読売新聞社杯全日本選抜競輪

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読売新聞社杯全日本選抜競輪(よみうりしんぶんしゃはいぜんにほんせんばつけいりん)は毎年2月下旬(あるいは2月8日~ 2月11日)に開かれる競輪GI競走であり、略称としては全日本選抜競輪全日本選抜がある。

読売新聞社杯全日本選抜競輪
概要
開催時期 2月(2011年までは8月上旬)
開催地域 持ち回り
愛称 全日本選抜
分野 競輪
カテゴリー GI
形態 4日間トーナメント
主催者 持ち回り
歴史
初回開催年 1985年
開催回数 39回(2024年)
初代優勝者 佐々木昭彦
最多優勝者 山崎芳仁(3回)
直近優勝者 郡司浩平(2024年)
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概要 編集

本大会は競輪の売上回復の起爆剤として、1951年から1968年まで開催された「全国都道府県対抗争覇競輪(のち全国都道府県選抜競輪に改称)」を参考に、1985年に当時5番目の特別競輪として創設された。ただ、かつて開催されていた「全国都道府県選抜競輪」では、開催予定であった第26回大会(1969年)が開催地として予定していた甲子園競輪場の地元住民の反対によって開催10日前に急遽中止となっただけでなく、そのまま大会自体が廃止となった経緯があり、本大会を復活させる際には様々な議論がなされた。

特別競輪(現在のGI)相当のビッグレースがそれまで存在しなかった夏季に主として避暑地の地方都市を舞台に開催することを目指して発足し、1985年の第1回より「全日本選抜競輪」という名称で開催された。そのため、冬季の開催となった現在に至るまでGI競走の中では寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントと同様に地方都市での開催が多いのが特徴であり、開催地が決定している2024年の第39回大会に至るまで、開催地は青森競輪場での5回が最多である[注 1]

当初は6日制だったが、1996年の第12回から4日制に短縮されている。また、2001年度から実施された競輪の番組制度改革に伴い、2001年の第17回から以下のように変更された。

  • 開催時期がそれまでの7月下旬 - 8月上旬の間から11月に変更。
    • 年末開催になったことにより、KEIRINグランプリ出場の事実上の最終選考会的な要素(優勝者は自動的に同レースに出走できる)が含まれるようになった。
  • 読売新聞社から社杯が授与されるようになり、それに伴い開催名称が現在の名称に変更された。
  • 本大会の出場選定方法も見直され、ふるさとダービー (4月、6月、8月の3回にわたって地方都市競輪場で開催)の各決勝戦に勝ち上がった9選手(計27選手)がシードされ、そのうち上位入賞3選手(計9選手)が特別選抜予選(2次予選に自動的に勝ち上がり)へ出場できるようになった。

2005年の第21回から開催時期が12月に変更され、さらに2005年度よりふるさとダービーが全日本選抜競輪のトライアル競走ではなくなった[1]ため、ふるさとダービーの各決勝戦上位入賞3選手が特別選抜予選にシードされるシステムはわずか4年で廃止された。

2009年の第25回から本大会の開催時期が8月に移行し、以前のような夏季開催が復活した[2]。これにより、本大会はKEIRINグランプリへの最終選考会的な要素が含まれなくなった。

2012年度から、特別競輪(GII以上)のレース体系の再見直しによる日程のバランス調整のため、開催時期を年度末の2月に再変更し2008年以来の冬季開催となり、現在に至る。なお、2012年度の大会は2013年2月開催だったため、2012年の同大会は日程調整上行わなかった[3]

第36回大会(2021年)では、COVID-19の影響で当初は入場制限を行った上で開催される予定だったが、緊急事態宣言が延長された事もあり無観客での開催に変更となった[4]。また、第37回大会(2022年)は前年度同様の影響で事前抽選を行って当選者のみ取手本場に入場可能となった[注 2]。なお、第38回大会(2023年)では当初高知本場の滞留人数を最大4,593名[注 3]とする予定だったが、2月15日に撤廃された。なお、競輪のGI開催で入場制限が設けられなかったのは2020年同大会以来となった。

