マイティ・ソー (映画)
『マイティ・ソー』(Thor)は、2011年公開のアメリカ映画。「マーベル・コミック」のヒーローコミック『マイティ・ソー』の実写映画化の第1作品目。
マイティ・ソー | |
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Thor | |
監督 | ケネス・ブラナー |
脚本 |
アシュリー・エドワード・ミラー ザック・ステンツ ドン・ペイン |
原案 |
J・マイケル・ストラジンスキー マーク・プロトセヴィッチ |
原作 |
スタン・リー ラリー・リーバー ジャック・カービー |
製作 | ケヴィン・ファイギ |
製作総指揮 |
ルイス・デスポジート スタン・リー パトリシア・ウィッチャー |
出演者 |
クリス・ヘムズワース ナタリー・ポートマン トム・ヒドルストン ステラン・スカルスガルド コルム・フィオール レイ・スティーヴンソン イドリス・エルバ カット・デニングス レネ・ルッソ アンソニー・ホプキンス 浅野忠信 |
音楽 | パトリック・ドイル |
撮影 | ハリス・ザンバーラウコス |
編集 | ポール・ルベル |
製作会社 | マーベル・スタジオ |
配給 | パラマウント映画 |
公開 |
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上映時間 | 114分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
製作費 | $150,000,000[2][3] |
興行収入 |
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前作 | アイアンマン2(マーベル・シネマティック・ユニバース前作) |
次作 |
マイティ・ソー/ダーク・ワールド(シリーズ次作) キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(マーベル・シネマティック・ユニバース次作) |
また、様々な「マーベル・コミック」の実写映画を、同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては、第4作品目の映画となる。
目次
概要編集
「マーベル・コミック」の作品『マイティ・ソー』を原作とする実写映画化作品。様々な「マーベル・コミック」のヒーロー作品を、同一の世界観でクロスオーバー作品として扱う一大企画『マーベル・シネマティック・ユニバース』の一作品でもあり、その中では『アイアンマン2』に続く第4作品目となる。
主演のクリス・ヘムズワースとトム・ヒドルストンはハリウッドの駆け出し俳優だったが、北米で2週連続1位を記録[5]。世界興行収入で4億ドル以上売上げるなどのヒットとなった。それを受けて2作目の製作も決定した[6]。日本では7月2日に公開され、キャッチコピーは「神失格の男(ヒーロー)"二つの世界"の運命は彼の手に」である。
ストーリー編集
西暦965年。オーディン率いるアスガルドの軍団は、ラウフェイ率いるヨトゥンヘイムのフロスト・ジャイアントの侵略からミッドガルド(地球)を守るために戦っていた。戦闘の末、アスガルドの戦士たちはフロスト・ジャイアントを破り、そのパワーの源である「箱」を押収した。
現代。オーディンの息子のソーのアスガルド王位継承の儀式の最中に、フロスト・ジャイアントが「箱」を奪おうと宝物庫に侵入したが、戦闘マシン「デストロイヤー」に阻止される。オーディンは休戦を崩したくないとするが、儀式を台無しにされたソーはオーディンの制止を無視し、弟のロキ、幼馴染のシフ、「ウォリアーズ・スリー」のヴォルスタッグ、ホーガン、ファンドラルを引き連れ、ヨトゥンヘイムに攻め込んだ。激戦の中、オーディンが介入して一同は退却するが、アスガルドとヨトゥンヘイムは開戦の危機を迎えた。怒ったオーディンは罰としてソーのパワーを奪い、ムジョルニアと共に地球に追放した。
ソーはニューメキシコ州へと落下し、天文物理学者のジェーン・フォスター、そのアシスタントのダーシー、指導者のエリック・セルヴィグ博士に発見される。やや離れた場所でムジョルニアも発見され、S.H.I.E.L.D.のエージェントのフィル・コールソンらが調査を始める。ジェーンはワームホールの研究のヒントがソーにあると考えるが、研究データや機材をS.H.I.E.L.D.に押収されてしまう。ムジョルニアを探すソーと研究データを取り戻したいジェーンはS.H.I.E.L.D.のキャンプに向かい、ソーは単身で突入するが地面に刺さったムジョルニアを持ち上げられず、捕らわれてしまう。その後、ソーはセルヴィグの助けで解放されてジェーンと再会し、彼女と惹かれあう中で、自身の行いを反省し、追放という罰を受け入れようとしていた。
一方アスガルドでは、ロキは自分がオーディンによって拾われたラウフェイの息子だったと知る。オーディンが深い「眠り」につくが外の展開は見えているらしい。そして、ロキは玉座へつき、さらにヨトゥンヘイムに行ってラウフェイにオーディンを暗殺すれば「箱」を返すと持ちかけた。ロキに不信感を抱いたシフとウォリアーズ・スリーは、ソーを戻すためにビフレストの番人であるヘイムダルを説得し、地球へと向かった。これを知ったロキはソー抹殺のためにデストロイヤーを地球へ送り込んだ。
登場人物・キャスト編集
- ソー
- 演 - クリス・ヘムズワース、日本語吹替 - 三宅健太
- 北欧神話の雷神“トール”のモデルである、アスガルドの第1王子にして、オーディンとフリッガの実子である次期アスガルド王候補。全能のハンマー“ムジョルニア”を持ち、アスガルドの鋼で作られた鎧と赤いマントを身に纏う[注釈 1]。荒削りな闘い方ではあるものの、アスガルド最強と言われる戦闘能力を誇るが、本作中盤までは、対立する者との問題を何でも闘いで解決しようとする、極めて粗暴で喧嘩っ早く傲慢な男であった。その反面単純で裏表がなく、親しい者を大切にし、自らの過ちや愚かさに気付くと深く反省する潔さも秘めており、本作での経験を通して前述の短所が失せていき、思慮深さとジェーンたち地球の人々をも愛する心を身に付けていく。その人柄は多くのアスガルドの民の信頼を集めている。
- アスガルドの王位継承の戴冠式の日、父のオーディンに複数の誓いを立てるが、戴冠直前にヨトゥンヘイムの氷の巨人たちが武器庫に侵入したことで式が中断され、憤慨。ヨトゥンヘイム襲撃をオーディンに反対されたため、弟のロキや戦友のウォーリアーズ・スリーとシフを嗾けてヨトゥンヘイムに赴き、大乱闘を仕掛けてしまった末に、仲間共々窮地に陥った。そこに駆け付けたオーディンによって、アスガルドに退却し危機を逃れたが、自らの行動を非難するオーディンに反抗し、不満と罵声をぶつけたため、ムジョルニアと超人的パワーを奪われ、地球に追放される。
