田中英道
略歴編集
伝記の記載を年譜形式のみとすることは推奨されていません。人物の伝記は流れのあるまとまった文章で記述し、年譜は補助的な使用にとどめてください。(2015年5月) |
- 1960年、都立日比谷高校卒業。
- 1964年、東京大学文学部仏文科卒業。
- 1966年、同美術史学科卒業、ストラスブール大学に留学。
- 1969年、「ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品」で博士号取得。
- 1970年、国立西洋美術館研究員。
- 1973年、東北大学文学部講師。
- 1976年、東北大学文学部助教授。
- 1992年、東北大学文学部教授。
- 1996年、「ミケランジェロ・システィナ礼拝堂天上画の研究」で東北大博士(文学)。この間、ローマ大学とボローニャ大学にて客員教授、ベルリン大学招聘教授を務める。
- 2006年、東北大を定年退官し名誉教授となり、国際教養大学特任教授に就任。酒田市より阿部次郎文化賞を受賞。
経歴の詳細についてはホームページ内の「経歴」[1]を参照。
人物編集
ユダヤ人埴輪について編集
著書(「発見! ユダヤ人埴輪の謎を解く」(勉誠出版、2019年10月))や、YouTube番組(「日本から見たサピエンス全史」林原チャンネル)で、古来よりユダヤ人が日本に渡来していたことを述べており、秦氏などはその代表であると解説する(秦河勝は聖徳太子の側に仕えていた人物)。秦氏のルーツは、応神天皇の古墳時代に弓月国から来た弓月君が祖とされる。古墳などの巨大建築物をはじめとする最新技術、絹、馬、羊、貨幣(和同開珎、開発者は多胡羊太夫)なども、ユダヤ人が持ち込んだ可能性が高いとしている。
千葉県や群馬県には古墳が最も多く存在し、出土した埴輪の中でも、「長い髭・長いもみあげ・帽子」を被った形の埴輪は、ユダヤ教徒の格好にほぼ一致することから、「ユダヤ人埴輪」と名付けている。角髪(みずら)もユダヤ人の影響ではないかと述べている。
ユダヤ人埴輪は各地で出土しているが、中でも千葉県芝山町の芝山古墳から出土したユダヤ人埴輪は数も多く、状態も良いものが多い。「観音教寺・芝山はにわ博物館」には常設展示されている。
日ユ同祖論と思われがちではあるが、元々日本人(縄文人)がいたところにユダヤ人がやって来たことであると否定している。
ユダヤ人が日本に辿り着いたことについては、アッシリア捕囚(紀元前722年頃)から派生する「イスラエルの失われた10支族(Ten Lost Tribes)」に関連する部族の移動と見ている。
歴史教科書について編集
2001年9月より、新しい歴史教科書をつくる会(つくる会)の会長を務めた。2005年『新しい日本史観の確立』で、日本近代史にのみ熱意を燃やす「つくる会」の運動に疑問を呈し、もっと幅広い歴史観の見直しの必要性を主張している[2]。つくる会の分裂後は、2006年に設立された「日本教育再生機構」で顧問を務めている[3]。
日本国史学会代表として編集
著作編集
単著(西洋美術史)編集
- 『冬の闇 夜の画家ラ・トゥールとの対話』新潮社〈新潮選書〉、1972年
- 『ラ・トゥール 夜の画家の作品世界』造形社、1972年
- 『文学の転身』泰流社、1976年
- 『微笑の構造 レオナルド・ダ・ヴィンチの二重人物像』小学館、1977年6月
- 『レオナルド・ダ・ヴィンチ 芸術と生涯』新潮社、1978年6月/講談社学術文庫、1992年
- 『若き日のミケランジェロ』講談社、1980年5月/『ミケランジェロ』 講談社学術文庫、1991年
- 『ルネサンス像の転換 理性と狂気が融合するとき』講談社、1981年9月
- 『画家と自画像 描かれた西洋の精神』日本経済新聞社、1983年3月/講談社学術文庫、2003年
