東京証券取引所
株式会社東京証券取引所(とうきょうしょうけんとりひきじょ、英語: Tokyo Stock Exchange, Inc.)は、株式会社日本取引所グループの子会社で、日本最大の証券取引所である。金融商品取引法上の金融商品取引所。略称は東証(とうしょう)、TSE。
![]() 東京証券取引所ビル | |
種類 | 株式会社 |
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略称 | 東証 |
本社所在地 |
![]() 〒103-8220 東京都中央区日本橋兜町2-1[1] 北緯35度40分57.6秒 東経139度46分43.71秒 / 北緯35.682667度 東経139.7788083度座標: 北緯35度40分57.6秒 東経139度46分43.71秒 / 北緯35.682667度 東経139.7788083度 |
設立 | 1949年4月1日[1] |
業種 | その他金融業 |
法人番号 |
9010001076468 ![]() |
金融機関コード | 0906 |
事業内容 |
2019年3月1日現在の定款記載の事業(目的)は以下のとおり。 |
代表者 | 宮原幸一郎(代表取締役社長)[1] |
資本金 | 115億円(2015年3月31日現在)[7] |
発行済株式総数 |
230万株 (2015年6月16日現在)[1] |
売上高 |
736億28百万円 (2015年3月期)[7] |
営業利益 |
385億35百万円 (2015年3月期)[7] |
経常利益 |
388億2百万円 (2015年3月期)[7] |
純利益 |
247億73百万円 (2015年3月期)[7] |
純資産 |
1,101億62百万円 (2015年3月末現在)[7] |
総資産 |
1,339億30百万円 (2015年3月末現在)[7] |
従業員数 | 408名(2016年3月31日現在) |
決算期 | 3月末 |
主要株主 | 株式会社日本取引所グループ |
主要子会社 | 株式会社東証システムサービス |
関係する人物 | 森永貞一郎、谷村裕、竹内道雄、長岡實、山口光秀、土田正顕 |
外部リンク | 日本取引所グループ |
概説編集
日本取引所グループのうち、企業株式を中心とする有価証券が売買される現物市場を受け持つ[8]。
日本初の公的な証券取引機関である東京株式取引所を前身に(後述#東京株式取引所時代と比較した市場の性格も参照)、1949年4月1日に証券業者(後の証券会社、現在の金融商品取引業者)を会員とする東京証券取引所として設立。2001年に組織変更し、株式会社東京証券取引所となった[9]。設立以来日本を代表する証券取引所であり、2013年には旧大阪証券取引所の株式(現物)市場も統合(吸収)。米国ニューヨーク証券取引所、英国ロンドン証券取引所とともに「世界三大証券取引所」の一つとされることもある。
東証の株式市場には、上場基準の異なる市場第一部(東証一部)及び市場第二部(東証二部)並びに新興企業向けのマザーズ・JASDAQ[10]がある。 東証は、東証市場において成立した有価証券の清算機関として、グループ会社・兄弟会社である日本証券クリアリング機構を指定している[12]。
東証自体の収益拡大と日本の資本市場発展という目的から、国内外企業の新規株式公開(IPO)誘致に取り組んでいる。地方のIPO候補企業を発掘するため、北海道から九州まで全国の地方銀行とも連携している[13]。
かつては人手によって株券売買が行われていたが、株券売買立会場は1999年4月30日に閉場され、跡地は東証Arrowsという施設として2000年5月9日にオープンしている。
2015年の店頭取引を含む株式売買代金は日本全国合計で746兆1770億円、うち東証が745兆9550億円に上り、99.97%超を占める[14]
取引主体識別子(LEI)の付番機関として、LEI付番業務も行っている(情報サービス部[15])。
- 2013年の大証との経営統合については、東京証券取引所グループ#大証との経営統合を参照のこと。
東京株式取引所時代と比較した市場の性格編集
太平洋戦争前の東京株式取引所時代からあった、証拠金取引であり受渡し又は差金決済の短期清算取引は全面的に廃止された。長期清算取引(先物取引)は清算取引として残されたが、この清算取引も戦後、取引所再開の時に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)によって否定され、以後何回となく業者からの要求があったにもかかわらず、復活されなかった。この結果、戦前は「一夜成金、一夜乞食」とまで言われた証拠金取引且つ差金決済中心の投機色の強い市場の性格は変わった。
システム編集
