愛知 治郎(あいち じろう、1969年6月23日 - )は、日本政治家参議院議員(3期)、自由民主党参議院議員副会長を歴任。

愛知 治郎
あいち じろう
2016年6月22日(46歳)
生年月日 (1969-06-23) 1969年6月23日(54歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 ニューヨーク州宮城県仙台市出身[1]
出身校 中央大学法学部政治学科
所属政党 自由民主党(無派閥)
称号 法学士(中央大学・1995年3月)
配偶者
親族 祖父・愛知揆一(元衆議院議員、元外務大臣、元大蔵大臣)
父・愛知和男(元衆議院議員)
公式サイト 愛知治郎公式サイト

選挙区 宮城県選挙区
当選回数 3回
在任期間 2001年7月23日 - 2019年7月28日
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来歴・人物 編集

1969年(昭和44年)、日本鋼管社員だった愛知和男の次男として、ニューヨーク州に生まれた。日本に帰国後は日本女子大学附属豊明幼稚園東京都文京区)に入園したが、第2次田中内閣大蔵大臣を務めていた祖父・愛知揆一の急逝と父・和男の政界入りに伴って仙台市に転居した(現住所は仙台市青葉区米ヶ袋1丁目[2])。

仙台市立片平丁小学校仙台市立五橋中学校宮城県仙台第一高等学校を経て、中央大学法学部政治学科を卒業[1]。大学卒業後、法律事務所勤務などを経て、衆議院議員を務めていた父・和男の議員事務所(愛知和男事務所)に勤務した。

2001年(平成13年)、第19回参議院議員通常選挙無所属自由民主党公明党保守新党の3党推薦)で立候補し初当選、参議院議員となった。同選挙には自由民主党公認として前参議院議員の亀谷博昭も立候補しており、いわゆる保守分裂選挙となったが、仙台市部の保守票をまとめた愛知が競り勝った。当選後には自由民主党から追加公認され、党職として参院国会対策副委員長、遊説局長、青年局長代理を歴任した。また、公職としては参議院財政金融委員会理事、環境委員会理事、憲法調査会幹事、予算委員会理事等を経て、2005年(平成17年)9月には防衛庁長官政務官に就任、翌年9月まで務めた。

2007年(平成19年)の第21回参議院議員通常選挙では公明党の推薦も受けて再選。財政金融委員会筆頭理事だった同年11月、全会一致の慣例を破るかたちで野党が現職財務大臣証人喚問を議決したが、その際愛知は憤怒して退席、採決を棄権した。また、同職在任中の2008年(平成20年)3月31日にはガソリン税暫定税率適用期間の終了に直面した。同年9月、参議院内閣委員長に就任。

2013年(平成25年)、第23回参議院議員通常選挙において3期目の当選。同年9月30日、財務副大臣に就任(2014年9月、退任)。

2016年(平成28年)、自由民主党参議院政審会長に就任[3]

2017年(平成29年)3月26日、自由民主党宮城県連会長に就任[4]

2019年(平成31年)3月、党県連会長を退任[5]。同年7月21日の第25回参議院通常選挙で4選を目指すも、野党統一候補で立憲民主党新人の石垣のりこに敗れ、落選。

政策・主張 編集

安全保障 編集

消費税増税 編集

  • 2014年4月に予定されていた消費税の8%への引き上げについて「予定通りに引き上げるべき」と回答している[6]
  • 2019年10月に予定されている消費税の10%への引き上げについて「法律に従い、引き上げるべきだ」と回答している[7]
  • 第25回参議院議員通常選挙に先駆けて行われた公開討論会において、「年金制度の安定には公平な負担が必要」と述べ、消費税の10%への引き上げを訴えた[8]。また、公示日での第一声では、「年金の重要な財源は消費税だ。無責任な政策に耳を傾けてはならない」と述べ、消費税増税の反対を掲げる野党を批判した[9]
  • 消費税率を10%より高くすることについても「どちらかと言えば賛成」と回答している[10]

原発 編集

  • 日本の原発について、当面は必要だが将来は廃止すべき。
  • 原発の海外輸出に反対[6]

選択的夫婦別姓法案 編集

  • 選択的夫婦別姓法案の導入に賛同し「夫婦はそもそも他人であり、別人格である。その個人の権利は尊重されるべきと考える」と述べていた[11] が、2019年のアンケートにおいては、「どちらとも言えない」と回答している[12]

