フェルナンド・ベルダスコ
この名前は、スペイン語圏の人名慣習に従っています。第一姓(父方の姓)はベルダスコ、第二姓(母方の姓)はカルモナです。 |
フェルナンド・ベルダスコ・カルモナ(Fernando Verdasco Carmona, 1983年11月15日 - )は、スペイン・マドリード出身の男子プロテニス選手。これまでにATPツアーでシングルス7勝、ダブルス8勝を挙げている。自己最高ランキングはシングルス7位、ダブルス8位。身長188cm、体重88kg。左利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。フォアハンド・ストロークを最も得意にする。
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![]() フェルナンド・ベルダスコ | ||||
基本情報 | ||||
フルネーム | Fernando Verdasco Carmona | |||
国籍 |
![]() | |||
出身地 | 同・マドリード | |||
生年月日 | 1983年11月15日(36歳) | |||
身長 | 188cm | |||
体重 | 88kg | |||
利き手 | 左 | |||
バックハンド | 両手打ち | |||
ツアー経歴 | ||||
デビュー年 | 2001年 | |||
ツアー通算 | 14勝 | |||
シングルス | 7勝 | |||
ダブルス | 8勝 | |||
生涯獲得賞金 | 17,264,473 アメリカ合衆国ドル | |||
4大大会最高成績・シングルス | ||||
全豪 | ベスト4(2009) | |||
全仏 | 4回戦(2007-10・14・17・18) | |||
全英 | ベスト8(2013) | |||
全米 | ベスト8(2009・10) | |||
4大大会最高成績・ダブルス | ||||
全豪 | ベスト8(2009・13) | |||
全仏 | ベスト4(2017) | |||
全英 | 3回戦(2008) | |||
全米 | ベスト8(2004・08・14) | |||
国別対抗戦最高成績 | ||||
デビス杯 | 優勝(2008・09・11) | |||
ホップマン杯 | 優勝(2013) | |||
キャリア自己最高ランキング | ||||
シングルス | 7位(2009年4月20日) | |||
ダブルス | 8位(2013年11月11日) | |||
2018年6月8日現在 |
2013年ATPワールドツアー・ファイナル男子ダブルス優勝者。マスターズ1000シングルス・ダブルス共に準優勝1回。デビスカップスペイン代表の3度の優勝に貢献。2014年にシングルス通算400勝を達成。
来歴編集
ベルダスコは家の裏庭にある2面のハードコートで、4歳の時から父親とともにテニスを始めた。彼の両親はマドリード市内でレストランを経営している。2001年に18歳でプロ入り。約2年間男子ツアーの下部組織の大会で下積み生活を送った後、2003年ウィンブルドン選手権で4大大会にデビューした。ウィンブルドンでは1回戦でヤルコ・ニエミネンに敗れたが、同年の全米オープンでパラドーン・スリチャパンとの3回戦に進出する。2004年、ベルダスコは4月のバレンシア・オープンでシングルス初優勝を挙げ、半年後の10月にストックホルム・オープンでフェリシアーノ・ロペス(同じマドリード出身の左利き選手で、ベルダスコの最大の親友)とペアを組んでダブルス初優勝を遂げた。
2005年は、全米オープンで初の4回戦進出がある。この4回戦でもニエミネンに敗れたが、直前の3回戦で当時18歳のノバク・ジョコビッチを破る勝利があった。2006年はウィンブルドンで4回戦に進出しているが、その過程では2回戦でベンヤミン・ベッカー、3回戦で第3シードのダビド・ナルバンディアンを破り、4回戦でラデク・ステパネクに7-6, 3-6, 6-4, 4-6, 2-6のフルセットで競り負けた。2007年には、ベルダスコは全仏オープンで初の4回戦進出を決める。2回戦でドミトリー・トゥルスノフ、3回戦で同じスペインのダビド・フェレールを破ったベルダスコは、4回戦で第6シードのジョコビッチに3-6, 3-6, 6-7のストレートで完敗した。
2008年7月、ベルダスコはクロアチア・オープン決勝でイーゴリ・アンドレエフをフルセットの接戦で下した。こうして、バレンシア・オープン会以来4年ぶりの男子ツアーシングルス優勝を遂げた。