当社は上記、株式売買や相場報道といった東証の事業にかかるシステム開発・運用のほか、グループ会社の事業にかかるシステム開発・運用も行っている。
東京証券取引所事業のシステム編集
株券等売買システム(以前は株式売買システム、CB売買システムに分かれていた)、相場報道システム、広域ネットワークインフラなど、複数のシステムを保有。売買システムは富士通が開発と保守を担っている。(過去存在した、先物オプション(デリバティブ)売買システムは、東証が市場開設していた市場デリバティブ取引について大阪取引所に一本化されたため現在東証では保有していない)
株券等売買システム(現在のarrowhead)編集
1982年〜2009年編集
1982年1月23日、市場第二部の33銘柄に対して日立[16]のコンピューターの売買システムを導入[17]。1985年に立会場銘柄を除く全銘柄に拡大[17]。取引の少ない銘柄から順次コンピューター対応を進めていった。
1994年〜2009年までは日立や富士通のメインフレームが使われていた[18]。1999年4月30日に立会場が閉場し、取引は全てシステム化された[19]。
2005年に相次いで発生したシステム障害により揺らいだ信頼を回復するため、次世代システムを2008年に完成させる予定であった。ところが、ライブドア・ショックで取引数がシステムの能力を超え兼ねない事態となって取引停止に追い込まれたこともあり、計画を前倒しさせることとなった。この新システムは地方証券取引所にも開放し、全国の取引所のシステム統一を目指す。障害時のバックアップを強化し、処理スピードの高速化により急増する取引にも対応できるようにする。
arrowhead編集
2010年1月4日に新たな株式売買システムサーバ「arrowhead(アローヘッド)」が稼動した。基幹IAサーバは富士通「FUJITSU Server PRIMEQUEST」、Red Hat Enterprise LinuxベースのOS[20]、ミドルウエアは新開発のオンメモリデータベース「FUJITSU Software Primesoft Server」。売買注文1件あたり2〜3秒から5ミリ秒程度に短縮され[21]、2010年1月の実績処理速度は平均2ミリ秒[22]、2015年のリニューアル前の段階で1ミリ秒[23]。人間の目視や反応時間を超える処理速度は、機関投資家やデイトレーダーの行動に影響も懸念される[24]。
2015年9月24日に arrowhead がリニューアルし、注文応答時間は0.5ミリ秒[23]になった。サーバー間は InfiniBand で接続し、FUJITSU Software Primesoft Server にてメモリ上のデータの同期を行っている。データベースはソリッドステートドライブ上に構築した、FUJITSU Integrated System PRIMEFLEX for HA Database になった。オペレーティングシステムは Red Hat Enterprise Linux と Microsoft Windows Server。
システム提供先編集
東証が開発・維持保守を担うarrowheadについては、東証の立会売買において使用されるだけでなく、2019年現在、下記金融商品取引所でも使用されている。
注文件数の最大処理能力編集
1日当りの最大処理能力はシステムのリニューアルの度に以下のように増やしているが、能力限度が近い場合は取引が停止される。
- 1982年1月23日 - 注文受付件数が10万件[16]
- 2006年1月30日 - 注文受付件数が1200万件、約定件数が500万件[28]
- 2006年11月6日 - 注文受付件数が1400万件、約定件数が840万件[29]
- 2010年1月4日 - 注文件数1億3700万件[23]
- 2015年9月24日 - 注文件数2億7000万件[23]
コロケーションサービス編集
2010年1月より arrowhead ともに、arrowhead との通信時間を短くするべくコロケーションサービスを提供し[30][31]、これにより高頻度取引(高速取引)に対応した。通信時間は片道15.7マイクロ秒[32]。
システム障害編集
- 2001年(平成13年)6月12日 - ソフト99コーポレーション株が上場時に終日取引停止
- 2005年(平成17年)
- 11月1日 - コンピュータプログラムミスにより、全上場銘柄の取引を一時停止
- 12月8日 - みずほ証券の誤発注したジェイコム株の注文を取り消せず、ジェイコム株大量誤発注事件となる
- 2006年(平成18年)1月18日 - ライブドア事件で大量の売り注文に対し、リアルタイム処理が追いつかず、全銘柄取引停止
- 2008年(平成20年)
- 2月8日 - デリバティブ売買システムの障害で一部先物商品の取引を停止
