BLOOD THE LAST VAMPIRE

Production I.Gのメディアミックス作品

BLOOD THE LAST VAMPIRE』(ブラッド ザ ラスト ヴァンパイア)は、2000年から展開されたProduction I.GおよびI.Gプラス共同制作のメディアミックス作品群。

"恐怖"をテーマにした物語となり、少女と怪物が繰り広げる戦いを描いたシリーズ初のホラーアクション作品である。[1]

概要編集

少女、怪物、日本刀を中心要素として、アニメーション映画コンピュータゲーム小説漫画で作品が制作されたが、それぞれの間でストーリーの繋がりは無い。

スキャンダル』に続く「やるドラDVD」の第2作目であり、「やるドラ」としては6作目。前作の物語から一転され、現代を舞台にヴァンパイアと人間の戦いを描いた作品となっている[1]

作品展開の始まった2000年当時、それほど目立ったヒットは見せなかったが、2005年より世界観を共有する作品『BLOOD+』が同じくメディアミックス作品として展開したため、その前史として注目を集めることとなった[要出典]

映画監督のクエンティン・タランティーノは本作のファンであり、代表作の1つ『キル・ビル Vol.1』ではアニメパートの制作をProduction I.Gに依頼している。

アニメーション映画編集

2000年11月18日劇場公開されたアクションホラー作品。上映時間は48分。

本作品は、経済産業省情報処理振興事業協会IPA)を通じ、マルチメディアコンテンツ振興協会(MMCA)に委託した「先導的コンテンツ市場環境整備事業」で採択された事業の一つとして制作されており、製作費の一部を国が負担している[2]

また、世界初のHD24Pによる劇場用フル・デジタルアニメーションと謳われており[3]、Production I.Gの長編作品では本作品が初のデジタル作品となった[4]

舞台がベトナム戦争中の横田基地であることから登場キャラクターの多くがアメリカ人であり、台詞が英語で日本語字幕のつく場面が多い。

ストーリー(アニメ)編集

物語の舞台は1966年1969年2000年日本。映画・小説に続くエピソードとして3つの時代が舞台となる。[1]ベトナム戦争最中の横田基地内のアメリカンスクールに転校してきた小夜(SAYA)[1]という名の少女が、謎の男たちの監視のもと、怪物を倒すべく探索するという内容。

登場人物(アニメ)編集

日本刀を振りかざし、怪物と戦うセーラー服の少女。[1]

スタッフ(アニメ)編集

製作(アニメ)編集

同作品は、1996年にProduction I.Gに押井塾が結成された事に端を発する[5]。押井塾は、人を育てた事が無い押井守が、暇つぶしと恩返しを兼ねて結成したとaniplex社のインタビューにて神山健治が答えている。同塾には、押井作品に携わった製作チームとProduction I.Gの将来有望な若手が集った精鋭部隊と化した。

毎回提示されるテーマにそって企画の提出が課題とされ、第八回の8月22日に提示された課題は「吸血鬼」であり、神山が提出した企画が「LAST VAMPIRE Desmodus rotundus」であった。同塾の藤咲淳一はBLOOD THE LAST VAMPIREの世界観や設定は、神山が提出した企画に既に詰まっていたと証言している[6]。さらに、前出の藤咲淳一が第七回の課題に提出した月光鬼譚を元に物語り主人公の小夜が作られた。なお、この際に小夜の誕生日設定は、押井守の誕生日と同日に設定してあるという[7]

9月11日のProduction I.G押井塾の第二回合宿の際に、神山が提出した当初企画と、藤咲が提出した月光鬼譚、さらに別途に神山が徹夜して書き上げたLAST VAMPIREらを元に、合宿に参加していた押井守と北久保弘之らで激論が交わされ構想が練られていった。この激論はほとんど徹夜であり合宿に参加していた藤咲は「あの場にいたら、押井さんと北久保さんに圧倒される」、神山は「喋りで、その隙間に入るのが、難しい」と証言するほど激しいものであった[8]

当初、神山や藤咲およびその他大勢の押井塾若手らによって通常業務の合間を縫って製作される内部向け作品だったが、途中試作レビューにおいて極めて高く評価され、後に3年の年月と複数人の参加・協力を経て公開作品化される事となる。

