陳冠宇
陳 冠宇(チェン・グァンユウ、1990年10月29日 - )は、台湾の台北県(現:新北市)出身のプロ野球選手(投手)。左投左打。千葉ロッテマリーンズでの登録名は片仮名表記の「チェン・グァンユウ」。
千葉ロッテマリーンズ #49 | |
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基本情報 | |
国籍 |
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出身地 | 台北県(現:新北市) |
生年月日 | 1990年10月29日(28歳) |
身長 体重 |
179 cm 75 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2011年 |
初出場 | 2014年7月16日 |
年俸 | 2,160万円(2019年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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国際大会 | |
代表チーム |
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WBC | 2017年 |
プレミア12 | 2015年 |
この表について
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陳冠宇 | |
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各種表記 | |
台湾語: | 陳冠宇 |
発音転記: | チェン・グァンユウ |
英語名: | Chen Kuan-Yu |
獲得メダル | ||
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男子 野球 | ||
![]() | ||
アジア プロ野球チャンピオンシップ | ||
銅 | 2017 | |
アジア競技大会 | ||
銀 | 2010 |
目次
経歴編集
プロ入り前編集
台湾台北県(現在:新北市)出身。穀保高級家事商業職業学校から、国立体育大学に進学。
2010年の春季リーグでは、先発6試合を含む7試合に登板し、5勝、防御率0.00を記録。さらに、チャイニーズタイペイ代表として同年の世界大学野球選手権大会や広州アジア大会にも出場した。
プロ入りと横浜・DeNA時代編集
2011年2月7日に横浜ベイスターズが獲得を発表[2]。シーズン中は、大学を休学する[3]。
2012年1月24日に自由契約公示されたが[4]、1月25日に育成選手として契約を結ぶことが発表された[5]。8月にトミー・ジョン手術を受け、この年は公式戦の登板はなかった[6]。10月31日、自由契約公示されたが[7]、11月9日に再契約した[8]。
2013年は育成選手の規約に基づき、10月31日自由契約公示された[9]。後に育成として再契約。
2014年7月11日、支配下契約され、背番号は118から59へ変更された[10]。支配下登録から5日後の7月16日の対広島戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)で一軍初登板・初先発[11]。しかし、味方の失策に加え、キラ・カアイフエとブラッド・エルドレッドに本塁打を浴びるなど、2回1/3を投げて4失点(自責点3)でKOされた[11]。チームは敗れたものの、陳が降板後に一度、広島に追いついたため、陳に勝敗はつかなかった[11]。翌日、登録を抹消され二軍に落ちた。9月、仁川アジア大会野球チャイニーズタイペイ代表に選出され、2試合に登板し決勝の韓国戦では敗戦投手となった。 10月27日に球団から戦力外通告を受けた[12]。12月2日、自由契約公示された[13]。
ロッテ時代編集
2014年11月に千葉ロッテマリーンズの秋季鴨川キャンプに2日間の参加。入団テストを兼ねたシートバッティングへの登板で3回無失点と好投した[14]ため、12月25日には入団が正式に発表された[15]。背番号は49で、登録名はカタカナ表記のチェン・グァンユウ[16]。
2015年は来日後初めて開幕を一軍で迎えると、福岡ソフトバンクホークスとの開幕カード第2戦(3月28日・福岡ヤフオクドーム)で移籍後先発。一軍公式戦では、6月10日の対中日ドラゴンズ戦(QVCマリンフィールド)で来日初勝利を挙げたことを皮切りに、左の先発要員として14試合の登板で5勝4敗、防御率3.23という成績を残した。特に、9月は5試合に登板して26投球回・3勝0敗・防御率1.04と好調であり、月間MVP候補選手となった[17]。さらに、チームのシーズン3位で迎えたポストシーズンでは、北海道日本ハムファイターズとのクライマックスシリーズ ファーストステージ第2戦(10月11日・札幌ドーム)の先発に抜擢。勝敗は付かなかったものの、同郷の陽岱鋼から3打席連続三振を奪うなど、5回を投げて1失点に抑えた[18]。さらに、シリーズ終了後に台湾へ帰郷すると、国立体育大学を卒業[19]。