- 7月22日 - デリバティブ売買システムの障害で、指数、株式・国政先物、オプション取引を一時停止
- 2012年(平成24年)2月2日 - arrowhead内の3つのサーバで不具合が発生、午前9時より241銘柄の取引を一時停止
- 2018年(平成30年)10月9日 - arrowhead内の1つのサーバで不具合が発生、売買が遅延したり、一部の注文ができなくなった
広域ネットワークインフラ(arrownet)編集
東証は arrownetと呼ばれる広域ネットワークインフラを保有している[33]。arrownetは特に高信頼性の実現を目指し設計されているとされる[33]。
2009年にarrownetV1が、2012年、arrownetV2 が稼働[34]。
システム構成編集
arrownet の土台にあるのが、東証の売買システム、清算システム等が稼働するデータセンタ(プライマリ・セカンダリ)、および「アクセスポイント」(複数存在。後述)を結ぶ、10Gの光リング網(MPLS網)である[33]。
アクセスポイントとは、市場参加者や情報ベンダといったarrownet利用者が接続してくる先である[33]。利用者から見ると、従前は様々な市場関係機関に対しそれぞれ回線敷設等を行う必要があったのが、(後述のとおりarrownetV2の稼働により) arrownet が業界共通のネットワークインフラとなることで、共通のarrownetアクセスポイントへの回線の敷設だけで済むようになった。
海外拠点からのarrownet 接続ニーズに応える形で、arrownet-Global というサービスも展開[33][34]。
arrownetを利用した接続が可能な機関[35] 編集
arrownetV2 の稼働により、接続可能機関が増加[34]。
JPXグループ内編集
- 東京証券取引所
- 大阪取引所
- 日本証券クリアリング機構[36]
- 東京商品取引所 (※東京商品取引所はJPXグループ内のシステム(デリバティブ売買システム(J-GATE)、ならびに清算システム)の一部も共同利用)
JPXグループ外編集
書類授受等システム(Target)編集
東証は、Targetという、下記を行うためのシステムを運営している[37][38]。なお、下記でいう「運営者」とはTargetを用いたサービスを実施する主体のことであり、後述するように東証以外の数社も、Targetを用いてサービス提供を行っている。
- (運営者から利用者へ)業務上のデータや連絡事項、統計情報等の提供
- (利用者から運営者へ)書類提出
運営者一覧編集
- 下記は東証作成資料(2018年7月25日版)[38]による。
- 東京証券取引所(上場会社向け・取引参加者向け等)
- 証券保管振替機構(発行会社向け・機構参加者向け等)
- 日本証券金融
- 日本証券クリアリング機構(清算参加者向け等)
- 東京商品取引所(取引参加者向け等)
グループ会社事業のシステム編集
グループ会社・兄弟会社にあたる以下の会社のシステムの開発・運用も行っている。
- 日本証券クリアリング機構の清算業務を処理するシステム[39][40](清算システム[39]と呼ばれる)
- 日本取引所自主規制法人の業務を処理するシステム(例: 売買審査システム[41])
規定編集
上場・上場廃止に関する規定編集
有価証券上場は審査基準があり、東証一部・二部の場合、株主数、流通株式、時価総額、事業継続年数、純資産の額、利益の額又は時価総額、虚偽記載又は不適正意見等、株式事務代行機関の設置等々に関する規定がある[42]。上場廃止基準は、東証一部・二部の場合、株主数、流通株式数、流通株式時価総額、流通株式比率、時価総額、2期連続の債務超過、虚偽記載又は不適正意見等、売買高、その他(破産や反社会的勢力の関与など)等々に関する規定に違反した場合[43]。
基準に抵触即ち上場廃止にならない。2011年のオリンパスの金融犯罪に関連する巨額粉飾決算事件は、廃止基準の「有価証券報告書等に「虚偽記載」を行った場合で、その影響が重大」に該当するが、財務状態が債務超過に陥っていない、として上場が維持された[44]。
指定替えに関する規定編集
東証一部の場合、株主数、流通株式数、流通株式時価総額、時価総額、売買高が規定に達しない場合や、債務超過となった場合は東証二部へ指定替えとなる[45]。東証二部から東証一部へ指定替えを行う場合は、形式要件においては、株主数、流通株式、売買高、時価総額、純資産の額、利益の額又は時価総額、虚偽記載又は不適正意見等、単元株式数がそれぞれ規定内にあること、適格要件においては、企業の継続性及び収益性、企業経営の健全性、企業のコーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の有効性、企業内容等の開示の適正性、その他公益又は投資者保護の観点から東証が必要と認める事項の全ての要件が揃えば、東証一部への指定替え並びに東証一部への復帰が可能となる[46]。