- 地球のニューメキシコにやって来ると、最初に出会ったジェーンたちの観測車に2度も轢かれたり、収容された群立病院で暴れて麻酔を打たれるなど災難が続いたが、ジェーンたちと交流しはじめる。その最中に人工衛星が墜落したと耳にしてムジョルニアだと確信し、その落着地点へジェーンと2人で向かい、彼女の研究機材も取り戻すと約束して、現地に突入した。すると付近を警護していたS.H.I.E.L.D.の兵士たちに肉弾戦を挑み、次々に薙ぎ倒してムジョルニアを掴むが、持ち上げることはできず、失意に沈んだ。そして幻術で現れたロキから今生の別れを告げられ、自分の思いあがりを後悔し涙する。
- その後セルヴィグに保護され、ジェーンの研究ノートを取り戻したことで彼女たちと一層親交を深めていった。そこにシフたちが迎えに現れオーディンの生存を知らされるが、ロキが送り込んだデストロイヤーを止めて皆を守るために、パワーが戻ってないまま対峙し、ロキへ謝罪した後重傷を負ったが、飛来したムジョルニアと超人的パワーを取り戻し、デストロイヤーを撃破した。デストロイヤーを追ってきたコールソンに今後同盟を結ぶことと、ジェーンにロキを止めたらまた戻って来ると誓い、アスガルドへ帰還する。
- 帰還間も無く、ビフレストを利用してヨトゥンヘイムを滅ぼそうとするロキと対決。制御不能となってしまったビフレストを止めるため、ジェーンと再会できなくなることを危ぶみながらもビフレストを破壊するが、ロキは宇宙の彼方へ消えてしまい、彼にとって苦い結末となった。そして、オーディンに自分はまだ学ぶことが多く、いつか誇れる息子になると語り、今回の一件で大きく成長した姿を認められた。物語のラストでは、ヘイムダルからジェーンが今も自身との再会を信じて天文観測をしていると知らされる。
- ジェーン・フォスター
- 演 - ナタリー・ポートマン、日本語吹替 - 坂本真綾
- “フォスター理論”を提唱する天文物理学者。明るく好奇心旺盛で、周りが見えなくなるほど研究熱心且つ、自身が心血を注ぐ研究を奪い取ろうとする者には、相手が公的機関でも抵抗する気丈な女性である。夜中に眠れない時や頭にくることがあると、屋外で夜空を見上げながら就寝している。
- ニューメキシコでオーロラを観測中に発生した磁気嵐の中でソーと出会い、気絶した彼を一度は群立病院に入院させるが、彼がワームホールの秘密を知っているのではと感じ取り、ソーとコンタクトし元恋人[注釈 2]の衣服を貸し与えるなど交流を始めるが、セルヴィグの忠告で一旦別れることにした。だが留守中の活動拠点に押しかけたコールソンたちS.H.I.E.L.D.エージェントらに、自作の観測機材と研究データをバックアップごと根刮ぎ没収されてしまう。途方にくれたものの、ムジョルニアの落着地点への移動手段を探すソーを観測車に乗せて2人で向かった。
- 到着したベースキャンプで、ソーがS.H.I.E.L.D.に身柄を拘束されると、セルヴィグに頼み込んでソーを保護してもらい、彼が取り戻した研究ノートを渡されて喜び、天文観測や九つの世界について話し合い、お互いに惹かれていった。
- 翌日にソーたちと朝食をとっていると、シフとウォーリアーズ・スリーが来訪し驚くなか、デストロイヤーまで現れ、自分たちを守るためにデストロイヤーに立ち向かったソーの復活と闘いを見届けた。そこに駆け付けたコールソンたちから、押収されたものを全て返却され、ムジョルニアの力でソーとビフレスト跡地へと飛んだ。一度帰還しなければならないソーと再会を約束し合い、キスを交わして、彼らの帰還を見送り、ソーが再び現れるのを待ったが、上空の磁気嵐が消失してしまい、ソーとの再会は果たせなかった。
- それでも物語のラストで、ソーがビフレストから再び現れることを信じて、セルヴィグやダーシーと3人で天文観測に励む。
- ロキ
- 演 - トム・ヒドルストン、日本語吹替 - 平川大輔
- 北欧神話の悪戯の神“ロキ”のモデルである、アスガルドの第2王子にして、ソーの弟。数本の短剣を駆使し、得意の幻術[注釈 3]で敵を惑わせる戦法を常用する。湾曲した大きな2本の角飾りが付いた黄金の兜を愛用する。
- 大人しそうな雰囲気だが、幼少期から嘘や悪戯などを周囲の人物へ繰り返し、口八丁にも長ける捻くれ者で、ソーに対しては、皆から愛される兄であると尊敬する半ば、激しい嫉妬心や劣等感を抱き、彼ではなく自らがアスガルドの王に就こうと切望するなど、愛憎入り混じった複雑な感情を持つ。
- 実はソーやオーディン、フリッガとの血の繋がりは無いどころか純然なアスガルド人でもなく、ヨトゥンヘイムの長であるラウフェイの実の息子であった。赤子の頃にヨトゥンヘイムの寺院に捨てられているところをオーディンに拾われ、その出自を知らぬままに長年ソーと共に育てられてきた背景がある。
- 兄への嫉妬から、アスガルドの戴冠式の事前に式典を中止させるため、氷の巨人と密約して彼らを宮殿の武器庫に浸入させ、式典中止に成功。怒ったソーのヨトゥンヘイム侵攻を止めると見せかけて逆に唆し、ヨトゥンヘイムへ赴かせたが、その際の闘いで氷の巨人に触れられても傷を負わず、肌が巨人と同じものへ変色したことに疑問を抱き始めた。
- ソーの地球追放後、冬の小箱に触れて自身と氷の巨人の根深い繋がりを確信し、オーディンから前述の出自を告げられ、激情を露わにするが、オーディンが眠りについたため、穴埋めとしてアスガルドの王座に就いた。その地位を確固たるものとするため、地球で失意に落ちていたソーへ、母国の情勢悪化と父の嘘の訃報と今生の別れを告げ、アスガルドとの関係が悪化したヨトゥンヘイムの氷の巨人たちを利用(全滅)して、全てのアスガルドの民からの支持を得ようと企み、ヘイムダルに気付かれずにヨトゥンヘイムを再訪し、冬の小箱を餌にラウフェイと密約。シフとウォーリアーズ・スリーのソー追放取り消し嘆願を却下するが、彼らが命令を無視して地球へ出向くと、ソーたちの抹殺のためにデストロイヤーを送り込み、冬の小箱の力でヘイムダルを氷漬けにした。
- だが、力を取り戻したソーがデストロイヤーを撃破すると、ラウフェイらをアスガルドへ迎え入れ、昏睡中のオーディンに迫らせ、その隙にラウフェイを抹殺。その一部始終をフリッガに見せつけて王位を確実にしたかに思えたが、そこにソーが帰還し、自身の行いを暴露されて、氷の巨人全滅のためにビフレストでヨトゥンヘイムを攻撃する。しかしソーの反撃を受け、ビフレストを破壊しようとする彼に警告し、止めにかかるが、ビフレストは破壊されソーと共に宇宙に漂流しかけた。目覚めたオーディンに助けられたものの、その手を振り払い宇宙の彼方へ消えていった。
- 物語のラストでセルヴィグを操り、テッセラクトの研究を承諾させる。
- エリック・セルヴィグ
- 演 - ステラン・スカルスガルド、日本語吹替 - 金子由之
- カルヴァー大学に籍を置く初老の天文物理学者。ジェーンの亡くなった父[注釈 4]の同僚だったことから、彼女の父親替わりの良き理解者となり、「科学の可能性を追求しろ」と説くなど、ジェーンの研究活動をサポートする。
- 現実主義的な人物で、天文観測中に出会ったソーの荒唐無稽な話が北欧神話であると気付き、彼に惹かれていくジェーンに対して、深入りするなと忠告した。
- しかしソーがS.H.I.E.L.D.に拘束された際には、ジェーンのためにベースキャンプに出かけ、コールソンに頼みかけて[注釈 5]、ソーを引き取った。彼にこれ以上ジェーンに関わらないよう説得したものの、バーでビールを奢り、飲み交わしたことがきっかけで結局打ち解け、自身もまたソーの地球での親しい友人の一人となった。