オフの9月30日に第1回WBSCプレミア12のチャイニーズタイペイ代表に選出された[20]。同大会では初戦のオランダ戦に先発登板したが、相手打線を抑えきれず二回で降板した[21]。カナダ戦には中継ぎで登板したがまたも相手打線に捕まってしまう[22]結果に終わった。
2016年は契約期間の1年延長(推定年俸1700万円)と、台湾人女性との結婚を1月6日に発表した[19]。
2017年開幕前の1月23日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のチャイニーズタイペイ代表に選出された[23]。同大会では1戦目のイスラエル戦で2番手に登板したが本塁打を打たれて流れを作れず[24]、3戦目の韓国戦では先発登板したが打たれ、負傷もあって二回途中で降板になる結果に終わった[25]。
オフの10月11日に第1回アジア プロ野球チャンピオンシップのチャイニーズタイペイ代表に選出された[26]。
選手としての特徴編集
人物編集
交際6年目の2016年1月、台北市在住の銀行員の女性と結婚[30]。
普段ワンピースの漫画を読んで、日本語を勉強。ワンピースのテレビアニメを見てヒアリングを鍛える。悩みは「ワンピース」では敬語が出てこないので敬語が勉強できないこと[31]。
2018年8月には、第1子となる娘が誕生した[32]。
詳細情報編集
年度別投手成績編集
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
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2014 | DeNA | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 14 | 2.1 | 5 | 2 | 2 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 4 | 3 | 11.57 | 3.00 |
2015 | ロッテ | 14 | 13 | 0 | 0 | 0 | 5 | 4 | 0 | 0 | .556 | 259 | 61.1 | 61 | 4 | 23 | 0 | 2 | 47 | 2 | 0 | 24 | 22 | 3.23 | 1.37 |
2016 | 7 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 104 | 24.2 | 25 | 3 | 10 | 0 | 0 | 23 | 2 | 0 | 14 | 11 | 4.01 | 1.42 | |
2017 | 27 | 8 | 0 | 0 | 0 | 3 | 4 | 0 | 4 | .429 | 270 | 63.0 | 56 | 5 | 32 | 0 | 0 | 59 | 5 | 0 | 26 | 23 | 3.29 | 1.40 | |
通算:4年 | 49 | 26 | 0 | 0 | 0 | 9 | 9 | 0 | 4 | .500 | 647 | 151.1 | 147 | 14 | 67 | 0 | 2 | 132 | 9 | 0 | 68 | 59 | 3.51 | 1.41 |
- 2017年度シーズン終了時
記録編集
- 初登板・初先発登板:2014年7月16日、対広島東洋カープ15回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、2回1/3を4失点(自責点3)[11]
- 初奪三振:同上、1回裏に丸佳浩から空振り三振
- 初勝利・初先発勝利:2015年6月10日、対中日ドラゴンズ2回戦(QVCマリンフィールド)、6回0/3を1失点
- 初ホールド:2017年8月11日、対東北楽天ゴールデンイーグルス17回戦(ZOZOマリンスタジアム)、6回表に2番手で救援登板、1回無失点
背番号編集
- 53 (2011年)
- 118 (2012年 - 2014年7月10日)
- 59 (2014年7月11日 - 同年終了)
- 49 (2015年 - )
登場曲編集
代表歴編集
- 2010年世界大学野球選手権大会チャイニーズタイペイ代表
- 2010年アジア競技大会野球チャイニーズタイペイ代表
- 2014年アジア競技大会野球チャイニーズタイペイ代表
- 2015 WBSCプレミア12 チャイニーズタイペイ代表
- 2017 ワールド・ベースボール・クラシック・チャイニーズタイペイ代表
- 2017 アジア プロ野球チャンピオンシップ チャイニーズタイペイ代表