立会時間(休業日を除く平日)編集
- 前場(ぜんば) 9:00 - 11:30(2017年現在)
- 後場(ごば) 12:30 - 15:00
- 休業日 - 土曜日、日曜日、国民の祝日に関する法律で定められた日、年末年始期間(12月31日 - 1月3日)
記者クラブ編集
沿革編集
東京証券取引所ビル(本館、市場館) | |
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本館ファサード。後方高層部が市場館。 | |
情報 | |
用途 | 証券取引所、オフィス |
建築主 | 証券会員制法人東京証券取引所(全面竣工時。現:株式会社東京証券取引所) |
事業主体 | 株式会社東京証券取引所 |
管理運営 | 平和不動産株式会社 |
構造形式 | 鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造 |
敷地面積 | 7,192.99 m² |
延床面積 | 49,627.82 m² |
階数 | 地上15階 地下3階 塔屋2階 |
竣工 |
1984年10月(市場館) 1988年4月(本館) |
所在地 | 東京都中央区日本橋兜町2-1 |
座標 | 北緯35度40分57.6秒 東経139度46分43.7秒 / 北緯35.682667度 東経139.778806度 |
旧東京証券取引所ビル(本館、市場館) | |
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往年の東京証券取引所(1960年頃) | |
情報 | |
旧名称 | 東京株式取引所(本館、市場館) |
用途 | 証券取引所、オフィス |
建築主 | 株式会社東京株式取引所(竣工時) |
事業主体 | 証券会員制法人東京証券取引所(解体時) |
管理運営 | 平和不動産株式会社(解体時) |
竣工 | 1927年(市場館)/1931年(本館) |
所在地 | 東京都中央区日本橋兜町2-1 |
座標 | 北緯35度40分57.6秒 東経139度46分43.71秒 / 北緯35.682667度 東経139.7788083度 |
- 戦前は東京株式取引所に記載。
- 1949年(昭和24年)4月1日 - 証券会員制法人 東京証券取引所設立。
- 1949年(昭和24年)5月16日 - 売買立会を開始。
- 1951年(昭和26年)2月15日 - 前日からの吹雪で都心の積雪が30センチメートルを越え、交通麻痺のため立会中止。
- 1961年(昭和36年)10月2日 - 市場第二部を開設。
- 1973年(昭和48年)12月18日 - 外国株市場を開設。(2004年2月に「外国部」は廃止。詳細後述)
- 1974年(昭和49年)9月24日 - 電光掲示板による株価表示を開始。
- 1982年(昭和57年)1月23日 - 市場第二部の33銘柄に対してコンピューターの売買システムを導入[17]。
- 1982年(昭和57年)12月28日 - 撃柝売買終了。
- 1984年(昭和59年)12月6日 - 東証新市場館完成。
- 1985年(昭和60年)1月26日 - 市場第二部の全銘柄をコンピュータによる取引に対応。[47]
- 1985年(昭和60年)4月6日まで - 市場第一部の立会銘柄以外をコンピュータによる取引に対応。[47]
- 1985年(昭和60年)5月11日 - 新市場館竣工。新しい電光掲示板による株価表示開始。
- 1988年(昭和63年)4月30日 - 全取引をコンピュータによる取引に対応。これを機に主要銘柄取引をコンピュータ化。
- 1988年(昭和63年)5月23日 - 新本館が完成。
- 1990年(平成2年)11月26日 - 東証立会取引合理化システムを導入。
- 1991年(平成3年)3月18日 - 立会取引合理化システムを完全実施。
- 1997年(平成9年)8月1日 - 東証でシステム障害が発生。1702銘柄(全銘柄の約9割)の午前中取引が停止。
- 1999年(平成11年)4月30日 - 株券売買立会場が閉場。全ての取引がシステム化された。
- 1999年(平成11年)11月11日 - マザーズを開設。
- 2000年(平成12年)3月1日 - 広島証券取引所及び新潟証券取引所を合併。両取引所の単独上場銘柄は市場第二部に指定。
- 2000年(平成12年)5月9日 - 株券売買立会場跡地に東証Arrowsがオープン。
- 2001年(平成13年)11月1日 - 組織変更し、商号を株式会社東京証券取引所とする。初代社長は大蔵官僚出身の土田正顕。