2009年全豪オープンで、ベルダスコは初めて4大大会シングルスのベスト4進出を決めた。4回戦で第4シードのアンディ・マリーを2-6, 6-1, 1-6, 6-3, 6-4のフルセットで破り、ついにシングルス4回戦の壁を破る。準々決勝では前年度準優勝者の第5シード、ジョー=ウィルフリード・ツォンガを7-6, 3-6, 6-3, 6-2で破り、初進出の準決勝で第1シードのラファエル・ナダルと長い激闘を繰り広げたが7-6, 4-6, 6-7, 7-6, 4-6で敗れた。準決勝の試合時間「5時間14分」は、全豪オープン男子シングルスの史上最長記録になった。全豪オープン終了後、ベルダスコは世界ランキングを9位に上げ、25歳にして初のトップ10入りを果たした。この後全米オープンでも初のベスト8に入っている。年度末のATPワールドツアー・ファイナルに参戦し、各試合ともセットを奪い、善戦したものの3連敗に終わった。
2010年も好調を維持し続け、SAPオープンでアンディ・ロディックに3-6, 6-4, 6-4で勝利、モンテカルロ・マスターズでマスターズ1000で初めて決勝に進出し、ラファエル・ナダルに敗れるも準優勝、バルセロナ・オープンでも前年度全仏オープン準優勝者ロビン・セーデリングを6-3, 4-6, 6-3で破って、2勝を挙げている。
フェルナンド・ベルダスコは2005年から男子テニス国別対抗戦・デビスカップスペイン代表選手になり、2008年にチームを4年ぶり3度目の優勝に導いた。決勝戦は11月21日-23日にかけて、対戦相手国アルゼンチンのホームコートで行われた。ベルダスコはロペスと組んだダブルス第3試合に勝った後、シングルス第4試合でホセ・アカスソを6-3, 6-7, 4-6, 6-3, 6-1で破り、自らの手で優勝を決めた。2009年と2011年の優勝にも貢献している。
2012年のロンドン五輪でオリンピックに初出場した。シングルス1回戦でウズベキスタンのデニス・イストミンに4-6, 6-7(9)で敗れた。
2013年ウィンブルドン選手権ではノーシードからベスト8に進出した。準々決勝では優勝したアンディ・マリーに6-4, 6-3, 1-6, 4-6, 5-7で逆転負けを喫した。ダブルスではダビド・マレーロと組み最終戦のATPワールドツアー・ファイナルで決勝に進出。ブライアン兄弟を7–5, 6–7(3), [10–7]で破り優勝した。
2014年8月25日全米オープン1回戦で、シングルス通算400勝達成。スペイン人男子では11人目の記録[1]。
2016年全豪オープンでは1回戦でラファエル・ナダルに7-6(6), 4-6, 3-6, 7-6(4), 6-2で勝利した。2回戦でドゥディ・セラに6-4, 4-6, 3-6, 7-6(4)で敗れた。
2017年は全仏オープンで1回戦で第9シードのアレクサンダー・ズベレフに勝利。全仏通算6度目の4回戦で初のベスト8進出を狙ったが、第8シードの錦織圭に序盤はリードするも6-0, 4-6, 4-6, 0-6で敗れた。
ATPツアー決勝進出結果編集
シングルス: 23回 (7勝16敗)編集
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結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | 対戦相手 | スコア |
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準優勝 | 1. | 2004年3月7日 | アカプルコ | クレー | カルロス・モヤ | 3–6, 0–6 |
優勝 | 1. | 2004年4月12日 | バレンシア | クレー | アルベルト・モンタニェス | 7–6(5), 6–3 |
準優勝 | 2. | 2005年7月30日 | キッツビュール | クレー | ガストン・ガウディオ | 6–2, 2–6, 4–6, 4–6 |
準優勝 | 3. | 2007年10月27日 | サンクトペテルブルク | ハード (室内) | アンディ・マリー | 2–6, 3–6 |
準優勝 | 4. | 2008年6月22日 | ノッティンガム | 芝 | イボ・カロビッチ | 5–7, 7–6(4), 6–7(8) |
優勝 | 2. | 2008年7月20日 | ウマグ | クレー | イーゴリ・アンドレエフ | 3–6, 6–4, 7–6(4) |
準優勝 | 5. | 2009年1月5日 | ブリスベン | ハード | ラデク・ステパネク | 6–3, 3–6, 4–6 |
優勝 | 3. | 2009年8月29日 | ニューヘイブン | ハード | サム・クエリー | 6–4, 7–6(6) |
準優勝 | 6. | 2009年10月4日 | クアラルンプール | ハード (室内) | ニコライ・ダビデンコ | 4–6, 5–7 |
優勝 | 4. | 2010年2月14日 | サンノゼ | ハード (室内) | アンディ・ロディック | 3–6, 6–4, 6–4 |
