マクラーレン M7Aは、ロビン・ハードゴードン・コパックが設計し、マクラーレンが製造したフォーミュラ1カーで、1968年から1971年にかけてF1世界選手権で使用された。

マクラーレン・M7A
カテゴリー F1
コンストラクター マクラーレン
デザイナー ロビン・ハード,
ゴードン・コパック
主要諸元
シャシー アルミニウム合金 マグネシウム合金 モノコック
エンジン フォード-コスワース DFV 2993cc V8 NA ミッドエンジン, 縦置き
トランスミッション ヒューランド製 DG300 5速 MT
燃料 シェル/ガルフ
タイヤ グッドイヤー/ダンロップ
主要成績
チーム ブルース・マクラーレン・モーターレーシング,
アングロ・アメリカン・レーサーズ
ドライバー ニュージーランドの旗 ブルース・マクラーレン
ニュージーランドの旗 デニス・ハルム
アメリカ合衆国の旗 ダン・ガーニー
コンストラクターズタイトル 0 (最高位:2位, 1968年
ドライバーズタイトル 0
初戦 1968年スペイングランプリ
出走優勝ポールFラップ
23400
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概要

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V型8気筒DFVエンジンを搭載したM7Aは、1968年ベルギーGPでマクラーレンチームにとってF1での初勝利を記録した。このレースでブルース・マクラーレンは、自身の名を冠した車両で勝利を挙げた、F1GP史上2人目のドライバーになった(1人目は1966年フランスグランプリで記録したジャック・ブラバム)。また、同年のカナダGPではデニス・ハルムブルース・マクラーレンがマクラーレンにとって初の1-2フィニッシュを記録した。

M7Aを基に車体仕様や搭載エンジンが変更されたM7B、M7C、M7Dも製造された。

M7Bは1969年に使用された車両で、葉巻型のM7Aと異なり、燃料タンクを内蔵した、車体と一体のサイドポッドが取り付けられていた。M7Bは1台のみが製造され、後にアンティーク・オートモビルに売却されてヴィック・エルフォードをドライバーとしてF1に参戦した。1969年ドイツグランプリで激しくクラッシュしてエルフォードは負傷し、M7Bは廃車された[1]

M7Cは1969年にブルース・マクラーレンが使用した車両で、モノコックはF5000用のM10Aのものをベースとしていた[1]

M7Dは、M7AからM7Cまでの3車と異なり、アルファロメオ製のV型8気筒エンジンを搭載した。

世界選手権での成績

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チーム シャシー エンジン タイヤ ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 ポイント 順位
1968年 ブルース・マクラーレン・モーターレーシング M7A フォード コスワースDFV 3.0 V8 G RSA ESP MON BEL NED FRA GBR GER ITA CAN USA MEX 49
3
 
2位
10位
[nb 1]
ブルース・マクラーレン Ret Ret 1 Ret 8 7 13 Ret 2 6 2
デニス・ハルム 2 5 Ret Ret 5 4 7 1 1 Ret Ret
アングロ・アメリカン・レーサーズ M7A フォード コスワースDFV 3.0 V8 G ダン・ガーニー Ret 4 Ret
1969年 ブルース・マクラーレン・モーターレーシング M7A
M7B
M7C
フォード コスワースDFV 3.0 V8 G RSA ESP MON NED FRA GBR GER ITA CAN USA MEX 38 4位
ブルース・マクラーレン 5 2 5 Ret 4 3 3 4 5 DNS Ret
デニス・ハルム 3 4 6 4 8 Ret Ret 7 Ret Ret 1
チーム・ローソン M7A フォード コスワースDFV 3.0 V8 D ベイシル・ヴァン・ルーエン Ret
コーリン・クラッベ
アンティーク・オートモビルズ
M7B フォード コスワースDFV 3.0 V8 G ヴィク・エルフォード 10 5 6 Ret
1970年 ブルース・マクラーレン・モーターレーシング M7A フォード コスワースDFV 3.0 G RSA ESP MON BEL NED FRA GBR GER AUT ITA CAN USA MEX 35
0
 
5位
9位
[nb 2]
ダン・ガーニー Ret
チーム・サーティース M7C フォード コスワースDFV 3.0 V8 F ジョン・サーティース Ret Ret Ret 6
アルファ・ロメオ M7D アルファロメオ 3.0 V8 G ナンニ・ギャリ DNQ
アンドレア・デ・アダミッチ DNQ DNQ NC DNS
エキュリー・ボニエ M7C フォード コスワースDFV 3.0 V8 G ヨアキム・ボニエ DNQ
[2][3]
Ret
1971年 エキュリー・ボニエ M7C フォード コスワースDFV 3.0 V8 G RSA ESP MON NED FRA GBR GER AUT ITA CAN USA 10
 
6位
[nb 3]
ヨアキム・ボニエ Ret DNQ
[3][4]
DNS 10 16
参照 [5][6][7][8][9] [10][11][12][13]


脚注

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  1. ^ a b Nye, Doug (1988) (英語). McLaren: The Grand Prix, CanAm, Indy Cars. (New Edition). Hazleton Publishing. pp. p.166. ISBN 0-905138-54-6 
  2. ^ 1970 Italian GP Results (6/9/1970)”. Grand Prix Archive. Crash Media Group. 2011年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月23日閲覧。
  3. ^ a b All championship race entries, by Jo Bonnier, in a McLaren.”. Chicane F1. 2010年6月23日閲覧。
  4. ^ 1971 German GP Results (1/8/1971)”. Grand Prix Archive. Crash Media Group. 2011年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年6月23日閲覧。
  5. ^ 1968 FIA Formula One World Championship”. Formula One – The Official F1 Website. Formula One Administration. 2010年6月23日閲覧。
  6. ^ Taylor 2009, p. 290
  7. ^ 1969 FIA Formula One World Championship”. Formula One – The Official F1 Website. Formula One Administration. 2010年6月23日閲覧。
  8. ^ 1970 FIA Formula One World Championship”. Formula One – The Official F1 Website. Formula One Administration. 2010年6月23日閲覧。
  9. ^ 1971 FIA Formula One World Championship”. Formula One – The Official F1 Website. Formula One Administration. 2010年6月23日閲覧。
  10. ^ http://www.formula1.com/results/team/1968/ [Untitled]”. Formula One – The Official F1 Website. Formula One Administration. 2010年6月23日閲覧。
  11. ^ http://www.formula1.com/results/team/1969/ [Untitled]”. Formula One – The Official F1 Website. Formula One Administration. 2010年6月23日閲覧。
  12. ^ http://www.formula1.com/results/team/1970/ [Untitled]”. Formula One – The Official F1 Website. Formula One Administration. 2010年6月23日閲覧。
  13. ^ http://www.formula1.com/results/team/1971/ [Untitled]”. Formula One – The Official F1 Website. Formula One Administration. 2010年6月23日閲覧。
  1. ^ Points were awarded separately for each combination of chassis and engine. Therefore McLaren-Ford were second in the world championship with 49 points whilst McLaren-BRM were 10th with three points
  2. ^ Points were awarded separately for each combination of chassis and engine. Therefore McLaren-Ford were fifth in the world championship with 35 points whilst McLaren-Alfa Romeo were 9th with zero points. The McLaren-Ford total includes points scored with other models.
  3. ^ All points were scored with other models.