- 2004年(平成16年)4月1日 - 土田の急逝に伴い社長に鶴島琢夫が就任。いわゆる「生え抜き」がトップに就くのは証券会員制法人時代を含めて初めて。
- 2005年(平成17年)2月7日 - 外国株市場を廃し、上場外国会社全29銘柄を市場第一部に指定。
- 2005年(平成17年)11月1日 - 株式およびCB売買システムに障害が発生し取引停止。システム障害による全銘柄の取引停止は史上初。
- 2005年(平成17年)12月11日 - 12月8日に発生したみずほ証券によるジェイコム株大量誤発注事件で、注文取消指示が受け付けられなかったのは、東証のシステム不具合が原因であったことが判明。
- 2005年(平成17年)12月14日 - 11月の大規模なシステム障害や、12月8日に発生したジェイコム株大量誤発注問題で、金融庁は業務改善命令を発令。
- 2005年(平成17年)12月20日 - 11月のシステム障害や12月のジェイコム問題の責任をとる形で、鶴島がこの日をもって社長を辞任。他、専務、常務の2人も辞任。
- 2005年(平成17年)12月21日 - 同年の6月から会長職に就いていた西室泰三が社長職を兼務。
- 2006年(平成18年)1月18日 - 「ライブドア・ショック」で売り注文が殺到し、注文件数や約定件数がシステム処理能力の限界近くに達し、後場は20分早い14時40分をもって取引全面停止。システム能力が原因での自主的な取引停止は東証では初。
- 2006年(平成18年)10月27日 - 前年12月のジェイコム株大量誤発注問題で、みずほ証券から415億円の損害賠償の支払いを求める民事訴訟を起こされる。
- 2007年(平成19年)6月15日 - シンガポール証券取引所 (SGX) の発行済み株式のうち4.99%に相当する5305万株の取得を発表。
- 2007年(平成19年)7月9日 - 金融庁が持株会社体制に移行することを認可。
- 2007年(平成19年)8月1日 - 単独株式移転し、株式会社東京証券取引所グループを設立(以下、東証グループ)。この結果、同社の完全子会社となる。
- 2010年(平成22年)1月4日 - 新たな株式売買システム「arrowhead(アローヘッド)」が稼動し、売買注文が1件あたり2〜3秒から5ミリ秒程度まで短縮された。
- 2010年(平成22年)12月24日 - 公式マスコット「あろーずくん」がTwitterを開始。当初は大納会のアシスタントディレクター役で登場した[48]。
- 2011年(平成23年)11月22日 - 東証グループと大阪証券取引所が経営統合することを発表。
- 2013年(平成25年)1月1日 - 大阪証券取引所を存続会社として、東証グループを吸収合併した『株式会社日本取引所グループ(JPX)』が発足。同4日にJPXが東証第1部に上場する。
- 2013年(平成25年)7月16日 - 大阪証券取引所より1100社(内訳は後述の表参照)が移設し、現物市場取引の東西統合が行われる。
- 2015年(平成27年)9月24日 - arrowheadがリニューアルし、注文応答時間が0.5ミリ秒に短縮された[23]。
上場会社数編集
上場する数は、2018年10月1日現在で3835社。世界の現物株式市場の上場法人数で3位。2013年7月16日に市場統合に伴い、大阪証券取引所から1100社が移設。[49]
市場の種別 | 全体 | (外国) | ||
---|---|---|---|---|
第1部 | 2111 | (3) | ||
第2部 | 504 | (1) | ||
新興企業市場 | マザーズ | 264 | (1) | |
JASDAQ | スタンダード | 691 | (1) | |
グロース | 37 | (0) | ||
プロ市場 | 28 | (0) | ||
合計 | 3635 | (6) |
- ※凡例
- (外国) - 外国企業株
- プロ市場 - 2012年7月1日付けで「TOKYO AIM取引所」と統合された「TOKYO PRO Market」に上場している企業
外国部編集
東京証券取引所は、特にアジアの成長性が豊かな外国企業の上場を推進するため、1973年に「外国部」と題した外国企業専門の取引カテゴリーを新設した。外国企業の多くは欧米などに本部があり、それぞれの母国に上場している大手企業だけでなく、東証にのみ単独で上場する企業もある。[50]