準優勝 | 7. | 2010年4月18日 | モンテカルロ | クレー | ラファエル・ナダル | 0–6, 1–6 |
優勝 | 5. | 2010年4月25日 | バルセロナ | クレー | ロビン・セーデリング | 6–3, 4–6, 6–3 |
準優勝 | 8. | 2010年5月22日 | ニース | クレー | リシャール・ガスケ | 3–6, 7–5, 6–7(5) |
準優勝 | 9. | 2011年2月13日 | サンノゼ | ハード (室内) | ミロシュ・ラオニッチ | 6–7(6), 6–7(5) |
準優勝 | 10. | 2011年5月1日 | エストリル | クレー | フアン・マルティン・デル・ポトロ | 2–6, 2–6 |
準優勝 | 11. | 2011年7月31日 | グシュタード | クレー | マルセル・グラノリェルス | 4–6, 6–3, 3–6 |
準優勝 | 12. | 2012年3月3日 | アカプルコ | クレー | ダビド・フェレール | 1–6, 2–6 |
準優勝 | 13. | 2013年7月14日 | ボースタード | クレー | カルロス・ベルロク | 5–7, 1–6 |
優勝 | 6. | 2014年4月13日 | ヒューストン | クレー | ニコラス・アルマグロ | 6–3, 7–6(4) |
優勝 | 7. | 2016年4月25日 | ブカレスト | クレー | リュカ・プイユ | 6–3, 6–2 |
準優勝 | 14. | 2016年7月17日 | ボースタード | クレー | アルベルト・ラモス=ビニョラス | 3-6, 4-6 |
準優勝 | 15. | 2017年3月4日 | ドバイ | ハード | アンディ・マリー | 3–6, 2–6 |
準優勝 | 16. | 2018年2月19日 | リオ | クレー | ディエゴ・シュワルツマン | 2–6, 3–6 |
ダブルス: 13回 (8勝5敗)編集
結果 | No. | 決勝日 | 大会 | サーフェス | パートナー | 対戦相手 | スコア |
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優勝 | 1. | 2004年11月1日 | ストックホルム | ハード (室内) |
フェリシアーノ・ロペス | ウェイン・アーサーズ ポール・ハンリー |
6–4, 6–4 |
準優勝 | 1. | 2007年7月22日 | シュトゥットガルト | クレー | ギリェルモ・ガルシア=ロペス | フランティシェク・チェルマク レオシュ・フリードル |
4–6, 4–6 |
準優勝 | 2. | 2009年1月10日 | ブリスベン | ハード | ミーシャ・ズベレフ | マルク・ジケル ジョー=ウィルフリード・ツォンガ |
4–6, 3–6 |
優勝 | 2. | 2012年2月26日 | ブエノスアイレス | クレー | ダビド・マレーロ | ミハル・メルティナク アンドレ・サ |
6–4, 6–4 |
優勝 | 3. | 2012年3月3日 | アカプルコ | クレー | ダビド・マレーロ | マルセル・グラノリェルス マルク・ロペス |
6–3, 6–4 |
優勝 | 4. | 2012年7月14日 | ウマグ | クレー | ダビド・マレーロ | マルセル・グラノリェルス マルク・ロペス |
6–3, 7–6(4) |
優勝 | 5. | 2012年7月22日 | ハンブルク | クレー | ダビド・マレーロ | ロジェリオ・ドゥトラ・ダ・シウバ ダニエル・ムニョス・デ・ラ・ナバ |
6–4, 6–3 |
準優勝 | 3. | 2012年10月28日 | バレンシア | ハード (室内) |
ダビド・マレーロ | アレクサンダー・ペヤ ブルーノ・ソアレス |
3–6, 2–6 |
優勝 | 6. | 2013年9月22日 | サンクトペテルブルク | ハード (室内) |
ダビド・マレーロ | ドミニク・イングロット デニス・イストミン |
7–6(6), 6–3 |
準優勝 | 4. | 2013年10月13日 | 上海 | ハード | ダビド・マレーロ | イワン・ドディグ マルセロ・メロ |
6–7(2), 7–6(6), [2–10] |
優勝 | 7. | 2013年11月11日 | ロンドン | ハード (室内) |
ダビド・マレーロ | ボブ・ブライアン マイク・ブライアン |
7–5, 6–7(3), [10–7] |
準優勝 | 5. | 2014年4月12日 | ヒューストン | クレー | ダビド・マレーロ | ボブ・ブライアン マイク・ブライアン |
