アナスタシア・パブリュチェンコワ

ロシア出身の女子プロテニス選手

アナスタシア・セルゲーエヴナ・パブリュチェンコワAnastasia Pavlyuchenkova, ロシア語: Анастаси́я Серге́евна Павлюче́нкова Ru-Anastasia Pavlyuchenkova.ogg 発音, 1991年7月3日 - )は、ロシアサマーラ出身の女子プロテニス選手。4大大会全ての女子シングルスでベスト8進出がある。WTAツアーでシングルス12勝、ダブルスで5勝を挙げている。自己最高位はシングルス12位、ダブルス21位。

アナスタシア・パブリュチェンコワ
Anastasia Pavlyuchenkova
アナスタシア・パブリュチェンコワ
基本情報
フルネーム Anastasia Sergeyevna
Pavlyuchenkova
国籍 ロシアの旗 ロシア
出身地 同・サマーラ
居住地 同・モスクワ
生年月日 (1991-07-03) 1991年7月3日(32歳)
身長 177cm
体重 72kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2005年
ツアー通算 17勝
シングルス 12勝
ダブルス 5勝
生涯獲得賞金 13,746,811 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 ベスト8(2017・19・20)
全仏 準優勝(2021)
全英 ベスト8(2016)
全米 ベスト8(2011)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 ベスト8(2013)
全仏 ベスト8(2013)
全英 ベスト8(2014)
全米 ベスト8(2015・18)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 12位(2011年11月1日)
ダブルス 21位(2013年9月16日)
獲得メダル
テニス
オリンピック
2020 東京 混合ダブルス
2020年3月26日現在

来歴 編集

6歳からテニスを始め、2005年12月に14歳でプロ入り。パブリュチェンコワは4大大会女子ジュニア部門でシングルス3勝・ダブルス4勝を挙げ、早熟なジュニア選手として早くから注目を集めていた。2006年全豪オープンでのジュニア女子シングルス・ダブルス2冠制覇から始まり、同年の全仏オープンジュニア女子ダブルス優勝(シングルス準優勝)・全米オープンジュニア単複制覇・2007年全豪オープンジュニア女子シングルス2連覇・全米オープンジュニア女子ダブルス優勝があり、16歳にして7つのグランドスラム・ジュニアタイトルを獲得した。現在の女子プロテニスツアーでは、15歳から17歳の若年選手に対する試合出場制限が強化されているため、パブリュチェンコワはしばらくジュニア・トーナメントやITFのサーキット大会群で試合経験を積んだ。

2008年5月、パブリュチェンコワはモロッコフェズ大会のダブルスでソラナ・チルステアと組んで優勝し、ここで初めての女子ツアータイトルを獲得した。この後全仏オープンで一般の部にデビューする。10月にジャパン・オープンで来日し、シングルス・ダブルスともベスト8に入った。2009年3月のインディアンウェルズ・マスターズ準々決勝で、パブリュチェンコワはジュニア時代からのライバルであるアグニエシュカ・ラドワンスカを 7-6, 6-4 で破る勝利を挙げ、アナ・イバノビッチとの準決勝まで進出した。この大規模なトーナメントでのベスト4進出により、彼女は初めて世界トップ30に入る。4月には女子テニス国別対抗戦・フェドカップ準決勝のイタリア戦で2試合に起用され、団体戦デビューも果たした。全仏オープンにおいて、パブリュチェンコワは17歳10か月で「第27シード」に選ばれ、大会最年少のシード選手になった。全仏では3回戦で第1シードのディナラ・サフィナに 2-6, 0-6 で完敗した。

2010年5月、パブリュチェンコワはメキシコモンテレイ大会でダニエラ・ハンチュコバを 1-6, 6-1, 6-0で破りシングルス初優勝する。2010年全米オープンでは4大大会初の4回戦進出を果たした。

2011年は開幕戦のブリスベン国際アリサ・クレイバノワと組んでダブルス2勝目を挙げた。3月のモンテレイ大会では決勝でエレナ・ヤンコビッチを 2–6, 6–2, 6–3 で破り連覇を達成。全仏オープンでは4回戦で第3シードのベラ・ズボナレワを 7-6(4), 2-6, 6-2 で破り、初の4大大会ベスト8に進出した。準々決勝では前年優勝者のフランチェスカ・スキアボーネに 6-1, 5-7, 5-7 で敗れた。全米オープンでも3回戦でヤンコビッチを 6-4, 6-4 、4回戦ではスキアボーネを 5-7, 6-3, 6-4 で破りベスト8に進出した。準々決勝ではセリーナ・ウィリアムズに 5-7, 1-6 で敗れた。

2014年2月のGDFスエズ・オープンでは決勝でサラ・エラニを 3–6, 6–2, 6–3 で破り、初めてプレミア大会のシングルスタイトルを獲得した。

2016年ウィンブルドン選手権ではベスト8に進出した。8月のリオ五輪で初めてのオリンピックに出場した。シングルス2回戦でモニカ・プイグに 3-6, 2-6 で敗退した。

2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻を非難し、「個人的な野心や政治的動機は暴力を正当化できない」と述べた。

