藤本憲明

日本のサッカー選手

藤本 憲明(ふじもと のりあき、1989年8月19日 - )は、大阪府富田林市出身のプロサッカー選手Jリーグ鹿児島ユナイテッドFC所属。ポジションはフォワード。マネジメント会社はエースポーツクリエイション[3]

藤本 憲明
名前
愛称 ノリ[1]
カタカナ フジモト ノリアキ
ラテン文字 FUJIMOTO Noriaki
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1989-08-19) 1989年8月19日(34歳)
出身地 大阪府富田林市[1]
身長 175cm[2]
体重 69kg[2]
選手情報
在籍チーム 日本の旗 鹿児島ユナイテッドFC
ポジション FW
背番号 10
利き足 右足
ユース
2005-2007 青森山田高校
2008-2011 近畿大学
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2012-2015 SP京都FC 93 (23)
2016-2017 鹿児島ユナイテッドFC 57 (39)
2018-2019 大分トリニータ 47 (20)
2019-2022 ヴィッセル神戸 47 (7)
2021 清水エスパルスloan 9 (1)
2023- 鹿児島ユナイテッドFC 32 (5)
1. 国内リーグ戦に限る。2024年2月3日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

経歴 編集

学生時代 編集

小中学校時代をガンバ大阪の下部組織で過ごした後、2005年青森山田高校に進学。同期には三浦修がいた。高校3年次に右サイドバックのレギュラーとして第86回全国高等学校サッカー選手権大会に出場を果たす。その後は近畿大学でプレーした。

社会人時代 編集

2012年に当時JFLに所属した佐川印刷SC(2014年に佐川印刷京都SC、2015年SP京都FCに改名)に新加入。アマチュア選手として午前は練習、午後はの包装作業に携わりながらプレーを続けた[4]。3年目の2014年にステージ優勝を経験。翌2015年にはリーグ戦9得点をマークし、加藤大樹と並びチーム得点王となるなど[5] 活躍を続けていたが、同年10月にチームが同年限りでの活動休止を発表[6]。移籍の選択を迫られた。

鹿児島ユナイテッドFC(第1次) 編集

2016年J3リーグに参入する鹿児島ユナイテッドFCからオファーが届き、SP京都でのチームメイトであった山岡哲也麻生瞬と共に鹿児島に完全移籍した。同年は15得点を記録し、後藤優介大分)と1点差でJ3得点王を獲得[7]。また同年末に開催されたJリーグアウォーズでは、J3部門のMYアウォーズ・ベストイレブンに選出された[8]2017年は副キャプテンに就任[9]。2月のニューイヤーカップにてJ1ジュビロ磐田と対戦し、先制点となるゴールを記録。試合後、磐田監督の名波浩からは「上のカテゴリーでも十分通用する」との評価を受けた[10]。リーグ開幕後も好調を維持し、2度のハットトリックを達成するなど24得点を記録、2年連続でJ3得点王を獲得した。

大分トリニータ 編集

2018年、得点力のあるストライカーを求めていた[11]J2大分トリニータに完全移籍[12]。開幕戦・栃木SC戦でJ2初得点をマークした[13] が、その後は無得点が続き、第5節以降は先発メンバーに定着できない日々が続いた[14]。第19節・松本山雅FC戦で15試合振りに先発復帰を果たすと以降は能力を発揮し[14]、9月には第32節・ロアッソ熊本戦 - 第35節・水戸ホーリーホック戦と4試合連続で得点するなど6得点(うち4得点は途中出場からの得点)を挙げた[15]。最終的に馬場賢治と並びチーム内得点王となる12得点を挙げ、大分の6年ぶりのJ1昇格に貢献した[16]