6–4, 4–6, [9–11] |
優勝 | 8. | 2018年2月19日 | リオ | クレー | ダビド・マレーロ | ニコラ・メクティッチ アレクサンダー・ペヤ |
5–7, 7-5, [10-8] |
デビスカップ編集
優勝(3)編集
年 | スペインチーム | ラウンド/相手 |
---|---|---|
2008年 | ラファエル・ナダル ダビド・フェレール フェルナンド・ベルダスコ フェリシアーノ・ロペス トミー・ロブレド ニコラス・アルマグロ |
1R: ペルー 0–5 スペイン QF: ドイツ 1–4 スペイン SF: スペイン 4–1 アメリカ FN: アルゼンチン 1–3 スペイン |
2009年 | ラファエル・ナダル フェルナンド・ベルダスコ ダビド・フェレール フェリシアーノ・ロペス トミー・ロブレド フアン・カルロス・フェレーロ |
1R: スペイン 4–1 セルビア QF: スペイン 3–2 ドイツ SF: スペイン 4–1 イスラエル FN: スペイン 5–0 チェコ |
2011年 | ラファエル・ナダル ダビド・フェレール フェルナンド・ベルダスコ フェリシアーノ・ロペス マルセル・グラノリェルス |
1R: ベルギー 1–4 スペイン QF: アメリカ 1–3 スペイン SF: スペイン 4–1 フランス FN: スペイン 3–1 アルゼンチン |
成績編集
4大大会シングルス編集
- 略語の説明
W | F | SF | QF | #R | RR | Q# | LQ | A | WG | Z# | PO | SF-B | S | G | NMS | NH |
W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加
WG=デビスカップワールドグループ, Z#=デビスカップ地域ゾーン, PO=デビスカッププレーオフ, SF-B=オリンピック銅メダル, S=オリンピック銀メダル, G=オリンピック金メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, NH=開催なし.
大会 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 通算成績 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全豪オープン | LQ | 1R | 2R | 2R | 2R | 2R | SF | 4R | 4R | 1R | 3R | 2R | 3R | 2R | 1R | 2R | 3R | 24–16 |
全仏オープン | LQ | 2R | 1R | 2R | 4R | 4R | 4R | 4R | 3R | 3R | 2R | 4R | 2R | 3R | 4R | 4R | 2R | 32–16 |
ウィンブルドン | 1R | 2R | 2R | 4R | 3R | 4R | 4R | 1R | 2R | 3R | QF | 1R | 3R | 1R | 1R | 1R | 4R | 25–17 |
全米オープン | 3R | 2R | 4R | 3R | 3R | 3R | QF | QF | 3R | 3R | 1R | 2R | 2R | 1R | 2R | 3R | 2R | 30–17 |
大会最高成績編集
大会 | 成績 | 年 |
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ツアーファイナル | RR | 2009 |
インディアンウェルズ | QF | 2009 |
マイアミ | QF | 2009, 2010 |
モンテカルロ | F | 2010 |
マドリード | QF | 2009, 2012 |
ローマ | SF | 2010 |
カナダ | 3R | 2006, 2007, 2009 |
シンシナティ | 3R | 2008, 2011 |
上海 | 3R | 2012 |
パリ | QF | 2017 |
ハンブルク | QF | 2006, 2008 |
オリンピック | 1R | 2012 |
デビスカップ | W | 2008, 2009, 2011 |
脚注編集
外部リンク編集
- フェルナンド・ベルダスコ - ATPツアーのプロフィール (英語)
- フェルナンド・ベルダスコ - デビスカップのプロフィール (英語)
- フェルナンド・ベルダスコ - 国際テニス連盟のプロフィール (英語)
- フェルナンド・ベルダスコ (@FerVerdasco) - Twitter
- 公式サイト
- ウィキメディア・コモンズには、フェルナンド・ベルダスコに関するカテゴリがあります。