ウォーマシン (マーベル・コミック)

ウォーマシンWar machine)またはジェイムス・ルパート・“ジム”・ローズJames Rupert “Jim” Rhodes)は、マーベル・コミックより出版されるコミック作品に登場する架空のキャラクター、スーパーヒーローである。コミック作家のデイヴィッド・ミッチェリーニ、ジョン・バーン、ボブ・レイトンによって創造され、1979年1月の『アイアンマン』 #118で初登場した。

キャラクター経歴編集

MCU版編集

MCUでは、『アイアンマン』のみテレンス・ハワード、『アイアンマン2』以降はドン・チードルが演じる。劇場公開・ソフト版の吹き替えは俳優によって異なっており、ハワードが演じた『アイアンマン』のみ高木渉が担当し、チードルが演じるようになった『アイアンマン2』以降は目黒光祐が担当している。

本シリーズでは、親しい者たちから“ローディ”の愛称で呼ばれる。

キャラクター像編集

アメリカ空軍武器開発部に所属する軍人であり、階級は『アイアンマン2』までが中佐だったが、『アイアンマン3』では昇格して大佐になる。“スターク・インダストリーズ”が軍需産業に従事していた頃は、同社とのパイプ役として軍事アドバイザーを担当していた。『アイアンマン2』の物語後半からヒーローの一人である“ウォーマシン”となり、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』終盤以降は“アベンジャーズ”の一員になる。

MIT航空工学の修士号を取得し、空軍士官学校を卒業した学歴と、軍人/パイロットとして138回の戦闘任務にあたり、空を飛んできた戦歴を持つ[1]

実直な人柄から、長い付き合いのトニー・スターク/アイアンマンとは、彼の破天荒ぶりに呆れるほど振り回されることも少なくないが、互いに心を許せる親友兼相棒として認め合う間柄であり、トニーと深い仲であるペッパー・ポッツハッピー・ホーガンとも交友関係にある。軍人らしく職務に忠実であるものの、決して上層部や政府の命令に全て盲目的に従うほど真面目一辺倒で融通がきかない人物というわけではなく、時には規則に背き、自身の決断でトニーたちを支える柔軟さと、オフの際にはパーティーなどで友人たちを楽しませる体験談ができるほどの社交性まで兼ね備えた好漢であり、そのためスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウたちアベンジャーズの僚友一同からの人望も厚い。

その反面、自ら装着するアーマー各種を悪用・破損されて災難に陥ったり、軍人の立場からアメリカや世界の安全保障問題とトニーたちとの友情の間で板挟みになるなど、戦闘から平時の軍務まで、色々な苦労に直面する人物としても描写される。

能力編集

超人的な特殊能力は持っていないものの、“ウォーマシン・アーマー”各種や“アイアン・パトリオット”[注釈 1]の全機能を難なく使いこなし、アーマー無しでも、ハンドガン一丁による確かな射撃能力と咄嗟の状況判断のみで“エクストリミス・ソルジャー”を撃退するなど、現役軍人としてもヒーローとしても目を見張るほどの実戦能力を有している。

ツール・ビークル編集

ウォーマシン・アーマー
ローディが自ら装着するパワードスーツ。現在のところマーク1から6までが登場し[注釈 2]、そのほとんどがトニーによって造られた。そのデザインと、“アーク・リアクター”を動力源とし、“リパルサー”などを利用して飛行する点はアイアンマン・アーマーと同等だが、カラーリングや武装によりそのイメージはより兵器然としている。
アイアン・パトリオット
ウォーマシン・アーマーのバリエーションであるパワードスーツ。2012年の“マンダリン”による一件や、2023年のサノスの群勢との決戦で装着した。
パワード外骨格[2]
アベンジャーズの内乱”の結果、下半身不随となったローディに、トニーが新開発したアクティブギプス。下半身を麻痺した人物のための先進的歩行器であり、内乱後にローディはリハビリの末、常時下半身にこのギプスを装備して登場する。
ワルサーP99
護身用に所持。“アベンジャーズ・タワー”でウルトロンに操られた“アイアン・レギオン”群への対抗に使用する。