個人として初のJ1挑戦となった2019年シーズンは開幕戦・鹿島アントラーズ戦で2得点を挙げて勝利に貢献。2017年の鹿児島時代を合わせて、「異なるカテゴリ(J3・J2・J1)で3年連続開幕戦ゴール」、さらには2014年の佐川印刷京都時代を含めると「4カテゴリ(JFL・J3・J2・J1)で開幕戦ゴール」を挙げるという快挙を達成した[17]。その後も得点を重ね、3月までのリーグ戦計5試合で最多の5得点を記録し、2・3月度の月間MVPを受賞した。月間MVPの選考委員の一人である原博実からは選考理由として「ゴール前でのポジション取りの巧みさ、多彩なシュートの種類。何より決定力が素晴らしい」とコメントされている[18]。その後は得点ペースが落ち着いたが、第21節・サガン鳥栖戦までのリーグ戦全試合に出場し、チーム2位の8得点を記録した。

ヴィッセル神戸 編集

2019年8月7日、10日前にオファーを受けたヴィッセル神戸に完全移籍で加入[19][20]。加入直後の負傷[21]もあり、出場機会は決して多くなかったが、怪我人続出で巡ってきた11月20日、第33節の鹿島戦で移籍後初ゴールを記録[22]。翌年1月1日の天皇杯決勝・鹿島戦では国立競技場開場後最初の得点者となるなど全得点に絡む活躍を見せ、チームの初タイトル獲得に貢献した[23]

清水エスパルス 編集

2021年8月10日、清水エスパルスに期限付き移籍[24]。9月18日のJ1第29節・仙台戦にて移籍後初得点をマークした[25]

ヴィッセル神戸復帰 編集

2022年に神戸に復帰。前年加入したボージャン・クルキッチが背番号9を使用していた為、背番号はFC岐阜へ移籍した田中順也が使用していた21番となった。同年3月10日のトレーニング中に負傷、右大腿直筋近位腱断裂と診断され長期離脱となった[26]。9月3日の第28節・京都戦で公式戦復帰を果たすもその後は公式戦2試合の出場にとどまり、同シーズン限りで契約満了となった[27]

鹿児島ユナイテッドFC(第2次) 編集

2023年1月24日、Jリーグ選手としてのキャリアをスタートさせた鹿児島ユナイテッドFCへ完全移籍で加入することが発表された[28]。6シーズンぶりの復帰となる。

人物・エピソード 編集

  • 2012年の佐川印刷SC加入以降から2018年シーズン終了に至るまで、公式戦では全てPKを成功させている。この事についてインタビューで「本番に強いというか、持っているというか。試合になればゾーンに入る。集中力が研ぎ澄まされる感じ。強い相手になればなるほど燃える」と語っている[29]。また、理想のゴールを尋ねられた際には「簡単に得点できるから」という理由からPKと回答している[30]。2020年に行われたAFCチャンピオンズリーグ準々決勝・水原三星ブルーウィングス戦でも、PK戦で最後にしっかりと決めてチームの準決勝進出に貢献した[31]
  • アマチュア(SP京都)からプロになりトップリーグ(ヴィッセル神戸)に辿り着いたという経歴が、7部・8部相当のクラブを経てイングランド代表に上り詰めたジェイミー・ヴァーディと一部から比較され、「日本のヴァーディ」と呼ぶ声もある[32]
  • 大分トリニータ時代「Love Trinita(ラブトリニータ)」という意味を込めた、右手の人差し指と親指で「L」を作り、左手はその逆の形で「T」を作るポーズをゴールパフォーマンスとして披露していた[33]。ヴィッセル神戸への移籍後は左右の手の形を入れ替え、名前のイニシャルを意味する「Nポーズ」をゴールパフォーマンスとして行っている[34][35]

