-6, 2-6で完敗した。

2014年8月のシンシナティ・マスターズでは3回戦で世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチに7-6(6), 7-5で勝利し、前述の2003年全仏オープン3回戦のヒューイット戦以来11年ぶりに世界ランキング1位に勝利した。 10月バレンシア・オープン500準決勝にて通算500勝を達成。男子スペイン人選手では史上5人目。[1]

2015年4月21日バルセロナ・オープン・バンコ・サバデル2回戦に勝利し、クレーコート通算250勝達成。[2]

ロブレドは2022年のバルセロナ・オープンを最後に現役を引退した。

プレースタイル 編集

ストローク戦が得意なオフェンシブ・ベースライナー。フォアハンド・片手バックハンド両方のトップスピンショットで相手を翻弄する。[3]

ATPツアー決勝進出結果 編集

シングルス: 23回 (12勝11敗) 編集

大会グレード
グランドスラム (0-0)
ATPワールドツアー・ファイナル (0-0)
ATPワールドツアー・マスターズ1000 (1-0)
ATPワールドツアー・500シリーズ (1-3)
ATPワールドツアー・250シリーズ (10–8)
サーフェス別タイトル
ハード (1–4)
クレー (11-7)
芝 (0-0)
カーペット (0-0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2001年4月15日   カサブランカ クレー   ギリェルモ・カナス 5–7, 2–6
優勝 1. 2001年7月29日   ソポト クレー   アルベルト・ポルタス 1–6, 7–5, 7–6(2)
準優勝 2. 2003年7月20日   シュトゥットガルト クレー   ギリェルモ・コリア 2–6, 2–6, 1–6
優勝 2. 2004年5月2日   バルセロナ クレー   ガストン・ガウディオ 6–3, 4–6, 6–2, 3–6, 6–3
準優勝 3. 2005年5月1日   エストリル クレー   ガストン・ガウディオ 1–6, 6–2, 1–6
準優勝 4. 2006年4月30日   バルセロナ クレー   ラファエル・ナダル 4–6, 4–6, 0–6
優勝 3. 2006年5月21日   ハンブルク クレー   ラデク・ステパネク 6–1, 6–3, 6–3
優勝 4. 2006年7月16日   ボースタード クレー   ニコライ・ダビデンコ 6–2, 6–1
準優勝 5. 2007年1月14日   オークランド ハード   ダビド・フェレール 4–6, 2–6
優勝 5. 2007年8月5日   ソポト クレー   ホセ・アカスソ 7–5, 6–0
準優勝 6. 2007年9月16日   北京 ハード   フェルナンド・ゴンサレス 1–6, 6–3, 1–6
優勝 6. 2007年10月7日   メス ハード (室内)   アンディ・マリー 0–6, 6–2, 6–3
準優勝 7. 2008年6月15日   ワルシャワ クレー   ニコライ・ダビデンコ 3–6, 3–6
優勝 7. 2008年7月13日   ボースタード クレー   トマーシュ・ベルディハ 6–4, 6–1
優勝 8. 2009年2月14日   コスタ・ド・サイペ クレー   トマス・ベルッシ 6–3, 3–6, 6–4
優勝 9. 2009年2月22日   ブエノスアイレス クレー   フアン・モナコ 7–5, 2–6, 7–6(5)
優勝 10. 2011年2月6日   サンティアゴ クレー   サンティアゴ・ヒラルド 6–2, 2–6, 7–6(5)
優勝 11. 2013年4月14日   カサブランカ クレー   ケビン・アンダーソン 7–6(6), 4–6, 6–3
優勝 12. 2013年7月28日   ウマグ クレー   ファビオ・フォニーニ 6–0, 6–3
準優勝 8. 2014年7月27日   ウマグ クレー   パブロ・クエバス 3–6, 4–6
準優勝 9. 2014年9月28日   深圳 ハード   アンディ・マリー 7–5, 6–7(9), 1–6
準優勝 10. 2014年10月26日   バレンシア ハード (室内)   アンディ・マリー 6–3, 6–7(7), 6–7(8)
準優勝 11. 2015年7月26日   ボースタード クレー   ブノワ・ペール 6–7(7–9), 3–6