このほかにもローディは、誕生パーティーで泥酔したトニーを止めるために“アイアンマン・アーマー マーク2”を装着・行使したり、トレヴァー・スラッタリーの豪邸のガードマンから奪ったベレッタ 92FS Inoxを駆使したこともあり、“タイム泥棒作戦”の際には2014年時のピーター・クイル/スター・ロードから奪った“プラズマ・スフィア”を使用した。また、2009年時にはダッジ・ラム(3代目)を愛車としていた。

各作品での活躍編集

アイアンマン
本作でMCU初登場。トニーの破天荒で典型的なプレイボーイぶりに、徳利を片手にしながら軽く説教する姿も見せた。
アポジー賞授賞式で進行役を務めた翌日に“ジェリコ”のデモンストレーションのためトニーに同行しアフガニスタンに赴くが、デモンストレーション後の帰路の際は別の道についており、彼が拉致されたことを知ると、3ヵ月間に渡る捜索の末に発見。「次は私の車に乗れよ」と再会を喜び、トニーを連れてアメリカに帰還した。
トニーがスターク社の軍需産業撤退を決定すると、一時は彼を見放すが、彼がパワードスーツを用いて活動していると知ってからは、トニーがアフガニスタン空域で起こしてしまったF-22との接触事故の情報操作や、トニーとオバディア・ステイン/アイアンモンガーの戦地上空の航空規制など、その立場を活かしてサポートする。また、トニーが作ったアイアンマン・アーマー マーク2をワークショップで直に見た際には絶賛し、自身もトニーと同様にパワードスーツ装着を願望するようになる。
後日の記者会見では、トニーとオバディアの対決を“試作段階のロボットの操作トラブルと巨大アーク・リアクター損傷による爆発”と発表し、トニーにも用意されたメモ通りに会見するよう促すが、彼が自らアイアンマンの正体である事を公表したのには驚いていた。
アイアンマン2
本作で遂にアイアンマン・アーマー マーク2や“ウォーマシン・アーマー マーク1”を装着する。
物語冒頭の公聴会において、アイアンマンのアーマーが危険であると軍上層部に強要されて発表するが、トニーならば信頼して任せられると主張して彼を支持した。イワン・ヴァンコ/ウィップラッシュの件を受けて軍がアイアンマンのアーマーを没収しようとしていることをトニーに伝えようとする際には、彼の体調が悪化していると知り、心配を深める。
だが「アイアンマンを元に戻す」と上層部に告げた矢先に、誕生パーティーで自暴自棄となったトニーがアイアンマン・アーマー マーク4の武装をパーティーの客の眼前で乱用したため、アイアンマン・アーマー マーク2を装着して止めに入るが、殴り合いに発展し、反省の色一つ見せないトニーに失望して、マーク2を装着したままエドワーズ空軍基地に飛んで持ち帰った。
その後、“スターク・エキスポ”のジャスティン・ハマーのプロモーションで、改造された“ウォーマシン・アーマー マーク1”を装着して舞台に上がるが、トニーが現れるとヴァンコに遠隔操作されたウォーマシンに引きずられてしまった。しかしナターシャがウォーマシンのシステムを再起動させたことにより救われ、トニーとも友情を取り戻し、彼と共闘して襲いかかってきた“ハマー・ドローン”群とヴァンコを打倒した。
物語のラストでは、トニーと共にスターンから勲章を授与される。
アイアンマン3
空軍大佐となった本作では、アイアン・パトリオットを装着して上層部の指示により紛争地域の鎮圧に出動する任務を請け負っている。しかし任務中に、トニーや民間人にパトリオットのパスワードを笑われたり、敵の策に嵌まって前述のとおりパトリオットを悪用されるなど、苦労人としての役どころが半ばお約束となっている。
物語冒頭でトニーに、世間を騒がせているテロリストのマンダリンの極秘情報を伝え、テロの際にテレビに電波ジャックで放送されるマンダリンの映像がパキスタンから送信されていると突き止められると、現地へ出動し捜索を開始するも、2度の誤情報の末に安物スポーツウェアの縫製工場で作業員になりすましたエクストリミス・ソルジャーに捕まってしまう。
パトリオットを装着したままアルドリッチ・キリアンの拠点に捕縛されながらも抵抗したが、あしらわれてパトリオットを奪われた。だが同じく捕縛されたトニーと合流し、マンダリンの正体であるスラッタリーに驚いた後、ペッパーとアメリカ大統領マシュー・エリスが捕らわれたフロリダ沖の埠頭へ向かう。
