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ワンサくん』は、手塚治虫の漫画、およびテレビアニメ。また、三和銀行(現:三菱UFJ銀行)のマスコットキャラクターの白い犬。

「三和」の逆読みで名づけられたと思われているが、「ワンサくん」に目をつけた三和銀行がマスコットとしての採用を申し入れたものである。ガールフレンドの「ミドリ」は三和銀行のコーポレートカラーから取られた名前である。

目次

漫画編集

月刊誌『てづかまがじんレオ』(虫プロ商事発行、1971年10月号創刊)に連載されたが、同雑誌が(1972年4月号までの7冊で?)廃刊になったため未完結のまま終了している。ストーリーもアニメ版とは異なり、ワンサと仲間達が税務署を襲撃するところもある。『手塚治虫漫画全集』では本作の他に『海のトリトン (『テレビマガジン』・『たのしい幼稚園』版)』、『らびちゃん』、『とべとべるんちゃん』、『ぽっかち』の4作の短編漫画を収録している。秋田文庫『ふしぎなメルモ』では本作と『海のトリトン(『テレビマガジン』・『たのしい幼稚園』版)』を収録している。

アニメ『ワンサくん』編集

ワンサくん
ジャンル ギャグアニメ
アニメ
原作 手塚治虫
監督 山本暎一
アニメーション制作 虫プロダクション
製作 関西テレビ
虫プロダクション
放送局 関西テレビ
放送期間 1973年4月2日 - 1973年9月24日
話数 全26話
テンプレート - ノート

1973年4月2日から9月24日に、関西テレビの製作によりフジテレビ系列で毎週月曜19時00分から19時30分に放送された。関西テレビが製作した初のテレビアニメであり、旧虫プロダクションが制作した最後のアニメ作品でもある。

プロデューサーは西崎義展で、同じく手塚治虫原作の『海のトリトン』(朝日放送製作・TBS系列)に次いで2作目のアニメ製作となった。音楽は『海のトリトン』ではジャズ色が強かった鈴木宏昌であったが、本作ではポップスとクラシック色が強い宮川泰が坦当した。

脚本家の藤川桂介によると、西崎は「日本のディズニー」を目指しており、本作はディズニーのミュージカル風な作風になったという[1][2]

技術上では作中の犬たちを擬人化するため人間の演技を撮影したフィルムをトレースして作画した。これはディズニーと同じロトスコープという技法である。また、犬の生態を動物学者の小原秀雄にレクチャーしてもらったり、ミュージカルシーンのために日劇の演出家、日高仁を起用するなど、きわめて手間のかかった作品である。しかしこうした試みは手間がかかりすぎたため2クールで終わる。本作の放送終了後の2か月後には旧虫プロダクションは倒産した。

西崎にとっては前作の『海のトリトン』と同様、商業的に失敗に終わることとなった。しかし、翌1974年には本作のスタッフが企画・制作を手がけ、原作無しのオリジナル作品である『宇宙戦艦ヤマト』(よみうりテレビ製作・日本テレビ系列)を製作することとなる。

第21話まではコミカル路線だったが、第22話以降は生き別れになった母親を訪ね歩くシリアス路線となった。最終回は、探しあてた時にはワンサの母は病気で、看病の甲斐もなくあっけなく死んでしまう。ワンサは一人たくましく生きていく決意をして幕が降りる。しかし実は全話が演劇だったという設定になっている。しかもよく見ると、第21話と同じ設定(観客が猫族。もっとも第21話のラストでは、犬達と猫族が大喧嘩になって終わりとなる)であることから、第21話からまるまる6話かけて最終回になる形での終わり方だった。

2002年11月21日にDVDボックス(TKBU-5157)が発売されているが、虫プロダクション倒産後の紆余曲折を経て版権が東北新社に移っていることから、本作は他の虫プロダクション制作の手塚治虫アニメとは扱いが異なっている。DVD化の際には、本作を除いた虫プロダクション制作の手塚治虫原作アニメが全てコロムビアミュージックエンタテインメント(現・日本コロムビア)から発売されたのとは対照的に、本作のみ徳間ジャパンコミュニケーションズからの発売となった。また、虫プロダクション作品の映像を集めた主題歌集ビデオやDVDにも本作は収録されていない。後に2018年4月1日にバンダイビジュアルランティスを吸収合併して、バンダイナムコアーツになったことから、バンダイナムコアーツの映像レーベル「バンダイビジュアル」が関わるようになった。これにより、主にディズニー作品とは異なり、他の虫プロダクション制作の手塚治虫アニメのように、『ワンサくん』がバンダイナムコアーツの映像レーベル「バンダイビジュアル」が関わるのは、かつて『ワンサくん』がビデオで発売元を担当したジャパン・オーディオ・ビジュアル・ネットワーク以来となる[3]

声の出演編集

本作の声優陣はほとんどが『海のトリトン』、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズと同く、青二プロダクションを起用している。

