第1師団 (陸上自衛隊)

陸上自衛隊の部隊

第1師団(だいいちしだん、JGSDF 1st Division)は、陸上自衛隊師団のひとつ。東部方面隊直轄の地域配備師団であり、司令部東京都練馬区練馬駐屯地に置く。旧陸軍に倣って、頭号(第1)師団は師団司令部を東京に置く師団に付された。

第1師団
創設 1962年(昭和37年)1月18日
所属政体 日本の旗 日本
所属組織 陸上自衛隊
部隊編制単位 師団
兵種/任務/特性 地域配備師団
人員 6,500名(2023年現在) 
所在地 東京 練馬区
編成地 練馬
愛称 頭号師団
上級単位 東部方面隊
担当地域 南関東
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第1師団創立51周年 練馬駐屯地創立62周年記念行事における観閲行進(2013年4月14日)
第1師団司令部(練馬駐屯地・2019年5月19日)

概要 編集

3個普通科連隊を基幹とし、地域配備師団に分類される。第1警備地区(東京神奈川埼玉静岡山梨千葉茨城)の防衛警備、災害派遣を任務とするほか、民生協力及び国際貢献活動を行っている。

師団司令部及び隷下の14個部隊は、東京都(練馬駐屯地朝霞駐屯地立川駐屯地)、埼玉県(大宮駐屯地)、静岡県(板妻駐屯地駒門駐屯地)、山梨県(北富士駐屯地)の1都3県7個駐屯地に配置されている。神奈川県、千葉県、山梨県及び茨城県には第1師団隷下部隊の配置は無く大臣直轄部隊、東部方面隊直轄部隊が配置されている。

かつては箱根駅伝に対する支援を行っていたが現在は中止[1]している。

沿革 編集

第1管区隊 編集

警察予備隊

※編成(第1管区総監部(越中島駐屯地)、同付中隊、第1連隊、第1通信中隊(久里浜駐屯地)、第61連隊、第1施設大隊(豊川駐屯地)、第3連隊、第1衛生大隊、第1武器中隊(高田駐屯地)、第2連隊、第1偵察中隊、第1補給中隊(松本駐屯地)、第5連隊(金沢駐屯地))
  • 6月3日:第1管区総監部久里浜分室が習志野駐屯地に移転[2]
  • 8月7日:第1管区総監部が越中島駐屯地から習志野駐屯地へ移駐[2]
  • 9月25日:第1連隊が久里浜駐屯地から練馬駐屯地へ移駐[2]
  • 11月5日:第1管区総監部・同付中隊が練馬駐屯地に移駐。
  • 12月15日:第1管区総監部、新庁舎落成式[2]

保安隊

  • 1952年(昭和27年)10月15日:保安隊へ移管。
  • 1953年(昭和28年)
    • 3月9日:第61連隊(第2大隊欠)が豊川駐屯地から宇都宮駐屯地に移駐。
    • 3月11日:第3連隊第1大隊・第2大隊が宇都宮駐屯地から名寄駐屯地に移駐し、第2管区隊隷下に編成替え[4]
    • 4月1日:奥羽4県の警備担当が北部方面隊から移管[2]され、第5連隊を隷下に編合。第1管区音楽隊を新編。
  • 1954年(昭和29年)

陸上自衛隊

※陸上自衛隊発足時の警備担当区域は青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県、静岡県[5]
  1. 第2普通科連隊、第5普通科連隊が第6管区総監に隷属。
  2. 第1管区航空隊が第1航空隊に、第1通信中隊が第1通信隊にそれぞれ称号変更。
  • 1956年(昭和31年)11月12日:第1管区隊、第6管区隊による陸上自衛隊初の対抗指揮所演習(栃木県那須野一帯)が実施[7]。人員5,000名、車両900台が参加する(18日まで)[7]
  • 1958年(昭和33年)
    • 3月27日:第2特科群が南仙台駐屯地に移駐し、第6管区隊隷下に編成替え[8]
    • 6月26日:警備区の変更等。
    1. 第10混成団編成により富山、石川、福井の警備担当を第10混成団長へ移管、第14普通科連隊が第10混成団に編成替え。
    2. 新潟の警備担当を第6管区総監から移管[9]、第2普通科連隊を隷下に編合。
  • 1960年(昭和35年)1月14日:方面管区制施行により東部方面隊が創隊し、東部方面総監に隷属。
1960年頃の主要編成
第1・第2・第13普通科連隊、第1特科連隊、第1特車大隊

