メインメニューを開く

概要編集

数多くの化石が発掘されることで知られていて、「日本の古生物学発祥の地」と呼ばれることがある[4]。地質学的価値も高いという。その一方で山全体が石灰岩の日本有数のその産出地であり、石灰岩、大理石の採掘が盛んに行われており、山容が変わり景観は損なわれつつある[5]

環境編集

 
西濃鉄道DE10形501号機。石灰石専用貨物列車を牽引する。

1967年昭和42年)3月17日に山域は、岐阜県の「伊吹県立自然公園」に指定された[5][6]。山域の固有種アメイロヒルゲンドルフマイマイBradybaenidae)などが生息し、「金生山の陸貝と生息地」が1980年(昭和55年)11月11日に岐阜県の天然記念物に指定された[7]。また、「金生山のヒメボタル」が大垣市指定天然記念物となっている[8]。岐阜県山岳連盟により、続ぎふ百山のひとつに選定されている[9]。約2億5,000万年前の古生代ペルム紀、海底の地殻変動が逆断層し、隆起して古生物が堆積物となり、この金生山の原型ができたと推測されている。そのため、この時期の生物の化石が多数採取されている。19世紀の終わりにドイツの古生物学者ギュンベル(Carl Wilhelm von Gümbel)が金生山の化石を紹介したことから、化石の山として世界的に知られるようになったという[4]。採取される化石は主に巻貝二枚貝であるが、ウミユリサンゴフズリナ石灰藻オウムガイのほか、三葉虫もある。貝は大型のが多いという。

なお、金生山は「きんしょうざん」として通称認知されているが、「かなぶやま」と呼ぶのが正しい。

金生山の特産種編集

金生山周辺には以下の陸生貝類の特産種が生息している[10]

金生山の鉱山編集

 
南側の石灰岩の昼飯鉱山とその鉱業関連の事業所

良質な石灰岩大理石があることから、江戸時代より採掘が行われている。1919年大正8年)開業の東海道本線の支線(大垣駅 - 美濃赤坂駅 通称:美濃赤坂線)や1928年(昭和3年)開業の西濃鉄道は、この金生山から採掘される石灰を運搬するために開業した鉄道である。南東山麓に西濃鉄道市橋線乙女坂駅がある。南山麓にあった西濃鉄道昼飯線は2007年に廃止された。周辺に「愛宕鉱山」、「河合石灰鉱山」、「清水鉱山」、「昼飯鉱山」などの石灰岩の採掘場があり、関連する以下の事業所がある。

地理編集

北西の池田山から続く山域の南東端に位置する。西には同様に石灰岩鉱山(伊吹鉱山)がある伊吹山があり、東山麓を揖斐川支流である杭瀬川が流れる。南西には垂井町の市街地を挟んで南宮山が対峙している。東山麓を国道417号が通る。南山麓を「金生山産業道路」が通り、その南側には岐阜県道216号赤坂垂井線が通る。

周辺の山編集

 
北西側の池田山から望む棚田状に石灰岩の採掘が行われている金生山、その背後に大垣市街地
山容 山名 標高
(m)[22][23]
三角点等級
基準点名[23]
金生山からの
方角と距離(km)
備考
  伊吹山 1,377.31  一等
「伊吹山」
 西 15.6 日本百名山
滋賀県の最高峰
  池田山  923.85  二等
「池田山」
 北西 7.0 池田の森
  金生山 217   0 続ぎふ百山
  金華山  328.86  二等
「金花山」
 東 19.0 岐阜城
  笙ヶ岳  908.30  四等
「笙ヶ岳」
 南南西 14.3 養老山地の最高峰

金生山化石館編集

金生山の中腹の金生山神社の東隣には、この山から出土した化石など約300点を展示した金生山化石館がある[24]。 この化石館は、金生山の化石研究に生涯を捧げた故熊野敏夫の業績と化石の展示保存をするため、1964年(昭和39年)3月21日に開館した[25]。その後、1976年に旧・赤坂商工会議所の建物[26]に移転。大垣市より資金援助を受けた赤坂商工会が1985年(昭和60年)に現在の建物を建設し、1996年(平成8年)に市に寄贈・移管されている[25]。なお、管理運営は指定管理者の公益財団法人大垣市文化事業団が行っている。