到着した埠頭でトニーと可笑しなやりとりを繰り広げながらも、パトリオットなどのアーマーなしで敵に立ち向かい、見事にエリスを解放・保護することに成功。取り戻したパトリオットを装着し、その場をトニーに任せ、エリスを連れて戦線を離れた。
物語のラストで、キリアンと内通していたアメリカ副大統領ロドリゲスの連行には険しい表情で立ち会ったが、トニーの心臓手術の場ではペッパーと共に手術の成功を信じてトニーを見守る。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
本作では、これまでに比べて出番は少なめではあるが、“ソコヴィア”でのウルトロン軍団との決戦では“ウォーマシン・アーマー マーク2”を装着して参戦。トニーとの優れたコンビネーションと、ヴィジョンに御株を取られる滑稽な場面も見せる。
アベンジャーズ・タワーでのパーティーに参加し、ソーの愛用の武器である“ムジョルニア”の持ち上げをトニーと共に試みて果たせずじまいになるなど、皆と盛り上がるが、後にウルトロンの覚醒に立ち会うことになった。
そこから暫く登場しなかったものの、ソコヴィアで“ヘリキャリア”を襲撃する“ウルトロン・セントリー”群を多数撃墜した。
物語のラストでは、晴れてアベンジャーズに加入する。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
本作では、“ウォーマシン・アーマー マーク3”を装着すると共に、国連委員会が提唱した“ソコヴィア協定”に賛成の立場となることを表明し、物語のラストまでアベンジャーズの中でただ1人迷うことなく協定に賛成する姿勢を貫いた。そして、トニーをはじめとした協定賛成派のヒーローたちと共に、テロの嫌疑がかかったバッキー・バーンズ/ウィンター・ソルジャーを庇う協定反対派のスティーブやサム・ウィルソン/ファルコンたちと対立することになる。
アメリカ国務長官サディアス・ロスからソコヴィア協定への署名を求められると、反対の立場を示すサムと激論を交わし、バッキーを巡ってスティーブたちとティ・チャラ/ブラックパンサールーマニアで騒動を起こした際には、GSG-9の隊員たちと共にスティーブの前に立ちはだかり、彼に「おめでとう、君は犯罪者だ」と辛辣な物言いを容赦なくぶつけた。
その後のライプツィヒ・ハレ空港での大乱戦では、ティ・チャラと共にスティーブに挑んだり、“ジャイアントマン”に巨大化したスコット・ラング/アントマンをトニーやピーター・パーカー/スパイダーマンとの連携でノックアウトしたり、スティーブたちの離陸を補助するワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチを弱らさせるなど活躍するが、スティーブたちが操縦する“クインジェット”を追って飛行した際に、流れ弾となったヴィジョンのエネルギービームが胸部のアーク・リアクターに当たって動力が断たれた事でアーマーのシステムが停止。高空から墜落し、地面に激突してしまった。
その結果、第4腰椎(L4)から仙骨神経まで負傷して下半身不随となり[3]、物語のラストでは、“アベンジャーズ・コンパウンド”でリハビリに専念。本作の一連の事件の顛末に傷心状態ながらも献身的にリハビリの補助をしてくれたトニーを励まし、彼が老配送員に名前を呼び間違えられると揶揄うなど、明るい表情も取り戻していく。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
本作では、前述のギプスによって下半身不随を克服しており、“ウォーマシン・アーマー マーク4”を身に纏って戦線に復帰する。かつて肯定的に捉えていたソコヴィア協定については、アベンジャーズ解散という結果に加え、地球の危機が迫っていても自由に出撃できない現実から、ロスに「協定は間違いだった」と苦言を呈し、心境の変化を見せるようになった。一方でそれぞれの理由から失踪したブルース・バナー/ハルクやナターシャ、内乱で争ったスティーブたちとはわだかまりなく再会を喜び合い、その後も友として気さくに彼らに接した。また、本作では珍しくトニーとの共演が皆無である。
ブルースから連絡を受けて彼をコンパウンドに招き、ロスとの口論中にスティーブたちが帰還すると、ロスからの逮捕命令を無視して彼らを温かく迎え入れた。以後は“6つのインフィニティ・ストーン”を揃えようとするサノスの野望を止めるために、再結成されたアベンジャーズの一員としてスティーブたちと共に行動する。