- 翌日、デストロイヤーが現れた際に、町の人々を避難させ、自身もデストロイヤーの猛威に晒されるが、復活したソーの闘いとアスガルドへの帰還を最後まで見届けた。その事後も、ソーとの再会を信じるジェーンたちと天文観測を続ける。
- 物語のラストでは、S.H.I.E.L.D.の施設でフューリーからテッセラクトの研究へ加入することを依頼され戸惑うが、ロキによって承諾させられる。
- ダーシー・ルイス
- 演 - カット・デニングス、日本語吹替 - 田村睦心
- 政治科学専攻の大学生で、ジェーンの親友。単位取得の為にジェーンの研究に助手として協力している。眼鏡をかけることもあり、護身用にテイザー銃を携帯している。
- S.H.I.E.L.D.に研究機材と観測データを押収された際に、自身のiPodも盗られたと呟くなどマイペースで若干調子のいい性格をしており、研究にのめり込むジェーンに文句を浴びせることもあるが、時には彼女の意見を尊重するなど親友としての顔や、デストロイヤーが町に現れると、セルヴィグたちと協力して皆に避難を呼びかける良心的な一面も見せる。ムジョルニアを「ムニョムニョ」と呼称してしまうとぼけたところもある。
- 彼女もセルヴィグと同様に、序盤からジェーンの研究を手伝い、ソーの復活とアスガルドへの帰還を見届け、その事後も、ジェーンたちと天文観測を続ける。
- フィル・コールソン
- 演 - クラーク・グレッグ、日本語吹替 - 村治学
- S.H.I.E.L.D.エージェント。
- 詳細は「フィル・コールソン」を参照
- ラウフェイ
- 演 - コルム・フィオール、日本語吹替 - 水野龍司
- 北欧神話の巨人“ラウフェイ”のモデルである[注釈 6]、氷の巨人の王で、ヨトゥンヘイムの支配者。ロキの実父でもある。身体中には幾多の闘いの傷跡が残っている。ソーを挑発し続けて戦闘を誘発しようとするなど、陰険な気質を持つ。
- 地球暦965年に群勢を率いて地球に侵攻したが、アスガルド軍との闘いで敗北し、オーディンと長年に渡り休戦協定を結んでいた。だが、オーディンに奪われた冬の小箱を取り戻そうと、ロキの手引きに乗った手下をアスガルドへ侵入させた。箱奪還に失敗後、ヨトゥンヘイムにやって来たソーたちに「アスガルドは裏切り者だらけ」と告げ、大乱戦に発展するとソーたちを追い詰めたが、そこに降臨したオーディンが割って入ったため、撤退を許してしまった。
- 後日、自分たちを利用しようとしていることにも気付かずにロキと交渉し、アスガルドを訪れ、無防備に眠るオーディンを手にかけようとするが、嘗て捨てさった実の息子のロキに不意打ちされ、抹殺される皮肉な末路を辿る。
- ヘイムダル
- 演 - イドリス・エルバ、日本語吹替 - 斉藤次郎
- 北欧神話の光の神“ヘイムダル”のモデルであるアスガルドの戦士にして、ビフレストの天文台の番人。金色の鎧兜を身に纏い、愛用の長剣“ホーフンド”でビフレストを起動させる使命を持ち、オレンジ色の瞳で宇宙中の星々のあらゆる出来事を見据え、そこにいる者と交信できる超常的な能力を有する。常に泰然とした物腰だが、全身氷漬けとなっても自力で破るなど、戦士としての底力も高い。
- ソーたちがヨトゥンヘイムに向かおうとした際には、その真意に気付き制止の言葉をかけるが、ソーの熱意に負け、ビフレストの注意点を述べて彼らをヨトゥンヘイムへ送る。だが、ソーの追放後にロキが単身でヨトゥンヘイムに趣き姿が見えなくなったことで、彼に疑念の目を向けはじめる。
- シフたちがソーの迎えに地球行きを希望すると、反対しつつもビフレストを明け渡すが、この行為を謀反と見咎めたロキに剣を向けた結果、氷漬けにされてしまった。だが、地球でパワーを取り戻したソーからの呼びかけもあり、氷漬けを破ってビフレストを起動しソーたちを帰還させるが、氷漬けのダメージで弱ったため、シフたちに介抱されることになった。
- 物語のラストでは、破壊された天文台の跡地でジェーンたちの様子を見据え、ソーに伝える。
- ウォーリアーズ・スリー
- アスガルドの冒険家にして、勇敢な男性戦士3人組。ソーとは数々の戦で名を挙げており、シフも交えて深い友情で結ばれ、全員で行動を共にすることが多い。本作では、ヨトゥンヘイムでの氷の巨人戦に同行し、反逆だと知りつつもソーを迎えに地球へ行き、デストロイヤー戦まで、ソーのために闘う。
- ヴォルスタッグ
- 演 - レイ・スティーヴンソン、日本語吹替 - 咲野俊介
- “大いなるヴォルスタッグ”と呼ばれる戦士。巨大な両刃の戦斧を振るい豪快に闘う。アスガルドの情勢がヨトゥンヘイムと戦争直前までに悪化したにも関わらず、猪4頭、雉6羽、牛半分、酒2樽を平らげる豪放磊落で大食いの巨漢。デストロイヤー戦では、ファンドラルとホーガンに投げ飛ばされる特攻戦法も見せ、物語ラストの祝宴会で作り話も交えて皆に話す。
- ファンドラル
- 演 - ジョシュア・ダラス、日本語吹替 - 小松史法
- “鮮烈なるファンドラル”と呼ばれる戦士。一振りの長剣を鮮やかにふるい闘う、やや苛烈で女好きの男。ヨトゥンヘイムでは負傷し、帰還直後に介抱される一幕もあったが、瞬く間に回復し、その後も皆と行動を共にする。
- ホーガン
- 演 - 浅野忠信、日本語吹替 - 浅野忠信
- “強面のホーガン”と呼ばれる、ヴァナヘイム出身の戦士。戦闘では棘の収納が可能なモーニングスターをふるい、短剣の投擲も披露する。皆よりも寡黙だが、ロキの行動や態度とラウフェイの言から、氷の巨人の暗躍とソー追放の裏にロキが関与していると逸早く推測し、ロキに反対されても自分たちだけでソーを迎えに行こうと提案した。また、友との触れ合いの中では柔和な表情を見せることもあり、完全に肩書き通りの人物ではない。
- シフ
- 演 - ジェイミー・アレクサンダー、日本語吹替 - 北西純子
- 北欧神話の女神“シブ”のモデルであるアスガルドの女戦士。“レディ・シフ”とも呼ばれる。背負った盾と、展開式の連結剣を武器とし、女傑の如く男顔負けの闘いぶりを見せるが、平時はクールで義理堅く、幼馴染でもあるソーへ密かに想いを寄せる女性である。
- 彼女もウォーリアーズ・スリーと共に、ヨトゥンヘイムで大乱戦を繰り広げ、ロキを不審に思ってソーの追放取り消しを嘆願し、地球へ赴いた際には、自分のせいで父が亡くなったから二度と帰れないと沈むソーの誤解を解いた。デストロイヤーとの闘いでは、相手に敵わずとも最後まで戦い抜こうとする果敢な姿勢を見せ、アスガルドに帰還後の祝宴会では、ソーとロキの争いを目の当たりにしたフリッガを気遣う。
- イサベラ・アルヴァレス
- 演 - アドリアナ・バラッザ
- プエンテ・アンティグオのダイナーの女主人。ジェーンとは面識があるようで、彼女たちと入店したソーが食事中にコップを割ったことに驚き、謝られる。
- ジャスパー・シットウェル
- 演 - マキシミリアーノ・ヘルナンデス、日本語吹替 - 丸山壮史
- 禿頭に眼鏡が特徴のS.H.I.E.L.D.エージェント。知識人風だが、眼前に現れたデストロイヤーをスターク社製マシンと勘違いする滑稽な男性でもある。