ダブルス: 11回 (5勝6敗) 編集

結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2001年4月29日   バルセロナ クレー   フェルナンド・ビセンテ   ドナルド・ジョンソン
  ジャレッド・パーマー
6–7(2), 4–6
優勝 1. 2004年1月11日   チェンナイ ハード   ラファエル・ナダル   ジョナサン・エルリック
  アンディ・ラム
7–6(3), 4–6, 6–3
準優勝 2. 2005年5月1日   エストリル クレー   フアン・イグナシオ・チェラ   フランティシェク・チェルマク
  レオシュ・フリエドル
3–6, 4–6
準優勝 3. 2005年7月24日   シュトゥットガルト クレー   マリアノ・フッド   ホセ・アカスソ
  セバスチャン・プリエト
6–7(4), 3–6
優勝 2. 2008年4月27日   モンテカルロ クレー   ラファエル・ナダル   マヘシュ・ブパシ
  マーク・ノールズ
6–3, 6–3
優勝 3. 2009年2月14日   コスタ・ド・サイペ クレー   マルセル・グラノリェルス   ルーカス・アーノルド・カー
  フアン・モナコ
6–4, 7–5
準優勝 4. 2009年11月8日   バレンシア ハード
(室内)
  マルセル・グラノリェルス   フランティシェク・チェルマク
  ミハル・メルティナク
4–6, 3–6
準優勝 5. 2009年11月15日   パリ ハード
(室内)
  マルセル・グラノリェルス   ダニエル・ネスター
  ネナド・ジモニッチ
3–6, 4–6
優勝 4. 2011年1月15日   オークランド ハード   マルセル・グラノリェルス   ヨハン・ブランシュトロム
  ステファン・フース
6–4, 7–6(6)
優勝 5. 2013年1月6日   ブリスベン ハード   マルセロ・メロ   エリック・ブトラック
  ポール・ハンリー
4–6, 6–1, [10–5]
準優勝 6. 2017年5月7日   エストリル クレー   ダビド・マレーロ   ライアン・ハリソン
  マイケル・ビーナス
5–7, 2–6

デビスカップ 編集

優勝 (3) 編集

  スペインチーム ラウンド/相手
2004年 ラファエル・ナダル
カルロス・モヤ
トミー・ロブレド
フアン・カルロス・フェレーロ
フェリシアーノ・ロペス
アルベルト・マルティン
1R:チェコ 2–3 スペイン
QF: スペイン 4–1 オランダ
SF: スペイン 4–1 ・フランス
FN: スペイン 3–2 アメリカ
2008年 ラファエル・ナダル
ダビド・フェレール
フェルナンド・ベルダスコ
フェリシアーノ・ロペス
トミー・ロブレド
ニコラス・アルマグロ
1R: ペルー 0–5 スペイン
QF: ドイツ 1–4 スペイン
SF: スペイン 4–1 アメリカ
FN: アルゼンチン 1–3 スペイン
2009年 ラファエル・ナダル
フェルナンド・ベルダスコ
ダビド・フェレール
フェリシアーノ・ロペス
トミー・ロブレド
フアン・カルロス・フェレーロ
1R: スペイン 4–1 セルビア
QF: スペイン 3–2 ドイツ
SF: スペイン 4–1 イスラエル
FN: スペイン 5–0 チェコ

4大大会シングルス成績 編集

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 通算成績
全豪オープン LQ 1R 2R 1R 1R 3R 4R QF 2R 4R 1R 4R A 1R 4R 1R 2R A 21–15
全仏オープン LQ 4R 3R QF 4R QF 4R QF 3R QF 1R A A QF 3R 2R A 2R 37–14
ウィンブルドン A 2R 1R 3R 2R 1R 2R 2R 2R 3R 1R 1R A 3R 4R 1R A A 14–12
全米オープン LQ 4R 3R 1R 4R 4R 4R 3R 4R 4R 4R A 2R QF 4R 3R A A 35–14

脚注 編集

外部リンク 編集