関連商品(アニメ)編集

  • 映画公開時:メイキングDVD
    • Making of BLOOD THE LAST VAMPIRE
  • 2000年11月:サウンドトラックCD
  • 2001年4月:DVD-BOX、DVD通常版、VHS
    • DVD-BOXは、通常版Disk、デジタルリマスター版Disk、特典Diskの3枚セット
  • 2001年11月:デジタルリマスター版DVD
  • 2009年5月Blu-ray Discアニプレックスより発売)

評価(アニメ)編集

コンピュータゲーム編集

BLOOD THE LAST VAMPIRE
ジャンル
対応機種
開発元
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
プロデューサー
ディレクター 藤咲淳一
デザイナー 東郷光宏
シナリオ
音楽 梶浦由記
美術 寺田克也
シリーズ やるドラ
人数 1人
メディア
発売日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)[PSP]
コンテンツ
アイコン
暴力[PSP][9]
アスペクト比
  • 4:3[PS2]
  • 16:9[PSP]
対応言語 日本語
その他
  • 型式:SCPS-15007[PS2上巻]
  • 型式:SCPS-15008[PS2下巻]
  • 型式:UCJS-10025[PSP]
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2000年12月21日ソニー・コンピュータエンタテインメントより発売されたPlayStation 2アドベンチャーゲーム

やるドラ』シリーズの第6作目。

ストーリー(ゲーム)編集

登場人物(ゲーム)編集

高校を中退し、大検合格を目指す少年。幼い頃、洪水に巻き込まれて生死の境をさまよった経験があり、それ以来「謎の声」が聞こえるようになった[10]
人類に仇なすヴァイパイア「翼手」を狩ることを使命としている[10]
中学時代に両親を失って以来、自分の居場所を探し続けている。明るさとバイタリティーを持っているが、彼女にも「謎の声」が語りかけてくる[10]
アジア系の流れを汲むハーフ。

システム(ゲーム)編集

従来のアドベンチャーゲームとは異なり、自動的にフルボイス・フルアニメーションで物語が進行する。物語の途中で選択肢が表示され、その選択肢によってエンディングが決定する。ただし、前作の「スキャンダル」から採用されたタイムロックシステムも健在で、選択肢は全て時間制限付きとなっている[10]

また、物語には隠された分岐点が存在する。隠された分岐点でBSS(BLOODサーチシステム)を起動することで、その分岐に入ることができる。ただし、BSSで分岐サーチに失敗するとBLOODレベル(プレイヤー自身のヴァンパイア度)が上昇し、バッドエンドに到達しやすくなる。しかし、ゲーム中の全てのシーンを見るためには「ヴァンパイア度」を上げることも必要となる[10]。ゆえに、BSSを連続起動して攻略することはできない。隠された分岐点に入らなければグッドエンドには到達できないため、攻略難易度は高い。物語に関わる重要な分岐が隠されていることを知らせるために画面右下に「鈴」のマークが表示される。ただし「鈴」が表示されない分岐もある[10]

用語(ゲーム)編集

翼手
ヴァンパイア。剛力と俊敏さを持つ異形の化物に変身できる。姿は人間のままで、手のみを翼手化することも可能である。受けたダメージはすぐに回復し、殺すには大量に出血させるしかない。人間の体内に翼手の血が入ると、その人間も翼手化する。別人の声色を真似ることができる。その能力でターゲットをおびき寄せるために使用することもある。

主題歌(ゲーム)編集

エンディングテーマ「明日の場所」
歌:工藤夕貴 / 作詞:吉田あこ / 作曲・編曲:中崎英也 / プロデュース:中崎英也

スタッフ(ゲーム)編集

評価(ゲーム)編集

週刊ファミ通』のクロスレビューでは、33点と採点され、32点から34点のソフトが対象となる「ゴールド殿堂」入りとなった[11][12]

