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国道477号

日本の三重県から大阪府に至る一般国道

概要編集

起点の三重県四日市市から北西に向かって武平峠を通って鈴鹿山脈を越え、滋賀県日野町近江八幡市を経由して琵琶湖の南部を有料道路琵琶湖大橋で渡って京都府に入り、京都市北部の山中を北に向かって大きく迂回し、南丹市亀岡市を通過しながら南下して終点の大阪府池田市へ向かう一般国道の路線である。

途中の京都府内の一部区間は、いわゆる「酷道」のひとつとしても知られており[1]、洛北[注釈 1]の杉林の中を縫うように走る退避場所の少ない離合困難な隘路や[1]、交差点での経路が鋭角カーブになっている通称「百井別れ」[2]、極めて急でかつ舗装が劣悪な百井峠などがあるほか、八木駅(南丹市)付近では狭隘な駅前商店街を通過するなど、難路も多い。なお、大河原バイパス(滋賀県)や小出石バイパス(京都府)などが供用を開始し、滋賀県竜王町近江八幡市の境界付近に連続していた「くの字型カーブ」がほぼ直線に改善されたほか、2011年現在も西田大藪道路(夢かなえ橋、京都府)や大布施拡幅(京都府)などが事業中で、少しずつではあるが通行困難箇所の改良が進められている。

路線データ編集

一般国道の路線を指定する政令[3]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史編集

路線状況編集

起点のある三重県四日市市から滋賀県蒲生郡日野町を走る国道307号までの「湯の山街道」「鈴鹿スカイライン」とよばれる区間は、一般国道としては一般的な整備がなされた道路が続く。国道307号から琵琶湖大橋までの滋賀県内のルートは道なりに進まず、右左折をくり返しさせられるところが多い[9]。かつては、滋賀県東近江市の区間に「止まれ」の道路標識があり、優先道路としての扱いは県道以下の場所も存在した[9]

滋賀・京都の府県境にある峠である途中越を越えて京都市左京区内に入ると、百井峠前後の区間で道幅は1車線と狭く舗装状態の悪い道になり、急カーブが連続する勾配18%の坂道がある[9]。さらに、百井別れ - 花脊峠と1車線の隘路が続き、花脊大布施町まで京都府道38号京都広河原美山線と重複する[10]。南丹市や亀岡市、川西市にも酷道区間は見られ、南丹市内の八木駅前の国道9号八木交差点から延びる商店街を突っ切る国道となる。この商店街では、マイクロバスを除く大型車を対象にした一方通行規制となっており、桂川に架かる大堰橋側から八木駅方向(東から西方向)のみ大型車は通行できる[10]。南丹市内の八木交差点から園部河原町交差点までの約8キロメートル (km) 区間は、JR山陰本線に沿いながら国道9号と重複する[10]。山間部では道は狭くセンターラインがないところもある[2]

大阪府池田市の国道176号・西本町交差点付近は国道173号国道423号と重複するところで、関西きっての渋滞頻発区間としても知られている[10]

バイパス編集

西浦バイパス
三重県四日市市西町と同市西浦二丁目を結ぶ。2014年4月30日供用開始。
四日市湯の山道路
三重県四日市市高角町と三重郡菰野町音羽を結ぶ。全線開通済み[11]
菰野バイパス
三重県三重郡菰野町音羽と同町千草を結ぶ。
大河原バイパス
滋賀県甲賀市土山町大河原に位置する。全線にわたって開通している。
必佐バイパス
滋賀県蒲生郡日野町三十坪と同県東近江市下麻生町を結ぶ。2013年12月9日供用開始。
幸津川洲本バイパス
滋賀県守山市幸津川町と同市洲本町を結ぶ。事業中。なお、一部は開通している。
小出石バイパス[12]
京都府京都市左京区大原小出石町(国道367号重複区間との分岐部分)に位置する全長約150 mの道路。2004年度に設計や地質調査などを行い、翌年度から3年間の計画で事業化された。なお、改良前の旧道は幅員が約4 mしかなく離合が困難であった。
西田大藪道路
京都府南丹市八木町西田と同市八木町大薮を結ぶ。事業中。
殿谷道路
京都府南丹市園部町口人と同市園部町殿谷を結ぶ。
東郷バイパス[13]
大阪府豊能郡能勢町野間稲地と同町地黄を結ぶ全長約3 kmの道路。狭隘区間の改良が企図されたが集落内での道路拡幅が困難のため、圃場整備事業と連携し捻出された敷地にバイパス道路を設けることとなった。2002年に一部が供用開始[14]され、残る区間も2010年3月26日に供用開始された[15]
 