- ベースキャンプやビフレスト跡地といった現場では、同僚であり友人でもあるコールソンを「ボス」と呼び、彼の補佐を務めた。だがデストロイヤーに対しては、コールソンたちと同様に全く歯が立たずじまいで退場する。
- フリッガ
- 演 - レネ・ルッソ、日本語吹替 - 滝沢久美子
- 北欧神話の女神“フリッグ”のモデルである、アスガルドの王妃。夫のオーディンと共に、実子のソーと養子のロキを分け隔てなく育てた良妻賢母で、有事の際に必要とあらば自らも優れた剣術と幻術[注釈 7]を披露して闘う実力者である。
- ヨトゥンヘイム襲撃の件で、オーディンがソーを追放した行為に一度は難色を示すが[7]、眠りについたオーディンを見守っていた時には、ソーの帰還に反対するロキにオーディンの行為は意味があると理解を示していた。
- ラウフェイらがアスガルドの宮殿に乗り込んできた際には、応戦するが突き飛ばされてしまい、オーディンを救ったロキの悪行を帰還したソーから伝えられ驚く。
- 物語ラストの祝宴会では、ソーの帰還を歓迎した傍で、消息不明となったロキを偲ぶ。
- オーディン
- 演 - アンソニー・ホプキンス、日本語吹替 - 浦山迅
- 北欧神話の主神にして、戦争と魔術を司る全能の神“オーディン”のモデルである、アスガルドの国王。ソーとロキの父親であり、この世の始まりからアスガルドと九つの世界の民を守ってきた。その寿命はゆうに1000年を超える。自身もムジョルニアを扱えうことができるほどの高潔な人物で、息子たちやフリッガからは厚く尊敬され、アスガルドの戦士たちも忠誠を誓っている。嘗ての氷の巨人たちとの闘いで右目を失ったため、右眼窩にアイパッチをはめ込んでいる。ソーの鎧と酷似した絢爛豪華な甲冑や真紅のケープと、ロキのものとは異なる形状の角飾りが付いた黄金の兜を身に纏い、王の杖“グングニル”を携え、8本脚の馬“スレイプニル”を愛馬とする。また、自身の強力なパワーを失うと“オーディンの眠り”につくが、昏睡中でも外界の様子を察知できる力も持つ。
- 地球暦965年に氷の巨人たちに勝利した際に、ヨトゥンヘイムの寺院に捨てられていたラウフェイの赤子を拾い、魔法で肌の色を変えて養子として引き取り、“ロキ”と名付けた。以降、現代までソーと同様に王座の後継に相応しい者にすることを目標に2人の息子を育ててきた。だがロキ本人や周囲には、なかなか真実を告げずにいた。
- アスガルドの王位継承の戴冠式では、我が物顔で大衆の前に登壇したソーに唖然としつつも[注釈 8]、式を執り行うが、武器庫に氷の巨人群が侵入したため、デストロイヤーを起動して巨人を退治し、式を中止させる。協定を破った巨人たちとの闘いを望むソーを制するが、ソーたちのヨトゥンヘイム襲撃を見逃してしまった。ロキの知らせを受けた衛兵の告げ口により、スレイプニルを駆ってヨトゥンヘイムへ降臨し、共闘を呼びかけるソーを一喝。ラウフェイには陳謝・説得し、彼の攻撃をかわして何とかソーたちをアスガルドへ連れ帰り、事態を収拾した。しかしソーと激しい口論となり、彼の心無い罵声に傷付き、激怒してソーのパワーとムジョルニアを取り上げ、ビフレストで繋がった地球に追放し、ムジョルニアも後を追わせるように地球へ投げ込んだ。
- ロキが自分の出自を疑問に感じた際には、ついにその真相を話すが、“オーディンの眠り”が突然訪れて[注釈 9]昏睡状態となった。
- フリッガに見守られる中、ロキの策謀に利用されたラウフェイに寝込みを襲われるが、ロキに事実上救われた。その後、ソーとロキが対決するなかで目覚め、ビフレストを破壊した反動で宇宙へ漂流しかけた息子たちを救った。ロキが宇宙の彼方へ消えたことで喪失感を覚えるものの、大きく成長して自身の下に帰ってきたソーの姿には、満足感を得る。
- ノンクレジット・カメオ出演
-
- クリント・バートン / ホークアイ
- 演 - ジェレミー・レナー、日本語吹替 - 阪口周平
- “ホークアイ”のコードネームを持つS.H.I.E.L.D.エージェントで、狙った標的に放った矢を百発百中で命中させる驚異的なアーチャー。
- ベースキャンプへ突入したソーに対処するためコールソンの命令を受け、スナイパーとしてコンパウンドボウを携え、クレーンゴンドラに乗り込み、上空からソーに弓を構えて待機。泥臭い闘いぶりでS.H.I.E.L.D.兵士を複数倒したソーを気に入ってきたとも発言した。 だがコールソンが最後まで攻撃を指示しなかったため、矢を放たずに終わる。
- ニック・フューリー
- 演 - サミュエル・L・ジャクソン、日本語吹替 - 手塚秀彰
- S.H.I.E.L.D.長官。
- 詳細は「ニック・フューリー」を参照
- その他日本語吹き替え
設定・用語編集
武器・兵器・アイテム編集
- ムジョルニア[注釈 10]
- 北欧神話の鎚“ミョルニル”のモデルである、「死にゆく星の心臓で作られた」と言われる全能の鉄鎚。オーディン曰く、「全てを滅ぼす武器であり、創造の道具ともなる」。後に『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にて、九つの世界の一つである惑星“ニダベリア”に住むドワーフたちにより、“ウル”という金属を材料にして作り出されたことが明かされた。高潔な魂の持ち主にしか扱うことができず、それに値しない者には持ち上げることも動かすこともできない。燻んだ銀色の頭部側面には印である紋章が浮かんでいる。ハンマー本体の力を発現するとこの紋章は光り、持ち主に値する者が存在しない際には消えてしまう。本作で持ち上げることができたのはソーとオーディンのみである。
- 強力な打撃武器として使用するほか、単体で飛行能力を有し、握った持ち主と共に飛行することも可能[注釈 11]。投げつけたり、離れた場所に置かれても、持ち主が念じることでどこからでも飛行し、相当強力な者に叩き落とされたりしない限り、持ち主の下に戻る。また、一振りで敵の光線などを打ち消す力や、雷撃やエネルギー波と竜巻、電子機器に障害を与えるほどの強い電磁波を発生させる能力、パワーを失った持ち主を復活させ、持ち主の身体に鎧とマントを形成したり、持ち主に値しない者の身体の上に置くと重石のようにのし掛かり、動きを封じる特殊能力まで、攻撃と防御、移動手段など多岐に渡ってその力を発揮する。
- 当初はアスガルドの王宮の武器庫に保管されていたが、成人したソーを持ち主と認め、彼の手に収まり、ソーの愛用の武器となった。だがソー追放時に握ったオーディンに呪文をかけられて、ビフレストに投げ込まれ、ソーとは別の場所に落着し、クレーターを作った。落着して以降、持ち上げを試みた全ての人物と、取り戻しにやってきたソーは皆持ち上げと動かすことに失敗したが、ジェーンたちをデストロイヤーから守ろうとした、パワーを失ったままのソーを再び持ち主に認め、彼の手に戻る。
- ホーフンド
- 北欧神話の聖剣“ホーフンド”のモデルである、ヘイムダルが管理・使用する長剣。武器としても、虹の橋・ビフレストを起動させるキーとしても運用される。
- グングニル