第39回大会(2024年)では、1月1日より発生した令和6年能登半島地震を受け、令和6年能登半島地震復興支援競輪として実施された。

賞金 編集

優勝賞金は、2020年第35回大会では本賞金が2850万円に増額されたため、副賞込みで3040万円となった[5]が、2021年第36回大会では副賞が減額された(逆に2着・3着は増額)ため再び3000万円となった[6]2022年第37回大会以降は優勝賞金は毎年増額されており、2024年第39回大会では4000万円となった(いずれも副賞込み)。

以下は、近年の決勝戦における各着順の賞金額。( )内は副賞(1〜3着に授与)を含んだ金額。

大会(年) 1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着
第35回(2020年)[7] 2,850万円(3,040万円[8] 1,467万円(1,507万円[8] 957万円(981万円[8] 693万円 570万円 478万円 387万円 356万円 336万円
第36回(2021年)[9] 2,850万円(3,000万円[6] 1,467万円(1,527万円[6] 957万円(991万円[6]
第37回(2022年)[10] 2,993万円(3,213万円[11] 1,540万円(1,580万円[11] 1,005万円(1,029万円[11] 728万円 599万円 502万円 406万円 374万円 353万円
第38回(2023年)[12] 3,442万円(3,642万円[13] 1,771万円(1,811万円[13] 1,158万円(1,180万円[13] 837.2万円 688.9万円 577.3万円 466.9万円 430.1万円 406.0万円
第39回(2024年)[14] 3,800万円(4,000万円[15][16] 1,969万円(2,009万円[16] 1,270.3万円(1,294.3万円[16] 913.9万円 743.0万円 619.2万円 516.0万円 473.4万円 446.6万円

出場選手選抜方法 編集

読売新聞社杯全日本選抜競輪の出場選手は、各都道府県において最も成績を残している選手を中心に選抜される。毎回若干変更・修正されるものの、概ね以下の資格順位により正選手108名、補欠選手8名を選抜する[17]

  • 選考期間…前年6月~11月(6ヶ月)、選考月…12月、最低出走回数…24出走(但し変更になる可能性がある)
  1. S級S班在籍者
  2. 過去3回以上優勝した者(開催時S級1班所属が条件)
  3. 開催時S級1班在籍選手のうち47都道府県それぞれにおいて平均競走得点1位の者
    ただし、選考時において1年以上同じ都道府県に在籍している選手に限る
    また、S級1班が不在の都道府県からは誰も選出しない
  4. 全国を8つに分けた地区[注 4]毎の平均競走得点1〜3位の者
  5. 選手選考対象期間において2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S級1班所属が条件)
  6. 残余は平均競走得点上位者より順次選抜

なお、補欠選手は正選手を除く平均競走得点上位者からさらに順次選抜される。

また、正選手のうち、S級S班在籍者と平均競走得点上位者の合計27名については、特別選抜予選に出走できる。

勝ち上がり方式 編集

初日〜4日目すべて12レース[19]

 優秀  初日 0002日目000 0003日目000 最終日
STR賞(1) 準決勝(3)
特選予選(3) 二次予選(6) 00決勝(1)00
一次予選(9)
敗者戦 00-00 (5) (9) (11)
  • 初日
「一次予選」 合計9レース行われ、各レース1〜4着36名が「二次予選」進出。
「特別選抜予選」 一次予選の後に合計3レース行われ、各レース1〜3着9名は無条件で2日目の「スタールビー賞」と、3日目の「準決勝」進出権利が同時に得られる。4〜9着18名は「二次予選」進出。
  • 2日目
「二次予選」 合計6レース行われ、各レース1〜3着18名が「準決勝」進出。
「スタールビー賞」 二次特別選抜予選として、最終レースに行われる。失格にならない限り、9名全員が「準決勝」進出。
  • 3日目
「準決勝」 後半3レース。各レース1〜3着9名が「決勝」進出。
  • 4日目(最終日)
「決勝」 最終レース。上位3着は表彰式で表彰台に上がることができる。また、優勝者には優勝インタビューやウイニングランなどが執り行われる。
「特別優秀」 「決勝」前の合計2レース。「準決勝」各レース4〜6着9名と、二次予選敗退選手による3日目「特選」各レース1〜3着9名の18名により行われる。

その他、2日目以降に予選敗退者を対象とした「特一般」(2日目)、「一般」、「選抜」、「特選」(3日目以降)が開催される。

過去 編集

二次特別選抜予選「スタールビー賞」は、1994年(第10回大会)に限り、共同通信社提供による「共同通信社杯ルビーカップ」として行われた。また、2007年(第23回大会)までは、初日の「特別選抜予選」4〜6着9名が2日目の「優秀」に進み、そこでの6着までが準決勝進出となった。