琵琶湖大橋。この上を国道477号が通る。

有料道路編集

琵琶湖大橋
琵琶湖大橋有料道路のうち、橋梁部以外の区間は無料になっている[注釈 5]

通称など編集

百井別れ編集

 
百井別れ。進行方向左は花脊峠、右は百井峠へ向かう。国道のルートはV字に曲がっており、四輪車の通過時は切り返しがほぼ必須となる。(2006年4月)

百井別れ(ももいわかれ)とは、京都府京都市左京区鞍馬にある国道477号と京都府道38号京都広河原美山線が分岐する交差点の通称[1]

国道477号は一見不可解なルート設定が散在するほか難所も多いため、酷道と評されているが、その中でも最大の難所がこの百井別れとその周辺の百井峠だと言われている[17][18]。百井別れは、切り返しのいる国道の交差点としてよく知られている[19][2]

百井別れの概要編集

百井別れは、百井峠と花脊峠の中間にある京都府道38号京都広河原美山線との交差点(三叉路)であるが、ここが難所と呼ばれる所以(ゆえん)は、国道としては急すぎる分岐角度にある[17]。百井別れから花脊峠方向へ登る国道477号と、鞍馬方面へ降る京都府道38号はほぼ2車線幅ほどあるセンターラインなしの道で、この2方向が道なりとなっている[2]。国道477号のルートはこの交差点で道なりになっておらず、ほぼ180度転回しながら向きを変え、斜面にへばりつくような細い1車線の坂道で百井峠へと向かう[1]

百井別れにおける国道477号の右左折は、百井峠側から進入してきた場合は小型車(コンパクトカー軽自動車)なら切り返し無しで花脊峠方面へ曲がれることもあるが[19]、花脊峠側から進入してきた場合は百井峠側の方が狭路であるため、崖から落ちないように路肩側を比較的余裕を持って通行する必要があることから、四輪車ではほぼ切り返しが必要となる[17][19][2]。また、ここから百井中央までの区間は非常に急な坂で路面の状態も悪く、しかも道幅が極めて狭い上にすれ違い可能な箇所はほとんどない[17]

百井別れの所在地編集

京都市右京区京北周山町の国道162号交点から京都府京都市左京区大原小出石町の国道367号交点までが花背峠から百井峠にかけての区間である。

重複区間編集

道路施設編集

インターチェンジ編集

  • 高角インターチェンジ(四日市湯の山道路、四日市市高角町)
  • 平尾インターチェンジ(四日市湯の山道路、四日市市平尾町)
  • 吉沢インターチェンジ(四日市湯の山道路、三重郡菰野町大字吉澤)

橋梁・トンネル編集

  • 久保田橋(三滝川、四日市市)
  • 湯の山橋(三滝川、菰野町)
  • 蒼滝トンネル(菰野町)
  • 武平トンネル(三重県菰野町‐滋賀県甲賀市)
  • 蔵王トンネル(日野町)
  • 幸浜大橋(野洲川、守山市)
  • 野村橋・古川橋・鈴橋(日野川 、近江八幡市・東近江市)
  • 琵琶湖大橋琵琶湖、滋賀県守山市 - 大津市)
  • 新宿橋(真野川、大津市真野)
  • 途中トンネル(大津市伊香立途中町)
  • 大布施トンネル(京都市左京区花脊大布施町)
  • 大堰橋(桂川、京都府南丹市)

道の駅編集

通行止め区間編集

 
三重県三重郡菰野町の御在所岳南面の崩落箇所(2009年10月11日)
  • 鈴鹿スカイライン区間は2008年9月2日の豪雨によって大規模な崩土が発生したため、それ以来長い間通行止めとなっていた[20]が、2010年7月16日に滋賀県側が、2011年11月1日には三重県側がそれぞれ復旧し、全線通行可能となった[21]
  • 2010年7月14日の豪雨によって路面が崩落したため、兵庫県川西市黒川(県道605号交点)から大阪府豊能郡能勢町野間中、および東郷バイパスの野間稲地(いずれも府道4号交点)の間、約3.6 kmが通行止めとなった[22]が、2011年3月25日15時に片側交互通行可能となった[23]。その後、同年4月27日に全面復旧となった[24]。この区間は、2014年8月に来襲した台風11号の大雨でも被害を受け、2014年9月末まで1か月半にわたり通行止めになっている。
  • 2013年9月に来襲した台風18号の被害の復旧工事のため、京都市右京区嵯峨越畑から亀岡市旭町三俣の間約5 kmが2014年6月20日から12月15日(予定)の間全面通行止めとなっている。この区間に人家はなく、府道京都日吉美山線 - 広域農道 - 府道郷ノ口室河原線で迂回可能。