- 北欧神話の槍“グングニル”のモデルである、“王の杖”・“万能の槍”と言われる、アスガルドの王が持つ黄金色の長杖。九つの世界の頂点たるユグドラシルを象徴するデザインで、一振りで巨人を薙ぎ倒す威力と炎状の光弾を放つ能力を発揮し、ビフレストを起動させるキーとしても使用できる。主にオーディンが保有・使用するが、穴埋めとして王座に就いたロキも使用し、ソーとの争いで振るう。
- デストロイヤー
- アスガルドの王宮の武器庫を守護する、体高数メートルの人型兵器。ヴォルスタッグは「メタルの巨人」とも呼称した。動力源は人間もしくはアスガルドの神の魂か生命力で、オーディンしか全貌を知らない特殊な金属でできており、アスガルドの王座に就く者に操作される。操作する者は遠方からでもデストロイヤーの周囲を認知できる。アスガルドの戦士が束になってかかっても圧倒するほどのパワーを持ち、顔面の左右がシャッターのように開いて強力な火炎状の破壊光線を放つ。また、ボディの構造が変幻自在なため、全身を捻り曲げることも可能で、頭部の向きを180度捻り曲げて後方の敵へ破壊光線を放つ戦法も見せた。
- 武器庫に氷の巨人群が侵入した際には、オーディンが起動・操作し、素早く氷の巨人群を撃破した。後に王座に就いたロキが、ソー抹殺のために起動・操作し、地球のニューメキシコに現れ、S.H.I.E.L.D.のエージェントたちや、ソーの仲間たちを圧倒したが、ムジョルニアを手にし復活したソーには為す術もなく粉砕される。
- 古の冬の小箱
- 地球暦965年の闘いでアスガルド軍がヨトゥンヘイムの寺院から奪った禍々しい小箱。氷の巨人の力の源であり、巨人が使うことで箱から強力な冷気を放つこともできる。これを所有することでオーディンはラウフェイらと休戦協定を結んだ。
- 現在はアスガルドの王宮の武器庫内に保管されているが、自身の出自に疑問を持ったロキがこれを手にすると、彼を本来の氷の巨人の姿へと数秒だけ変貌させ、ロキは自分が氷の巨人族の一人だと確信した。そしてロキはこの箱を持ち出して、自らに反旗を翻したヘイムダルを氷漬けにする。
- 武器庫のアイテム
- アスガルドの王宮の武器庫には上記の3つ以外にも、インフィニティ・ストーンの力を最大限に発揮できる手袋:“インフィニティ・ガントレット”(右手用のレプリカ)、“生命と時間の石版”、“ウォーロックの眼”、“音叉”、“永久なる炎”などのアイテムが保管・展示されているが、本作でこれらは1シーンのみの登場である。
- テッセラクト/四次元キューブ
- MCUの大半の作品においてキーアイテムとなる、“インフィニティ・ストーン”の内の一つである“スペース・ストーン”を内包した青白い立方体。物語のラストでニック・フューリーがこれの研究調査をセルヴィグに依頼する。
- 詳細は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー#スペース・ストーン(青)」を参照
種族編集
- アスガルド人
- アスガルドの住民である人類。容姿は地球人と全く同等だが、九つの世界や全宇宙のヒューマノイド型種族の中でも非常に長寿で、驚異的な身体能力とプライドを持ち合わせており、戦士に属する者はそれが顕著である。彼らはアスガルドこそ九つの世界の頂点であり、他の世界を守護する使命があるという考えも持つ。また、宇宙空間に出ても呼吸が出来る。食事では、飲み物をおかわりする際に先に持っていたほうの器を割る習慣がある[注釈 12]。
- オーディン曰く、「アスガルドで“希望のかがり火”として夜空に輝き続ける種族」。
- 地球人
- 地球の住民である人類。全体的に見て、アスガルド人や氷の巨人族のような卓越したパワーを持つ種族ではないが、近年では一部の人物たちが地球の最先端技術などを駆使して、善悪問わず様々な“超人”となり、活動をはじめている。
- 氷の巨人
- 北欧神話の大自然の精霊の集団の一員“霜の巨人”のモデルである、ヨトゥンヘイムに住む巨人族。薄青く飢餓状態に見え、翡翠色の装飾物を身に付けた体表と不気味な赤い両眼が特徴で、極寒地に適応した体質を持つ凶暴で好戦的な種族である。触れたもの全てを凍てつかせる特殊能力を有し、この力を活かして相手に凍傷を負わせたり、手の中で武器の形をした氷を作り上げたり、自身の腕を氷柱状に凍らせて攻めたてる戦法をとる。
- 地球暦965年に地球のノルウェーのトンスベルグに大群で現れ、猛威を振るうが、アスガルド軍との戦闘の末に敗北し、小箱を奪われて、アスガルドとは協定を結び、長年休戦状態となった。
- だがロキの手引きにより、協定を破ってアスガルドの王宮の武器庫へ小箱を狙って侵入し、戴冠式中止のきっかけを生み、ソーたちと大乱闘を繰り広げた。
- 後にロキの2度目の手引きにより、ラウフェイと数名の部下がアスガルドに再来するが、ヘイムダルやロキに一蹴され、ヨトゥンヘイムに残留していた者たちも、ロキによるヨトゥンヘイム攻撃で全滅寸前にまで追い込まれた。その後の動向の描写は皆無である。
- スレイプニル
- 北欧神話の神獣“スレイプニル”のモデルである、8本脚の軍馬。劇中ではソーたちがヨトゥンヘイムで氷の巨人群に追い詰められた場面に、オーディンが騎乗して登場したが、画面に映ったのは僅か2カットの数秒間のみである。
- フロスト・ビースト
- ヨトゥンヘイムに棲息する四足歩行の巨獣。氷の巨人と同様に体表は薄青く両眼も赤いが、巨人を上回るほどの巨体で、尻尾の先端に数本の突起が生えている。非常に獰猛で、その巨体に反してかなりの速度で疾走する。
- 氷の巨人の寺院の壁に氷漬けにされていたが、巨人群とソーたちの大乱闘のなか、戦況を覆すためにラウフェイに解き放たれ、寺院から撤退したシフとウォーリアーズ・スリーを追いかけて、巨人群と共に挟み撃ちにするものの、ムジョルニアを駆使したソーの特攻で口内から後頭部を貫通され、奈落へと落ちる。
- 同種の別個体が数体存在するようで、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』にも登場する。
九つの世界と施設・組織編集
『マイティ・ソー』シリーズを含む『MCU』世界の宇宙には、北欧神話と同様に世界樹“ユグドラシル”の枝に内包された“九つの世界”が存在し、互いにつながっている。九つの世界の「世界」とは“異世界”ではなく、同一の宇宙の中の異なる星系に存在する“惑星”であり、アスガルド人たちはユグドラシルに内包された惑星を「世界」と呼んでいるに過ぎない。エンドクレジットの映像にて、九つの世界を覆うほどの巨大な星雲が、大木のような形を成しているのが確認できる。
- アスガルド
- 九つの世界の頂点と言われる“神の国”。王であるオーディンや王子のソーをはじめ、数多くの国民が中世の民族衣装風の服装に身を包み、陸上での移動手段に馬を利用していることから、地球の開発途上国と一見類似しているようなイメージだが、実際には九つの世界や全宇宙の中でも最高水準の科学技術を有するなど、高度な文明を誇る。国の本土である陸地部分は、山地の内側に広大な都市が築かれており、黄金色の特異な形状の建造物が多数散見され、巨大な浮遊物も見られる。都市の中心部には国の象徴的施設の王宮が存在し、陸地の向こうには海を挟んで世界の境界があり、ここには他の八つの世界へと移動できる虹の架け橋“ビフレスト”を起動させる天文台が存在する。この国に入国するには原則的にビフレストを通らなければならないが、別の出入り口も複数存在する[注釈 13]。