- 『フォルモロジー研究 ミケランジェロとデューラー』美術出版社、1984年9月
- 『光は東方より 西洋美術に与えた中国・日本の影響』河出書房新社、1986年3月
- 『イタリア美術史 東洋から見た西洋美術の中心』岩崎美術社、1990年8月
- 『美術にみるヨーロッパ精神』弓立社、1993年7月
- 『ミケランジェロの世界像 システィナ礼拝堂天井画の研究』東北大学出版会、1999年3月
- 『レオナルド・ダ・ヴィンチの世界像』東北大学出版会、2005年3月
- 『モナ・リザは、なぜ微笑むのか レオナルド・ダ・ヴィンチ傑作の構造』PHP研究所、2008年5月
単著(日本史関連)編集
- 『支倉六右衛門と西欧使節』丸善ライブラリー、1994年1月
- 『日本美術全史 世界から見た名作の系譜』講談社、1995年6月/講談社学術文庫、2012年4月
- 『天平のミケランジェロ 公麻呂と芸術都市・奈良』弓立社、1995年9月
- 『運慶とバロックの巨匠たち 「仁王」像は運慶作にあらず』弓立社、1998年6月
- 『歴史のかたち 日本の美―論争・日本文化史』徳間書店、2001年12月[5]
- 『実証 写楽は北斎である―西洋美術史の手法が解き明かした真実』祥伝社、2000年8月
- 『まとめて反論―「新しい歴史教科書」の思想』扶桑社、2002年
- 『法隆寺とパルテノン―西洋美術史の眼で見た新・古寺巡礼』祥伝社、2002年
- 『国民の芸術』 扶桑社、2002年。新しい歴史教科書をつくる会編
- 『聖徳太子虚構説を排す』PHP研究所、2004年
- 『新しい日本史観の確立』文芸館、2006年3月
- 『支倉常長-武士、ローマを行進す』ミネルヴァ書房〈日本評伝選〉、2007年5月
- 『「やまとごころ」とは何か 日本文化の深層』ミネルヴァ書房、2010年8月
- 『日本と西洋の対話 一文化史家のたたかい』講談社出版サービスセンター、2010年10月
- 『戦後日本を狂わせたOSS「日本計画」 二段階革命理論と憲法』展転社、2011年7月
- 『戦後日本を狂わせた左翼思想の正体 戦後レジーム「OSS空間」からの脱却』展転社、2014年10月
- 『天平に華咲く「古典文化」 続「やまとごころ」とは何か』ミネルヴァ書房、2016年7月
- 『鎌倉文化の思想と芸術-武士・宗教・文学・美術』勉誠出版、2016年8月
- 『芸術国家-日本のかがやき』勉誠出版(全3巻)、2017年4月
- 「Ⅰ 縄文時代から飛鳥時代」、「Ⅱ 天平時代から鎌倉時代」、「Ⅲ 室町時代から現代」
- 以下は選書・新書での史論・文明史論
- 『日本美術 傑作の見方・感じ方』PHP新書、2004年
- 『「写楽」問題は終わっていない』祥伝社新書、2011年12月
- 『日本の歴史 ―本当は何がすごいのか』育鵬社、2012年9月/扶桑社文庫、2015年2月
- 『美しい「形」の日本』ビジネス社、2013年2月
- 『日本の文化 ―本当は何がすごいのか』育鵬社、2013年4月/扶桑社文庫、2016年12月
- 『世界史の中の日本 本当は何がすごいのか』育鵬社、2013年6月/扶桑社文庫、2017年1月
- 『世界文化遺産から読み解く世界史』扶桑社、2013年9月
- 『本当はすごい! 東京の歴史』ビジネス社、2014年6月
- 『日本の宗教 ―本当は何がすごいのか』育鵬社、2014年11月
- 『日本史 5つの法則』育鵬社、2015年12月
- 『日本人が知らない日本の道徳』ビジネス社、2016年2月
- 『日本の戦争 ―何が真実なのか』扶桑社、2016年12月
- 『日本人にリベラリズムは必要ない。 「リベラル」という破壊思想』ベストセラーズ、2017年5月