しかし、取引の伸び悩みが深刻であったため、2005年2月7日をもって外国部の専門カテゴリーを廃止し、当時外国部に上場された30社は経過処置として2007年2月6日までの2年間は第1部に上場させ、第2部への指定替えを行わなかった。これは、欧米の市場は国籍で区分けせずに取引をしており、東証のように外国の株式を独自に分ける異質な取扱いは投資家の投資意欲を低下させることや、外国企業にとっても排外的に映り、新規上場を妨げるという理由があった。これにより外国企業も、日本国内企業と同様の審査・条件をクリアすることで、第1・2部、マザーズ、JASDAQのいずれかに上場できるように改善された[51]。なお、外国部の上場企業は1991年の127社を一つの境として、それ以後はバブル経済崩壊や金融危機を受けて減少傾向にあり、外国部廃止当時は30社、さらに市場の統合後も減少は続き、現在は第1部1社、第2部1社、新興市場2社まで減少している。
上場している外国会社の一覧編集
2019年10月3日現在。()内は順に証券コード、国名。
- 市場第一部
- YTLコーポレーション(1773、マレーシア)
- 市場第二部
- ビート・ホールディングス・リミテッド(9399、ケイマン諸島)
- マザーズ
- テックポイント・インク(6697、アメリカ合衆国)
- JASDAQ
- メディシノバ・インク(4875、アメリカ合衆国)
上場株を基にした株価指数編集
子会社編集
東証システムサービス編集
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒103-0025 東京都中央区日本橋茅場町一丁目5番8号 北緯35度40分46秒 東経139度46分41秒 / 北緯35.67944度 東経139.77806度 |
設立 | 1986年6月3日[52] |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 9010001076468 |
事業内容 | システム開発及び運用業務[53] |
代表者 | 代表取締役社長 横山 隆介[52] |
資本金 | 1億円[52] |
発行済株式総数 | 1600株[52] |
売上高 | 117億円(2019年3月期)[52] |
純利益 | 10億3500万円(2019年03月31日時点)[54] |
総資産 | 58億9400万円(2019年03月31日時点)[54] |
従業員数 | 92名 (2019年3月31日現在) [52] |
主要株主 | 株式会社東京証券取引所 |
外部リンク | https://www.tssx.co.jp/ |
株式会社東証システムサービス(とうしょうシステムサービス)は、日本の会社。株式会社日本取引所グループならびに株式会社東京証券取引所の子会社。東京証券取引所や証券保管振替機構、日本証券クリアリング機構のシステムまたはそれらのクライアントシステムの開発を行った経験を有する[55]。
概要編集
「システム開発事業」「運用サービス事業」「ネットワークビジネス」の三事業を中心にJPXグループ[56]関連企業等のシステム開発から運用、arrownetのネットワーク管理などを手がける[57]。
沿革編集
- 下記沿革はすべて当社の公開する情報に基づいていることに注意されたい
出典: [55]
- 1986年6月 資本金3,000万円で設立
- 2002年3月 株式会社東京証券取引所の100%子会社となる
- 2002年10月 資本金を1億円に増強
- 2004年4月 総務省競争参加資格を取得
- 2005年3月 BS7799/ISMSの認証を取得
- 2007年4月 ISO27001:2005への移行認証を取得
- 2007年5月 株式会社東京証券取引所が保有している株式のうち、20%が株式会社証券保管振替機構に譲渡される
- 2007年10月 日本証券クリアリング機構の参加者モニタリングシステムを開発
- 2009年4月 東証arrowhead取引参加者端末システムを開発
- 2009年7月 東証arrownet稼動に伴うサービス提供開始
- 2009年12月 本社を東京都中央区日本橋茅場町第二証券会館に移転
- 2014年3月 本社を東京都中央区日本橋茅場町 茅場町一丁目平和ビルに移転
- 2015年2月 ISO27001:2013への移行認証取得
- 2016年3月 株式会社証券保管振替機構が保有する全株式を自己株式として取得
- 2016年5月 本社を東京都中央区日本橋茅場町 東京証券会館ビルに移転
デジタルテレビ(受信障害対策中継放送局)編集
免許人:株式会社東京証券取引所[58]
ID | 放送局名 | 物理チャンネル | 空中線電力 | ERP | 放送対象地域 | 放送区域内世帯数 | 偏波面 | 開局日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | NHK東京総合 | 27ch | 1mW | 400μW[59] | 関東広域圏 (茨城県、栃木県、群馬県を含まない)[60] |
-世帯 | 垂直偏波 | 2011年9月30日 |