地理編集

通過する自治体編集

交差する主な道路編集

三重県四日市市

三重県三重郡菰野町

滋賀県蒲生郡日野町

滋賀県蒲生郡竜王町

滋賀県大津市

京都府京都市

  • 国道367号:左京区大原小出石町
  • 国道162号:右京区京北周山町上寺田

京都府南丹市

京都府亀岡市

  • 国道372号:宮前交差点

兵庫県川西市

  • 国道173号:一の鳥居交差点(池田市西本町交差点まで重複)

大阪府池田市

通過する主な峠編集

  • 武平峠(滋賀県甲賀市 - 菰野町)
  • 平子峠(滋賀県蒲生郡日野町 - 甲賀市)
  • 途中越(京都府京都市左京区 - 滋賀県大津市)
  • 前ヶ畑峠(京都府京都市左京区)
  • 百井峠(京都府京都市左京区)
  • 花脊峠(京都府京都市左京区)
  • 大土峠

通過する路線バス編集

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 京都市街地の北部周辺地域。
  2. ^ 2005年4月1日に京都市右京区へ編入。
  3. ^ a b 2006年1月1日に4町が合併して南丹市発足。
  4. ^ a b c d e f 2015年4月1日現在
  5. ^ 取付道路のみ通行無料の例は、国道14号京葉道路江戸川区内区間)などにもある。
  6. ^ 滋賀県の一般公募により決定された愛称[16]

出典編集

  1. ^ a b c d 松波成行 2008, p. 46.
  2. ^ a b c d e 鹿取茂雄 2018, pp. 56–57.
  3. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年11月1日閲覧。
  4. ^ 三重県の道路/県管理道路一覧”. 三重県県土整備部. 2012年11月1日閲覧。
  5. ^ 平成5年(1993年)3月31日大阪府告示第574号
  6. ^ a b c d e f 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況 (PDF)”. 道路統計年報2016. 国土交通省道路局. p. 27. 2017年4月9日閲覧。
  7. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2012年11月1日閲覧。
  8. ^ 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(平成4年4月3日政令第104号)”. 法庫. 2012年11月1日閲覧。
  9. ^ a b c 渡辺郁麻 2008, p. 49.
  10. ^ a b c d 渡辺郁麻 2008, p. 47.
  11. ^ 一般国道477号四日市湯の山道路の供用を開始します”. 三重県 (2018年9月6日). 2018年9月6日閲覧。
  12. ^ “477号小出石バイパス 用地買収を進捗 年度後半にも着工見込む 京都市(京都府下ニュース)”. 京都建設タイムス. (2005年4月20日). オリジナルの2014年1月25日時点によるアーカイブ。. http://web.archive.org/web/20140125141033/http://www.kyoto-kensetsutimes.co.jp/News/SearchNews/News_Old/Kyoto/kyoto2005-04-20-102.html 2010年12月10日閲覧。 ※事業化当時のソースであり、完成時または現状と相違する可能性がある。
  13. ^ 道路改良事業の紹介”. 大阪府. 2010年12月10日閲覧。
  14. ^ 能勢町の歩み”. 能勢町. 2010年12月10日閲覧。
  15. ^ 平成22年度・大阪府池田土木事務所_施策のポイント (PDF)”. 大阪府. 2011年11月30日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年1月26日閲覧。
  16. ^ 道路の愛称”. 滋賀県 湖東土木事務所 道路計画課 (2010年6月25日). 2013年4月12日閲覧。
  17. ^ a b c d 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年、24 - 27頁。ISBN 978-4-06-288282-8
  18. ^ 鹿取茂雄 2018, p. 57.
  19. ^ a b c 渡辺郁麻 2008, p. 48.
  20. ^ 平成20年9月2日〜3日の災害による通行止めについて - 三重県
  21. ^ 国道477号(鈴鹿スカイライン)の通行について”. 滋賀県. 2011年7月14日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年7月18日閲覧。
  22. ^ 2010.07.14の豪雨による国道477号通行止めに伴う迂回路図 (PDF)”. 兵庫県. 2010年7月30日閲覧。[リンク切れ]
  23. ^ 国道477 号『全面通行止』から『片側交互通行』へ規制変更のお知らせ (PDF)”. 兵庫県. 2011年4月23日閲覧。[リンク切れ]
  24. ^ 一般国道477号全面復旧のお知らせ。”. 2011年4月28日閲覧。[リンク切れ]

参考文献編集

関連項目編集