- 『聖徳太子 本当は何がすごいのか』育鵬社、2017年7月
- 『高天原は関東にあった 日本神話と考古学を再考する』勉誠出版、2017年8月、オンデマンド版2018年7月
- 『日本の美仏50選 日本文化のすごさがわかる』育鵬社、2017年9月
- 『葛飾北斎 本当は何がすごいのか』育鵬社、2018年1月
- 『日本の起源は日高見国にあった 縄文・弥生時代の歴史的復元』勉誠出版〈勉誠選書〉、2018年1月
- 『天孫降臨とは何であったのか』勉誠出版〈勉誠選書〉、2018年4月
- 『日本国史 世界最古の国の新しい物語』育鵬社、2018年6月
- 『日本人を肯定する 近代保守の死』勉誠出版、2018年9月
- 『日本が世界で輝く時代』育鵬社、2019年1月
- 『邪馬台国は存在しなかった』勉誠出版〈勉誠選書〉、2019年1月
- 『誰も語らなかった フェルメールと日本』勉誠出版、2019年8月
- 『発見!ユダヤ人埴輪の謎を解く』勉誠出版、2019年10月
- 『新しい日本史観の教科書 ―正しい歴史に「修正」せよ―』ビジネス社、2019年11月
- 『ユダヤ人埴輪があった! ―日本史を変える30の新発見―』扶桑社、2019年12月
- 『老年こそ創造の時代 ―「人生百年」の新しい指針』勉誠出版、2020年2月
- 『左翼グローバリズムとの対決』育鵬社、2020年6月
- 『日本国史の源流 縄文精神とやまとごころ』育鵬社、2020年10月
- 『「国譲り神話」の真実 神話は歴史を記憶する』勉誠出版、2020年10月
共著編集
- 『カンヴァス世界の大画家8 ミケランジェロ』 中央公論社、1983年。巻末エッセイは高田博厚
- 『世界美術大全集西洋編 12 イタリア・ルネサンスⅡ』 小学館、1994年。久保尋二と責任編集
- 『今昔秀歌百撰』(コンジヤクシウカヒヤクセン)不出售(フシユツシウ)特定非営利活動法人文字文化協會 2012年 ISBN 978-49905312-25
- 『日本文明論への視点 われら何処より来たり、何処へ往くか』展転社、2012年
- 『戦後日本を狂わせた反日的歴史認識を撃つ』展転社、2016年3月(編者代表) ISBN 978-4-88656-425-2
翻訳編集
- F.G.パリゼ『古典主義美術』岩崎美術社〈美術名著選書〉1972年、新装版1983年、1991年
- エンツィオ・オルランディ編『ダンテ』田中俊子共訳、世界の文豪叢書1 カラー版、評論社、1976年
- エンツィオ・オルランディ編『ディッケンズ』田中俊子共訳、世界の文豪叢書14 カラー版、評論社、1976年
- シャルル・ド・トルナイ『ミケランジェロ 彫刻家・画家・建築家』岩波書店、1978年11月
- エンツィオ・オルランディ編『ジョットー』田中俊子共訳、世界の巨匠8 カラー版、評論社、1980年6月
- エンツィオ・オルランディ編『デューラー』世界の巨匠10 カラー版、評論社、1980年6月
- ジョルジョ・ヴァザーリ『ルネサンス画人伝』平川祐弘・小谷年司共訳、白水社、1982年、新装版2009年12月
- 『ヴァザーリ 芸術家列伝3』白水Uブックス 2011年8月 ※「ダ・ヴィンチ」の部の訳注、解説「ヴァザーリと二大巨匠」
- エドガー・ヴィント『ルネサンスの異教秘儀』加藤雅之・藤田博共訳、晶文社、1986年12月
出演編集
- 林原チャンネル「日本から見たサピエンス全史」(2019年1月〜毎月配信)
- 【日本国史学会】 講演・田中英道
注釈編集
外部リンク編集
- 田中英道ホームページ「美の探究者、歴史と思想を語る」
- 田中英道 (@hidemichitanak1) - Twitter
- 林原チャンネル「日本から見たサピエンス全史」
- 観音教寺・芝山はにわ博物館