WTAツアー決勝進出結果 編集

シングルス: 20回 (12勝8敗) 編集

大会グレード
2008年以前 2009年以後
グランドスラム (0–0)
WTAファイナルズ (0–0)
ティア I (0–0) プレミア・マンダトリー (0-0)
プレミア5 (0-0)
ティア II (0–0) プレミア (2–5)
ティア III (0–0) インターナショナル (10–3)
ティア IV & V (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
優勝 1. 2010年3月7日   モンテレイ ハード   ダニエラ・ハンチュコバ 1–6, 6–1, 6–0
優勝 2. 2010年8月2日   イスタンブール ハード   エレーナ・ベスニナ 5–7, 7–5, 6–4
優勝 3. 2011年3月6日   モンテレイ ハード   エレナ・ヤンコビッチ 2–6, 6–2, 6–3
準優勝 1. 2012年8月4日   ワシントンD.C. ハード   マグダレナ・リバリコバ 1–6, 1–6
準優勝 2. 2013年1月5日   ブリスベン ハード   セリーナ・ウィリアムズ 2–6, 1–6
優勝 4. 2013年4月7日   モンテレイ ハード   アンゲリク・ケルバー 4–6, 6–2, 6–4
優勝 5. 2013年5月4日   オエイラス クレー   カルラ・スアレス・ナバロ 7–5, 6–2
準優勝 3. 2013年9月22日   ソウル ハード   アグニエシュカ・ラドワンスカ 7-6(8), 3-6, 4-6
優勝 6. 2014年2月2日   パリ ハード (室内)   サラ・エラニ 3–6, 6–2, 6–3
優勝 7. 2014年10月19日   モスクワ ハード (室内)   イリーナ=カメリア・ベグ 6–4, 5–7, 6–1
準優勝 4. 2015年8月9日   ワシントンD.C. ハード   スローン・スティーブンス 1–6, 2–6
優勝 8. 2015年10月18日   リンツ ハード (室内)   アンナ=レナ・フリードサム 6–4, 6–3
準優勝 5. 2015年10月24日   モスクワ ハード (室内)   スベトラーナ・クズネツォワ 2–6, 1–6
優勝 9. 2017年4月9日   モンテレイ ハード   アンゲリク・ケルバー 6–4, 2–6, 6–1
優勝 10. 2017年5月6日   ラバト クレー   フランチェスカ・スキアボーネ 7–5, 7–5
準優勝 6. 2017年9月24日   東京 ハード   キャロライン・ウォズニアッキ 0–6, 5–7
優勝 11. 2017年10月15日   香港 ハード   ダリア・ガブリロワ 5–7, 6–3, 7–6(3)
優勝 12. 2018年5月26日   ストラスブール クレー   ドミニカ・チブルコバ 6–7(5), 7–6(3), 7–6(6)
準優勝 7. 2019年9月22日   東京* ハード   大坂なおみ 2–6, 3–6
準優勝 8. 2019年10月20日   モスクワ ハード (室内)   ベリンダ・ベンチッチ 6–3, 1–6, 1–6
  • *東京(有明)改修中につき大阪で開催。

ダブルス: 8回 (5勝3敗) 編集

結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2008年5月4日   フェズ クレー   ソラナ・チルステア   アリサ・クレイバノワ
  エカテリーナ・マカロワ
6–2, 6–2
準優勝 1. 2008年7月13日   パレルモ クレー   アーラ・クドゥリャフツェワ   サラ・エラニ
  ヌリア・リャゴステラ・ビベス
6–2, 6–7(1), [4–10]
優勝 2. 2011年1月8日   ブリスベン ハード   アリサ・クレイバノワ   クラウディア・ヤンス
  アリシア・ロソルスカ
6–3, 7–5
優勝 3. 2012年4月8日   チャールストン クレー   ルーシー・サファロバ   アナベル・メディナ・ガリゲス
  ヤロスラワ・シュウェドワ
5–7, 6–4, [10–6]
優勝 4. 2013年5月11日   マドリード クレー   ルーシー・サファロバ   カーラ・ブラック
  マリーナ・エラコビッチ
6–2, 6–4
準優勝 2. 2015年6月14日   スヘルトーヘンボス   エレナ・ヤンコビッチ   アシァ・モハメド
  ラウラ・シグムント
3–6, 5–7
優勝 5. 2017年1月13日   シドニー ハード   ティメア・バボシュ   サニア・ミルザ
  バルボラ・ストリコバ
6–4, 6–4
準優勝 3. 2019年4月28日   シュトゥットガルト クレー   ルーシー・サファロバ   モナ・バルテル
  アンナ=レナ・フリードサム
6–2, 3–6, [6–10]

4大大会シングルス成績 編集

略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 通算成績
全豪オープン LQ LQ 1R 2R 3R 2R 1R 3R 1R 1R QF 2R QF QF 19–12
全仏オープン A 2R 3R 3R QF 3R 2R 2R 1R 3R 2R 2R 1R 17–12
ウィンブルドン 1R 3R 2R 3R 2R 2R 1R 1R 2R QF 1R 1R 1R 12–13
全米オープン LQ 2R 1R 4R QF 2R 3R 2R 2R 3R 1R 1R 2R 16–12

外部リンク 編集