過去の優勝者 編集

開催年 開催場 優勝者 府県 STR賞勝者
01 1985年(昭和60年) 前橋 佐々木昭彦 41佐賀) 滝澤正光
02 1986年(昭和61年) 熊本 井上茂徳 井上茂徳
03 1987年(昭和62年) 京都向日町 滝澤正光 12千葉) 中野浩一
04 1988年(昭和63年) 青森 中野浩一 40福岡) 坂本勉
05 1989年(平成元年) 前橋
06 1990年(平成02年) 青森 井上茂徳 41佐賀) 井上茂徳
07 1991年(平成03年) 久留米 鈴木誠 12千葉) 滝澤正光
08 1992年(平成04年) 岸和田 梶応弘樹 38愛媛) 坂本勉
09 1993年(平成05年) 青森 高木隆弘 14神奈川) 吉岡稔真
10 1994年(平成06年) 大垣 高橋光宏 10群馬) 神山雄一郎
11 1995年(平成07年) 青森 神山雄一郎 09栃木) 俵信之
12 1996年(平成08年) 宇都宮 海田和裕 24三重) 神山雄一郎
13 1997年(平成09年) いわき平 児玉広志 37香川)
14 1998年(平成10年) 青森 山田裕仁 21岐阜) 市田佳寿浩
15 1999年(平成11年) 大垣 吉岡稔真 40福岡) 金田健一郎
16 2000年(平成12年) 名古屋 金古将人 07福島) 伊藤保文
17 2001年(平成13年) 花月園 濱口高彰 21岐阜) 太田真一
18 2002年(平成14年) 岸和田 村上義弘 26京都) 松本整
19 2003年(平成15年) 高知 佐藤慎太郎 07福島) 有坂直樹
20 2004年(平成16年) 大垣 内林久徳 25滋賀) 齋藤登志信
21 2005年(平成17年) 岸和田 加藤慎平 21岐阜) 小野俊之
22 2006年(平成18年) いわき平 合志正臣 43熊本) 神山雄一郎
23 2007年(平成19年) 熊本 山崎芳仁 07福島) 佐藤友和
24 2008年(平成20年) 西武園 三宅伸 33岡山) 荒井崇博
25 2009年(平成21年) 大垣 山崎芳仁 07福島) 井上昌己
26 2010年(平成22年) 宇都宮 佐藤友和 03岩手) 成田和也
27 2011年(平成23年) 岸和田 伏見俊昭 07福島) 佐藤慎太郎
28 2013年(平成25年) 松山 平原康多 11埼玉) 深谷知広
29 2014年(平成26年) 高松 村上博幸 26京都) 松岡健介
30 2015年(平成27年) 静岡 山崎芳仁 07福島) 新田祐大
31 2016年(平成28年) 久留米 渡邉一成 諸橋愛
32 2017年(平成29年) 取手 平原康多 11埼玉) 武田豊樹
33 2018年(平成30年) 四日市 新田祐大 07福島) 諸橋愛
34 2019年(平成31年) 別府 中川誠一郎 43熊本) 松浦悠士
35 2020年(令和2年) 豊橋 清水裕友 35山口) 和田健太郎
36 2021年(令和3年) 川崎 郡司浩平 14神奈川) 郡司浩平
37 2022年(令和4年) 取手 古性優作 27大阪) 平原康多
38 2023年(令和5年) 高知 古性優作
39 2024年(令和6年) 岐阜 郡司浩平 14神奈川) 東口善朋

今後の開催予定 編集

  • 第40回 - 2025年 (令和7年) 2月21日〜24日 - 豊橋競輪場 (5年ぶり2度目)

エピソード 編集

  • 第39回(2024年)までで、完全優勝(予選・準決勝とも全て1着)達成者は、1名[20]
また、同一大会でスタールビー賞1着選手が優勝したケースは、井上茂徳のほか郡司浩平(第36回)、古性優作(第38回)の3名のみ。
  • 連覇は、中野浩一(第4回・第5回)、古性優作(第37回・第38回)の2名のみ。