所属クラブ 編集

個人成績 編集

太字はシーズン最多

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 リーグ杯オープン杯 期間通算
出場得点 出場得点出場得点 出場得点
日本 リーグ戦 リーグ杯天皇杯 期間通算
2012 佐川印刷
佐川印刷京都
SP京都
24 JFL 19 0 - - 19 0
2013 9 25 6 - 2 1 27 7
2014 21 8 - - 21 8
2015 28 9 - - 28 9
2016 鹿児島 J3 27 15 - 1 2 28 17
2017 30 24 - 2 1 31 25
2018 大分 10 J2 26 12 - 1 0 27 12
2019 J1 21 8 1 0 0 0 22 8
神戸 9 7 1 - 3 2 10 3
2020 28 6 1 0 - 29 6
2021 9 0 6 0 2 0 17 0
清水 24 9 1 - - 9 1
2022 神戸 21 3 0 0 0 1 0 4 0
2023 鹿児島 24 J3 32 5 - 1 1 33 6
2024 10 J2
通算 日本 J1 77 16 8 0 6 2 91 18
日本 J2 26 12 - 1 0 27 12
日本 J3 89 44 - 4 4 93 48
日本 JFL 93 23 - 2 1 95 24
総通算 285 95 8 0 13 7 306 102
その他の公式戦
  • 2014年
    • JFLチャンピオンシップ 2試合0得点
国際大会個人成績
年度 クラブ 背番号 出場 得点
AFCACL
2020 神戸 9 6[注釈 1] 0
2022 21 0 0
通算 AFC 6 0

タイトル 編集

クラブ 編集

青森山田高校
SP京都FC
鹿児島ユナイテッドFC
ヴィッセル神戸

個人 編集

  • J1リーグ 月間MVP:1回(2019年2月・3月)
  • J3リーグ 得点王:2回(2016年2017年
  • J3リーグ MYアウォーズ ベストイレブン:1回(2016年)

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 実際には計7試合に出場したが、第1節のジョホール・ダルル・タクジムFC戦が無効試合となった。