脚注編集
- ^ ロッテ - 契約更改 - プロ野球. 日刊スポーツ. 2019年1月25日閲覧。
- ^ 新外国人選手獲得のお知らせ 横浜ベイスターズ
- ^ “横浜:新外国人投手を獲得 台湾の大学生”. 毎日新聞 (2011年2月7日). 2011年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月3日閲覧。
- ^ “コミッショナー公示(24日)”. スポーツナビ (2012年1月24日). 2012年1月24日閲覧。
- ^ “育成選手契約および背番号変更のお知らせ”. 横浜DeNAベイスターズ (2012年1月25日). 2012年1月25日閲覧。
- ^ “〈NPB〉陳冠宇手傷復健 橫濱改簽兩年育成約”. TSNA (2012年11月1日). 2012年11月2日閲覧。
- ^ “コミッショナー公示(31日)”. NPB公式サイト (2012年10月31日). 2012年11月10日閲覧。
- ^ 2013年度契約更改 サンスポ.2013年2月10日閲覧。
- ^ 2013年度 自由契約選手(育成選手) 日本野球機構オフィシャルサイト 2013年11月3日閲覧。
- ^ “陳冠宇選手 支配下選手として契約”. 横浜DeNAベイスターズ (2014年7月11日). 2014年7月11日閲覧。
- ^ a b c d “DeNA・筒香が3連戦で5発!アーチ量産も「勝たないと」”. サンケイスポーツ. (2014年7月16日) 2014年7月17日閲覧。
- ^ 2015年度選手契約についてDeNA球団公式サイト2014年10月27日配信
- ^ 2014年度 自由契約選手 日本野球機構オフィシャルサイト 2014年12月5日閲覧。
- ^ 【ロッテ】矢地&陳冠宇がテスト入団 スポーツ報知 2015年3月30日閲覧。
- ^ 陳冠宇投手との契約について 千葉ロッテマリーンズ
- ^ ロッテ・デスパ 新背番号はジョニー黒木の「54」 スポーツニッポン
- ^ 2015年9月度「日本生命月間MVP賞」候補選手 (パシフィック・リーグ)
- ^ 【ロッテ】チェン、CS初登板5回1失点「次があれば頑張りたい」スポーツ報知(2015年10月11日)
- ^ a b ロッテ・チェン1100万増 結婚&大学卒業も公表日刊スポーツ(2016年1月6日)
- ^ 2015第一屆世界12強棒球錦標賽 中華隊28人名單正式公布 中華民國棒球協會官方網站 (中国語) (2015年9月30日) 2015年10月9日閲覧
- ^ http://news.sp.baseball.findfriends.jp/?pid=news_detail&id=197544
- ^ http://japan.cna.com.tw/news/aart/201511130006.aspx
- ^ 快訊/經典賽中華隊28人名單 陽岱鋼入列 ETtoday運動雲 (中国語) (2017年1月23日) 2017年1月24日閲覧
- ^ http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/03/08/kiji/20170308s00001004027000c.html
- ^ https://www.baseballchannel.jp/wbc/28620/
- ^ 洪一中總教練領軍 亞冠賽25人名單出爐 中華職棒大聯盟全球資訊網 The Official Site of CPBL (中国語) (2017年10月11日) 2017年10月22日閲覧
- ^ https://www.nikkansports.com/baseball/news/201802140000508.html
- ^ 横浜 最速148キロの陳「中日のチェンよりいいと聞いている」
- ^ “チェン投手・先発の救世主となるか”. 週刊ベースボールONLINE. (2015年3月9日)
- ^ “ロッテ、チェン結婚 台北在住の銀行員と交際6年目”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2016年1月7日) 2016年1月7日閲覧。
- ^ “ロッテ・チェン グラブに刻んだ「冠」 来季は最高の笑顔を”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2016年10月9日) 2016年10月9日閲覧。
- ^ 千葉ロッテマリーンズ公式アカウント on Twitter
関連項目編集
外部リンク編集
- 個人年度別成績 チェン・グァンユウ - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 陳冠宇 (kuanyu1029) - Instagram
- 陳冠宇 (@kuanyu1029) - Twitter