J

ラテン文字の10番目の文字

Jは、ラテン文字アルファベット)の10番目の文字。小文字は j

Jj Jj
ラテン文字
Aa Bb Cc Dd    
Ee Ff Gg Hh    
Ii Jj Kk Ll Mm Nn
Oo Pp Qq Rr Ss Tt
Uu Vv Ww Xx Yy Zz
  • 太字で表した字は母音である。

字形 編集

 
筆記体
 
ジュッターリーン体

大文字は、縦棒の下が左に曲がった形である。しばしば折り返す。フラクトゥール で、書体によっては (I) と区別が付かない(あるいは、もともと異体字であったIとJの区別を設けていない)。このため、記号としては (J) を抜かすことがある( (I) の次の記号に (K) を使う)。また、T の筆記体と紛らわしいが、フラクトゥールで T は のようであり、区別が付く。

小文字はミーンラインより下に書かれるが、ベースラインを越えて下に突き出す。このため、実質的な大きさはこれだけでも大文字と同等である。さらに、i同様、上に点を付ける。フラクトゥール 。文字の上部に付けるダイアクリティカルマークが付く場合、普通は点を付けないで、ダイアクリティカルマークのみを付ける。

メイリオなど、書体によってはゴシック体でも上部にセリフが付く。手書きでもセリフ付きブロック体が用いられることがある。

歴史 編集

ギリシャ文字Ι(イオタ)に由来し、キリル文字І, Јと同系の文字である。IとJの2形があったが、I母音を、J半母音を、区別して表すようになった。両者が区別して使われるようになったのは15世紀以降である。

呼称 編集

音価 編集

文字 J は、半母音(硬口蓋接近音[j] を表すのに用いられるほか、言語によっては以下のような音を表すのに用いられる。

東アジアの諸言語をラテン文字で転写する際には、[dʒ] の近似音を J で表すことが多い。有声音無声音の区別がなく有気音無気音を区別する言語では、無気音のほうに J が当てられる。その場合、J は無声音をも表すことになる。日本語のヤ行の子音等[j]の近似音は代わりにYで表すことが多い。

  • 朝鮮語では、[dʒ]に近い有声音で発音される[dʑ])に J が当てられている。大韓民国の文化観光部2000年式では無声音で[tɕ]と発音される場合でも母音が後続するなら J を用いる。は常に無声音で発音されるが jj となる。
  • 中国語漢語拼音では、J は無声歯茎硬口蓋破擦音の無気音[tɕ]を表す。
  • 日本語ヘボン式ローマ字表記では、[dʒ]に近い「ジ」および「ジャ」行の子音[dʑ]に J が当てられている。ジャ行の表記において jy と表記されることもあるが、基本的には正しくない。なお訓令式では使用しない。

J の意味 編集

学術的な記号・単位 編集

その他の記号 編集

商品名・作品名・固有名等 編集

符号位置 編集

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
J U+004A 1-3-42 J
J
j U+006A 1-3-74 j
j
U+FF2A 1-3-42 J
J
U+FF4A 1-3-74 j
j
全角
U+24BF Ⓙ
Ⓙ
U+24D9 1-12-35 ⓙ
ⓙ
丸囲み
🄙 U+1F119 🄙
🄙
U+24A5 ⒥
⒥
括弧付き
𝐉 U+1D409 𝐉
𝐉
𝐣 U+1D423 𝐣
𝐣
太字

他の表現法 編集

脚注 編集

  1. ^ 放送用語委員会 ● 第1413回(東京)外来語としての「アルファベット」の発音」(PDF)『放送研究と調査』第67巻第6号、NHK放送文化研究所、2017年6月、100-111頁。 

関連項目 編集