関連商品(ゲーム)編集

  • BLOOD THE LAST VAMPIRE 公式ビジュアルブック、2000年12月21日発売、角川書店ISBN 4-04-707058-0設定資料集[13]
  • 電撃攻略王 やるドラDVD BLOOD THE LAST VAMPIRE 攻略&VISUAL BOOK、2000年12月27日発売、メディアワークスISBN 4-8402-1663-0攻略本[14]
  • 「BLOOD THE LAST VAMPIRE」ゲーム・サウンドトラック、2001年1月11日発売、SME・ビジュアルワークスASIN B00005HS0GアルバムCD[15]

実写映画編集

ラスト・ブラッド
Blood: The Last Vampire
監督
脚本 神山健治/ロニー・ユー
製作 ビル・コン/エイベル・ナーミアス
出演者
音楽 クリント・マンセル
主題歌
撮影 プーン・ハンサン、HKSC
編集 マルコ・キャベ
配給   アスミック・エース
公開   2009年5月29日
上映時間 91分
製作国
言語 英語
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香港・フランス共同制作映画として製作され、日本では『ラスト・ブラッド』の題名で2009年5月29日に公開された。当初は2008年春に公開予定とされていた[要出典]

1960年代の日本のシーンでは、撮影当時に営団地下鉄(現:東京メトロ)で走っていた営団500形電車が売却先のアルゼンチンブエノスアイレスの地下鉄で走っていたため、ロケが行われている。

ストーリー(実写)編集

登場人物(実写)編集

役名 - 俳優(ソフト版吹き替え)

スタッフ(実写)編集

小説編集

押井守藤咲淳一が小説版を書いている。

漫画編集

2001年4月に『BLOOD THE LAST VAMPIRE 2000』というタイトルで角川書店より発売。作者は玉置勉強。全1巻。ISBN 4-04-713404-X

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e 電撃PlayStation』第156巻2000年10月13日号、メディアワークス、2000年9月22日、 174,175,。
  2. ^ 中村均 (2001年1月18日). “中央省庁再編はアニメやCGなどコンテンツ産業に吉と出るか”. 日経 xTECH. 日経BP. 2019年8月1日閲覧。
  3. ^ 会社案内”. アニプレックス. 2019年8月1日閲覧。
  4. ^ 『劇場版BLOOD-C The Last Dark』公開記念『BLOOD THE LAST VAMPIRE』同時上映レポート”. Production I.G. 2019年8月1日閲覧。
  5. ^ BLOOD THE LAST VAMPIRE Team Oshii 01”. アニプレックス. 2019年8月1日閲覧。
  6. ^ BLOOD THE LAST VAMPIRE Team Oshii lt”. アニプレックス. 2019年8月1日閲覧。
  7. ^ BLOOD THE LAST VAMPIRE Team Oshii 04”. アニプレックス. 2019年8月1日閲覧。
  8. ^ BLOOD THE LAST VAMPIRE Team Oshii 06”. アニプレックス. 2019年8月1日閲覧。
  9. ^ CERO タイトル検索”. コンピュータエンターテインメントレーティング機構. 2019年8月16日閲覧。
  10. ^ a b c d e f 『電撃PlayStation』第162巻2000年12月8日号、メディアワークス、2000年11月24日、 32-33頁。
  11. ^ BLOOD THE LAST VAMPIRE 上巻 まとめ (PS2)”. ファミ通.com. KADOKAWA Game Linkage. 2019年12月14日閲覧。
  12. ^ BLOOD THE LAST VAMPIRE 下巻 まとめ (PS2)”. ファミ通.com. KADOKAWA Game Linkage. 2019年12月14日閲覧。
  13. ^ BLOOD THE LAST VAMPIRE 公式ビジュアルブック”. KADOKAWA. 2019年7月18日閲覧。
  14. ^ BLOOD THE LAST VAMPIRE 攻略&VISUAL BOOK 電撃攻略王 やるドラDVD”. KADOKAWA. 2019年7月18日閲覧。
  15. ^ 「BLOOD THE LAST VAMPIRE」ゲーム・サウンドトラック”. アニプレックス. 2019年7月18日閲覧。

関連項目編集

  • BLOOD+ - 本作を基にした、本作とは設定を異にする別の物語。
  • BLOOD-C - 2011年に放送されたアニメーション作品。本作・『BLOOD+』とも異なる別の物語。

外部リンク編集