2 | NHK東京Eテレ | 26ch | 関東広域圏 | |||||
4 | 日本テレビ | 25ch | 関東広域圏 | |||||
5 | テレビ朝日 | 24ch | ||||||
6 | TBSテレビ | 22ch | ||||||
7 | テレビ東京 | 23ch | ||||||
8 | フジテレビ | 21ch | ||||||
9 | TOKYO MX | 20ch | 東京都 |
- 放送区域は東京証券取引所ビルの建物内[61]。
脚注編集
- ^ a b c d “株式会社東京証券取引所”. 日本取引所グループ (2015年6月16日). 2016年2月8日閲覧。
- ^ 当社は具体的には取引主体識別子(LEI)の付番機関である
- ^ https://web.archive.org/web/20180829121952/http://jpx-gr.info/rule/tosho_regu_201305070001001.html
- ^ https://web.archive.org/web/20190714032028/http://jpx-gr.info/rule/tosho_regu_201305070001001.html
- ^ このことは、親会社である日本取引所グループが東証定款を公開しているページのアーカイブ(2時点[3][4])参照。第2条の記載が2時点で変更されており、かつ2時点の「一部改正」の記載の差異が「平成31年3月1日」しかないことから確認できる
- ^ 本項目は平成31年(2019年)3月1日より事業内容の一つとして追加された[5]
- ^ a b c d e f g “第87期 貸借対照表・損益計算書 (2015年3月期) (PDF)”. 株式会社東京証券取引所. 2016年2月8日閲覧。
- ^ 日本取引所グループとは(2018年5月12日閲覧)
- ^ 2019年現在、金融商品取引法上の金融商品取引所(その内の分類では株式会社金融商品取引所)である
- ^ 2013年7月16日に行われた現物市場統合によって大阪証券取引所より移管された
- ^ http://web.archive.org/web/20180829085111/http://jpx-gr.info/rule/tosho_regu_201305070005001.html
- ^ 清算・決済規定[11]第3条「当取引所は、当取引所の市場において成立した有価証券の売買に関し、金融商品債務引受業を行わせる金融商品取引清算機関として、株式会社日本証券クリアリング機構(以下「クリアリング機構」という。)を指定する。」
- ^ 【ニュース拡大鏡】東証、地銀と連携強化 地方発IPO後押し『日刊工業新聞』2017年12月19日(金融面)
- ^ 逆風にあらがう福証、IPOでお金の「地産地消」へ-九州は大将気質ブルームバーグ 2016年11月25日
- ^ http://web.archive.org/web/20190714055311/https://www.jpx.co.jp/lei/news/2017/n0e4kb00000002d0-att/n0e4kb00000002eq.pdf
- ^ a b 東京証券取引所における証券売買取引システム
- ^ a b c 株式取引所開設140周年 | 日本取引所グループ
- ^ 東証が基幹系を「オープン化」 | 日経 xTECH(クロステック)
- ^ 沿革 | 日本取引所グループ
- ^ 世界最高水準!次世代株式売買システム「arrowhead」を稼働(富士通株式会社 プレスリリース)2010-03-04閲覧。
- ^ 東証が株式売買の新システムを全面稼働、処理性能600倍に(ITpro/日経BP)2010-03-04閲覧。
- ^ 「新システムarrowheadは今日時点で100点の出来」東証斉藤社長が会見(ITpro/日経BP)2010-03-04閲覧。
- ^ a b c d e 東証の株式売買システム「arrowhead」をリニューアル : 富士通
- ^ 東証アローヘッド特集:1カイ2ヤリの個人投資家は総撤退か(ロイター)2010-03-04閲覧。
- ^ [1] アーカイブ:[2]
- ^ [3] アーカイブ:[4]
- ^ [5] アーカイブ:[6]
- ^ 【東証問題】「約定能力を700万件以上に引き上げたい」、西室社長兼会長が表明 | 日経 xTECH(クロステック)
- ^ 東証、注文件数上限を1日1400万件に、ライブドア事件後の一連の増強終える - CNET Japan
- ^ 事務局説明資料(市場・取引所を巡る諸問題に関する検討)- 金融庁総務企画局
- ^ コネクティビティサービス | 日本取引所グループ
- ^ 東京証券取引所における High-Frequency Tradingの分析 - JPXワーキングペーパー