決勝戦テレビ中継 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 青森競輪場が最多であるのは、初期の夏季開催であった頃に多く開催されたことによる。但し、青森競輪場は例年冬季は開催休止するため、2月開催の現在では青森競輪場で開催されることはない。青森競輪場に次ぐのは、岸和田競輪場大垣競輪場の4回だが、このうち岸和田競輪場においては現在は高松宮記念杯競輪を積極的に引き受けているため本大会が開催される見込みは少ない。
  2. ^ 実際には、最終日の1,481名が最高だった。
  3. ^ 実際には、最終日の5,670名が最高だった。
  4. ^ 北日本、関東、南関東、中部、近畿、中国、四国、九州に分ける。
  5. ^ なお2014年の第29回では開催初日が中止順延となったため決勝戦も当初予定より一日遅れて2月12日に行われたが、放送は順延されず当初の予定通り2月11日に12R準決勝を放映している。
  6. ^ 2010年の第26回は、BSジャパンでもとちぎテレビ制作のものを放送した。

出典 編集

  1. ^ 『平成17年度ふるさとダービー【GII】』の出場選手の決定について
  2. ^ 平成21年度特別競輪等の開催場等について
  3. ^ 平成24年度以降の特別競輪等の見直し及び平成23年度高松宮記念杯競輪開催場について
  4. ^ 川崎G1全日本選抜競輪は無観客開催、当初予定変更 - 日刊スポーツ、2021年2月4日
  5. ^ “清水がG1初制覇…全日本選抜競輪”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2020年2月11日). https://hochi.news/articles/20200211-OHT1T50128.html 2020年2月11日閲覧。 
  6. ^ a b c d 日刊スポーツ大阪本社版2021年2月23日9面
  7. ^ 読売新聞社杯全日本選抜競輪(GⅠ)(SZ6) (PDF) 副賞を含まない金額
  8. ^ a b c 平原康多が後方から伸びて2着 山田英明3着/豊橋 - 日刊スポーツ、2020年2月12日
  9. ^ 読売新聞社杯全日本選抜競輪(GⅠ)(SZ6) (PDF) 副賞を含まない金額
  10. ^ 読売新聞社杯全日本選抜競輪(GⅠ)(SZ6) (PDF) 副賞を含まない金額
  11. ^ a b c KEIRINスポニチ [@sponichikeirin] (2022年2月23日). "【#取手 #全日本選抜】▼#決勝賞金(副賞含む)". X(旧Twitter)より2022年2月23日閲覧
  12. ^ 読売新聞社杯全日本選抜競輪(GⅠ)(SZ6) (PDF) 副賞を含まない金額
  13. ^ a b c “古性優作が中野浩一以来34年ぶり大会連覇 脇本雄太の番手で競り勝ち最強タッグ証明/高知G1(写真ニュース)”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2023年2月27日). https://www.nikkansports.com/public_race/photonews/photonews_nsInc_202302270000156-4.html 2023年2月27日閲覧。 
  14. ^ 読売新聞社杯全日本選抜競輪(GⅠ)(SZ6) (PDF) 副賞を含まない金額
  15. ^ 【岐阜競輪・GⅠ全日本選抜】深谷知広「松井はいい先行でしたが、自分の判断が良くなかった…」”. 東スポWEB (2024年2月9日). 2024年2月10日閲覧。
  16. ^ a b c “【競輪】全日本選抜競輪の決勝リプレー/岐阜G1(写真ニュース)”. 日刊スポーツ (日刊スポーツ新聞社). (2024年2月13日). https://www.nikkansports.com/public_race/photonews/photonews_nsInc_202402130000164-0.html 2024年2月13日閲覧。 
  17. ^ 選考基準 ⇒ ここから「読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)」をクリック
  18. ^ 平成29年度寛仁親王牌・競輪祭・全日本選抜【GI】概定番組変更について - KEIRIN.JP、2017年8月24日(平成29年度寬仁親王牌世界選手権記念トーナメント・朝日新聞社杯競輪祭・読売新聞社杯全日本選選抜【GI】概定番組
  19. ^ 2017年2月の第32回大会までは、4日目(最終日)のみ全11レースしか設定されないため、3日目「一般」各レース7〜9着9名が最終日を待たずに強制的に(失格はなくても)途中帰郷(「お帰り」)させられていた[18]
  20. ^ 2018年版競輪年間記録集(45頁)” (PDF). KEIRIN.JP. 2019年5月27日閲覧。

外部リンク 編集

関連項目 編集