  • 所在地:大垣市赤坂町金生山
  • 開館時間:9:00 - 17:00
  • 休館日:火曜日(その日が祝日にあたるときは、その翌日)、祝日の翌日(その日が日曜日または火曜日にあたるときは、その翌日とし、その日が月曜日または土曜日にあたるときは、その翌々日)、年末年始(12/29-1/3)
  • 入場料:一般100円 18歳未満無料
  • 交通機関:名阪近鉄バス「虚空蔵口」バス停より徒歩5分
 
金生山の山頂の明星輪寺上部にある岩巣公園、石灰岩の奇石が多数並んでいる。

周辺編集

金生山の山頂の明星輪寺境内の上部に、2008年(平成20年)3月31日に「岩巣公園」(面積1.1 ha)が開設された[27]。周辺からは東に濃尾平野を見渡すことができる。

脚注編集

[ヘルプ]
  1. ^ a b c 金生山”. 大垣市 (2009年3月10日). 2012年12月10日閲覧。
  2. ^ 地図閲覧サービス「金生山」”. 国土地理院. 2012年12月10日閲覧。
  3. ^ 正確な山頂の位置は不明。
  4. ^ a b 日本の古生物学発祥の地 金生山  (PDF)”. 大垣市金生山化石館(化石館だより No.21) (2013年1月). 2013年5月16日閲覧。
  5. ^ a b コンサイス日本山名辞典 (1992)、164頁
  6. ^ 自然公園”. 岐阜県. 2012年12月10日閲覧。
  7. ^ 金生山の陸貝と生息地”. 岐阜県. 2012年12月10日閲覧。
  8. ^ 指定文化財一覧表(地域別)大垣地域北部”. 大垣市文化財保護協会. 2013年5月15日閲覧。
  9. ^ ぎふ百山(続) (1993)
  10. ^ 大垣市の環境 (PDF)”. 大垣市. pp. 80 (2012年1月). 2012年12月10日閲覧。
  11. ^ 岐阜県レッドデータブック「ヒルゲンドルフマイマイ」”. 岐阜県 (2009年8月). 2012年12月10日閲覧。
  12. ^ 岐阜県レッドデータブック「ナミマイマイ」”. 岐阜県 (2009年8月). 2012年12月10日閲覧。
  13. ^ 岐阜県レッドデータブック「ミカドギセル」”. 岐阜県 (2009年8月). 2012年12月10日閲覧。
  14. ^ 石灰事業”. 上田石灰製造株式会社. 2012年12月10日閲覧。
  15. ^ 石灰系製品”. 河合石灰工業株式会社. 2012年12月10日閲覧。
  16. ^ 石灰事業”. 株式会社古田石灰工業所. 2012年12月10日閲覧。
  17. ^ 会社概要”. マルアイ石灰工業株式会社. 2012年12月10日閲覧。
  18. ^ 金生山石灰工業株式会社”. 矢橋ホールディングス株式会社. 2012年12月10日閲覧。
  19. ^ 三星砿業株式会社”. 矢橋ホールディングス株式会社. 2012年12月10日閲覧。
  20. ^ 矢橋工業株式会社”. 矢橋ホールディングス株式会社. 2012年12月10日閲覧。
  21. ^ 会社概要”. 矢橋大理石株式会社. 2012年12月24日閲覧。
  22. ^ 日本の主な山岳標高(岐阜県の山)”. 国土地理院. 2012年12月25日閲覧。
  23. ^ a b 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2012年12月25日閲覧。
  24. ^ 金生山化石館”. 大垣市 (2013年4月18日). 2013年9月19日閲覧。
  25. ^ a b 化石館だより 9月号 №41 故熊野敏夫先生を偲んで (PDF)”. 大垣市金生山化石館. 2016年5月26日閲覧。
  26. ^ 1875年に岐阜県警察第2区大垣出張所第5分区屯所として建築されたものを1932年に移転した建物。現在は最移転・外観修復され、「赤坂港会館」として使用されている。
  27. ^ 岩巣公園”. 大垣市. 2012年12月10日閲覧。

参考文献編集

  • 岐阜県山岳連盟『ぎふ百山(続)』岐阜新聞社、1993年2月。ISBN 4905958059
  • 『コンサイス日本山名辞典』徳久球雄(編集)、三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1

関連項目編集

外部リンク編集