- 本作での国全体の情勢と一般の国民の描写は少ないが、登場人物の台詞によると、巨人による侵入と、ソーのヨトゥンヘイム襲撃で休戦協定が不安定となり、ヨトゥンヘイムと戦争寸前までに情勢が悪化した。しかし、最終的に全面戦争の危機は回避される。
- 王宮
- パイプオルガンのような外観をした、アスガルドの王の宮殿。劇中では、謁見の間や式典も執り行うホール、バリヤーに包まれたベッドが置かれるオーディンの寝室、武器庫などが確認できる。
- 武器庫
- 王宮の下層部に造られた、さまざまな力を持つ前述の武器やアイテムを保管・展示する倉庫。庫内の警備には鉄格子の奥に待機するデストロイヤーがあたり、有事の際には、鉄格子が消失しデストロイヤーが起動する。侵入した氷の巨人によって見回りの衛兵ごと氷漬けとなってしまったが、デストロイヤーに退治され、奪われた物は皆無だった。
- ビフレスト
- ユグドラシルに内包された九つの世界の移動手段となる虹の架け橋。天文台内の中央の装置に、ホーフンドもしくはグングニルを挿入することで、装置から稲妻状のエネルギーが天文台内に放出され、地下の動力炉が起動。天文台の外壁が高速回転しながら傾斜し、任意の世界へ虹色のエネルギーを放出して架け橋となる。そして接近した者を橋の中へ吸引し、高速で目的地へ瞬間移動させる。この際目的地では、上空に磁気嵐が発生し、エネルギーが命中した地面には巨大な焼印のような文様が残る。また、目的地からアスガルドへ帰還する際にも、原則的に文様の跡地から帰還する。
- 長時間橋を架けた状態を維持したり、橋のエネルギーを最大限に広げると[注釈 14]、繋げた世界を焼き尽くし滅ぼせる戦略兵器的な使い方も可能で、ロキはこれを利用してヨトゥンヘイムを滅ぼそうとしたが、ソーの活躍で天文台ごと架け橋が破壊されたため失敗に終わる。
- ミッドガルド
- 地球そのものである世界。遠い過去にアスガルド人たちが幾度となく訪れ、その際の伝説が北欧神話として残されている。近年は、超人となった地球人たちがアメリカを中心に次々に現れ、彼らによる事件や戦闘が各地で続発しはじめている。
- トンスベルグ
- 現代においてノルウェー最古の都市と呼ばれる町。嘗てラウフェイら氷の巨人群は、ここから地球を氷の世界に変えて支配しようとし、アスガルド軍と戦闘を繰り広げた。後に戦いを終えたオーディンが、四次元キューブをこの地へと置き、聖堂のもの達によって数千年間厳重に隠されてきた。
- プエンテ・アンティグオ
- ニューメキシコ州にある、人口2175人の小さな田舎町。ジェーンたちはこの町を拠点に天文観測を行なっていた。劇中では、“アルヴァレス・ダイナー”や、小動物のペットショップ、ガソリンスタンドなどの施設が登場した。デストロイヤーの攻撃で多大な被害が出る。
- S.H.I.E.L.D.
- 国際平和維持組織。本作では、コールソンやシットウェルの他にも、名のあるエージェントが複数登場し、ムジョルニアやワームホール(ビフレスト)の研究調査と、これらに関与するソーの監視を行い、その事前に天文物理学者であるジェーンたちの研究機材と観測データを強引に押収する冷徹な行動もとった。しかし押収した研究機材と観測データは全てきちんとジェーンたちへ返却する。
- ベースキャンプ
- プエンテ・アンティグオから西に80キロの地点に落着したムジョルニアが作ったクレーターをS.H.I.E.L.D.が抑えて、研究対象のムジョルニアを中心に、プレハブ事務所や通路とフェンスなどを急造して完成させた仮設研究所。S.H.I.E.L.D.の兵士や捜査官に厳重に警護され、敵襲に備えて銃器庫も置かれた。ソーはここでムジョルニアを取り戻すために突入し、ムジョルニアによって発生した雷雨の中で泥臭い肉弾戦を繰り広げる。
- ヨトゥンヘイム
- 氷の巨人やフロスト・ビーストたちが住む世界。吹雪が吹く荒涼な大地と、僅かな光が差し込むこともある暗闇に包まれた大空が特徴の世界で、巨人の王であるラウフェイが腰を降ろす簡素なデザインの寺院まで建てられている。
- 地球暦965年と現代において、アスガルド軍やソーたちとの戦地となり、アスガルドの王座の確立を企むロキによって崩壊の危機に晒されたが、ソーの活躍で食い止められる。
- 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』にも登場する。
- ヴァナヘイム
- ヴァン神族が住み、ホーガンの故郷である世界。本作では登場しないが、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』に登場する。
- 詳細は「マイティ・ソー/ダーク・ワールド#ヴァナヘイム」を参照
- スヴァルトアールヴヘイム
- ダークエルフたちが住む世界。本作では登場しないが、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』に登場する。
- 詳細は「マイティ・ソー/ダーク・ワールド#スヴァルトアールヴヘイム」を参照
- ムスペルヘイム
- 炎のデーモンたちが住む世界。本作では登場しないが、『マイティ・ソー バトルロイヤル』に登場する。
- 詳細は「マイティ・ソー バトルロイヤル#ムスペルヘイム」を参照
- ニダベリア
- アスガルドの武器を長年作り続けている種族:ドワーフたちが住む世界(惑星)。本作では登場しないが、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』に登場する。
- 詳細は「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー#ニダベリア」を参照
- アールヴヘイム
- ライトエルフが住む世界。2019年現在、『MCU』作品には未登場。
- ニヴルヘイム
- 死者が住むという世界。2019年現在、『MCU』作品には未登場。
製作編集
企画編集
かつてサム・ライミ監督が『ダークマン』の後に『ソー』を映画化する話があったが、実現せず[8]、映画化企画はマーベル・スタジオが軌道に乗る1997年4月まで破棄された[9]。その後、映画『X-メン』の成功により映画化が現実味を帯びてきた。その後テレビ映画として作り、UPNが放送し、タイラー・メインをソー役にする話があった[10]。2000年5月、マーベル・スタジオはArtisan Entertainmentに融資を求めるが、企画倒れになってしまう[11][12][13]。その後、ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントが映画化権を獲得し、2004年12月、デヴィッド・S・ゴイヤーに監督・脚本が依頼された[14]。2005年に、ゴイヤーとマーベルで話し合いが行われたが、その後、彼は企画から外れた。