スタッフ編集

主題歌編集

オープニングテーマ
  • ワンサカ ワンサくん」(第1話 - 第13話、第15話 - 第20話)
    作詞 - 山本暎一、作曲 - 宮川泰、歌 - ロイヤルナイツシンガーズ・スリー
    音楽とオープニングアニメーションはミュージカル仕立てとなっている。本編にもミュージカルを思わせる場面が登場する。
    総集編である第14話と第21話は、特別仕立てのオープニング。
  • ママに逢いたい」(第22話 - 第24話)
    作詞 - 日高仁、作曲 - 宮川泰、歌 - ホーン・ユキ
  • 死なないでママ」(25話・26話)
    作詞 - 日高仁、作曲 - 宮川泰、歌 - 天地総子小原乃梨子
エンディングテーマ
  • ピンコラ音頭
    作詞 - 藤川桂介、作曲 - 宮川泰、歌 - ロイヤルナイツ、シンガーズ・スリー
    第9話では、ボコボコになったワンサ(タルホの罠にはまり、人間にボコボコにされてしまう)と玉川良一の顔写真キャラクターが登場する、特別ヴァージョン。
  • ワンサくんのママ」(第14話劇中歌)
    作詞 - 藤川桂介、作曲 - 宮川泰、歌 - 堀江美都子、ホーン・ユキ
  • ミドリちゃん」(第14話)
    作詞 - 山口あかり、作曲 - 宮川泰、歌 - ホーン・ユキ
補足
2006年日本映画専門チャンネルの「手塚治虫アニメシアター」内で放送した時には、オープニング・エンディングは次のように代えられた。
オープニングは一貫して「ワンサカ ワンサくん」に(特別仕立てだった第14話と第21話も)。
エンディングは一貫して「ピンコラ音頭」。フィルムも第9話を除いて同じ物を使用。
「ピンコラ音頭」の1番の歌詞で、「♪バカだ〜、チョンだといわれても」の「チョン」の音声がカットされ、ラストでは断り書きを挿入した。

各話リスト編集

話数 サブタイトル 脚本 演出 放映日
1 おかしな犬がやってきた 藤川桂介 田中実 1973年
4月2日
2 結婚しようよ!!カトリーヌ 波多正美 4月9日
3 とばせ!!おしっこ大作戦 石黒昇
小林三男
4月16日
4 あなた好みのベンジャミン 田村丸 西尾向太
田中実
4月23日
5 鼻にのこったママの味 藤川桂介 阿佐みなみ 4月30日
6 ここ掘れワンワンワンサくん 矢沢則夫
小林三男
5月7日
7 みどりちゃん捨てないで 波多正美 5月14日
8 馬鹿は死ななきゃなおらない 前篇 藤川桂介 池野文雄
鈴木正俊
5月21日
9 馬鹿は死ななきゃなおらない 後篇 田村丸 5月28日
10 犬の死に方おしえます 藤川桂介 石黒昇
田中実
6月4日
11 ブータンのもててつらいよ 西尾向太
石崎すすむ
6月11日
12 骨が百本ピピンのピン 矢沢則夫
田中実
6月18日
13 月がのぼれば血がのぼる 波多正美
石崎すすむ
6月25日
14 ワンサくんのミュージカル特集 山本暎一 7月2日
15 ミミのふりそで隅田川 田村丸 石黒昇 7月9日
16 犬は売られてどこへやら 藤川桂介 阿佐みなみ
池野文雄
石崎すすむ
7月16日
17 好きになったらとまらない 吉川惣司
田中実
7月23日
18 パンツもはかずに失礼さん 矢沢則夫
石崎すすむ
7月30日
19 踊るワンサに踊らぬワンサ 田村丸 小林三男 8月6日
20 ぼくは野良犬チャンピオン 藤川桂介 石黒昇
田中実
8月13日
21 ワンサくんのミュージカル特集 8月20日
22 ママに逢いたい!! その1 8月27日
23 ママに逢いたい!! その2 9月3日
24 ママに逢いたい!! その3 9月10日
25 死なないで!!ママ その1 9月17日
26 死なないで!!ママ その2 9月24日

放送局編集

その他編集

番組では、次回予告(メガネ役の永井一郎が担当)の後、視聴者から投稿された犬の絵をアニメートして放送するコーナーが設けられた。このコーナーは、関西テレビでの数回の再放送の後の再放送では無くなっている。

コミカライズ編集

小学館の雑誌(学習雑誌など)に連載された。

  • 小学一年生 1973年5月号 - 10月号 はらおさむ
  • 小学二年生 1973年5月号 - 9月号 池原成利
  • 小学三年生 1973年5月号 - 9月号 池原成利
  • 小学四年生 1973年5月号 - 9月号 馬場秀夫
  • 小学五年生 1973年5月号 - 9月号 馬場秀夫​
  • 小学六年生 1973年5月号 - 9月号 馬場秀夫​


フジテレビ 月曜19時台前半枠
【当番組より関西テレビ制作枠】
前番組 番組名 次番組
ワンサくん

舞台編集

せたがやこどもプロジェクト2016 キッズ・ミュージカル『ワンサくん —祭りにいくぞ!大脱走!』[4][5]

脚注編集

  1. ^ 藤川桂介「II アニメーション時代 ワンサくん—かわいい子犬の母探しをテーマにする 二クールで終わった犬のミュージカル」『アニメ・特撮ヒーロー誕生のとき ウルトラマン、宇宙戦艦ヤマトから六神合体ゴッドマーズまで』ネスコ、1998年8月9日、ISBN 4-89036-979-1、98頁。
  2. ^ しかし、2018年6月25日に、日本でのウォルト・ディズニー・レコードレーベルは、ユニバーサルミュージックと新たにライセンス契約を結び、同年10月1日以降音楽ソフトの販売を開始したことから、本作は他のレコードレーベルとは異なる。
  3. ^ ちなみに、主にディズニー作品としては、2018年4月1日以降のバンダイナムコアーツの映像レーベル「BANDAI VIDEO NETWORK」が関わるようになった。
  4. ^ 手塚治虫の「ワンサくん」がミュージカルに、野良犬と仲間たちの交流描く”. コミックナタリー (2016年1月20日). 2016年1月20日閲覧。
  5. ^ “群舞&合唱でみせるミュージカル「ワンサくん」市川しんぺーがチョイ悪の犬に”. ステージナタリー. (2016年8月18日). https://natalie.mu/stage/news/198599 2016年8月19日閲覧。 

外部リンク編集