ワカンダでの決戦では、サムと連携してサノスの群勢を空中から迎え撃ち、奮戦した。
だが、その直後に現れたサノスには敵わず、インフィニティ・ストーンを全て揃えられたことで“デシメーション”を引き起こされてしまい、眼前で多くの仲間たちが塵と化して消滅した光景に愕然とする。
キャプテン・マーベル
本作ではポスト・クレジット・シーンに登場。アベンジャーズ・コンパウンドでスティーブたちとともに、ニック・フューリーが遺したポケベルを調べており、ポケベルが止まった直後に来訪したキャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルと出会う。
アベンジャーズ/エンドゲーム
本作でもアベンジャーズの一員として僚友たちを支える役割で登場する[注釈 3]。その一方で、タイムトラベル実験で現代を変えるために「過去で赤ん坊のサノスを・・・」という不適切な発言を合わせたジェスチャーや、映画に詳しい会話を披露する場面もある。また、ウォーマシン・アーマー マーク4のほかにも、タイム泥棒作戦時には“ウォーマシン・アーマー マーク6”を、サノスの群勢との最終決戦ではアイアン・パトリオットの新型を装着して活躍する。
物語の冒頭で他のヒーローたちとアベンジャーズ・コンパウンドにいたところに、キャロルが連れ帰って来たトニーと再会し、身も心も不安定なままスティーブを糾弾する彼を宥め、サノスを独断で倒しに行こうとするキャロルにもここにいる皆がヒーローとして戦ってきたことを説いた。皆と共に今度こそサノスを倒してストーンを奪還しようと決意すると、惑星“ガーデン”で無抵抗のサノスの討伐には成功するも、6つのストーンは破棄されており、失意に暮れる。
5年後には、ナターシャたちと通信でそれぞれの治安維持活動を報告し合っており、その際に世界各地で犯罪者を手にかけているクリント・バートン/ホークアイを見つけるのが怖いと打ち明けるも、スティーブの招集を受けると、タイム泥棒作戦の事前準備で同じくコンパウンドに帰還したクリントともわだかまりなく接した。
作戦本番では、2014年の惑星“モラグ”にタイムトラベルし、惑星“ヴォーミア”に向かうナターシャとクリントにエールを送ると、自身は当時のクイルを気絶させ、ネビュラと共にモラグの“オーブ/パワー・ストーン”の入手に成功した。
2023年に帰還すると6つのストーンと、新開発した“ナノ・ガントレット”を使ったブルースによって5年前に消滅した人々が復活するも、2014年の世界からタイムトラベルしてきたサノスの群勢の爆撃によってブルースやロケットと生き埋めになり、水没しかけてしまった。しかしスコットに救われて危機を脱し、スティーブの号令で大乱闘へ参戦・奮闘する。
トニーによってサノスの群勢が消滅し、戦いが終わると、瀕死のトニーに寄り添って彼の最期を看取り、その後のトニーの葬儀に皆と参列し、ハッピーと肩を並べてトニーを偲ぶ。
ファルコン&ウィンター・ソルジャー
本作では、スミソニアン博物館で行われた“キャプテン・アメリカの盾”の寄贈式の場面にのみ登場。式典後、館内のスティーブやバッキーに関する事象を網羅したブースを歩きながら、盾を寄贈したサムに「なぜ(盾を)継がなかった?」と問い、「盾はスティーブのものだ」と返されると、「世界は壊れた」・「新しい時代だ、ブラザー」と語りかけて去る。

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ このアーマーのネーミングについてローディは「“ウォーマシン”という名では攻撃的過ぎる」と発言しているが、衛星通信のログインコードを“WarMachine68”、パスワードを“WarMachine rox”(ウォーマシン最高!)に設定するなど、“ウォーマシン”の名に未練があった。
  2. ^ ただし、マーク5は劇中未登場である。
  3. ^ 本作で初めて共演するネビュラからも愛称で呼ばれ、身体の大部分がサイバネティックス化している彼女に同情して、「受け入れるしかない」と励ましたり、キャロル・ダンヴァース/キャプテン・マーベルから通信を切る時には彼女から「グッドラック」と声をかけられている。

参考編集

参考文献編集

  • 『マーベル・スタジオ・ビジュアル・ディクショナリー』デアゴスティーニ・ジャパン、2019年。ISBN 978-4-8135-2270-6