第1師団 編集

甲師団

※編成(師団司令部、師団司令部付隊、第1・第31・第32・第34普通科連隊、第1特科連隊、第1戦車大隊、第1通信大隊、第1偵察隊、第1対戦車隊等)
  • 1月20日:部隊移駐。
  1. 第34普通科連隊が新町駐屯地から板妻分屯地に移駐。
  2. 第1戦車大隊が相馬原駐屯地から駒門駐屯地に移駐。
  • 2月10日:第1偵察隊が相馬原駐屯地から練馬駐屯地へ移駐。
  • 11月26日:第31普通科連隊が習志野駐屯地から朝霞駐屯地に移駐。
1965年頃の主要編成
第1・第31・第32・第34普通科連隊、第1特科連隊、第1戦車大隊
1990年頃の主要編成
第1・第31・第32・第34普通科連隊、第1特科連隊、第1戦車大隊
  • 1991年(平成03年)3月29日:戦車北転事業の影響により第1戦車大隊第4戦車中隊を廃止。

甲師団(近代化)

  • 1992年(平成04年)3月27日:師団近代化改編。
  1. 第1・第31・第32・第34普通科連隊を自動車化連隊に改編。
  2. 第1武器隊、第1補給隊、第1輸送隊、第1衛生隊を統合し、第1後方支援連隊を新編。
  3. 第1特科連隊第6大隊を第1高射特科大隊として分離独立、師団直轄とする。
  4. 第1偵察隊に電子偵察小隊を新編。
  5. 第1師団司令部付隊に化学防護小隊を新編。

政経中枢師団

  • 2002年(平成14年)
    • 3月27日:甲師団(定員9,000名)から政経中枢師団(定員6,600名)に改編。
    1. 第1・第32・第34普通科連隊の重迫撃砲中隊を廃止し、第5普通科中隊を新編。
    2. 第1化学防護隊を練馬駐屯地で新編。
    3. 第31普通科連隊が武山駐屯地へ移駐し、即応予備自衛官指定部隊(コア部隊)に改編。
    4. 第1特科連隊(駒門駐屯地)を廃止し、第1特科隊に改編され北富士駐屯地へ移駐。
    5. 第1対戦車隊(板妻駐屯地)を廃止。
    • 9月:第34普通科連隊が米国で陸上自衛隊初の日米共同訓練を行う。
  • 2010年(平成22年)3月26日:第1化学防護隊を第1特殊武器防護隊に改編。

即応近代化師団

  • 2011年(平成23年)4月22日:即応近代化師団に改編[11]
  1. 第31普通科連隊を東部方面混成団隷下に編成替え。
  2. 第1・第32・第34普通科連隊に重迫撃砲中隊を再編し、軽装甲機動車を導入。これに伴い定員は6,300名へ削減されたものの、常備自衛官は約760名の増員[11]

地域配備師団

  1. 第1特科隊が廃止[16]第12特科隊と統合され、東部方面特科連隊として新編[17]
  2. 師団司令部に火力調整部が新編[18]
2023年頃の主要編成
第1・第32・第34普通科連隊、第1偵察戦闘大隊