2006年4月、パラマウントがソニーから映画化権を買い取り、マーク・プロトセヴィッチが脚本を書くことになった[15]。同年、映画はマーベル・スタジオが制作すると発表された[16]。2007年8月、マシュー・ヴォーンが本作を監督する契約を交わした[17]。ヴォーンはプロトセヴィッチの初期案に3億ドルの製作費を見込み、1億5000万ドルまで落とすために脚本が書き直された[2]。またヴォーンは2008年後半にクランクインの予定だった[18]。『アイアンマン』の成功後、マーベル・スタジオは『アイアンマン2』でソーを紹介し、2010年6月4日に『マイティ・ソー』を公開予定と発表した[19]。
プリプロダクション編集
2008年5月にヴォーンの契約が切れると、マーベルは再度プロトセヴィッチに脚本を書かせ、新たな監督を探した[20]。2008年9月には、D・J・カルーソがプロジェクトを引き受ける話が出てきた[21]。その後、ケネス・ブラナーへの交渉が行われ[22]、2008年12月に彼の雇用が発表された。ブラナーは2010年1月の撮影開始を希望し[23]、マーベル・スタジオの予定だった2010年7月16日から約1年遅れの2011年6月17日に公開日を遅らせることとなった[24]。その後、2011年7月22日公開予定の同スタジオ製作映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』から間隔を空けるために公開日は2011年5月20日に変更された[25]。2009年2月、『アイアンマン』でニック・フューリーを演じたサミュエル・L・ジャクソンが、本作を含む9作品に同役で出演する契約を交わした[26]。だがジャクソンは2010年4月のインタビューで、『マイティ・ソー』に出演する予定はないと述べた[27]。2011年2月、『レイト・ナイト・ウィズ・ジミー・ファロン』にて、ジャクソンは『マイティ・ソー』でのシーンを撮影中と明らかにした[28]。
2009年2月、ソー役の俳優を探すオーディションが行われた[29]。25歳前後の俳優を探し、2009年5月にクリス・ヘムズワースと交渉した[30]。後日、マーベルは以前にブラナーと働き、当初主演に考えられていたトム・ヒドルストンをロキ役にキャスティングしたと発表した[31][32]。マーベル・スタジオのケビン・ファイギはヘムズワースとヒドルストンの両者との契約成立を6月に明かした[33]。フィージはまた、映画では現代の地球とアスガルドの両方が舞台だが、ソーの人間体であるドナルド・ブレイク医師の設定は無いと述べた[33]。
ヘムズワースとヒドルストンが決まった後、残りのキャストが埋まり始めた。7月、マーベルはナタリー・ポートマンがジェーン・フォスターを演じると発表した[34]。9月、ジェイミー・アレクサンダーとコルム・フィオールがキャストに加わり、アレクサンダーがシフ、フィオールが役名不明の悪役を演じるだろうと報じられた[35]。スウェーデンのニュースサイト『Ystads Allehanda』のインタビューで、ステラン・スカルスガルドのキャスト参加を述べた[36]。10月下旬までに、アンソニー・ホプキンスがオーディンに配役された[37]。さらに数週間後、マーベルはウォリアーズ・スリーをキャスティングし、ファンドラルをスチュアート・タウンゼント、ホーガンを浅野忠信、ヴォルスタッグをレイ・スティーヴンソンが演じると発表した[38] 。数日後、イドリス・エルバのヘイムダール役でのキャスト参加が発表された[39]。
ナタリー・ポートマンはインタビューにて、女優のカット・デニングスがプロジェクトにかかわるのを明らかにした[40]。デニングスは、ポートマン演じるジェーン・フォスターの同僚のダーシー役となった[41]。12月、レネ・ルッソがソーの養母でオーディンの妻のフリッガ役に振り当てられた[42]。その後、ジョゼフ・ガット、トロイ・ブレンナ、ジョシュア・コックスが役名不明でキャスティングされたことが明らかになった[43]。また2010年1月、アドリアナ・バラッザが脇役でキャストに参加[44]。撮影開始の数日前、「創造性の違い」からスチュアート・タウンゼントが降板し、ファンドラル役はジョシュア・ダラスに変わった[45]。『スパイダーマン4』の製作遅延に伴い、パラマウントとマーベル・エンタテインメントは、公開日を2週間繰り上げて2011年5月6日に変更した[46]。
撮影編集
2008年10月、マーベル・スタジオは『アイアンマン2』、『マイティ・ソー』、『キャプテン・アメリカ: ザ・ファースト・アベンジャー』、『アベンジャーズ』の計4作の撮影の為にカリフォルニア州マンハッタンビーチのラリースタジオと長期契約した[47]。主要撮影は2010年1月11日開始[48]。2月、パラマウントがビーチ撮影のためにカリフォルニア州デル・マー市と交渉したと報じられた[49]。3月15日、撮影場所はニューメキシコ州ガリステオに移った[50]。4月、パラマウントは撮影のための移動費用が高額であるとしてデル・マーでの撮影を諦め、カリフォルニア北部に変更した[51]。
ポストプロダクション編集
主要撮影は5月6日に完了し、ポストプロダクションが始まったとクリス・ヘムズワースが明らかにした[52]。特殊効果はフランスのBUF Compagnieが主導となり[53]、デジタル・ドメインと協力して行われる[54]。2010年6月、クリス・ヘムズワースの衣装のコンセプト・アートが公開された[55]。
2010年7月、『ロサンゼルス・タイムズ』は本作と『キャプテン・アメリカ』の2作が3D映画として公開予定であると報じた[56]。プロデューサーのケヴィン・ファイギによると、撮影では3Dカメラを使わないが、ポストプロダクションの段階からステレオDによる3D変換として製作される[56]。
2010年10月、2、3の新しい場面のために撮り直しをしたと報じられた[57]。
2011年3月、編集の際に劇場公開版からアドリアナ・バラッザのシーンが取り除かれた。ケネス・ブラナーはカットした理由の説明と謝罪の手紙を彼女に送った。バラッザは「映画が素晴らしい出来で、才能ある俳優たちと共演した場面がカットされるのは残念ですが、私は映画の性質を理解しており、そして場面がカットされることは珍しいことではありません」と答えた[58]。バラッザは劇場公開版では一場面のみ登場する。
2011年5月、エンドクレジット後のステラン・スカルスガルドとサミュエル・L・ジャクソンのシーンは『アベンジャーズ』のジョス・ウェドンが監督したと明らかとなった[59]。
音楽編集
『マイティ・ソー (サウンドトラック)』 本作の音楽はパトリック・ドイルが手掛け、ブエナ・ビスタ・レコードよりアルバム盤が発売された。エンディング曲にはフー・ファイターズの「ウォーク」が使用された。
公開編集
2011年4月17日にオーストラリアのシドニーでワールド・プレミアが行われた[60]。アメリカでは5月2日にハリウッドのエル・カピタン・シアターで行われた[61]。
宣伝編集