- ^ a b c d e http://web.archive.org/web/20190331033021/https://www.jpx.co.jp/systems/network/index.html
- ^ a b c http://web.archive.org/web/20170619204114/https://ascii.jp/elem/000/000/941/941969/
- ^ a b http://web.archive.org/web/20171213180713/https://www.jpx.co.jp/systems/network/01.html
- ^ JPX Webページ[35]においては直接の記載がないが、同ページ内「東京証券取引所」→「清算」とされているのが日本証券クリアリング機構のシステムとなる
- ^ “野村證券 | Target(証券用語解説集)”. 野村證券株式会社. 2018年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月10日閲覧。
- ^ a b “Targetファーストステップガイド 第 2.1 版”. 2019年10月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月1日閲覧。
- ^ a b “東京証券取引所は、デジタルトランスフォーメーション(DX)にどう対応しているか?:DX時代、従来型企業の情シスが担うべき役割、持つべきスキルとは?”. アイティメディア株式会社. 2019年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月20日閲覧。
- ^ “【お客さまインタビュー】株式会社東京証券取引所 様”. テックファーム株式会社 または テックファームホールディングス株式会社. 2019年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月20日閲覧。
- ^ “人工知能の売買審査業務への適用(日本取引所自主規制法人売買審査部; 2018年3月20日)”. (人工知能学 金融情報学研究会 サイト上で公開). 2019年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月19日閲覧。
- ^ 上場審査基準概要(一部・二部)日本取引所グループ (2018年9月19日閲覧)
- ^ 上場廃止基準(一部・二部)概要日本取引所グループ (2018年9月19日閲覧)
- ^ 現代ビジネス (2011年12月13日). “オリンパスは上場廃止基準に抵触していない?! 上場維持に突き進む東証の不思議な理屈にマスコミも同調。「粉飾でも債務超過でなければセーフ」” (日本語). 週刊現代 (講談社) 2012年11月16日閲覧。
- ^ 二部指定替え基準日本取引所グループ (2018年9月19日閲覧)
- ^ 一部指定基準日本取引所グループ (2018年9月19日閲覧)
- ^ a b 東京証券取引所における新市場機械化システム
- ^ 東証あろーずくん (@tse_pr) - Twitter(公式アカウント)
- ^ 上場会社数・上場株式数
- ^ 東証外国株市場
- ^ 東証外国部を2月に廃止 海外銘柄は1、2部に(47NEWS2004年10月26日 2013年9月26日閲覧)
- ^ a b c d e f “会社概要 - 株式会社 東証システムサービス”. 2013年1月5日閲覧。
- ^ 株式会社東京証券取引所 2014年度有価証券報告書
- ^ a b 株式会社東証システムサービス 第34期決算公告
- ^ a b 沿革 - 株式会社 東証システムサービス
- ^ 「JPXグループ」は株式会社日本取引所グループを中心とする企業集団を指す
- ^ “IT戦略の一端を担い、日本経済の基幹システムを支える「東証システムサービス」の第34期決算”. 起業ログ (2019年7月4日). 2019年5月11日閲覧。
- ^ 無線局免許状情報(総務省電波利用ホームページ)
- ^ 1μW=0.001mW
- ^ 基幹放送普及計画(昭和63年郵政省告示第660号)(総務省電波利用ホームページ)
- ^ リンク切れ: NHKアイテック会社案内 / 同様ページ: http://web.archive.org/web/20130531144038/http://nhkitec.com/images/000header/movie/profile.pdf PDF3ページ最右下部
関連項目編集
外部リンク編集
- 日本取引所グループ(※2019年現在、東京証券取引所が単独で有するWebサイトは存在しない)