編成・駐屯地 編集

司令部 編集

主要幹部 編集

官職名 階級 氏名 補職発令日 前職
第1師団長 陸将 兒玉恭幸 2021年12月22日 第13旅団
副師団長
兼 練馬駐屯地司令
陸将補 吉田幸一 2023年08月29日 警務隊
幕僚長 1等陸佐 前田尚男 2023年08月29日 西部方面特科隊
湯布院駐屯地司令
火力調整部長 2等陸佐 戸佐政幸 2023年03月16日 第1師団司令部勤務
歴代の第1師団長(前身を含む)
(特記ない限り陸将指定職2号)
氏名 在任期間 出身校・期 前職 後職 備考
第1管区総監
01 吉田忠一
警察監[19]
1950.12.29 - 1953.12.21 東京帝国大学 埼玉県副知事
→1950.12.1 警察監任命[20]
(東京管区総監)
退職[21]
02 筒井竹雄
保安監
1953.12.22 - 1954.6.30 東京帝国大学 第4管区総監 陸上幕僚長
03 大森寛 1954.7.1 - 1957.8.1 東京帝国大学 第3管区総監 陸上幕僚副長
04 中野敏夫 1957.8.2 - 1959.3.16 東京帝国大学 陸上自衛隊幹部学校 退職
05 高山信武 1959.3.17 - 1960.7.31 陸士39期・
陸大47期
統合幕僚会議事務局長 北部方面総監
06 宮崎舜市 1960.8.1 - 1962.1.17 陸士40期・
陸大51期
陸上幕僚監部第5部長 第1師団長
第1師団長
01 宮崎舜市 1962.1.18 - 1962.3.11 陸士40期・
陸大51期
第1管区総監 北部方面総監
02 安崎操 1962.3.16 - 1963.3.15 陸士40期・
陸大50期
陸上自衛隊富士学校
兼 富士駐とん地司令
東北方面総監
03 野尻徳雄 1963.3.16 - 1964.3.15 陸士41期・
砲工38期
第10師団長 東部方面総監
4 藤原岩市 1964.3.16 - 1965.7.15 陸士43期・
陸大50期
第12師団長 陸上幕僚監部付
→1966.1.1 退職
05 橋本正勝 1965.7.16 - 1968.3.15 陸士45期・
陸大53期
第2師団長 北部方面総監
06 渡邊博 1968.3.16 - 1969.6.30 陸士46期・
陸大56期
第2師団長 中部方面総監
07 齊藤春義 1969.7.1 - 1970.6.30 陸士48期・
陸大56期
第7師団長 北部方面総監
08 古川義道 1970.7.1 - 1971.6.30 陸士48期・
陸大56期
第13師団長 退職
09 中島直臣 1971.7.1 - 1973.3.15 陸士50期・
陸大58期
陸上自衛隊高射学校
兼 下志津駐とん地司令
西部方面総監
10 近藤清 1973.3.16 - 1974.6.30 陸士52期 第5師団長 西部方面総監
11 赤森伸治 1974.7.1 - 1976.6.30 陸士53期・
陸大60期
陸上自衛隊調査学校長 退職
12 味岡義一 1976.7.1 - 1977.6.30 陸士54期・
陸大60期
第8師団長 退職
13 酒井次武 1977.7.1 - 1978.7.27 陸士56期 陸上自衛隊施設学校
兼 勝田駐とん地司令
退職
14 遠藤健 1978.7.28 - 1980.3.16 陸士57期 陸上自衛隊施設学校長
兼 勝田駐とん地司令
退職
15 小林正信 1980.3.17 - 1982.6.30 陸士59期・
関西大学
昭和24年卒
第1空挺団長
兼 習志野駐とん地司令
退職
16 亀井輝 1982.7.1 - 1984.6.30 海兵75期 陸上自衛隊幹部候補生学校
前川原駐屯地司令
陸上自衛隊富士学校長
富士駐屯地司令
17 大河内眞一郎 1984.7.1 - 1986.3.16 山梨大学
昭和26年卒
陸上自衛隊少年工科学校 退職
18 山本英一 1986.3.17 - 1987.7.6 早稲田大学
昭和29年卒
陸上自衛隊富士学校副校長 陸上自衛隊富士学校長
兼 富士駐屯地司令
19 水野智之 1987.7.7 - 1990.3.15 防大1期 西部方面総監部幕僚長
健軍駐屯地司令
退職
20 冨澤暉 1990.3.16 - 1991.3.15 防大4期 陸上幕僚監部教育訓練部長 陸上幕僚副長
21 澤田憲一 1991.3.16 - 1993.3.23 防大3期 陸上自衛隊幹部候補生学校長
兼 前川原駐屯地司令
退職
22 田中賢一 1993.3.24 - 1994.6.30 防大4期 陸上自衛隊富士学校副校長 退職
23 杉田明傑 1994.7.1 - 1997.3.25 防大7期 東北方面総監部幕僚長
仙台駐屯地司令
退職
24 石飛勇次 1997.3.26 - 1998.6.30 防大10期 陸上幕僚監部装備部長 陸上自衛隊富士学校長
兼 富士駐屯地司令
25 福田忠典 1998.7.1 - 2001.1.10 防大11期 陸上自衛隊幹部候補生学校長
兼 前川原駐屯地司令
陸上自衛隊富士学校長
兼 富士駐屯地司令
26 渡邊元旦 2001.1.11 - 2002.3.21 防大14期 北部方面総監部幕僚長
札幌駐屯地司令
統合幕僚会議事務局長
27 青木勉 2002.3.22 - 2003.12.4 防大14期 陸上自衛隊幹部候補生学校長
兼 前川原駐屯地司令
陸上自衛隊幹部学校長
目黒駐屯地司令
28 矢澤昌志 2003.12.5 - 2006.3.26 防大15期 中部方面総監部幕僚長
伊丹駐屯地司令
退職
29 三田克巳 2006.3.27 - 2007.3.27 防大18期 東北方面総監部幕僚長
兼 仙台駐屯地司令
陸上自衛隊幹部学校長
兼 目黒駐屯地司令
30 武田正徳 2007.3.28 - 2008.7.31 生徒12期・
法政大学
昭和49年卒
陸上自衛隊高射学校長
下志津駐屯地司令
退職
31 渡邊隆 2008.8.1 - 2009.12.6 防大21期 陸上幕僚監部教育訓練部長 統合幕僚学校
32 中川義章[22] 2009.12.7 - 2011.4.26 東京大学
昭和53年卒[23]
中部方面総監部幕僚長
兼 伊丹駐屯地司令
陸上自衛隊研究本部
33 湖崎隆 2011.4.27 - 2012.3.29 防大21期 北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐屯地司令
退職
34 反怖謙一 2012.3.30 - 2014.3.28 防大23期
35 永井昌弘 2014.3.29 - 2016.3.22 防大25期 西部方面総監部幕僚長
兼 健軍駐屯地司令
36 西浩德 2016.3.23 - 2017.3.26 防大28期 第13旅団長 陸上自衛隊幹部学校長
兼 目黒駐屯地司令
37 柴田昭市[24] 2017.3.27 - 2018.7.31 防大29期 第14旅団長 防衛装備庁長官官房装備官
38 竹本竜司[25] 2018.8.1 - 2019.8.22 生徒26期・
防大31期
第11旅団 陸上幕僚副長
39 大庭秀昭 2019.8.23 - 2021.12.21 防大30期 北部方面総監部幕僚長
兼 札幌駐屯地司令
退職
40 兒玉恭幸 2021.12.22 - 防大33期 第13旅団長