その他 編集

エピソード 編集

主な所属団体・委員会・議員連盟 編集

支援団体 編集

他多数

二重国籍問題 編集

  • 2005年から2006年の防衛大臣政務官だった当時において、日本国籍の他に米国籍も保有していたことが明らかになった。愛知自身は立候補直前の2001年6月(当時32歳)、法務省に日本国籍の選択の届出をしており、戸籍謄本にも記載されている。同時にアメリカ大使館にアメリカ国籍離脱の申請をしているが、出生証明書等、書類の不備により不可となる。その後、渡米の度にアメリカ国籍離脱を申し入れるが、実現しなかった。同議員事務所によると、最終的にはアメリカ政府の特段の政治的配慮によって2012年6月に米国籍を離脱したという[18]

家族 編集

父親は元衆議院議員で環境庁長官などを務めた愛知和男、祖父は元衆議院議員で大蔵大臣などを務めた愛知揆一、曽祖父は物理学者の愛知敬一。ただし、和男は揆一の養女の婿養子であるため、治郎は揆一・敬一と血縁関係はない。

2018年に20歳年下の女性と結婚。妻の愛知加奈絵は2023年の宮城県議選への立候補を検討していたが、断念している。

脚注 編集

  1. ^ a b c d e プロフィール 愛知治郎公式ウェブサイト、2010年5月20日閲覧
  2. ^ 自由民主党宮城県支部連合会 政治資金収支報告書(平成30年分定期公表)” (PDF). 宮城県選挙管理委員会 (2019年11月29日). 2019年12月2日閲覧。
  3. ^ 参院国対委員長に松山氏 自民 日本経済新聞 2016年8月26日
  4. ^ 『第46代会長就任のご挨拶 -自由民主党宮城県支部連合会 会長 愛知治郎 -』 | 自由民主党 宮城県支部連合会
  5. ^ 『第64回自由民主党宮城県連定時大会』 | 自由民主党 宮城県支部連合会
  6. ^ a b c d e f g h 2013参院選 毎日新聞候補者アンケート 愛知じろう
  7. ^ “2019参院選 自民 宮城 愛知治郎”. 毎日新聞 (毎日新聞社). https://mainichi.jp/senkyo/25san/meikan/?mid=B04000002002 2019年7月19日閲覧。 
  8. ^ “<参院選>消費税増税軸に応酬 立候補予定の2氏討論 ネット配信”. 河北新報 (河北新報社). (2019年7月2日). https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201907/20190702_11017.html 2019年7月3日閲覧。 
  9. ^ “<参院選公示>宮城選挙区3人届け出 自民と野党共闘激突”. 河北新報 (河北新報社). (2019年7月4日). https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201907/20190704_11052.html 2019年7月6日閲覧。 
  10. ^ “朝日東大谷口研究室共同調査”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2019年7月12日). https://www.asahi.com/senkyo/senkyo2019/asahitodai/ 2019年7月14日閲覧。 
  11. ^ 別姓通信63号
  12. ^ 朝日・東大谷口研究室共同調査”. 朝日新聞 (2019年). 2019年7月8日閲覧。
  13. ^ 祖父・揆一、父・和男は吉田茂の流れをくむ派閥に所属していた(揆一は吉田→佐藤栄作田中角栄派、和男は自民党離党まで田中→竹下登羽田孜派にそれぞれ所属)
  14. ^ a b 自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. 2018年4月11日閲覧。
  15. ^ a b “2019年6月号”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2019年5月27日). http://zenkyou.xsrv.jp/wp-content/uploads/2019/06/2019%E5%B9%B46%E6%9C%88%E5%8F%B7.pdf#page=4 2019年6月30日閲覧。 
  16. ^ a b c 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
  17. ^ 応援しています!”. 神道政治連盟. 2019年7月7日閲覧。
  18. ^ 日本テレビ系(NNN)10月13日

関連項目 編集

外部リンク 編集

公職
先代
小渕優子
山口俊一
  財務副大臣
古川禎久と共同

2013年 - 2014年
次代
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宮下一郎
先代
谷公一
浜田昌良
寺田稔
秋葉賢也
  復興副大臣
谷公一
浜田昌良
岡田広と共同

2013年 - 2014年
次代
長島忠美
浜田昌良
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先代
北村誠吾
柏村武昭
  防衛庁長官政務官
北村誠吾
高木毅と共同

2005年 - 2006年
次代
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北川イッセイ
議会
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  参議院行政監視委員長
2012年 - 2013年
次代
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先代
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  参議院内閣委員長
2008年 - 2009年
次代
河合常則
党職
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鶴保庸介
自由民主党参議院政策審議会長
2016年 - 2017年
次代
武見敬三