2010年のコミコン・インターナショナルで予告編(5分以上)が初公開され[62]、インターネット上に流出した[63]。一般向けの第一弾ポスターは2010年12月9日に公開され[64]、翌10日には予告編が公開された[65]。2011年2月、フォックス放送が中継する第45回スーパーボウルで30秒のテレビスポット(広告料は300万ドル)が流された[66]。マーベル・スタジオとアキュラは共同で2011年のシカゴ・コミック・アンド・エンターテインメント・エキスポでバイラル・マーケティングを開始した[67]。この他の公式プロモーション・パートナーはバーガーキング、ドクターペッパー、セブン-イレブン、Visaなど[68]。
本作の公開に合わせて、マーベルアニメーションによるテレビアニメの製作が発表された[69]。また、ビデオ映画『勇者ソー: アスガルドの伝説』が5月17日に発売された[70]。
さらにセガで本作をベースとしたコンピュータゲーム Thor: God of Thunder が開発され、2011年5月3日に発売された。このゲームではクリス・ヘムズワースとトム・ヒドルストンが声の出演を果たした[71][72]。
評価編集
興行収入編集
世界で最も早い一般公開はオーストラリアの2011年4月21日で、公開3日間で580万ドルと『ワイルド・スピード MEGA MAX』に次いで初登場2位となった。これは、2008年の『アイアンマン』を1%上回る成績である[73]。その翌週、56市場で公開され、週末に8920万ドルを売り上げた[74]。北アメリカでは、公開初週末に約6600万ドルを記録、その内10%の約660万ドルは、213か所のIMAX劇場による[75]。2011年5月18日時点で北米で1億7793万1000ドル、それ以外の国々で2億6170万ドルの興収を記録[3]。
批評家の反応編集
本作は批評家には概ね好意的な反応を得ており、Rotten Tomatoesでは231のレビュー中77%が支持して「フレッシュ」となっており、平均点は10点満点で6.7点を獲得した[76]。また、Metacriticでは、39のレビューで100点満点中58点となっている[77]。
『ハリウッド・リポーター』誌のメーガン・レーマンは「雷神のハンマーを投げつける衝撃音で今年のスーパーヒーローの夏がスタートする」と述べた[78]。『シカゴ・サンタイムズ』のリチャード・ローパーは、「オリジナルのスパイダーマン以来最も愉快なスーパーヒーローのデビューだ」と評した[79]。
逆に、『シカゴ・サンタイムズ』のロジャー・イーバートは「マーケティングには成功しているが作品としては失敗」と、否定的なレビューを書いた[80]。また、『ニューヨーク・タイムズ』のA・O・スコットは、「想像以上に商業的成功への打算がプログラムされた一例」と、映画を嫌った[81]。『ロサンゼルス・タイムズ』のケネス・トゥランは、絶賛も酷評もせず、「予測できる要素とできないものとの美的なにらみ合い」と記した。トゥランはヘムズワース、ホプキンス、エルバの演技を称賛したが、特殊効果が矛盾し、地球でのストーリーに目新しさが無いと感じていた[82]。
ソフト化編集
日本ではパラマウント ジャパンよりBlu-ray、DVDが2011年10月21日に発売された。
続編とマーベル作品とのクロスオーバー編集
- 2011年4月、マーベル・スタジオの社長のケヴィン・ファイギは、『アベンジャーズ』に続いて「新たな映画でソーは新しい冒険を始め、キャプテン・アメリカは現代の世界を探検し続けるだろう」と語った[83]。
2011年6月、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズは『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』 を2013年7月26日に公開し、クリス・ヘムズワースのソー役での続投を発表した。ケネス・ブラナーは監督しないが、プロデューサーとして参加を続ける[84]。また後日、脚本のドン・ペイン続投も報じられた[85]が、11月8日に延期した。 - 本作ではS.H.I.E.L.D.のエージェントの1人・ホークアイが初登場する。ソーがムジョルニアを取り戻すため暴れまわるのを制圧するため召集され、弓矢を射つこともないカメオ出演だったが、後の『アベンジャーズ』に繋がる伏線となった。また、ソーも終盤でコールソンに「世界を守るためなら同盟を組んでもいい」と語る。
- 中盤、エリック・セルヴィグ教授が「自分の知り合いのガンマ線研究者がS.H.I.E.L.D.の連中と関わっている」と語るのはハルク(ブルース・バナー)を想起させる。
- 同じく中盤、地球に送り込まれたデストロイヤーを見たS.H.I.E.L.D.エージェントの「スタークの物か?」という台詞は、アイアンマンを想起させる。
- 終盤、S.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーがセルヴィグに解析を依頼する四次元キューブ(コズミック・キューブ)は「インフィニティ・ストーン」と呼ばれる強大なエネルギーを秘めた結晶の一つであり、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』『アベンジャーズ』など他のMCU作品にも度々登場する。
- マーベル・スタジオ恒例であるスタン・リーのカメオ出演は今回も行われ、地球に落下したムジョルニアを持ち上げるため集まった群衆の中で、ムジョルニアを引っ張りあげようとするトラックの運転手役で登場している。
脚注編集
注釈編集
- ^ 戴冠式では、一対の羽根飾りが付いた銀色の兜も被っていた。
- ^ 彼女によると、この男性は医学博士“ドナルド・ブレイク”という名で、「医療の腕は確かだが、人間関係が最悪」らしい。
- ^ 動作や発声もできる自身の姿を任意の場所に投影するだけでなく、自身や他者の服装や人相を全く別のものに擬態させることも可能。
- ^ セルヴィグ曰く、「頑固でいい奴」だったらしい。
- ^ この時彼は、ソーの身分をドナルドのもので偽るだけでなく、コールソンの質疑に絶え間なく答え続けるなど、ロキにも匹敵する口八丁を披露した。
- ^ ロキの実の親という点では共通しているが、北欧神話のラウフェイは女である。
- ^ 『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』で、ロキに幻術を伝授したのは彼女であることが示唆される。
- ^ フリッガやシフも呆れ顔をしていた。
- ^ ソーたちを止めるためにヨトゥンヘイムへ降臨した時点でその前兆が見られた。
- ^ 本来の発音だと“ミョルニル”になるが、本作だけでなく『MCU』の各作品では「ハンマー」と呼称されることが多い。
- ^ ソーは取っ手のストラップを握って飛行する。
- ^ 地球に追放されたソーがこれをダイナーで実行するとジェーンに叱られた。
- ^ ロキもそのうちの1つを知っており、冒頭ではこれを利用して氷の巨人群を招き入れた。
- ^ この際天文台の内壁には黒い蔦状の物体が複数張り巡らされ、装置からはエネルギーがクリスタル状の樹木の形となって放出される。
参考編集
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