出典 編集

  1. ^ a b 鹿児島U総選挙 第1位/藤本憲明選手の素顔…”. Felia. 南日本新聞 (2017年8月30日). 2019年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月2日閲覧。
  2. ^ a b 藤本 憲明:大分トリニータ”. 日本プロサッカーリーグ (2019年2月1日). 2019年2月3日閲覧。
  3. ^ 藤本憲明 【FW】”. エースポーツクリエイション株式会社. 2018年9月13日閲覧。
  4. ^ “開幕白星の大分に29歳の“新星” 高校後輩の柴崎岳に「覚えてる?」”. 西日本スポーツ (西日本新聞社). (2019年2月23日). オリジナルの2019年8月2日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/oehZ5 2019年8月2日閲覧。 
  5. ^ 第17回 日本フットボールリーグ(2015) 得点ランキング”. 日本フットボールリーグ (2015年11月15日). 2018年10月1日閲覧。
  6. ^ SP京都FCの今季限りでのJFL退会が決定”. ゲキサカ (2015年10月29日). 2018年6月25日閲覧。
  7. ^ 藤本 憲明(鹿児島)がJ3得点王を獲得【明治安田J3】”. 日本プロサッカーリーグ (2016年11月21日). 2018年10月23日閲覧。
  8. ^ MYアウォーズ 結果発表”. 日本プロサッカーリーグ (2016年12月). 2018年10月23日閲覧。
  9. ^ J3鹿児島の新シーズン主将はMF赤尾公に決定”. ゲキサカ. 講談社 (2017年2月6日). 2018年10月23日閲覧。
  10. ^ 名波浩監督に認められたストライカー、藤本憲明が大分トリニータに完全移籍”. サカノワ (2017年12月29日). 2018年6月25日閲覧。
  11. ^ トリニータ 積極的な補強で戦力アップ J1昇格へのビジョンを探る”. オー!エス!. 大分合同新聞,テレビ大分 (2018年1月19日). 2018年6月25日閲覧。
  12. ^ 藤本憲明選手 鹿児島ユナイテッドFCより完全移籍加入のお知らせ』(プレスリリース)大分トリニータ、2017年12月28日http://www.oita-trinita.co.jp/news/20171238961/2017年12月28日閲覧 
  13. ^ “因縁カード”は大分に軍配! 4発猛攻でリベンジ狙う栃木を返り討ち”. ゲキサカ(講談社) (2018年2月25日). 2018年9月11日閲覧。
  14. ^ a b 【大分 vs 京都】 ウォーミングアップコラム:覚醒した点取り屋・藤本憲明。5戦連発ゴールでチームを5連勝に導く”. J's GOAL (2018年10月6日). 2018年11月18日閲覧。
  15. ^ 37分に1ゴール。得点を量産する大分・藤本憲明は「努力は全然したことがない」”. ブロゴラ. スクワッド (2018年10月27日). 2019年1月16日閲覧。
  16. ^ 大分FW藤本が残留決定、JFLから悲願のJ1初挑戦へ!「目標は噛まずにデジっちをやり遂げること」”. ゲキサカ. 講談社 (2018年12月7日). 2019年1月16日閲覧。
  17. ^ “6年ぶりJ1昇格の大分で“珍記録” 10番・藤本がJ3、J2、J1で3年連続開幕弾”. スポーツニッポン. (2019年2月23日). オリジナルの2019年8月2日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/256aX 2019年8月2日閲覧。 
  18. ^ J1受賞者 大分トリニータ FW10藤本 憲明”. 日本プロサッカーリーグ (2019年4月11日). 2019年4月12日閲覧。
  19. ^ 「チーム愛がない」「評価を求めて当然」賛否両論の神戸移籍に、藤本憲明が抱いた葛藤とは?”. 2022年5月5日閲覧。
  20. ^ FW藤本憲明選手が大分トリニータより完全移籍加入のお知らせ』(プレスリリース)ヴィッセル神戸、2019年8月7日https://www.vissel-kobe.co.jp/news/article/16508.html2019年8月7日閲覧 
  21. ^ https://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/n-00141452/
  22. ^ 移籍後初先発の神戸FW藤本憲明、鮮烈1G1Aもアクシデントで交代 ゲキサカ(2019年12月7日)2019年12月7日閲覧。
  23. ^ 新国立競技場での初ゴールを決めた神戸の藤本…笑顔で「もってます!」”. サッカーキング (2020年1月1日). 2020年1月4日閲覧。
  24. ^ 藤本 憲明選手(ヴィッセル神戸) 期限付き移籍にて加入決定のお知らせ』(プレスリリース)清水エスパルス、2021年8月12日https://www.s-pulse.co.jp/news/detail/477412021年8月12日閲覧 
  25. ^ 「らしさ全開!」清水・藤本憲明、泥臭く追いまくって移籍後初ゴール!! 9試合ぶりの白星に導く追加点に”. サッカーダイジェストWeb. 日本スポーツ企画出版社 (2021年9月18日). 2022年11月11日閲覧。
  26. ^ 神戸のFW藤本憲明、右大腿直筋近位腱断裂で手術実施…全治は約6〜7カ月”. 2022年5月5日閲覧。
  27. ^ FW藤本憲明選手 契約満了のお知らせ』(プレスリリース)ヴィッセル神戸、2022年10月30日https://www.vissel-kobe.co.jp/news/article/20732.html2022年10月31日閲覧 
  28. ^ 藤本 憲明 選手 ヴィッセル神戸より完全移籍加入のお知らせ”. 鹿児島ユナイテッドFC (2023年1月24日). 2023年1月24日閲覧。
  29. ^ 「おれ、失敗しないので」“ストライカーX”藤本憲明のPKに注目!”. サッカーダイジェストWeb. 日本スポーツ企画出版社 (2019年5月11日). 2019年5月11日閲覧。
  30. ^ 大分FW藤本憲明、その得点力の真髄。ゴールゲッター出世の3要素、確信に満ちた8割の無駄【西部の目】”. FOOTBALL CHANNEL (2019年4月19日). 2019年5月11日閲覧。
  31. ^ 神戸PK7ー6劇勝!水原破り4強/ACL準々決勝詳細日刊スポーツ 2020年12月11日
  32. ^ 絶好調の大分FW藤本、彼のシンデレラストーリーが熱い”. ゴラッソ (2019年3月18日). 2019年5月22日閲覧。
  33. ^ 29歳でブレイクした”日本のヴァーディ”!藤本憲明が好調の要因やゴールパフォの意味を激白”. サッカーダイジェストWeb. 日本スポーツ企画出版社 (2019年3月30日). 2019年5月22日閲覧。
  34. ^ “元日新国立”の主役となった神戸FW藤本「持ってると思います」”. ゲキサカ. 講談社 (2020年1月1日). 2020年1月19日閲覧。
  35. ^ 本人公式アカウントのツイートより”. Twitter (2020年1月18日). 2020年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月19日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集