脚注 編集

  1. ^ 現在は予選会場の一部として隷下の第1飛行隊が駐屯する立川駐屯地を提供
  2. ^ a b c d e f g h 『自衛隊年表』防衛庁長官官房広報課、1962年。 
  3. ^ 『第一管区隊史 保安隊編』保安隊第一管区総監部、1958年。 
  4. ^ 第3普通科連隊の沿革
  5. ^ 自衛隊法施行令(昭和29年政令第179号)『官報』号外第63号(昭和29年6月30日)
  6. ^ 管区隊の増置に伴う方面隊及び管区隊の警備区域の特例に関する政令(昭和29年政令第255号)『官報』本紙第8300号(昭和29年9月1日)
  7. ^ a b 朝雲新聞社編集局 監修・陸上幕僚監部『陸上自衛隊20年年表』朝雲新聞社、1971年。 
  8. ^ 陸自第六管区総監部隊史編纂室編『第六管区隊史・昭和33年度』陸自第六管区総監部、1959年。 
  9. ^ 自衛隊法施行令の一部を改正する政令(昭和33年政令第166号)『官報』本紙第9431号(昭和33年6月3日)
  10. ^ 防衛庁告示 第9号『官報』本紙第10521号(昭和37年1月18日)
  11. ^ a b 「陸自改編 1、2師団など近代化 北、東方に方面混成団」朝雲新聞(2011年4月22日付)
  12. ^ 戦車を保有しない第12旅団の機動旅団化に伴い、同旅団の即応機動連隊の機動戦闘車隊に改組・移駐予定
  13. ^ 朝霞駐屯地における第1戦闘偵察大隊等の新編について2020年10月、防衛省
  14. ^ “北・東富士の全域を使用した訓練検閲”. 陸上自衛隊東部方面隊広報紙「あづま」令和3年7月25日 第1038号. (2021年7月25日). https://www.mod.go.jp/gsdf/eae/contents/img/aduma/pdf/aduma_1038.pdf 2021年7月29日閲覧。 
  15. ^ 陸上自衛隊 第1師団 [@1D_nerima] (2022年3月18日). "【編成完結式】". X(旧Twitter)より2022年3月20日閲覧
  16. ^ 自衛隊法施行令及び防衛省の職員の給与等に関する法律施行令の一部を改正する政令(令和5年政令第48号)官報本紙第934号(2023年3月10日)2023年3月16日閲覧
  17. ^ 防衛省発令 (令和5年3月16日付、1佐職人事) - 防衛省(2023年3月16日、同日閲覧)
  18. ^ 陸上総隊司令部、方面総監部、師団司令部及び旅団司令部組織規則の一部を改正する省令(令和5年防衛省令第1号。令和5年3月16日施行)官報本紙第935号、2023年3月13日
  19. ^ 警察監で就任、保安隊に改編時に階級呼称を保安監に改称。
  20. ^ 『官報』本紙 第7369号(昭和26年8月2日)
  21. ^ 1952年(昭和27年)及び1953年(昭和28年)に豊島分屯隊及び練馬部隊の炊事員等が糧米を窃取した事件の監督責任による辞職(1954年(昭和29年)4月1日衆議院内閣委員会での木村篤太郎保安庁長官の答弁より)。
  22. ^ マサチューセッツ工科大学大学院。
  23. ^ 78幹候(防大22期相当)
  24. ^ 博士(工学)(東京工業大学大学院)
  25. ^ 博士(工学)(筑波大学大学院)

関連項目 編集

外部リンク 編集